E-1 市街化調整区域とは何か

『市街化調整区域』は『都市計画法』により『原則、建物が建てられない土地』です。

・・・『市街化調整区域』については結構知名度があるので、もう少し詳しく紹介してみましょうか。

昭和43年に施行された『都市計画法』により、日本全土には『都市計画区域』『非線引区域』が区分され、都市計画区域はさらに『市街化区域』『市街化調整区域』に分けられてゆきます。
札幌市周辺では、昭和45年『市街化区域』『市街化調整区域』が設定されています。

そもそも論として、何故このような区分があるのでしょうか?

戦後、昭和21年『自作農創設特別措置法』による農地解放によって、大地主から小作人たちに土地が振り分けられ、その土地が次々と宅地造成されて宅地化してゆきました。
高度経済成長もあって、あまりに急速に宅地化が進むものですから、昭和30~40年代にはそこらじゅうに新興住宅地が広がってゆきます。
札幌市でも、畑の中や山の中にポツンと住宅地が出来ている場所がありますよね。
(これらの孤立した住宅地のその後については、シリーズで個別に紹介してゆきます。)
こういった、野放図な開発によって、市街が収束せずにバラバラになってしまうと、インフラの維持にも多額の予算が必要になりますし、何より、供給過剰によって不動産の価値が下落してしまいます。
これを都市計画用語でスプロール(虫食い)化と言います。

スプロール化を防止するには、『宅地開発が出来る地域』とそれ以外を区分する必要があったという訳です。
また、より踏み込んだ内容として、その中で更に『住宅地』『商業地』『工業地』といった区分を設けることで、市街形成を合理化する必要もありました。

つまり、それが『都市計画法』施行の目的であった、という事です。

札幌市の最新のデータでは、市域に占める面積割合は、非線引区域は49.34%、市街化区域は22.31%、市街化調整区域は28.34%です。

非線引き区域は都市計画区域より広く、市街化調整区域は市街化区域より広いのです。
一般の建物が建てられる住宅地が4分の1にも満たないというのは意外かもしれませんね。
まぁ、非線引き区域はその殆どが南西部の国有林という事なので、
いわゆる一般のイメージでの『札幌市』のエリアからはちょっとずれるかもしれません。

とはいえ、都市計画区域の過半数を市街化調整区域が占めている訳です。
・・・たぶん、取引額では数パーセントにも満たないと思いますけれど。

市街化調整区域では、都市計画法により、原則、開発による市街化をしてはいけません。。
都市計画法 第7条3項『市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。』

『市街化』とは、建物の建築や樹木の伐採などもそうですが、自治体が行うべき道路や上下水などの配管の整備も、現状以上に拡充はしない扱いになっています。
ですから、法律に違反してどうにか住もうと思っても様々な障壁がつきまといます。

市街化調整区域の土地は通常『家庭菜園用』とか『資材置き場用』として売られていますが、
上水道が通ってなかったら野菜の水撒きもできませんし、
資材や車両をちょっと洗おうかとか、休憩に水道水を飲もうかという事も出来ない訳です。
下水道が通っていなければ水洗トイレも使えず、仮設トイレを使わなければなりません。
(もちろん、上下水道完備・電気使用可能な市街化調整区域も一定数あります。)

例外的措置として、『市街化調整区域で認められる建築行為』というのもあるのですが、
フツーの人が持っているフツーの市街化調整区域については、原則、建物の建築は不可能であると考えておいてください。
認められる建築行為の例としては農業漁業用の施設、学校・福祉施設等の公共性の高い施設、採石場や工場などでどうしても市街化調整区域に建築する必要がある施設などなどです。
フツーの人がフツーに持っている市街化調整区域については該当しませんが、フツーの人の先祖がドカッと大量に持っている市街化調整区域については、
工場などの用地としての処分を考えることも可能
です。

許可を得ない場合にはプレハブやコンテナ、物置などの設置も違法とされており、札幌市から撤去を命じられる場合もありますから、注意しましょう。

…自己責任において設置される方は多数いますが、私はお勧めしません。

フツーの人が持っているのは通常100坪程度でしょうから、車や重機、資材を置いておくとか、広いスペースが必要な作業場としては、有用です。
1000坪であるとか、それ以上の規模があるなら、養鶏場だとか、キノコ農園だとか、工場だとか、ちょっとだけ夢も広がりますね。

当記事は2014年03月15日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

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