C-4 位置指定道路を変更・廃止したいとき


今回は既に存在している『位置指定道路』を取りやめたい・変更したいというお話。
そんな時は、位置指定道路の廃止・変更の手続きを取っていかなければなりません。

しかし、位置指定道路は建物を建築出来るようにするために指定を受けるものですから、簡単にやめたり・変えたり出来るのであれば、建築基準法の意味がなくなってしまいます。
例えば、位置指定道路の所有者の意思だけで取りやめが出来るとしたら、分譲された土地の所有者達は、現在の建物を解体した後、新しい建物を建てることが出来なくなってしまいます。
ですから、位置指定道路の廃止・変更には厳しい制限が課されているのです。
位置指定道路になった時点で、その土地は準公的なものであって、自由に処分が出来るものではなくなった、という事ですね。

位置指定道路の廃止・変更のためにはその土地の所有者だけでなく、その道に接する土地の所有者などの承諾書が必要となります。
(隣接する土地の所有者すべて、という訳ではありませんが、かなり広い範囲での承諾書が必要になります。)
さらに、その承諾書を貰うべき人が亡くなっている場合には、法定相続人(多くの場合、配偶者と子・孫・曾孫)全員の承諾が必要になります。

その位置指定道路だけに面する建物がある場合には、事実上、位置指定道路の廃止はかなり難しいと言えるでしょう。

位置指定道路の周辺すべてが更地で単独所有となっている場合には廃止も可能でしょうが、
そもそも『住宅を分譲する為の道路』である位置指定道路の周辺が、更地であるというのはあまり考えられない、というのが現実です。

また、単なる廃止ではなく、変更の場合には、土地の測量・分筆が再度必要になってきますから、やはり土地家屋調査士に一任するのが通常です。

札幌市道路位置指定申請審査基準 第15条3項では位置指定道路を変更または廃止する場合に必要な承諾書について定めていますので、引用してみます。

(札幌市道路位置指定申請審査基準第15条3項)
(3)承諾書
ア 承諾書を要する者は以下に掲げるものとする。
①変更により、新たに道路敷地になる土地又はその土地にある建築物若しくは工作物の全部事項証明書「甲区」「乙区」欄の全権利者
②既存道路への腹付けによる幅員変更にあっては、腹付け部分の敷地の土地の全部事項証明書「甲区」「乙区」欄の全権利者
③変更又は廃止により、道路敷地外になる土地(一部廃止又は全廃止を含む)
 又はその土地にある建築物若しくは工作物の全部事項証明書「甲区」欄の全権利者
④廃止にあって、すみ切のみ(路線の廃止を伴わない)の場合は、その土地の全部事項証明書「甲区」欄の全権利者
⑤廃止により接道義務違反は生じないが、既存建築物の主たる玄関(正面玄関)
 及び車庫が指定道路に面している等、現に使用されている場合(図-6、例示2~4の建築物)には、 建築物の全部事項証明書「甲区」欄の全権利者
⑥ ①~④の権利者が死亡している場合は法定相続人全員
⑦ ①~④の権利者である会社が倒産・閉鎖している場合は、代表清算人等

イ 承諾書の内容は以下に掲げるものとする。
 ① 承諾書は(様式-1)とする。
 ② 承諾書の押印は実印を使用し印鑑登録証明書を添付する。

とにかく沢山の関係者に実印を押して貰わければならない、という事です。

「甲区」の権利者とは通常、不動産の所有者ですが、「乙区」の権利者というのは、抵当権者・・・つまり住宅ローンの借入先である金融機関などが多いのです。
と、言うことはもしローンの残債が残っていた場合には、金融機関からも実印と印鑑証明書を貰わなければならない訳で、これはもう実務上ほぼ不可能であると言えるでしょう。

位置指定道路の所有者にとっては不利な取扱いですが、位置指定道路に面した土地が、
その廃止によって建築基準法違反の状態にならないよう保護されているという意味もあります。

そもそも論として、位置指定道路の所有者は宅地の造成・分譲で十分な利益を得ている訳ですから、そのメリットと引き換えの不自由さと考えれば、やむを得ないでしょう。

このブログでは位置指定道路について、除雪の問題など書いていますが、その存続についてはとりあえず楽観視してもよいかと思います。

当記事は2013年09月18日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

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