国道36号線の過去のルート『旧道』をご存知ですか?

国道36号線と言えば現在も有数の交通量を誇る道路ですが、
シリーズ『北広島』でも触れてきた通り、有数の歴史を誇る道でもあります。
札幌越新道は、その後、札幌本道室蘭街道から国道36号線と姿を変えていく訳ですが、その過程でそのルートを変えていく事になります。

これは有名な話で、郷土史に詳しい方や古くから札幌に住んでいる方には衆知の事実ですが、若い方に関しては、不動産に携わる人であってもご存じではない方が多いようです。

私自身も4年ほど前に不動産調査でこれを知るまでは、漠然と現在のルートで通っていたものと思い込んでいました。

これがどのようなルートを通っているのか、という話は比較的有名な話で、そこまでもったいぶる必要もありませんから、まずは全体像から見てみましょう。

昭和22年、戦後に米軍が撮影し、国土地理院が管理する航空写真で『USA-M528-58』という番号で管理されているものに手を加えた画像がこれです。

赤い線が当時の室蘭街道のルートです。
ちなみに国道36号線というのは昭和27年、戦後の新道路法によるものです。
この写真の左上は現在の『ヤマダ電機清田店』(昔のダイエー清田店)で、右下は北広島市の輪厚元町・希望ヶ丘の辺りです。

これだけでは分かりづらいでしょうから、現在の地図における所在を見てみましょう。
この道は旧国道、旧道などと呼ばれ、桜の名所としても知られています。

で、写真を載せて行きたいのですが、珍しくどこにデータを保存したのか忘れてしまったので、ストリートビューから拾っていきましょう。

市内で自動車移動が多い方には馴染み深い風景だと思いますが、札幌ドームを含む羊ケ丘が右手で、それが終わるくらいの処に『金星自動車㈱』があります。
具体的な住所としては『清田区北野1条1丁目9−1』ですが、この分かれ道が旧道への入り口となります。
ここからぐねぐねと屈曲した道を進んで『札幌整形循環器病院』『ヤマダ電機清田店』『北海道コカ・コーラボトリング㈱』などの間を通ってゆくと、清田のランドマーク、『西友清田店』『清田区役所』の裏手を通ります。

で、ここから住宅街とも商業地とも言えないエリアを進んでいくと、『清田区美しが丘1条8丁目/里塚2条6丁目』大規模な中古車販売店である『カートピアジャンボ』の前で現・国道36号線と合流します。

自動車移動の方は反対側から見た方がなじみ深いかもしれませんね。

・・・と、まぁ随分粗い紹介でしたが、これが室蘭街道の旧ルートです。
いや、だって、この旧道の話ってあまりに多く紹介されていて改めて私が照会するモチベーションが上がらなかったのです。
しかも、自分で撮影した写真を紛失してしまって更にモチベーションが下がり・・・
じゃあ書くな、という話なのですが、国道36号線の旧道についてはたくさん紹介されるだけあって、色々な話の起点となってくる為、紹介しない訳にもゆかず・・・

で、改めて色々調べ直していたら昨年9月に札幌市清田区がYouTubeで旧道についての動画を公開している事が分かりました。

税金が使われていることもあって地図や写真の資料が充実していて、完成度の高い動画であると思います。
しかし、公開から1年近い本日、平成30年8月27日時点で再生数165回と非常に拙い。
勿論、元が郷土資料館のコンテンツで小学校の地域学習なども使える教材でしょうから税金の無駄使いとは言いませんが、少し寂しい物がありますね。

前後編で20分程度なので良い機会ですから、このブログをご覧の方に、是非ご覧頂ければと思います。

 

旧・調16 西岡公園西地区


当記事はこの度書き下ろしたものですが、写真は2014年の取材当時のものです。

今回紹介するのは決定番号:110『西岡公園西地区』です。
市街化区域に編入される前は決定番号:調16『西岡公園西地区』でした。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

西岡水源地のある西岡公園の西にあるので『西岡公園西地区』という訳です。
範囲としては西岡5条15丁目の一帯という事になりますね。

平成16年に開発許可を受け、翌年に造成を完了して分譲、
平成22年4月6日に札幌市第6回見直しで市街化区域に編入されました。

西岡パークヒルズ』として分譲されたようです。

分譲が終わるとハウスメーカーや工務店、デベロッパーは造成当時の広告を消去してしまいます。
分譲当時の広告は元々あまり残らないですが、これがインターネット媒体が中心に来る事で、より残らなくなっていくのでしょうねぇ。
(私もあまり大きな事業以外はキリがないのでアーカイブしていません。)

この造成地も、分譲主がミサワホームだったのか否かまでは分かりませんでした。

造成以前の情報を調べると元々は『西岡ゴルフ場株式会社』のゴルフ場だったようです。

真駒内南アートの丘地区』で説明した通り盛土切土の懸念もありますが、
ゴルフ場の跡地って土壌汚染とかどうだっけ?という話があり、
少し調べてみたのですが、農薬は半減期が短いのであまり心配はないそうです。

さて、現地の写真を見ていきましょうか。

真駒内→澄川→西岡と市街化調整区域の南端を通る坂道の端に、
パークヒルズ入口』というバス停があります。
どうも、分譲時にバス停の名前が変わったようで一部が貼り替えられています。
(上記の地図の通り、昭和60年当時、この位置にはバス停はありませんでした。)

入口には新興造成地では名物の雨水調整池があります。

まだ新しく小奇麗な建物が目立ちますが、新琴似や真駒内とも違った街並みになっていますね。
造成分譲に参加するハウスメーカーや工務店の違いで建物のデザインが変わってくるので、街並みにも影響を及ぼすことがあります。

この地区に関しては商業施設は全くなく、住宅地のみの地区ですから、特にこれからどうなるというお話もありません。
西岡の南端の住宅街の一部として、街に溶け込んでゆくのでしょう。

実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図

決定:平成18年8月7日  変更:平成22年4月6日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。