調21 清田・真栄地区

当記事は2014年05月15日および2016年03月09日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調21『清田・真栄地区』です。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

主要市道9903号『羊ケ丘通』の両脇が指定されており、東側の境目は『厚別川』です。

ちなみに、札幌市内の『羊ケ丘通』は(北海)道道ではありません。
北広島市内に入ってから、道道1147号、そして道道790号と接ぎ木のように伸びてゆきます。

この地区計画は『沿道A地区』『沿道B地区』という二つの地区に分けられていますが、どちらも『近隣商業地域』に準じた建築制限となっており、さらに敷地面積の最低限度がそれぞれ500㎡300㎡と定められているため、大規模なロードサイド施設が建築されることを念頭に置いて都市計画が定められています。

羊ケ丘通の東側は今日現在、Googleマップでは病院以外に何もない原野の状態になっていますが、近年、著しく開発が進んでおり、昨年末にはホームセンターと家電量販店がオープンしました。

「医療法人北武会 美しが丘病院」平成23年11月1日 移転

「100満ボルト札幌清田店」平成25年11月29日 オープン
「スーパービバホーム清田羊ヶ丘通店」平成25年12月7日 グランドオープン

羊ケ丘通の西側については、中・小規模な店舗・事務所が所在しています。
「富士レンタル株式会社 札幌清田営業所」「中央鉄建株式会社」
「リトルレンタ・リース株式会社」「株式会社YSS札幌」「ジャックオート株式会社」

どうも、中央鉄建さん以外は、この地区計画が決定されるより以前からあるように見えますが・・・
どういった許認可体制になっているのかは、あえて調査していません。
この地区の南西側については、札幌市の堆雪場として利用されています。
いわゆる雪捨て場ですが、札幌市内の堆積場は不足が叫ばれており、こちらも貴重な場所ということになります。

北東側については、バス会社
「有限会社クローバー観光」の露天駐車場となっています。
(おそらく借地かと思いますが、登記を確認した訳ではありません。ちょっとそこまでの費用と時間はないのです。)

北側のクローバー観光のバス置場と南側の美しが丘病院の間の土地についても、現在造成工事を行っているような形跡があり、こちらも大規模店舗の出店が予想されています。

地方紙を読み込んでいれば、この辺に何が出来る予定、というのも掴みやすいのですが、まぁ『札幌アートヴィレッジ』のような例もありますし、あまりその辺には拘泥していません。
大規模開発の案件に関与する機会は少なく、相続対策・賃貸建物管理・不動産売買が業務の要でして。

…さて、地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より南東へ約10㎞に位置する周辺が市街化区域で囲まれた市街化調整区域で、
 隣接する都市計画道路「羊ヶ丘通」や上・下水道等の都市基盤は既に整備が完了している。
 「札幌圏都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」では、都市の効率的な維持、
 整備を行うため、周辺が市街化区域で囲まれた市街化調整区域において地区計画制度を活用し、
 周辺市街地と調和のとれた土地利用の誘導を図っていくこととしている。
 そこで、本計画は、用途地域等の指定に代わる土地利用制限を定めることにより、
 当地区で計画されている開発事業の事業効果の維持増進や計画的な土地利用の誘導を行い、
 緑豊かで良好な市街地の形成を図ることを目標とする。

最近連続で紹介している『穴抜き市街化調整区域』ですね。
次回の都市計画の見直しの際、市街化区域に編入される予定です。

こういった『穴抜き市街化調整区域』は他にも
新川北地区』『前田公園南地区』『曙11条2丁目地区』があります。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

(この地区計画の解説書は作成されていません。)

『穴抜き』全般そうなのですが、今後の動向が注目される地区ですね。

決定:平成22年4月6日  変更:平成23年6月15日 の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

【2016年03月09日追記分】
『調21 清田・真栄地区』は『穴抜き市街化調整区域』は、羊ケ丘通沿いに位置し、
現在、『100満ボルト札幌清田店』『スーパービバホーム清田羊ヶ丘通店』『医療法人北武会 美しが丘病院』など、俄かに活気付いている地区ですが、
平成28年9月30日に、『ユニクロ』と『GU』、『スシロー』が出店する予定というお話です。

実は前回の記事の後、平成26年9月には海外自動車のディーラー、
『インポート・プラス札幌清田店』が『美しが丘病院』の北側に建っています。
 参考:株式会社インポート・プラス http://www.import-plus.com/

『ユニクロ』等の予定地は清田区清田237番地、『インポート・プラス札幌清田店』の更に北側なのです。

当時の様子を見ると大変荒涼とした立地ですね。

 ユニクロ・GUのメガ路面店 札幌・清田に今秋登場(2016/03/04)
  http://hre-net.com/keizai/ryutu/17978/

ユニクロ(本社・東京都港区)とジーユー(同・同)が関東以北最大規模の路面店
札幌市清田区に出店することに伴う住民説明会が3日、
午後6時半から同区の清田区民センターで開かれた。
オープンは9月30日が予定されている。
説明会は、大規模小売店舗立地法の規定に基づくもので、
店舗概要や交通量調査、騒音調査の結果が報告された。
建物設置者はオリックス(本社・東京都港区)で、
地権者から約4530坪の土地を賃借して店舗を建設する。
平屋の店舗面積は、約908坪で真ん中に壁を設けて向かって
右がユニクロ店舗、左がジーユー店舗になる。
また、別棟に約115坪の建屋も建設、
ここには回転寿司のスシローが入ることになっている。
 
駐車場は店舗前に117台の収容スペースを作る。
営業時間は午前10時から午後8時でスシローは午前10時半から午後11時。
(中略) 
関東以北最大の路面店になることについて、
説明会に出席したファーストリテイリング(ユニクロ、ジーユーの持株会社)
楢木野貴亨出店開発部出店開発チームマネジャーは、
「2社はロードサイドの路面店で成長してきたので、このモデルに今後も注力していくため出店を決めた。
ショッピングセンター(SC)内の店舗との棲み分けも図っていきたい」と話した。
近隣のイオンモール札幌平岡SC(清田区平岡3条5丁目)内にあるユニクロ店舗については、
「今度の店舗の営業状況をみながら判断していきたい」(楢木野氏)とした。
 
新店舗の立地場所は、清田区清田237番地の羊ヶ丘通沿い。
このあたりの羊ヶ丘通には、食品スーパーのダイイチ清田店やツルハドラッグ清田店、
家電量販店の100満ボルト札幌清田店、大型ホームセンターのスーパービバホーム清田羊ヶ丘店があって、
今度のユニクロ・ジーユーの出店により買い物回廊としてさらに魅力度がさらにアップする。

なお、住民説明会は6日(日)も午後2時半から清田区民センターで開催される。
(上記URL記事より引用。着色・強調は筆者による。)

・・・と、まぁこんな話な訳ですが、どんどんと市街化が進んで行っていますね。
記事ではこの地区が市街化調整区域である事について触れられていません。

また『調22 前田公園南地区』なども、オリックスの賃借権で開発がされており、同じような類型で市街形成が行なわれているような感もあります。

どこにでもイオン、どこにでもサツドラ、どこにでも西松屋、というような商業地形成は、資本主義の性質上やむを得ない部分もありますが、正直な処、もう少し特色のある『まちづくり』が成されてもよいのでは、と思わないではありません。

ただ、それを実現する為には誰かがリスクを取らなければならない訳で、
このような広大な土地に店舗を立地するのは大企業か国、自治体にしか出来ません。

例えば、商店街の復興となるような個性的な街並みを目指す、というのは理想ではありますが、大企業は営利を目指すものですし、国や自治体がこのような開発を行なう事は、いわゆる『ハコモノ行政』であって、理想論を幾ら言っても、役人の利権にしかならない訳です。

実は、前回は紹介しなかったのですが、『清田・真栄地区』の地区計画は、
平成22年4月に決定された後、翌平成23年6月に変更が加えられているのです。

当初の計画では、羊ケ丘通に面する部分(道路中心線から60m)のみが商業地で、
それより奥の部分は住宅地としての利用が想定されていましたが、
立地や土地の形状を総合的に考えて、それでは人が住みつかないと考えたのでしょう。
変更後の計画ではすべてが商業用地となり、今回のようなマンモス施設の建設が可能となった訳です。

『清田・真栄地区』もまだ広い区画が何区画か残っていますから、
残りの区画に動きがありましたら、またご紹介させて頂きます。
特に気になるのは、100満ボルト・ビバホームの正面の大規模地、
あそこが何になるかで、地域の毛色も随分と変わってくるように思います。


・・・今回の件も話自体は昨年の段階で出ていたのですが、
アートヴィレッジのように記事が出ても大ゴケする事もある訳で、
本格的に着手されるまで、様子を見ていたのです。
まぁ、大資本連合で手掛ける訳ですから、頓挫する可能性は薄いと思いますが。

 札幌・清田に「ユニクロ」、「ジーユー」が1000坪級路面店 (2016/02/23)
  http://hre-net.com/keizai/ryutu/17906/

 「ユニクロ」と「ジーユー」と「スシロー」 札幌・清田に来年10月出店(2015/05/19)
  http://hre-net.com/keizai/ryutu/14957/

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