重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

当記事は2015年1月21日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

この仕事をしていると…と言いますか、どんな仕事をしていても、
同業者と共同で仕事をする、というのはなかなかに難儀なものです。
 
税理士事務所に勤務していた頃は専ら税務署(国税庁)や自治体の税務課が相手で、
同業者と仕事をするのは、グループ企業の連結会計や法人同士の折衝など、
ごくごく限られたシチュエーションだけでしたが、
不動産業では複数の不動産業者が仲介をする『分かれ』=『共同仲介』という形態が、
(手数料の両受けを狙う『両手』に拘泥しなければ)ポピュラーな取引形態であり、
つまりは同業者と仕事をするのはごくごくありふれたシチュエーションなのです。
 
『共同仲介』といって、何をするかと言えば、
双方の条件の折衝や売買の段取りや銀行融資の調整など多岐に渡りますが、
取引において最も重要な業務として、書面の作成業務があります。
主には『売買契約書』『重要事項説明書』がそれにあたりますが、
その他にもそれに付随した書類のやりとりが必要になります。
 
『売買契約書』と『重要事項説明書』の作成…共同仲介といっても、
双方の担当者が何度も面談して綿密に打合せをして…というような作成方法は取りません。
 
売主側か買主側、いずれか一方の業者が素案を作成し、
双方でやりとりし、不明点があれば確認し、修正箇所があれば随時指摘する。
取引条件の交渉内容がきちんと書面に織り込まれているか、念入りに確認する。
…といった風に、何度かやりとりをして契約書面を完成させてゆきます。
(その際に、必要があれば共同で現地調査をしたり、面談で打合せをすることもあります。)
 
作成するのは、一般的には売主側の業者が作成する方が多いようです。
(売主側の方が当然その物件についてよく知っているから、という事情があります。)
 
さて、一連の不動産一括査定サイトに関する記事の時もそうでしたが、
当ブログの記事は私の気分次第で題材をチョイスしている傾向が強く、
特に不動産業界の気に食わない話題については私怨丸出しで取り上げてきました。
 
そして、今日のお話も私怨です。
 
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』という項目のお話。
 
前提条件として『重要事項説明』というのは、不動産の買主・借主に対して契約に先立って、
その契約を結ぶかどうかに影響し得る『重要な事項』を書面を提示した上で説明する、という制度です。
この書面の作成買主・借主への説明については宅建主任者が行わねばならない事になっています。
 
『重要な事項』というのは、法令的な制限の他にもインフラの整備状況や、
取引条件…特に支払や融資や保証、解約に関して特に説明するべき事項が定められており、
国が定めた以外の事項であっても、契約に影響するような事項は告知すべきとされています。
 
そして、国土交通省が定める『重要な事項』のうちの一つが、
『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』なのです。
 
それでは、この項目で説明するべき内容というのは、どういったものなのでしょうか。
 
不動産流通近代化センターが運営する情報サイト不動産ジャパン』の説明を抜粋しましょう。
 http://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/8_2_3.html
 
 瑕疵担保(かしたんぽ)責任の履行に関する措置
  売り主が講ずる瑕疵担保責任の履行に関する措置について説明されます。
  瑕疵担保責任の履行に関する措置とは、売り主が倒産などにより、
  瑕疵担保責任を負うことができない場合でも、
  保険への加入などにより瑕疵担保責任を履行するという制度です。
  平成21年10月1日より、新築住宅の売り主には、
  瑕疵担保責任の履行に関する措置を講ずることが義務化されました
 
  *瑕疵担保責任:宅地または建物に、
   契約の締結当時に隠れた瑕疵(欠陥など)があった場合に、
   売り主が買い主に対して負う責任のこと。
 
ざっくり言うと、
『万一、不動産に何か欠陥があった時、売主はその保証をするけど、
 保証するための準備として、具体的にどんな事をしているかを説明するよ』
…という項目なのです。
 
『保証するための準備』とは、法務局に供託金を収めたり、
住宅かし保険に加入するといった事で、特に新築住宅の売買の場合には、
この『保証をするための準備』をする事が瑕疵担保履行法で義務付けられています。
 
一方で、土地の売買の場合では、『保証すること』はあっても
『保証するための準備』をする事は実務上、まずありません。
 
中古住宅や中古マンションの場合も基本的には土地と同様で、
例外的に、任意で住宅かし保険に加入している場合には、
この項目に記載される事になりますが、
保険へ加入しての取引はまだまだ少数派のようです。
(ごめんなさい、具体的な加入率についてはデータが見つけられていません。)
 
話を戻して『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』とは、とどのつまり何なのか。
 
それは『保証するための準備をしているかどうか』という事です。
『保証自体をするか否か』では、ないのです。
 
この二つを混同している不動産業者が、大変多くて、うんざりします。
 
『保証自体はするけど、保証の為の準備(保険加入など)はしません』という取引条件なら、

瑕疵担保責任の履行に関する措置は、『講じない』とするのが正解なのです。

 
こちらが作成した『重要事項説明書』に対して、
『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要が”講じない”となっているんですけど、
 瑕疵担保責任は負って頂けないんですか?それでは困るのですが…
『瑕疵担保責任は”負わない”とするべきで、”講じない”というのは誤りではありませんか?』
などと言う確認・質問を受ける事が多々あり、
オドレはホンマに宅建主任者か?!と思いながら、以上のような説明をするのです。
 
もう数年前の話ですが、更地の取引で買主側の担当者とこういったやりとりがあって、
『事前に買主様にも説明しておいて下さいね』と言っていたにも関わらず、
重要事項説明の最中に瑕疵担保責任を負ってもらえないなんて聞いてない!』と、
買主様が機嫌を損ねてしまった、という経験もあります。
『期限内の瑕疵担保責任は負いますが、その保証を履行するための措置…
 …つまり、保険への加入などは行わないという意味です。』
と、すかさず口を挟んだものの、
買主さんが一度抱いた疑念というのはすぐには消えないもので、
『瑕疵担保責任の期間が過ぎてしまったらどうするのですか?』
などと、ミもフタもない事を言われるものですから、
『この期間を取引条件として価格などが決定されていますから、延長する事は出来ません。
 土地に関する法令的・実務的な調査は弊社でも既に実施していますが、
 ご不安であれば期間内に土壌汚染や地中埋設物に関する調査を行なって下さい。』
と、言って、まぁ不承不承ではありますが契約を締結したことがあります。
(その後、その更地には無事住宅が建築され、買主様が居住されています。
 もちろん、土壌汚染や地中埋設物のリスクが高い場合には事前に説明します。)

 
この項目、必要な取引の時以外には省略してしまいたいのですが、
『講じない場合には講じない事を説明する事を国に義務付けられているため、
省略する事は出来ず、苦々しい思いをしながら日々を過ごしている次第です。
 
記載ミスや誤字脱字程度の事はともかくとして、
法令に関する理解そのものの問題になると、ちょっと困ってしまいますね。

この項目は平成21年の『住宅瑕疵担保履行法』の施行に伴い追加されたものです。
ですから、経験が長く、勉強不足の宅建主任者は知らない項目かもしれません。
不動産会社の担当者がこの項目の内容について正確に答えられるかどうかが、
その担当者のスキルを図る一つの目安になるかもしれませんね。

ハウスメーカーや工務店の場合には日常的に出てくる項目ですから、
それらの住宅営業マンがこの項目を知らなければ、論外と言えるでしょう。

それ以外の不動産業者の場合は経験か知識のどちらかが不足していると言えます。
普段賃貸ばかりやっていて売買の経験が浅いであるとか、
土地の取引ばかりしていて建物の取引実績が少ないであるとか、
ほとんど現場以外の仕事をしていて実務を知らないであるとか、
まぁ、そういった事情が考えられますが、どのような事情にせよ、
この項目の詳細を知らない場合、ちょっと頼りないと言えるかと思います。

 

中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか

当記事は2015年1月19日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

ところで、これまでの記事で『新築住宅でなくても任意で瑕疵保険に加入する事は可能』と紹介してきましたが、
『新築で義務の保険』と『新築以外で任意の保険』にはどのような違いがあるかも、紹介しておきましょう。

『新築で義務の保険』は1号保険『新築以外で任意の保険』は2号保険と言い、それぞれの特徴は下記の通りです。

義務化保険(1号保険)
 住宅瑕疵担保履行法第19条第1号に規定されている資力確保義務に対応した保険契約。

 被保険者が建設業者または宅地建物取引業者であって、
 未だ人の居住の用に供したことのない住宅で、
 建設工事の完了の日から起算して1年以内に

 発注者または買主(以下「住宅取得者」)に引き渡された住宅を対象とするものです。
 ただし住宅取得者が宅地建物取引業者である住宅は任意保険(2号保険)となります。

任意保険(2号保険)
 住宅瑕疵担保履行法第19条第2号に規定されている1号保険以外の保険契約。
 〈任意保険の例〉
 完成から一年を超えて引き渡された住宅
 建設業の許可の不要な事業者が建設した住宅
 住宅取得者が宅地建物取引業者である住宅

対象となる物件が新築か否かで1号保険、2号保険が分かれてくる訳ですが、
原則的には、保険による保証の内容は同一です。

1点だけ異なる点は1号保険のみ『指定住宅紛争処理機関』を活用できる、という点です。
『指定住宅紛争処理機関』とは業者と消費者の間に瑕疵にまつわるトラブルがあった時、
自身で弁護士へ依頼せずとも、
第三者である弁護士による「調停」または「仲裁」を受ける事が出来る機関です。

『紛争処理機関』に支払う手数料は1万円こっきりで他の費用はかからないとの事です。
通常、弁護士に依頼すれば裁判までゆかずとも
報酬や実費で少なくとも数十万円の費用が発生します。
裁判に至れば更に費用が発生する訳で、
『紛争処理機関』は非常にお手頃な相談先であると言えます。
原則的にはその「調停」に従う事とされていますが、
どうしても不服があるという場合には、
裁判などの手段に訴え出る事も可能です。

2号保険(新築住宅以外)の場合、直接話し合うか、弁護士に依頼する事になります。

『特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律』は、
真面目にやっている事業者にとっては負担となるだけという批判もありますが、
本当にその業者が信頼できるのかどうか分からない消費者にとっては、
ある程度は有意義な制度であるという事が出来るでしょう。

新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します

当記事は2015年1月13日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

さて、ここまでは『品確法』に基づく『新築住宅』の定義を3回に渡り掘り下げてきました。
『品確法』では、『欠陥住宅からの消費者保護』を目的として、
売主に引渡し後10年間の瑕疵担保責任(欠陥の保証)を義務として課しています。

これは建築業者、不動産業者だけでなく一般消費者についても課されている義務です。

『品確法』は平成11年6月23日に公布された法律ですが、
実は、欠陥の保証をするにあたってはこの法律だけでは不十分だったという事情があります。

それがヒューザー・姉歯耐震偽装問題に端を発した欠陥マンション問題です。

ぶっちゃけ『10年間の保証をする義務は課したけど、具体的にどう保証するかは決めていなかった』のです。
建築会社や分譲会社が倒産した場合に、
消費者を保護する手立ては殆どなかった
という状況があります。

そこで満を持して登場したのが『特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律』です。
(平成19年5月30日公布、平成21年10月1日施行)

この法律では、建築業者や不動産業者に対して、
『10年間の保証義務をきちんと果たせるようにする』事を目的
としています。

具体的に、どのように保証するかと言えば、
①法務局に供託金を預ける
②瑕疵保険に加入するのいずれかの方法が定められています。
『品確法』の瑕疵担保責任は一般消費者が新築住宅を転売する際にも課されますが、
『瑕疵担保履行法』の義務は、一般消費者が売主の場合には該当しません。

の方法では住宅の引き渡しから10年間、法務局に所定の供託金を預託する事が必要になります。

1戸の場合は計2000万円、10戸の場合は計3800万円(1戸380万円)、100戸の場合は計1億円(1戸100万円)…
まぁ、大変多額の現金を10年間寝かせておかなければならない事になります。

の方法では、国土交通大臣が指定する5つの『住宅瑕疵担保責任保険法人』
『住宅瑕疵担保責任保険』のいずれかに加入し、保険料を納入します。
これがいわゆる『住宅かし保険』で、
法人によって『すまいまもり保険』『住宅あんしん保証』などの商品名があります。

 ◇株式会社住宅あんしん保証
 
 ◇住宅保証機構株式会社
 
 ◇株式会社日本住宅保証検査機構
 
 ◇株式会社ハウスジーメン
 
 ◇ハウスプラス住宅保証株式会社

 ※ 過去に『たてもの株式会社』も瑕疵保険の引受を行っていましたが、
   平成23年9月14日付で国交省へ廃業届が出され、
   平成23年11月16日に破産決定されました。
   既に引き受け済みの保険契約については、
   『株式会社住宅あんしん保証』が引き継いでいます。

①供託②保険かを選択するのは、義務を負う業者ですが、

2000万円もの現金を10年間寝かしておくよりは、
幾許かの保険料を支払う、というケースの方が多いようです。
(マンションなど比較的まとまった戸数の場合には、
 供託方式が選択される場合もあります。)

これにより、住宅の購入者が取得した新築住宅の欠陥について
10年間の保証を受けられる制度的担保が確立した
と言えます。
(まぁ、この保険制度については色々と批判もあるようですが、
 この場では割愛します。)

さて、この『かし保険』は新築の場合には事業者に加入義務があり、
新築以外の場合には、任意保険として加入する事が出来ます。
次回は、新築の場合と中古の場合の『住宅かし保険』の違いを紹介します。

業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘

当記事は2015年1月7日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

ええと、もうちょっと『新築』の定義についてもうちょっと掘り下げてみる事にしました。
いい加減しつこいのですが、品確法と公正競争規約での『新築住宅』の定義は『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』です。

 
で、その『人が住んだことがない』という状況を
客観的に立証するのは非常に難しい
というお話をしました。

例えばその建物に住民票を移していたとしても、
実際に居住していない場合『人が住んだことがない』と判断される、とも解説しています。
 
しかし、私のこの見解には詳細な客観的根拠がありません。
そこで、国土交通省の担当部署:住宅局住宅生産課へ問い合わせてみる事にしました。
問い合わせをするにあたって、こちらも十分な理解がなければなりませんから、
法律や手引きを読むほか、インターネット検索でも色々と文章を読んでみることにしました。
 
すると、不動産業界に勤務するという色々な方のブログがヒットします。
また、Yahoo!知恵袋のような質問サイトにも多く行き当たりました。
それらをじっくりと読んでみましたが…
ホントにこの業界の俗説と都市伝説の多さには、溜め息が出るばかりですね。
 
前回紹介したように、『工事完了日』とは実態として建物が引渡し可能となった日を指します。
建築確認検査済証の交付を受けた日や建築確認検査を実施した日、
建築確認検査済証に記載された工事完了日など、色々な見解がありますが、
まぁこれらは100%正解とは言えませんが、100%誤りでもありません。
 
しかし、まったくもってヒドいのは登記と新築に関する理解。
『表題(表示)登記がされた時点で新築ではなくなる』
『保存登記をした時点で新築ではなくなる』などなど、
俗説をまことしやかに書いている人間が、殊の外多いのに驚いてしまいました。
 
…ひどい話では新築後1年を経過すると表題登記をしなければならない』という、
どこから聞いたの、その話?!というような論もあり、辟易してしまいます。
不動産登記法に定める表題登記の期限は新築後または取得後1ヶ月以内です。
(所有権移転に使う『住宅用家屋証明書』
の期限の1年以内と混同しているのでしょうか?
 原則は一ヶ月で罰則も定められているのですが、
 実務上は諸事情あって、表題登記されないまま何年も経っている建物も多いのです。)

表題登記も保存登記も、その建物に関する権利関係を明白にするためのものです。
(表題登記は土地や建物の性質を記録するものですが、それは権利関係を明白にするための記録です)
 
ざっくり『所有権がある』=『住んでいる』という事にならないなんて事は、
賃貸用戸建や賃貸アパートの登記名義が住んでいる人とは別である事を示すまでもなく、自明です。
 
Yahoo!知恵袋などで一般消費者の方がそのような勘違いをするのは仕方がありませんが、
仮にも不動産業界にいる人間が宅建主任者を名乗って書く文章が、
そのような耳学問の俗説で語られているというのは、同業者としてちょっと恥ずかしいですね。
 
…なーんて言ってますが、当の私もこのブログに書いている内容が、全て正しいとは思っていません。
用語に誤りがあったり必ずしも正しくない言い回しを使っていたりしても、
あえてそのままにしている箇所もあります。
(それは表現上・ニュアンスの分かりやすさを優先した都合であったり、
 文章の一部だけ
直すと収拾がつかなくなったり、事情はいろいろです。)
また、私自身が気付いていない誤りも、おそらく多々あるはずです。
 
だからこそ、一つ一つの案件に沿って法令条文を引っ張ったり、
役所へ問い合わせる事が大事なのであって、
インターネットで気軽に調べたものを回答とするのは、プロの仕事ではありません。
このブログは私がプロとして有償で活動しているものではありませんから、
当ブログの免責事項でも触れていますが、当ブログの内容について、
誤りがあったとしても、私は何の保証も致しませんので悪しからずご了承下さい。

ただし、プロとして有償で業務を委託された場合において、
その調査によってお客様に損害を与えた場合には、当然にその責任を負うものです。
 
当ブログは一般消費者の方だけではなく多くの同業の方にご愛顧頂き、
それ自体は大変うれしく思っていますが、
意図せざるところで都市伝説や風説を流布しかねないと思うと、
少し空恐ろしい思いにもなり、このような駄文を書き連ねてしまいました。
 
 
…と、いう訳で、国土交通省住宅局住宅生産課へ問い合わせた回答は以下の通り。
①新築住宅は『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』のこと。
②『新たに建築された日』は、実態としての工事が完了した日。
③『人が住んだことがない』かどうかは、実際に人が生活したかどうかで判定する。
建物の表題登記や保存登記は、『新築』の判定とは何ら関係ない
余談ですが、この考え方を適用してゆくと、
モデルルームなどで仮設事務所などのように扱っていた場合でも、
通常はそれを『居住』とは見なさず、『新築住宅』の扱いとなる、という事ですね。
<個人的備忘>
新築住宅とはどういう物件を言うの?その定義とは?│新築住宅購入のポイント・注意点とは?!
 
【新築物件と呼べるのは建物が完成したあといつまで?】│失敗しない中古マンションの見極め方


新築未入居、登記済=中古扱いの物件購入
 http://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/239154/

おしえてください。建築物件(築1年)購入時に「建物表題登記」費用を請求されました。 – 教えて! 住まいの先生 – Yahoo!不動産
 http://knowledge.realestate.yahoo.co.jp/chiebukuro/detail/1079759060/

『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い

当記事は2015年1月5日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

前回の記事、『『新築住宅』ってどういう意味?定義は?』では
『新築住宅』とは『品確法』『公正競争規約』の2つの裏付けから、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』を指すと説明しました。

この2つのうち、特に重要な役割を担うのは『品確法』で、
その目的は『欠陥住宅からの消費者保護』にあります。
新築住宅の主要構造部…つまり、屋根・柱・梁などの部分についての
瑕疵担保責任(欠陥の保証義務)が10年とする義務
が定められています。

この法律には他にも『住宅性能の客観的定義付け』も目的としています。
最近聞くようになった『住宅性能表示制度』はこの法律に基づくもので、
住宅に関して断熱・防音・防災・防犯など一定の基準が定められています。
しかし、これはあくまで任意の規定であり、性能検査を受けない事も可能ですから、
法律の主眼が『欠陥住宅からの消費者保護』にあることは明白です。

さて、そんな前提条件を頭に入れた上で、
『新築住宅』の扱いを具体的に考えてゆきましょう。

◇具体的に『新築』と言える期間はいつからいつまで?
建物が完成した日からそのちょうど1年後までの1年間です。
例えば、令和3年1月2日に建築された建物であれば、
令和3年1月2日~令和4年1月1日までが『新築』の期限となります。

建物が完成した日、というのは建築工事が完了した日を指し、
実態を鑑み、建物本体の引渡しが可能な状態となった日が工事完了日となります。

ただ、その『建物が完成した日』というのが実務上ちょっと難儀で、
特に不動産業者が企画した建売住宅などの場合には、
建築業者から不動産業者に引き渡された日や建築確認手続きの日など、
建物の建築に関していろいろな日付が登場しますし、
かつ、営業マンがいまいちその辺を理解していなかったりします
が、

あくまでも工事の完了日が、『新築』の起算日となります。

◇『人が住んだことがない』ってどういう意味?
人が住んだ事がない、という意味です。
…えーと、何の説明にもなっていませんね。

実のところ、法律や手引きを見ていても具体的な定義付けが見当たらないのです。

他の法律などの扱いを鑑みるに『実際に寝泊まりする』と考えられますが、
それをどのように立証するのかについては、なかなか難しい処があります。

客観的に言えば、住民票を移していたりすれば、居住している傍証になりますが、
これも実態を伴わない(=住んでいない)場合には、無効になると思われます。

『品確法』においては、消費者保護が目的ですから、
このような取扱いについては消費者優位に運用されるはずです。
例えば、瑕疵担保責任を10年とする事を避ける為に、
業者の身内が一時的に居住したり住民票を移したりして、
『新築』扱いでなくすという事は、認められないでしょう。

まぁ、その場合には『新築』という宣伝文句を使えなくなって、
ただの『中古住宅』になってしまう訳ですから、
あまり実用的ではありませんし、通常は考えられない手法ですね。
(『新築』で売る事には、それほどに流通上の優位性があるのです。)

◇人が住まないまま転売された一年内の建物は『新築』になるの?
なります。

…と、言うのは例えばマンションや分譲住宅のデベロッパーが倒産した場合
そのデベロッパーから事業を引き継いだ業者から住宅を購入した消費者が、
売主が異なるからといって保護されなくなるのは合理的ではないという判断です。

消費者が購入した新築住宅を未入居のまま第三者へ転売した場合はどうでしょうか。

この場合でも『新築住宅』という扱いになり、
一般消費者である売主は、10年の瑕疵担保責任を負います。

詳細については、以下の記事を参照して下さい。

新築未入居の物件を売却する場合の品確法上の問題点|不動産流通近代化センター
http://www.kindaika.jp/archives/1622

品確法の定めにおいて『新築住宅』というのは純粋に、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』
…という以上の定義はないのです。

◇『新築』でなくなった建物はどうなるの?
『人が住んだ事のある居住用建物』は単なる中古住宅です。
では、『人が住んだ事がないまま一年を経過した建物』はどうでしょう?

これは不動産取引の慣例上、『築後未入居』『未入居』などと呼ばれています。

かつては『新築未入居』などと言うこともあったようですが、
現在、この言い回しは『公正競争規約』によって、禁止されています。

『未入居』の物件は何らかの事情で注文住宅が未入居のまま売却される場合もありますが、
その多くは建築業者や不動産業者の企画した建売住宅が1年以上売れ残ってしまったものです。

これを狙って強気の価格交渉をしようとする方も多いようですが、
まぁ、広告に掲出されている価格を大きく下回る、というのは、
不動産流通の構造上、ちょっと難しいかもしれません。

どちらにせよ、『新築』でなくなった建物については、
『品確法』上、10年の瑕疵担保責任が義務ではありません。

前回解説した通り、10年の瑕疵担保責任を任意で設定する事は可能ですが、
業者に対する義務として定められているものではありませんから、
『築後未入居』の物件を購入する場合には、この辺りを事前に確認しておく必要があります。

『新築住宅』ってどういう意味?定義は?

当記事は2015年1月3日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

新年あけましておめでとうございます。

ご挨拶はさておき、新年一発目の記事ですから、一般需要の高い記事を書いて行こうと思います。

不動産調査や新しい道路に関する記事で検索順位が高い当ブログですが、
札幌市が分譲する新興住宅地『ウェルピアひかりの』に関する検索でも
各検索エンジンの上位群に表示されるようになってきたようです。

ハウスメーカー・工務店といった売り手の商品情報ではなく、
ある程度距離を置いた人間が俯瞰的にまとめた記事の方が、需要もあるようですね。
(というか、ハウスメーカーの営業さんなどにも読んで頂いているようです。)

・・・と、いう訳で、住宅を新築しようとする方にも閲覧されているようですから、
今回は『新年』『新春』とかけまして『新築』について紹介してゆきましょう。

日常会話で『新築』と言えば新しく建築した建物を漠然と指しますが、
正式には建物の『新築住宅』ってどういう定義の言葉なのでしょうか?

結論から言いましょう不動産流通上、『新築住宅』とは、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』を指します。

根拠は二つあります。

『住宅の品質確保の促進等に関する法律 第2条2項』(以下、『品確法』)
 この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、
 まだ人の居住の用に供したことのないもの
 (建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。

『不動産の表示に関する公正競争規約 第18条1項』(以下、『公正競争規約』)
 建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。

『品確法』欠陥住宅に関する消費者保護を定めた法律で、
この法律に定める『新築住宅』については、建設業者・不動産業者が、
消費者に対して10年間の保証を行う義務がある
ことを定めています。

従来騒がれてきた『欠陥住宅』『手抜き工事』から消費者を保護するための法律ですね。
ただし、定義の通り、建築後1年超の住宅については、保証義務の対象外となります。
(義務がなくとも、任意で保険に加入し保証をする事は可能です。)

『公正競争規約』は、不動産の広告に関する記載のルールを定めたものです。
法律ではなく、業界団体(不動産公正取引協議会)の定めたものですが、
『不当景品類及び不当表示防止法 第11条第1項』では、
業界団体の定めたルールが法律に準ずるものと出来るとされていますから、
限りなく法律に近い定めであり、罰則の規定も定められています。

これにより、広告等でも『新築』の定義は『品確法』で定めるものと同一となりました。

このように『品確法』と『公正競争規約』の両面から、『新築』の定義がされています。
その結果、不動産流通の世界で『新築』という言葉は、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない建物』を指すことになったのです。

余談ですが、ここまでの解説は不動産流通の世界での定義であって、
『新築』という言葉の定義がこれに限られている訳ではありません。

例えば一般の辞書では『新しく建物を建てること。また、その建物。』と定義されていますし、
同じ不動産に関する法律でも、『不動産登記法』では、
『平成27年1月3日新築』といった風に、建築日を示すための用語として使われます。

私はこのブログの記事を書く際に、出来るだけ法律原文を引っ張って来るようにしていますが、
これはインテリぶりたいだとか、文章を権威付けたいといった目的ではなく、
法律によって言葉の定義も様々ある訳で、
根拠を示さずに論を展開する事は非常に危険だからなのです。

『新築』に限らず『事業者』『業務』『土地』『建物』といった用語も、
法律によって定義が多岐に渡り、これを曖昧なまま使う事は非常に危うい
事です。

次回、以下のような具体例を挙げ、更に詳しく『新築』について解説してゆきましょう。
 ・具体的に『新築』と言える期間はいつからいつまで?
 ・『人が住んだことがない』ってどういう意味?
 ・人が住まないまま転売された一年内の建物は『新築』になるの?
 ・『新築』でなくなった建物はどうなるの?

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?


情報発信をやめると、影響力は当たり前に低下する


前回の記事、札幌の不動産屋、ドローン活用を語る③ 運用機材の紹介の公開からちょうど一年が経過しました。

人口密集地域(DID)内でも土地所有者の許可があれば飛行する事の出来、
かつ、高性能なドローンであるMavicMiniの発売に合わせて急ぎで作成したシリーズ記事でしたが、
なんとバッテリーの生産が間に合わず、MavicMiniが発売延期。
結局届いたのは12月の中頃でしたが、その後レビューもしていません。

それ以前も胆振東部地震や東雁来の歴史などを紹介していますが、
ブログの更新頻度はかなり低くなっていたと言わざるを得ません。

元々、7年程前からブログを書いていたものの、
それも1ヶ月に1回程度の更新頻度でさほど更新頻度が高かった訳ではありません。
それでも、独自の記事を継続して掲載していたものですから、
特定のジャンルにおいてはGoogleでの検索順位も高い状態でした。

しかしながら、一年も更新をしていないとなると、
Googleの検索順位が下がる下がる、かつて順位トップだった『大島てる 削除依頼』に関しても、現在は平均掲載順位4.2位。

しかも、私の記事よりも上に表示されるサイトの記載内容がすごい。
掲載順位1位の記事では『誤情報にコメントする』、
2位の記事では『特に削除する方法はない』、
3位は『弁護士に相談しろ』・・・
『大島てる』では心霊記事のような明確なデマ情報について、
コメントをしたところで半年以上も放置される、という事を、
かつて『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うかで紹介しました。
該当記事の事故物件公示サイト『大島てる』への削除依頼の方法とは?では、
その辺りの事情を解説していたのですが、ブログ本体の更新を怠っていたことで、
掲載順位が下がってしまったことで、正しい情報が拡散されず、
価値の低い集客目的・広告収入目的の記事の掲載順位が上がってしまう。

これは、インターネット時代以前においても同様でしたが、
『情報自体の価値に関わらず、人の目に触れる為の情報が生産される』
言うなれば『試験対策の為の勉強』が重視されるような状況はどこにでもある訳です。

しかしながら私はGoogleの管理するページビューの内容分析(アナリティクス)などによって、本当に価値のある情報が取捨選択されてゆくのではないか、という甘い幻想を抱いていたのです。

しかし、やむを得ないことですが現実はそうではありません。

そも、ブログの更新頻度が著しく落ちている事情として、
私の生活環境の変化によるものがあります。
現在、私は3社の法人を経営しており、非常に多忙な状況にあります。

また、このブログは集客を目的としたものではありませんが、
それでもこのブログの記事から不動産に関するご相談を頂く事も多い為、
ブログを書くことで余計に仕事が舞い込んでくるのを避けたいと考えていた側面もあります。
Youtubeなど、別の媒体での情報発信も考えましたが、ただでさえ多忙の為、手が回りません。

まぁ、『大島てる 削除依頼』の件だけではなく、
検索順位が下がることで色々な懸念が出てきてしまいましたので、
今後、多少質が下がることもあるかもしれませんが、ブログの更新を再開します。

【商売に困っている人は、情報発信をしなければ話にならない】
私は、これ以上仕事が来てもキャパシティオーバーを起こしてしまう為、
ブログの更新を停止し、検索順位が下がり、結果影響力も下がる事になりましたが、
起業をした人、しようとしている人、商売が上手く行っていない人に対して、
私がアドバイスすることは『とにかく質の高い情報を発信すること』です。
それが出来なければ『質が悪くともとにかく情報発信を継続すること』。

ブログでもYoutubeでも、情報を発信していなければ、
その人の商売の内容は人の目に触れることはない訳です。

或いは、新規の取引先で名前を検索されて出てくる情報が、
一種の信用調査として利用されている中で、
ネットに自分がプロデュースした情報がないというのでは商売になりません。

私も永らく筆名で活動をしていたり、ブログもロクに更新していない訳ですが、
それはインターネットでの活動を集客目的で行なっていないからです。
集客をしたいのであれば、情報発信をしろ、という当たり前のことを、
わざわざこの場で説明する事もないのですが、最近そういう相談を受けることが多いものですから文末に記載させて頂きました。

今後、少しずつ、頻度は低いままではありますがブログ更新を再開しえゆきます。

札幌の不動産屋、ドローン活用を語る③ 運用機材の紹介

さて、ブログの更新を2ヶ月止めていたのにこのシリーズでは矢継ぎ早に更新しております。
複数の会社の経営者として、この人手不足の折、それなりに多忙に過ごしておりますが『今が旬という話題があると寝る間を惜しんで夜中から明け方にかけてベッドの中でも半覚醒(うたた寝)状態で記事を書いてしまいます。

過去2回で『ドローンの合法的運用は困難を極める』と結論付けておいて何故『今が旬』なのかというお話は、記事の最後で紹介しますね。

【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。
 
Mavic2 Zoom(DJI)
中国の有力ドローンメーカーDJI製の中上位クラスのドローン『Mavic2』はProZoomの2機種が発売されています。

いずれも本体性能は同一ですが、異なるのはカメラの性能です。
Proより高画質なカメラを搭載したモデルで本体価格は19万円台です。

Zoomはカメラ性能ではProに劣るものの光学ズーム機能を搭載したモデルで本体価格は16万円台です。

なかなかにご立派な本体価格で、初めて価格を訊ねられる方には驚かれる方も多いのですが、業務用軽自動車の5分の1以下(家庭用軽自動車だと10分の1以下ですね)ですし、PCと同程度の価格と考えれば、そう大きな金額でもないでしょう。
上位機種で『プロ用』と銘打って同じDJIから発売されているPhantom420万円程度とそう変わりない価格ですが、Mavic2は折り畳みが可能な為、携行性に優れています。

まぁ、更に本格的なプロ用のM200シリーズV2という機種はその3倍超の価格ですし上を見れば青天井なのですが・・・


※写真のアスファルト舗装部分は道路敷地内ではなく、私有地内です。

1つのバッテリーでカタログスペック上30分程度の飛行が可能ですが低電圧になるとアラートが出る設定(アラートが出る電池残量は任意に設定可能)があるので、実感としては離着陸をスムースに行っても20分程度の飛行時間という感覚です。

合法的にドローンを飛行させられる郊外地まで行って、20分飛ばして終わりというのも世知辛い話ですし、業務として利用するという観点からも、予備バッテリーはどうしても必要になってきます。

予備バッテリーは今日現在の価格で1つ16,500円もしますから、予備のプロペラなど各種アクセサリ類も併せれば20万円を下らない総額となります。
アクセサリ類をセット販売する『Mavic 2 Fly More Kit』という商品も販売されています。

カメラ設置部分(ジンバル)の可動でカメラ角度の調整が可能なので、ドローンの水平方向の撮影の他、真下の角度まで柔軟に画角を設定することが出来ます。

操作は専用の送信機(コントローラー)とスマートフォンを接続して操作します。
各方向のセンサーによる衝突・接触防止機能もあり、飛行の安定性は素晴らしいものですが、強風や電波干渉、鳥や電線との接触、或いはスマートフォンの不調で制御不能に陥る可能性もあります。

本体重量だけで900g程度と1kg近くありますから、人体は勿論、建物の屋根や自動車に当たるような事があれば、大事故につながりかねません。
最初の1年に限り三井住友海上が引受する賠償責任保険が無料で付いて来ますが、インターネット上で手続きをしなければなりませんので、忘れずに手続きをしましょう。(2年目以降は有料での更新。)
 
散々書いている通り、航空法の制限により、国土交通省の許可がなければ合法的に飛ばせる場所は相当の郊外地に限られます。

しかしながら、非常に素晴らしい性能で、実際の原野・山林調査で活躍していますので、不動産業界におけるドローンの運用検証という意味においても非常に有意義な買い物であったと満足しています。

 
Tello(Ryze Tech)
私は最初のドローンがMavic2 Zoomだったのですが、何せ市街地で飛ばせないものですから、フラストレーションが溜まります。
そこで導入したのが航空法の規制の対象外となるトイドローン、Ryze TechTelloです。
従来の飛行高度は10mまでだったそうですが、ファームウェアのアップデートで高度30mまで飛べるとのこと。

価格は1万円+α(販売店でばらつきがあります)と非常に求めやすい価格になっています。
 
バッテリー1つあたりの飛行時間は13分本体重量は80gと非常に軽く、その辺のプラモデルよりも軽い、という感覚です。
バッテリーの価格は購入個数によって異なりますが、概ね2,000円程度とこちらも手頃です。
 
カメラ角度の調整は出来ませんからドローンの水平方向の撮影しか出来ず、また、ドローンが前後左右に移動している際にはカメラも併せて傾きます
スマートフォン単体での操作が可能ですが、省コスト、省機能ですから衝突防止機能やGPS機能は搭載されていません。
また、本体重量が軽く、プロペラの出力も控えめなので風に煽られやすいのは物理的にやむを得ない点でしょう。

いくら軽いとは言っても建物の近くで飛ばすのは少し怖いなというのが正直な感想です。
とはいえ、Mavic2の予備バッテリー1個よりもTello本体の方が安いので、性能にとやかく言うのはお門違いでしょう。

この軽さとコストパフォーマンスを実現するためには、やむを得ないでしょうね。 
一番の長所は航空法の規制がほぼ除外されることです。
オモチャとしては非常に有用で、ドローン操作の入門用にも非常に良いと思いますが、飛行時間や安定性を考えると、不動産業務で常用するのは少し難しい状況です。
ただ、接触防止センサーが付いていないのと軽量で接触しても建物に傷が付く恐れがないので、室内や建物のスキマなどで飛ばす分には、十分有用であると言えるでしょう。
 
で、結局?
Mavic2 ZoomTelloもまさに帯に短し襷に長しという状態で、市街地で建物検査や物件調査といった不動産業務に利用するには難のある状況です。

ハッキリと言ってしまえば、

市街地で合法的に飛ばせる場所なんてねぇよ!Σ(゚Д゚;
市街地で業務に使えるドローンなんてねぇよ!Σ(゚Д゚;
という状況であると言えるでしょう。
では、国土交通省の許可を得られればそれでいいか、というとそうではないんです。
国土交通省の許可にあたっては100時間の飛行経験を要する中で、不動産業と同じ管轄である国土交通省に対して虚偽申請をする訳にはゆきません。
Mavic2 Zoomの飛行時間を30分とした場合、200回以上のバッテリー交換が必要になります。
私は条件を満たしていますが、不動産業として複数の人員で事業を営むにあたっては、全員に100時間超の研修を課す訳にもいきません。

ドローンは不動産業に有用であって、利活用をするべきだ、というシリーズ記事にも関わらず、愚痴しか言っていない訳ですが、今回、事情が変わってきました。
 
Mavic Miniの登場
今回、ドローンに関する話題が『今が旬』であると判断して連続して記事を書いて来た、ある事情があります。
それは令和元年11月14日発売予定のDJI製Mavic Miniの登場です。

なんと、わざわざ日本の航空法の対象外とするためバッテリー容量を削って本体重量を199gにしたというピーキーな機体です。
海外版はバッテリー容量があり、飛行時間30分で249g、一方で日本版はバッテリー容量を削った分、飛行時間18分3分の2以下に削られてしまっていますが、これまでに述べて来た通り、航空法の規制を受けないというのは不動産業への活用にとって、非常に有用であると言えるでしょう。

価格は発売日現在で46,200円とまずまず手頃です。

不動産業に利活用するドローンとしてはMavic Miniが最有力候補であると考えています。
勿論、私は既に予約済みで、率直に言って到着を心待ちにしています。

性能的にはコスト的な部分で飛行時間やカメラ性能については納得していますが衝突・接触防止機能が搭載されていない点が運用にどのような影響を及ぼすか少し気になります。
とはいえ、海外版の評価などを鑑みるに十分に有用であるものと期待しています。

次回は、実際に到着したMavic Miniが到着次第、開封してレビューしてみたいと考えています。

・・

・・・

・・・と、発売前日までに3記事を間に合わせた訳ですが、注文殺到で追加バッテリー付き商品の発売が延期されるという噂が・・・(;´Д`)オレノスイミンジカン
特にお知らせのメール等は来ていませんが現に、発売前日の段階で商品の発送が未定になっているという・・・
まぁ、待望の200g未満の製品という事で、日本中のドローン愛好家が待ちに待った製品という事なのでしょう。

仕事で忙しかったのと寝ぼけまなこで記事を書いていたせいか、ネット上の情報に気付くのが遅くなってしまいました。

・・・いや、不覚ですよ。ホントにね・・・(; ・`д・´)

札幌の不動産屋、ドローン活用を語る② ドローンへの規制

さて、シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』前回は不動産業においてドローンの有用性は非常に高い一方で、法規制によって運用は困難を極めることを説明しました。
第2回の今回はドローンに課せられる規制を紹介します。
ハッキリ言ってドローンの法規制に関してはごくごくありきたりの記事ですが、不動産業に活用する前提で述べてゆきましょう。

シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』
【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。
 
飛行可能なエリア

ドローンに関する記事で頻出のこの画像、国土交通省の資料に添付されるものです。
空港等の周辺の上空の空域(A)150m以上の高さの空域(B)人口密集地区の上空(C)
『安全性を確保し許可を受けた場合のみ飛行可能』・・・つまり、原則飛行禁止です。

『許可』というのは国土交通省によるもので、要件として100時間以上の飛行経験が必要とされていますから、初心者のうちはまず無理、と考えておきましょう。

『許可』なく飛行が可能なのは(A)、(B)、(C)以外の空域で、これはつまり『空港の周辺および人口集中地区ではなく、150m未満の空域』という事になります。

空港等の周辺の上空の空域(A)
札幌市内では丘珠空港の周辺が該当しますが、どのサイトも空港周辺の飛行は『原則禁止』というだけで具体論が出てこない。
トラブルになる可能性があるので具体的な記載がないのはやむを得ないのかもしれませんが、『周辺』ってどこまで?という話は重要だと思います。
まず、札幌地図情報サービスで調べられる『航空進行区域』はかなり低い高度まで飛行が制限されていますから、全面的な飛行禁止区域と捉えた方が安全でしょう。
具体的には、丘珠空港の周辺1km程度と、北西方向には屯田、拓北、百合が原周辺、南東方向には伏古、東苗穂周辺がこれにあたります。

また、空港から4km圏内『水平表面』に指定され、高度45m以上の飛行は禁止です。
丘珠空港で言えば、北24条駅、新琴似駅、拓北駅、モエレ沼公園なども含むかなり広い範囲です。
逆に言えば、高度45m未満で、かつ、人口集中地区(C)でなければ、飛行可能という事になります。

更に複雑なものとして『円錐表面』という考え方があり、『水平表面』から5.25Kmの範囲内で1/50の勾配で段階的に飛行可能高度が上がってゆきます。
つまり、空港から9.25km圏内では、150mの高度の飛行は出来ず、現実に当てはめるとかなりファジーな計算方式によって制限が課されるという事です。

まぁ、安全策として空港から10km圏内は航空進行区域と人口密集地区を除けば45mまでの高度制限、と考えておけばよいかと思います。
10kmというと石狩市役所、石狩太美駅、江別西IC、JR厚別駅、豊平区役所、円山駅、札幌西ICを含む、とんでもなく広い範囲ですから、これは留意しておくべきでしょうね。

150m以上の高さの空域(B)
これは標高ではなく、地表からの距離です。
ですから、ドローンは高度表示がされるものを購入しなければ航空法違反になる可能性があります。
日本の量販店で購入できるものはともかく、インターネット通販などで購入する際には注意が必要です。

人口密集地区の上空(C)

人口が集中した市街地の上空は危険ですから、許可のない飛行は禁止されています。
指定状況は国土地理院のサイト地理院地図から参照出来ますが、操作方法に不慣れな方は下記のリンクを利用することをお勧めします。
 ◇国土地理院 人口集中地区(DID) 平成27年
  https://www.gsi.go.jp/chizujoho/h27did.html

人口密集地区(DID)とは、総務省統計局5年に1度、国勢調査を元に発表するものです。

一見かなり広い範囲で飛行が可能なように見えますが、不動産屋の立場で言わせてもらうと、不動産流通市場がある区域とほぼ被ってしまっています。
ここでもドローン規制の壁が立ちはだかります。

ここまで紹介した(A)~(C)の原則飛行禁止区域以外を探して飛行しなければならない訳ですが、この他、道路や鉄道の上空飛行禁止が看板などで明示されている施設なども飛行禁止とされています。
他に河川の場合には河川管理者、公園の場合には公園管理者の許可を得ることがガイドライン上は示されています。
(ガイドラインに記載はありませんが、港湾の場合は港湾管理者の許可が必要でしょう。)
札幌市の場合、市立/道立/国立問わず公園敷地内でのドローンの使用は原則禁止されています。

いや、まぁ、ここまで読んで頂ければよく分かると思うのですが、
市内で合法的に飛ばせる場所なんかほとんどねーよッ!Σ(゚Д゚;
という状態で、ドローンの飛行には厳しい制限が課されている訳ですね。

 
操作や作業における制限
この他にも現在10種類の作業や操作に関する制限事項が明示されています。
令和元年9月18日の改正で、①~④が新たに加わりました。

①アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
 まぁ、論外ですが飛行可能なエリアまで行くのに、自動車を使うでしょうから、航空法以前の問題ですね。

②飛行前確認を行うこと
 まぁ、そりゃそうだよね、というお話。
 あとは中上位機種のドローンの場合には、自己診断機能も付いているので、より安全性が高いと言えるでしょう。

③航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
 空港周辺以外でもヘリコプターや他のドローンなどが飛行している可能性があります。
 飛行音が聞こえた場合には、自分のドローンの高度を落とし、近くに戻すなどするべきです。

④他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
 法規制というものがここまでファジーな記載でいいのか、という話です。
 リーフレットなどでは『危険な飛行禁止』と記載されており、人を追い回すような絵が併記されています。
 ただ、規制する側として柔軟に(悪く言えば恣意的に)運用出来るようこのような記載になっているのでしょう。
 ドローンはかなりの騒音を発生させますから、騒音問題なども念頭に置かれているのではないでしょうか。

 また、他人のプライバシーに対する配慮についても求められているものと思われます。

⑤日中(日出から日没まで)に飛行させること
 北海道では、冬期間かなり日照時間が短くなってしまいますから、注意が必要です。
 客観的な根拠を求めるのであれば『日の出日の入り』という検索ワードで、地域ごとの日昇・日没時間を調べることが出来ます。

⑥目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
 これはかなり注意が必要です。
 中上位ランクのドローンの飛行性能は非常に優れており、あっという間に上昇し、見た目上は豆粒よりも小さくなってしまいます。
 また、コントローラ(送信機)の液晶画面でカメラの画像が常時見られますので、注意がそちらに行きがちとなります。
 しかし、『直接肉眼による目視』と限定されているので、カメラ越しでの確認はNGです。
 人口密集地区外の山林の場合でも、目視外の山の向こう側に飛ばすのは許されません。
 時たまメディアで取り上げられているVRゴーグルの使用も航空法に照らせば200g以上のドローンであれば国土交通大臣の許可が必要という事になります。

⑦人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
 これも非常に厳しい規制です。
 水平・垂直ともに30mという規制ですから縦横斜め30mの距離を保持しなければなりません。
 不動産業で考えた場合、一辺30mの正方形の土地は約270坪で、かなり広い土地ですが、これは片側で30mと考えると前後左右の余裕を見れば1090坪と、とんでもなく広い土地が必要になります。
 (札幌市の標準的な価格帯の住宅は50~80坪程度)
 そう考えると人口密集地区以外の郊外の住宅地であっても、30mの距離は保持出来ない事も多いでしょう。
 ただ、『人または物件』と規定されている為、他人の土地が近くにあっても更地であればOKという事になります。

⑧祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
 これは当たり前とも言えますが、学校行事やライブ会場、民間スポーツクラブのイベントなど、公的でない集まりにも適用されるという点には注意が必要です。
 不動産業での活用という意味では、あまり気にする必要はありませんね。

⑨爆発物など危険物を輸送しないこと
⑩無人航空機から物を投下しないこと

 論外です。ドローンテロが流行っていますから、誤解されるようなことも避けるべきでしょう。

このように、ドローン規制では当たり前・常識的といえる規制と非常に厳しい規制とが混在しています。
 特に、目視外飛行と30m規制については、注意が必要ですから覚えておきましょう。

 
規制の対象となるドローン
以上のようにドローンの飛行に関しては、航空法上、『無人航空機』という扱いで、非常に厳しい規制が課されています。
特に市街地の飛行に関しては、国土交通大臣の許可を得ない限りほぼ不可能と言っていいでしょう。
前回紹介した不動産業で想定されるドローンの使途として、現状では原野・山林の調査にしか使えないといったのはこういった事情だったのです。

一方で、ドローンのうち重量が200gに満たないものは、『模型航空機』という扱いになり、航空法の規制の大半を受けないことになります。

200gに満たないドローンが航空法で受ける規制は航空法第99条の2のみで、空港周辺や一定の高度以上の飛行についてのみ国土交通省の許可が必要とされています。
ただし、公園や河川などの管理者のいる施設の飛行には管理者の許可が必要となりますし、公道上での離発着も出来ませんので、それだけは注意が必要です。
この規制を念頭に置いた上で、ドローンをどのように利活用していくのか、というのが重要な課題です。
次回は実際に運用しているドローンの機種について、紹介してゆきます。

札幌の不動産屋、ドローン活用を語る① ドローンの必要性

さて、今回から何度かに渡ってシリーズ記事『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』と題して、不動産業におけるドローン活用について、語ってみましょう。
ドローンというと、数年前から急激に安価・高性能になったこともあり、テレビなどでもよく取り上げられるようになったように感じます。

ただ、ドローンの運用や規制についてあれこれと書かれた記事はあるものの、それを具体的に特定の業界でどのように活用するのか、というノウハウを示した記事は、さほど見当たりません。

まぁ、そういう記事はアクセス目当てで検索にヒットする普遍的で当たり障りのない内容が多いというのが一つの要因。
また、ドローンに関する法規制はまだまだ明確化されておらず、グレーゾーンが多いという事情があります。
誤った法解釈で『こうするべき』と迂闊に示してしまうと、それが誤っている事が分かった場合に、ネット上での炎上のみならず、場合によっては刑事事件となる恐れもあるからでしょう。
 
ですから、今回のシリーズでは一応このような前置きを置いた上で、可能な限り突っ込んだ具体的な内容を記事としてまとめられればと思います。
 
【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。

ドローンの必要性

第1回の今回は、不動産業界におけるドローンの必要性についてお話します。
私が不動産業に携わる中で考える、特に札幌近郊の不動産環境におけるドローンの必要性・有用性について述べてゆきましょう。

①高所作業の高コスト化

不動産業において、『建物の管理』というのは一つの課題です。
業界外の方にはあまりピンとこなかもしれませんが、不動産業界には『管理会社』という、分譲マンションや賃貸マンションを管理する会社が存在します。
分譲の場合と賃貸の場合でかなり性質の異なる管理会社ですが、どちらにせよ建物の不備や不具合を監視する必要があります。

昨今、不動産管理会社の大きな課題として高所作業の高コスト化が挙げられます。

管理会社、工事業者問わず、最近、高所作業に関する費用が非常に大きくなっています。

・・・と、言うのも『屋根に昇れない』という人、かなり多いんですよね。
建物の維持管理に関するトラブルで、大きなウェイトを占めるのが屋根・外壁の問題で、こまめに点検をしなければ、雨漏りが発生する事になります。
正直に言ってしまえば、私が経営する管理会社でも、屋上点検の際に誤って滑落して労災事故が発生したこともあります。
(もちろん、労災を使って治療をしてもらい、治療中の配置換え等のケアも行ないましたが、とはいえ、本人の痛みや不便を考えるとそれでOKという話ではありません。)
私自身、不動産業に就いた当時は体力がないながら屋根の上へも昇っていましたが、現在は経営者として怪我をしては社の運営に関わりますので、高所作業は控えています。

就業人口の高齢化や若い方で高所恐怖症の方が多くなっている事、また、昇れる昇れないという以前に『わざわざ昇りたくない』という仕事に対するモチベーションの問題もあるでしょう。
今後、職人の高齢化や働き方改革だのが進んでゆくにつれ、高所作業にかかるコストは年々増加してゆくことが見込まれます。
 
そういう意味では『高所作業が出来る人になる』というのも一つの『稼ぐ方法』な訳ですが、今の教育体制の基ではなかなか、そういう職業の人口というのは増えてゆかないのでしょうね。
 
②建物の老朽化・樹木の伸長などの調査

前述しましたが、建物の維持管理に関するトラブルでは屋根と外壁に関するものが大きなウェイトを占めています。
札幌ではオリンピックから50年を経過する事もあり、古い建物が増加しており、Googleマップの航空写真を見ているだけでも、屋根が赤サビで真っ赤になった家が多く見受けられます。

屋根の錆は雨漏りの原因となりますし、それが躯体を弱らせ、シロアリの発生などにもつながりかねません。
剪定が行き届かず、枝木が張り出している築古戸建も多くなっています。

本来は屋根に昇るなどして点検するべきですが高所作業が高コストする中では、そう何度も高所作業をする訳にもいきません。
本格的な修繕は当然、屋根に昇るにしても初動点検、定期点検は可能な限りドローンで代替することが望ましいと言えるでしょう。
 
③建物からの眺望のシミュレーション
これは私の業態ではまったく出番がないのですが新築マンションの眺望を示すにあたって、ドローンで同高度から撮影した動画・静止画を使うという手法は、既に各デベロッパーが実施しています。
広告上、『ドローンで同高度から撮影したものです』等の注釈は必要ですが、眺望をウリにする場合には、イメージが付きやすい資料となるでしょう。

戸建の場合には、10~15m程度ですからあまり使い道はないかもしれませんが、ハウスメーカーなどが分譲する新築分譲団地では利用されるかもしれません。

④積雪時の調査
これは北国特有の問題ですが、ドローンの活躍による積雪時の調査にも期待しています。
人が利用していない土地・建物は当然除雪されていません。
札幌近郊では1~3月は1mを超える雪が積もりますから、立ち入っていく事も難しいような状況になってしまいます。

建物を取引するのであれば玄関までは除雪して、建物内を確認しますが、その場合でも建物の裏手の庭などにはなかなか手が回りません。
それ以上に、土地のみの取引や解体予定の建物など、わざわざ除雪をするコストを掛けられる案件ではない、という場合もあります。
勿論、雪のない状態を知っていることがベストではありますが、急ぎの取引などでそうはいかない場合に、ドローンでの調査は有用であると考えます。

 
⑤原野・山林の調査

これは不動産業者全体が、という事情ではなく、あくまでも私の業態での話ですが、原野・山林の調査においてもドローンは有用性を発揮します。

広大な、 或いは道路と接続していない山林や原野について、業務の依頼を受けた際に、数千~数万坪の山林の中を分け入っていくことは多大な危険を伴います。
積雪時は勿論危険ですが、冬でなくともヒグマが出ることもあれば、に滑落する危険性もあります。
また、航空写真だけでは全体の起伏や樹木の状況などを把握しきれませんから、
そういった土地の調査手段としてドローンは有用です。
 
とにかくドローンは有用だ!・・・けど・・・

このように、不動産業界においてドローンの必要性は非常に高いのですが、その一方で法律を順守してドローンを活用するのは非常に困難なのです。

前述の通り、ドローンの運用には航空法をはじめ様々な法規制があります。
これまでドローンの必要性を①~⑤の項目で紹介しましたが、合法的な運用では、原則的に建物の点検や市街地の撮影には利用することは出来ず、原野・山林の調査しか出来ないのです。

次回はドローンの活用を困難にしている各種の規制について、紹介してゆきましょう。

 
シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』

胆振東部地震から1年、里塚の大規模被害は『液状化』が原因ではなかった?!

厚真を中心として甚大な被害を生じた北海道胆振東部地震の発生から今日で丁度1年となります。
札幌市における胆振東部地震での被害は、完全復旧までに二日を要した大規模停電と『液状化』被害であったと言われています。
液状化被害については、特に里塚1~2条や東豊線直上の東15丁目通の一部地域が甚大な被害が生じました。

しかし、今になってこれがいわゆる『液状化』による被害ではない可能性が出てきたのです。

シリーズ『胆振東部地震』

 ◇胆振東部地震で被災した札幌市内の不動産の流通について
 ◇清田区里塚で生じた大きな液状化被害と『防災カルト』の蠱惑
 ◇『液状化、里塚』の現実を見よう、夢想は不要だ
 ◇デマで市域の5.3%を貶めた札幌市民の敵、池上彰氏をどうしてくれようか。
 ◇胆振東部地震から9ヶ月、『液状化、里塚』はどうなった?

地震当時の報道



土砂崩れによって山肌が露わになった厚真地区の山林とともに、里塚で土砂が噴出し、1~2mの高さの汚泥で道路が埋め尽くされ、多数の建物が傾斜した光景は非常なショッキングなものとして報道されました。

更に池上彰の特番では、全国ネットでその原因が『清田区』が水田であったことによる『液状化』であると大々的に報じられました。

まぁ、これはひどいデマだった訳ですが、その辺りの事情は『デマで市域の5.3%を貶めた札幌市民の敵、池上彰氏をどうしてくれようか。』で言及しました。
Google検索で『池上彰 デマ』で検索をすると1年経ってもこの記事が表示される平均検索順位は10.2位との事です。

私の指摘

インターネット上では、地震から数日で『この地震はハザードマップで予知されていた』とか池上彰の番組に影響されたのか『この地帯は水田地帯だったので液状化した』という言説が散見されました。
確かに、この地域の一部は札幌市のハザードマップで『液状化の可能性が高い』と判定されていますが、一方で他に幾らでも赤いエリアはあるのに、他では深刻な液状化被害は生じていない事が説明出来ません。

また、水田であったから液状化した、という点については、池上彰の特番の他に戦前から戦後にかけての地形図で水田の地図記号が並んでいたことに端を発していたようです。

しかしながら、航空写真を見るに一定規模以上の営農が行なわれていたようには見えません。
傾斜地で出来る間に合わせの農業として、わずかに棚田があっただけのように見えます。

また、被害甚大な部分が三里川暗渠に沿っていたことから原因として浮上してきたのが、暗渠が液状化の原因であるというもの。

 
しかし、 同様の暗渠は近隣の『三里東排水』『里塚西排水』など多数あるのに、そちらでは『三里川』ほど大きな被害は出ていません。

つまり、胆振東部地震では、三里川暗渠の流域に集中的な被害が生じた事からも、三里川暗渠に何らかの個別的な問題が生じたのではないか。

あくまで個人的見解ではありますが、その『個別的な問題』とは、老朽化による決壊だったのではないか?と推察し、札幌オリンピックから50年を経過する札幌市では問題となっているインフラの老朽化について指摘しました。

札幌市の発表

しかしながら、札幌市の発表では、この被害をあくまでも単なる液状化として取り扱っています。
以下は札幌市ホームページで公表されている里塚の住民説明会の資料を抜粋したものです。

液状化した土砂が三里川排水に流入して土砂が流出し、地中が空洞化したという説明で、なぜ局地的な被害が生じたのか、という説明はなされていないように思います。

暗渠の排水が漏れ出していたのが原因?

今年6月に、この被害について新たな原因を示す記事が掲載されました。
あまり取り上げられていない記事ですが、重要な知見と考えます。
令和元年6月2日の北海道新聞の記事を引用します。(朱筆は私によるものです。)

土砂流出、空洞が原因か 里塚液状化 現地調査の教授報告
昨年9月の胆振東部地震による液状化で、地盤被害などが出た札幌市清田区里塚1で、地下水を集めて下流に流す地下排水溝(暗きょ)の上に地震前から空洞があり、この空洞が大規模な土砂流出を起こした可能性のあることが1日、札幌市内で開かれた「欠陥住宅被害全国連絡協議会」全国大会で報告された。調査に当たった国士舘大の橋本隆雄教授(防災工学)は「全国的にも例が少ない現象」と話した。

 協議会は地震被害などに取り組む全国の弁護士や建築士らでつくる。

 橋本教授は地震直後から土木学会のメンバーとして現地調査を重ね、開発事業に伴う地盤被害を防ぐ「宅地防災マニュアル」ができる1989年以前は、地下排水溝同士の接続方法が簡易だったと説明。「地震前から地下排水溝の水が漏れ、地中の空洞に多くの水が滞留し、その水を含んだ土砂が地震によって大量に流動した」と取材に対し指摘した。その証拠として、一般的な液状化で見られる「噴砂」が里塚では少なく、土砂が地中で水平方向に動いたと分析した。

 札幌市によると、液状化の地盤沈下被害があった里塚1の地下排水溝は78~84年に宅地造成した民間業者が市の許可を得て設置。市の推計では地震後約1時間で約1万立方メートルの土砂が流出した。これまで市は液状化による大量の土砂流出は、地下水位より下の盛り土部分の軟弱地盤が地震で液状化し、緩い傾斜地に沿って土砂が帯状に流動したと分析している。(久保吉史)

以上が引用です。

ごく簡単に説明をすると三里川暗渠では排水溝同士の接続が簡易であり、その隙間に水が入り込み、土砂を流出させて地下に空洞を生じさせていたものが、台風と地震のダブルパンチで急激に悪化したということです。
つまり、暗渠に個別的な問題・欠陥が生じていたのではないか、という私の推測を補強するものと考えます。

河川の維持管理は札幌市の責任、と責任転嫁するのは簡単ですが

三里川暗渠は札幌市河川管理課が管理する河川です。
しかし、この災害の責任を札幌市に求める考え方には賛同出来かねます。

そもそも、昭和54年に札幌市から許認可を得て三里川暗渠を設置したのは株式会社じょうてつであって、その施工の仕様について、札幌市が管理するのは困難であったでしょう。
竣工から40年が経って老朽化している部分もあるでしょうから、株式会社じょうてつに責任を求めるのも、筋違いと感じます。

では何が出来たのか、と考えたときに、札幌市に瑕疵があったと言えるのか、ということです。
例えば、基準が甘かった1989年以前の暗渠すべてを点検・補修することが出来たのでしょうか。
上記の河川網図でも分かる通り、実は暗渠というものはかなり多く存在しています。
自治体は限られた予算の中で運営していますから、その分他の予算が割を食ってしまいます。
仮に点検の結果、補修の必要が出たとして、約2m四方のコンクリートで出来た暗渠を補修するのに、地面を掘り返すのですから、自動車の通行は一定期間不可能になりますし、公共工事費も多額に上るでしょう。

これは不幸な河川災害ではありますが、それ以上でもそれ以下でもない、というのが私の考えです。
例えば堤防が決壊したであるとか、津波に襲われたという時に、国や自治体に明らかな不備がない状態なのに、恨み言を言い続けるというのは、怒りの宛所がないのは理解出来ますがちょっとどうなのかな、と言わざるを得ません。

自然災害の被害者に対して『仕方ない』で片付けるのは非情ですが、だからといって被害者が国や自治体に何を言ってもいいという話にはならないと思うのです。

ニュースソースとさせてもらって恐縮ですが、北海道新聞の報道姿勢にも、疑問を感じています。

この災害が、次の災害を生まない教訓になることを願います。

胆振東部地震から9ヶ月、『液状化、里塚』はどうなった?

シリーズ『胆振東部地震』
 ◇胆振東部地震で被災した札幌市内の不動産の流通について
 ◇清田区里塚で生じた大きな液状化被害と『防災カルト』の蠱惑
 ◇『液状化、里塚』の現実を見よう、夢想は不要だ
 ◇デマで市域の5.3%を貶めた札幌市民の敵、池上彰氏をどうしてくれようか。

『液状化、里塚』から9ヶ月

平成30年9月6日、北海道全土を大停電に巻き込んだ『胆振東部地震』から、9ヶ月が経過します。
『震災』というのは言葉の定義があるので、私は使いたくないのですが、札幌では簡単に『地震災害』の略として『震災』と使っている方が多いですね。
厚真を中心とした土砂崩れの被害は本当に痛々しいものがありましたが、実は札幌市周辺の被害は全然大したことがない、と当時からあえて言っていました。
震源地を除く北海道全土の問題は、2日に渡る大停電であって、かつて起こった平成のどんな大きな地震でもこのようなことはありませんでした。
これは北海道という島は本州よりも電力の相互的融通が出来ないという事情にもよるそうですが、それ以前の問題として北海道電力の危機管理の問題であると考えています。

そんな中で、札幌市内で甚大な被害が生じたのが札幌市清田区里塚1条1~2丁目での液状化現象です。

池上彰氏のデマ報道もひどいもので、『池上彰 デマ』の検索結果では当ブログもかなり高い位置にいるような状況です。

車まで埋まる汚泥と建物の大きな傾斜はかなりのショックを与えました。
札幌市民としては、里塚の液状化と東豊線の地盤沈下によって、地盤の良し悪しや不動産価値が話題となりました。

雪解け以降は、三里川暗渠や里塚東排水などの上流でも液状化が確認されたとの報道があります。

報道されない里塚のその後と住民の自警活動

しかしながら、その後の状況については、9ヶ月を経過しても詳しいことは全く分からないままです。
基本的にテレビを見ない人なので、北海道ローカル局での扱いはよくわかりませんが、インターネットで『里塚 液状化』と検索をしても昨年9月当時の報道しか表示されないのを鑑みるに、その後の報道はほとんどされていないようです。

北海道新聞の電子版を見るに年が明けてからも何度か記事が出ていますが、現地の写真などは見られません。
詳細な報道と言えばUHBの特集番組『傾き続ける我が家 ~がんばるべぇさとづか~』程度でしょうか。

以前紹介した通り、元々、地震発生当時から、旧国道36号線を除く液状化発生箇所には非常線が張られ、立入禁止になっていました。

SNSなどでは、立入禁止区域に入り込んで現地の写真を撮影する人や、災害時に多く見られる火事場泥棒などが問題視されていました。
それだけではなく、放火やいたずらなどの恐れがありますし、悪気がなくとも地盤の陥没などで怪我をしてしまう可能性もあります。

その為、被災時から平成31年3月7日までの間、通行規制が行われていました。
これはやむを得ない・・・というか当然の措置であったと考えています。

また、防犯の為、平成30年12月13日から4台のカメラが設置されました。

北海道文化放送(HBC)の報道によると防犯カメラは令和元年5月28日に8台が増設されたそうです。
「知らない人に自分の家が撮られて…(SNSに上げられたと)実際に聞いたこともありますから。残念というか、さみしくなりますよね」(里塚中央災害復興委員会・今北秀樹さん)
『液状化とは“別の悩み”…防犯カメラ8台増設 地震で被害の札幌市清田区里塚地区 北海道』https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190528-00000011-hbcv-hokより引用

封鎖が解除された里塚1条2丁目に立ち入る

公的な交通規制が敷かれている中で立入禁止区域に立ち入ることは言語道断です。
また、住居の敷地に許可なく立ち入ることは住居侵入罪にあたります。

しかしながら、前述の通り今年3月に交通規制は既に解除されている中で、住居の敷地に立ち入らないのであればそれは合法な行為です。
被災地の状況がその後どうなったのか、という事が調べてもほとんど分からないような現状は、健全であるとは思えません。

不動産流通の健全性を担保する為には、少なくとも下記の3つが明確化されていなければならないと考えます。
 ①どのような原因で現象が生じたか
 ②どのような被害があったのか
 ③それらの被害はどのように対策されて復興したのか

①原因については当時推察をしたのに加え、後日別途記事を用意します。
③対策についても、札幌市の住民説明会資料を中心に後日別途記事を用意します。

今回は②被害について、その状況を紹介してゆきます。

地震の当時、大量の汚泥にまみれた様子が報道された旧国道36号線沿いは、ほとんど回復しています。
ただ、泥が噴出した痕跡や歩道の縁石のズレなどは生じています。

ここから、液状化の原因となった『三里川暗渠』沿いの住宅地に入ってゆきましょう。
各所に道路の陥没が見られ、それが土嚢で応急処置されています。



ブロック塀や擁壁ごと沈み込んでいる
箇所が多く見られます。
更には、擁壁ごと崩壊している宅地も多数あり、重力で支えた地盤が地中から空洞化してしまった場合の危うさを思い知らされます。

併せて、復旧した地盤と宅地との間の高低差が1m程にもなっている箇所も複数あります。

公園は、道路や民有宅地内とは異なった復旧方法を採って水はけを良くして水を溜め込む雨水調整池のような用途とするようで、現在、砂利敷きを行なっています。

住民による自警活動の是非

前述の通り、交通規制は解除されていますが、現在も警備の為に『里塚中央ぽぷら公園』には札幌市の現地事務所の脇に警察車両が停まっています。

警察による警備以上に、町内会の有志による自警活動が盛んなようです。
各種の報道でも防犯の為に町内会の自警活動を行っている事が触れられていますし、前述の通り、町内会の負担で監視カメラを増設しているようです。

私も、現地を歩いていた処、遠くから大声で『オイ、アンタ』と高齢の男性に呼び止められました。

男性:『あんた、なにもんだ?』
私:『不動産業者の者です。』
男性:『何しに来たの』
私:『地震後の周辺状況を確認しに来ました。将来このエリアの土地を取り扱うこともありますので。』
男性:『どこの会社の人?』
私:『株式会社○○○○○○○○の細井と申します』
男性:『身分証明書出して』
私:『え?』
男性:『身分証ないの?』
私:『いや、いきなり一方的に身分証を見せろと言われてもアンフェアな気がするんですが・・・』
男性:『(町内会の腕章を見せて)私ね、ここの町内会の○○ってもんです』
私:『(ポケットに何も入っていないジェスチャーをして)すみません、今、身分証持ち歩いていませんで

(これは嘘ではなくスマホ以外は手ブラで行動しており、本当に持ち歩いていませんでした。)
男性:『この辺、物騒だからね、警察も毎日来てるし、アンタも気を付けなよ
私:『はぁ・・・』

別に手荷物検査を受けたとか身分証の提示を強制されたという訳ではないですし、身体的拘束を受けたという訳ではありませんから、これはギリギリ通常のコミュニケーションの範疇と考えます。
ただ、かなりピリピリとしていた様子で、攻撃的な対応であったことは間違いなありません。
いや、まぁ、私自身、不審者扱いされるのは致し方ないとは思うのですが、こういった自警活動がどこまで正当化されるのか、という疑問は正直あります。

勿論、前述の通り、火事場泥棒や放火、住居侵入などの犯罪の恐れがある以上、それを防ぐ目的で警察でカバー出来ない部分を自警活動で補おうというのは、至極当然の事です。

しかしながら、これだけ大きな被害があったエリアの被害状況がほとんど表に出てこないというのは、異常でしょう。
過去の十勝沖地震の際には、同じ清田区の美しが丘地区で液状化被害が発生しましたが、その際には『大ごとにしないでほしい』との住民からの要望があったという報道があります。

また、今回の里塚地区でも、住民からの札幌市や分譲業者への厳しい責任追及がある一方で、現地への立入りや報道の拒否があるそうです。

里塚で何が起こったのかが覆い隠されたままでいいのでしょうか?
果たして、このまま里塚の被害状況が覆い隠されたままでいいのでしょうか?
 

仮に、将来このエリアの土地を買おうという人がいた場合に、どのような被害があったのか、そしてどのような対策がされたのかという事が明確化されていなければ、安心して購入することは出来ないでしょう。

一方で、広く清田区の土地を購入したいという人がいたとして、どのエリアでどのような被害が生じたのかが明確化されていなければ、清田区の土地を買おうという気が起こらず清田区全体の不動産価値が下落してしまいます。

この町内の人々はご自身の所有する土地を将来売りに出そうという時に、こういった事実を覆い隠したまま売却しようというのでしょうか。

私は、池上彰氏がいい加減な情報で清田区全体の財産価値を棄損した際、それをこのブログで糾弾しました。

今回の記事では法令を遵守したほか、極力建物本体が写り込んでいない写真を選んで掲載していましたが、恐らくはこのような記事も自警活動を行っている町内会の方にとっては不愉快な存在であろうかと思います。

ただ、事実を明確化して社会として共有することが、里塚1条2丁目の方にとっても、それ以外の里塚や清田区の方にとっても、これから不動産を購入しようという方にとっても、仲介をする不動産業者にとっても・・・それが結果的に公益に資すると信じ、この記事を公開する次第です。

シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~


さて、前回は明治から戦前までの雁来村・・・現在の東雁来の歴史を紹介しました。
戦前までの雁来村は牧畜が盛んな農村でしたが、それが平成最後の区画整理地、そして札幌市が自ら大規模に分譲するおそらく最後の住宅地である『ウェルピアひかりの』となるのか、紹介してゆきましょう。

前回までは終戦時点の牧草地帯であった雁来村を紹介しました。
明治23年頃として郷土史に記される雁来村の写真は、砂利舗装がされ、半円筒型の倉庫が立ち並んでいます。
また、左手前の倉庫には牧草の山と思われるものが積みあがっています。

前回も紹介した昭和27年の地形図ではこの通り、雁来村は一帯が牧草地帯になっています。
この後、昭和30年には雁来村が所属する札幌が札幌へ編入されます。
さらにその後に豊平町や手稲町が編入されて現在の札幌市域になります。

そして昭和34年には戦前から棚ざらしになってしまっていた鉄骨トラス橋の『雁来橋』が完成します。

明治からの計画であった鉄橋による雁来橋がようやく完成したという事です。

戦後の雁来村・・・改め、雁来では東区の他の地域に遅れ、ようやくタマネギの生産が広まりました。
昭和30年代の札幌では農地解放の影響もあり、宅地の造成分譲が進んでゆきますが、雁来ではとりあえずそういった兆候は見られません。

昭和40年代には、『ライラック団地』が造成されます。
これは現在の東雁来9~10条4丁目にあたるエリアです。
形状から、農地解放によって土地の払い下げを受けた元小作人の地主による開発だと思われますが、郷土史やインターネットでもその記録は見つけることは出来ません。(このサイトが表示されてしまいます。)
区画整理によって、現在は公園や町内会の名前に名残を残すのみです。

昭和50年代には、東雁来地区に再び大きな波が訪れます。
昭和50年従来は豊平川沿いを通っていた国道275号線を現在のルートへ変更する『雁来バイパス』が着工します。
それに伴って、昭和55年に国道275号線のルートの一部でもある『雁来橋』が完成します。

昭和58年には『東雁来地区区画整理事業』が着工します。
これは赤枠で囲まれた区画『ウェルピアひかりの』である『第二地区』ではなく、左下の赤枠の欠けた部分、東雁来6~8条1丁目と東雁来8条3丁目のごく狭いエリアで行われたものです。

昭和50年代の航空写真を見ると、まだまだ畑が多くなっていることが分かりますね。
戦前はほぼすべてが『草地』でしたが、航空写真からは北側が牧草地、南側が畑になっているように見えますね。
また、ライラック団地以外には、旧・国道275号線に沿って人家がぽつぽつと建っています。

昭和60年には雁来村から『東雁来』へ町名変更、ただし、条丁目が付いた部分と付かない部分がありました。
平成元年には東雁来地区区画整理事業の換地が完了します。
6年程度で完了する規模という事で上記の航空写真でも家がみっちりと立ち並んでいます。

平成3年には、一帯が都市計画の見直しに伴い市街化調整区域から市街化区域に編入され、住宅街として、より開拓のしやすい下地が作られてゆきます。
平成8年には『東雁来第二地区土地区画整理事業』が開始します。

事業の開始時点でかなりの畑が所在していたものが、土地区画整理事業によって農地が減少してゆきます。
元々の地権者から札幌市が土地を収用し、道路や公園を設けて住宅地を造成する作業が始まってゆきます。
そして、事業の開始から7年を経た平成15年度から『ウェルピアひかりの』として保留地分譲が始まります。
名前の由来はがしかりき』から、との事ですが、このネーミングセンスは・・・

平成15年に始まった『ウェルピアひかりの』の住宅分譲はその後14年に渡って少しずつエリアを拡大して分譲がされました。
一気に販売をするという手法では、将来、同時期に一気に高齢化・過疎化が進むということから、その対策という意味もあったのでしょう。
(まぁ、事業費の関係というのも大きなところですが。)

分譲から少し年数が経った南側のエリアですね。

公園もよく整備されており、広々とした街並みになっています。

この航空写真は平成20年前後のものと思われますが、まだ現在ほど開拓が進んでいません。
ここから更に、次から次へと宅地の造成分譲がされてゆきます。
札幌市による保留地の分譲の他、元々の地主さんによる仮換地の売却や、仮換地の上にアパートやテラスハウスを建築する、という動きも活発になります。

ウェルピアひかりのひかりのはバブル崩壊後に始まった土地区画整理事業であり、失われた20年とも言われる情勢下で分譲されましたが、終盤の開発には追い風が吹いたように思います。

国道275号線の両側にはDCMホーマック東雁来店を始め、スーパーや100円均一などの他、マクドナルドやゆで太郎など飲食店等、住民の生活に直結施設が充実してゆきます。
また、南側から国道275号線にかけて、工業地として数々の倉庫・物流センターが開業します。
そういった『働く場所』が出来ることで地域内で経済が循環し、住民のサイクルが形成されることで街が長寿命化する、という狙いもあるのでしょう。

さて、平成26年には消費税8%への増税があるということで、住宅やアパートなどの建築の駆け込み需要がありました。
平成27年には相続税増税によって、地主さんが土地を更地のまま所有しているリスクが高まり、貸家建築がブームとなりました。

平成29年には日本郵政の一大物流拠点『道央札幌郵便局』が開業します。
『郵便局』とは言いますが、窓口やATMは設置されていないロジスティクスセンターです。

そのような経緯を経て、平成30年1月には『東雁来第二地区土地区画整理事業』の換地が指定され、これまで『仮換地』であったものが、正式な土地として確定されました。
これを区画整理事業の用語で『換地処分』と言います。
実際に換地処分をされた1月は年が明けていますが平成29年度内なので、記録上は『平成29年度事業完了』とされています。

東雁来の現在の姿は、国土地理院の航空写真ではまだ開拓途上のものですが、Yahoo地図では、もう少し開発が進んだ状態が見て取れます。


東雁来地区には、まだ元々の地主さんが所有している畑や、換地処分を受けたものの、遠隔地におり手付かずの宅地が数多く残されています。

土地区画整理事業が完了した事で、不動産業者やハウスメーカーも、こぞって東雁来エリアの土地所有者の方に、売却やアパート建築の営業をかけているようです。

そういった意味で、これからもまだ伸び代のある地域であると考えてはいますが、一方で、過去にあった少子高齢化による住宅団地の空疎化と同じ轍を踏んではなりません。
今後も、『東雁来』『ウェルピアひかりの』の動きを注視してゆきます。

◆シリーズ『東雁来』関連記事

◇ シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?
◇ シリーズ『東雁来』② 『ウェルピアひかりの』ではどのような販促がされていたか
◇ シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?
◇ シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~
◇ シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~

シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~


さて、昨年ようやく札幌市による土地区画整理事業が完了した『東雁来』エリア、通称『ウェルピアひかりの』について何度か紹介してきました。 
このエリアが土地区画整理がされる以前、明治からどのような経緯を経てきたのかについて改めて紹介したいと思います。

今回は『東雁来』全体ではなくそのうちの一部、『ウェルピアひかりの』の範囲を地図で赤く囲み、比較してゆきますが、歴史の記述については概ね東雁来全域の歴史であるとご理解頂ければと思います。

東雁来地区の以前の名称は雁来村と言いますが、ここに最初に入植をした人々は、明治6年対雁村があまりに不便なので開拓地を替えて欲しい、と開拓使に要望をした人々でした。
彼らは明治4年に陸前国遠田郡馬場村(現在の宮城県遠田郡涌谷町)から入植した人々の一部です。
当初は同じく対雁村と呼んでいたそうですが、開拓使から紛らわしいので『雁来村』と改称するようにと命令が下りました。

そうして手に入れた代替の土地でしたが、豊平川は当時から氾濫を繰り返しており、土質も泥炭地(現在も札幌市の北側はほとんどがそうなのですが)で水はけが悪く、農業を営むには難しい土地でありました。
その為、当初対雁村から移ってきた人々は徐々に雁来村を離れ、最終的に残った人はほとんどいなかったという事です。

豊平川の氾濫や泥炭地質は他の札幌市北部の地域でも営農の支障となり、離散する開拓地が多かったようです。
寒冷地では細菌の働きが弱く、枯れた植物が十分に分解されずに冬になるという事を繰り返して土は泥炭となり、その泥炭はべたべたと粘土のように水を含みます。

国防と富国強兵のために北海道を開拓したい国としては、開拓民が離散することは避けねばなりません。
明治18~19年、北海道庁が樺戸へ向かう道路、現在の国道275号線を整備し、併せて明治19年には豊平川の雁来村付近にも築堤が出来、豊平川の氾濫が緩和されました。

明治28年には札幌監獄の囚人の労役として、雁来付近に堤防が築造されます。

こうして明治20年代になって若干堤防のようになって安定してきたため、雁来村には富山県や福井県などから入植した人々が定住するようになったとのことです。


こちらは明治29年に大日本帝国陸地測量部が発行した地形図に彩色をしたものです。
国道は現在よりも川寄りのルートを通っており、豊平川も蛇行しています。
また、地図左下の三角点通はまだ途中で止まっています。

また、地図の右上・北東側にはがこの付近に明治の早いうちから『牧場の茶屋』と呼ばれる場所があり、ここに売店や休憩所があったそうで、立ち寄った人々は必ず立ち寄っていたそうです。
今でいうところのパーキングエリアや道の駅ですね。
この後の時代、大正の地形図にも『牧場』と記載されていますが、ぼくじょうではなく、マキバと読むそうです。

この頃の産業というと主に農業ですが特にこの地域では燕麦が生産されていました。
札幌市東区といえば現在もタマネギが有名ですが、この頃の雁来村ではまだ生産されていなかったようです。
また、毎年秋にはサケが遡上しており、サケやマスを漁獲することもあったようです。

明治35年には雁来村が札幌村に統合され、札幌村字雁来村という町名になりました。(本文では継続して雁来村と呼称します。)
札幌の歴史に詳しくない方の為に解説しますと、ここで言う『札幌』は現在の札幌市東区にあたるエリアで、現在の中央区にあたる中心街のエリアは『札幌』といいます。

同じく明治35年には、雁来村で乳牛の飼育が始まり、雁来村ではその後酪農が盛んになってゆきます。
併せて、この周辺の農作物として牧草の生産が始まります。

雁来村では他にジャガイモデントコーンが生産されていました。
デントコーンとは、主にデンプンの利用や飼料としての利用を中心として生産されるトウモロコシです。
いわゆるトウモロコシとして食用されるものはスイートコーンと呼びます。

この頃の雁来村の農家さんは川を挟んで東側である現在の札幌市白石区米里や江別市に畑を持っていた方が多く、豊平川を渡るために、渡し船を持っている方が何人もいたようです。
豊平川に架かる最寄りの橋と言えば白石本通(現在の国道12号線)に架かる東橋であって、雁来村から直線距離で最低でも2kmありますから、普段使いをするわけにはゆきませんでした。(目的地が逆方向の為、単純計算で倍の4km移動距離が増える訳です。)

その為、当時から橋を架けたいという計画があったようで、北海道開発局は明治43年頃の設計図面を公開しています。
実際に建築が始まるのは明治、大正を経て昭和になってからです。


こちらが大正15年、大日本帝国陸地測量図発行の地図です。
『雁来』のほかで分かる事として『三角』として三角点通りが開通していること、画像中央右側の『場』という文字は『牧場』の一部であることなどがあります。
画像左下には『大谷地原野』の文字、大谷地と言えば現在、札幌市厚別区の中心地の地名ですが、場所としてまったく離れています。
元々『大谷地原野』現在の白石区米里、東米里、北郷、川北、川下などを含む一帯で、雁来を超える泥炭地・軟弱地盤地でしばらく開拓が進みませんでした。
元々『厚別』も札幌市南区の奥地を指す呼称ですから、札幌の歴史においては元々の地名と現在の地名の位置がズレでしまっている事が多いのです。

画像の中央左側の『興農園』は、北海道最初のデパート『五番館』の創業者、札幌農学校出身の小川二郎氏の会社で、種苗や農機具の販売を行なっていました。
店舗は中心部にあり、この場所では牧草の生産をしていました。
記録にはありませんがもしかしたら、出張所のような形で種苗や農機具も販売していたかもしれませんね。

さて、堤防が築造されたことによってマシになったとはいえ、その後も依然、豊平川は度々氾濫していました。
ネタバレをしてしまうと豊平川は昭和56年になるまで氾濫を繰り返していたのですが、豊平川の治水というのはそれほどに困難な課題であったと言えるでしょう。

北海道開発局によると昭和7~16年、郷土史によると昭和8~19年にかけて、豊平川の河川の付け替え=ルート変更が行われます。

川が氾濫は水の流れが激しくなり、川の各部分での水量が一定ではなく、主にカーブ部分から水が溢れてしまうことで起こります。
ですから、川の深さを一定にしてカーブを直線化する、という大工事が行われます。
第二次世界大戦中をも通して行われた大工事で、戦時下でも実行するほどまでに非常に重要な意味を持っていたと言えるでしょう。

併せて明治43年から計画のあった『雁来橋』の計画も30年近くを経てようやく動き出します。
前掲の設計図に従って鉄骨トラス橋の建築が昭和13年に開始されます。
しかしながら、大東亜戦争の勃発から鉄材が不足し、橋脚(ピア、ピーア、ピアー等と言います)を設置した段階で工事は頓挫してしまいます。

やむを得ず、昭和15年には『雁来橋』として木造の橋が設置されます。

このようにして戦時中にも関わらず、豊平川の整備が進んでいきます。
そして、昭和9年には雁来村のうち、国鉄の鉄道を超えた東橋周辺(現在の札幌市中央区の東12~20丁目付近)が札幌市に編入されます。

そして昭和20年には終戦を迎えます。
上は戦後昭和27年発行の内務省地理調査所の地形図です。
地図に記載の『雁来橋』は木造のものですが、白石区と結ばれました。
雁来村一帯には牧草地が広がっているように見えます。
逆に、燕麦やジャガイモ、デントコーンなども生産されているはずなのですが、地図記号は『畑』ではなく『草地』となっています。
また、酪農では乳牛だけではなく羊も育てていたようです。

どちらにせよ、戦後の時点で純粋な農村であった東雁来村は、どのようにして札幌で平成最後の区画整理事業地『ウェルピアひかりの』となったのでしょうか?
次回の記事では戦後から平成に至る歴史を紹介してゆきましょう。

◆シリーズ『東雁来』関連記事

◇ シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?
◇ シリーズ『東雁来』② 『ウェルピアひかりの』ではどのような販促がされていたか
◇ シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?
◇ シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~
◇ シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~

はじめまして、細井全と申します

このブログより以前からこれまで6年ほどの間、『細丼 善太郎』という筆名を使っていましたが、この度、令和への改元を機に、本名を公開する事にしました。
 
細井 全(ほそい・ぜん)といいます、改めて宜しくお願いします。
 
◇『インターネットステルス』
これまで長らくの間、私はインターネット上で自身の形跡が追えないように努めてきました。
中学校の頃からインターネットをしていますが、生まれてからこれまで色々と愚かしい行為を山のようにしてきましたし、今でも品行方正であるという自信はありませんから表立った行動は控えていたのです。
 
かつては『細井全』や付随するキーワードを付けてで検索しても、出身大学の授業で使ったの電子登記申請に関する記事と、大学時代に勤めていた税理士事務所の社員紹介コラム(現在は削除)だけが検索されていたほどです。
 
現在でも、『細井全』と検索して私に関する記事が出て来るのは、学習院大学、経営する法人『株式会社トラスト-ING』の役員一覧、そして所属する『札幌不動産リスティング協会』の会員記事の3件だけです。
 
これは会社経営者としてという以上に同世代の現代人としてかなり少ない部類であると言えるでしょう。
 
しかしまぁ、平成29年に法人の代表取締役に就任した都合と、札幌不動産リスティング協会では顔写真まで公開しなければならないというルールがあり、そうも言っていられなくなって来ました。
 
◇バレバレの筆名

『細丼』などという苗字は実在しませんし、これが『細井』のもじりだという事は誰にでも分かることですから、これまでも『細丼善太郎』が私であることは札幌の同業者にはバレバレではあったのですが、それでも本名を不特定多数に公開したくないという思いから、細丼善太郎という筆名を使い続けていました。

昔はアクセス解析をすると『細丼善太郎 正体』とかいう検索ワードがあったりして、大笑いしたことがあります。
 
同業者以外でも『細井』という苗字にアタリを付けて検索をする人がいるようで、 一昨年からは『札幌 不動産 細井』で顔写真まで出て来るようになってしまいました。
また、このブログに関する問い合わせを経営する不動産会社の方に頂くような事態も生じて来ました。
この2年は既に『インターネットステルス』などと言っていられる状況ではなくなってしまっていたのです。
その為、渋々ではありますが、この度本名を公開する決断を下しました。
 
問い合わせやお仕事の依頼は法人ではなく当ブログの問合せフォームからお願いします(懇願)
 
 
◇今後の活動について

今後も経営者として社業に邁進するとともにブログについてもこれまで通りマイペースに更新してゆこうと考えています。

不動産売却や不動産コンサルティングのほか調査業務、執筆、講演などの依頼がありましたら問合せフォームよりご依頼下さい。
既存のお客様との兼ね合いからタダ働きはしませんが、報酬に見合った良い仕事はします。
何度でもこう書いておかないと、しつこくタダ働きを求めて来るメディア等が非常に多いので・・・
 
 
改めてよろしくお願いします。