A-12 登記がない・地番がない土地ついて知りたいとき


『登記がない土地』『地番がない土地』というものがあります。
不動産登記というのは、不動産の権利関係を公に示す目的でされています。

国としては所有権を把握して、それに対して税金を課す事が元来の目的ですから、所有権が明白で、徴税の必要がない土地=『登記がない土地』=『国有地』です。
根拠となる法律は民法239条2項所有者のない不動産は、国庫に帰属する。
(昔、不動産登記法などに根拠を求めたのですが、記載が見当たらず、札幌法務局の登記官と話した処、上記条文が根拠である、とのことでした。
また、登記簿の前身が土地への税を目的とした『旧土地台帳』であることからも、明白であると言えるでしょう。)

ただし、地番のない土地はすべて国有地ですが、国有地すべてに地番がない訳ではありません。
過去に民有地だった経緯などから、『地番がある国有地』も多く存在しています。

地番のない土地は、地番図や公図では、このように表示されます。

真ん中にある一番大きな四角の左右に、上下に細長い長方形がありそれぞれ『道』と書いてあります。
(ちなみに真ん中にある『1-7』は札幌市役所本庁舎です。)

このような国有地は、明治時代以前からある道路で俗に『赤道』『赤線』ともいいます。
(歴史や経緯について細かな用語説明はあえて省略します。)
昔からある道路ですので、現在は拡幅されていて実際の道路範囲より狭い場合があります。
一方で、新たに拡幅した道路には、地番が設定されています。
つまり、一つの道なのに、地番が書かれている部分と、書かれていない部分があるという事です。
画像では『1-5』『2-6』『10-1』『10-2』『10-3』等が、道路の拡幅で広がった部分です。
南側の大通や北側の北一条通りの元の幅と拡幅の状況が、よく分かりますね。

最初に解説した通り、地番がない土地には、登記も図面も法務局にはありません。
隣接する土地の地積測量図などから周囲の長さを推測する事は可能ですが、登記の情報から全体の形を割り出す事は困難な場合が殆どです。
(国有地は課税の必要がないので、測量したりせずアバウトに把握しているのです。)

その部分の形を知りたい場合には、道路の管理者が保管している、『道路台帳図』などがヒントになります。
(道路の管理者の調べ方は『A-4 公道の管理者を知りたいとき』で紹介しています。)

昔から残っている道についても、札幌市では国土調査などを行い、座標の特定作業を実施しているようです。
市役所7階の管理測量課で測量資料を見る事が出来ますが、専門知識がないと判読は難しい資料です。
細かな座標資料の見方は個別的な内容になりますので、測量士・土地家屋調査士等へご相談下さい。

測量資料の閲覧方法

http://www.city.sapporo.jp/doboku/sokuryo/etsuran/e_01.html

『道』ではない国有地もあるのですが、それについては状況が多岐にわたるので、
内容を調べるのは上級編と言えるでしょう。
また、こういった国有地を購入したいという場合に、国に利用の予定がなく、近隣への影響も少ないと判断された場合には国から『払い下げ』を受けることが出来る場合があります。
お困りの場合には、専門家へご相談下さい。

ところで余談ですが、『登記のない建物』はどうでしょうか?
これは、『未登記建物』といって、金融機関から融資を受けずに来た=担保にする必要のなかった建物に多く見られます。
金融機関から融資を受ける為には、その土地建物を担保にする=抵当権を設定する必要があります。
融資を受ける必要のない資金の豊富な地主さんなどは、登記費用を節約して建物を登記しない、ということもままあるのです。
この場合には『所有者のない不動産』ではありませんから、国に帰属するのではなく、登記がなくともその所有者が所有者、という事になります。

事実、不動産登記をしていない建物を何棟も所有している地主さんも、クライアントに複数いらっしゃいます。
登記をしなくとも税金はかかりますし、火災保険にも加入できますし、賃貸も出来ますから、未登記のまま何十年所有していても、特段の不自由は発生しません。

ただ、他人に売却をしようという場合や、新たに融資を受けようという場合には、元の所有者の名義で登記をしなければなりません。
また、登記をしないまま相続をすることも可能ですが、その場合、将来建物を売却するときには、やはり登記をし直さねばならず、登記の際には相続人全員の実印がある『遺産分割協議書』相続人全員の印鑑証明書が必要になってしまい、大変手続きが煩雑になってしまいます。
私の考えとしては、将来的に売却をする可能性の低い自宅や老朽化建物以外については、相続のタイミングで登記することをお勧めしています。

当記事は2013年09月22日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

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