旧・調13 新琴似南地区

当記事は2014年6月24日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:96『新琴似南地区』です。
市街化区域に編入される前決定番号:調13『新琴似南地区』でした。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

こちらも先日紹介した『新川新琴似地区』と同様の経緯を辿っていますが、
動きには若干の相違がありますから、やはり時系列順に経緯を追ってゆきましょう。
何故かは分かりませんが、新川新琴似地区と比較すると、資料に詳細が記述されていません。

・昭和45年の都市計画法施行に伴う『線引き』で、市街化区域に指定される。

・昭和60年、土地所有者からの営農継続の意向により、市街化調整区域に編入された。
 この際残されていた用途地域は、『新川新琴似地区』と異なり、
 一旦『廃止』となるのではなく、現在の用途地域への『変更』を行うという手続きが取られています。

・何らかの事情で所有者から札幌市へ宅地開発の意向が示された。
 (新川新琴似地区では所有者が相続で変更になったと記述がありますが、こちらには一切説明はありません。)

平成15年5月15日、札幌市より開発行為の許可がされ、同年7月17日及び9月4日に一部完了した。

・平成15年9月3日、市街化調整区域内の地区計画として『新琴似南地区』が決定される。

・平成16年4月6日の第5回線引き見直しで市街化区域に編入された。

…と、随分アッサリとした書き味ですが、それだけスムーズに開発が進んでいったという事です。
開発許可から1年を待たずに市街化区域になったのですから、
(かなり複雑な事情があるとはいえ)開発許可が出て約15年経っても調整区域のままの『手稲山口地区』西側と比べると、
やはり、かなりのスピード感で開発行為が進んでいったというのが実際の所のようです。

都市計画の『線引き』見直しは数年に一度ですから、タイミングの問題はあるとしても、平成15年のワンシーズンで開発行為が許可からほぼ完了までいくというのは、もちろん周辺事情や造成面積、予算などの兼ね合いもありますが、凄まじい事ではあります。

さて、現地については写真を見ながら紹介してゆきましょう。

市道『新琴似2条通』に面し、新琴似地区センターとコープさっぽろ新琴似店に挟まれた範囲です。
沿道には以下の中規模の店舗が立ち並び、その北側・裏手が住宅街となっています。

 ・サッポロドラッグストアー


 ・回転寿司まつりや


 ・新琴似温泉壱乃湯


 ・シュープラザ新琴似一番通店


 ・名古屋名物赤から

サッポロドラッグストアーの他は飲食店・銭湯・靴屋と、かなり異色の構成です。
これまで紹介してきたように市街化調整区域の地区計画による開発の場合の商業用地の構成は、
アークスグループ等のスーパーや西松屋、ドラッグストア、衣料品店というのがパターンですが、
元々コープさっぽろ(市民生協)があるためか、スーパーの新規出店はありません。
それにしても小売店舗よりも銭湯と飲食店というのはちょっと毛色が違うように見えてしまいます。

裏手の住宅街については、ここ10年の造成という事もあり、やはり新しい住居が立ち並んでいます。
住民の年齢層もまだまだ若いですから、中古物件として売りに出される事も少ない地区です。
JR駅『新川』『新琴似』ともに徒歩30分程度かかってしまいますが、自動車で移動する分にはそこそこ便利ですし、地下駅方面へのバスも複数系統出ています。
周辺は市街地に囲まれていますから、周辺の動向によって地価も変動してゆく可能性があります。
まぁ、これはどんな土地についても言える事ですが、そこだけが良くてもダメ、という事ですね。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、本市の都心部より北西へ約6kmに位置し、北東側は都市計画公園「新琴似二番通公園」、
 南西側は都市計画道路「新琴似2条通」に接する地区であり、現在、民間の宅地開発事業が進められている。
 そこで、本計画では、当該宅地開発事業の事業効果の維持・増進を図り、
 事業後に予想される建築物の用途の混在や敷地の細分化などによる居住環境の悪化を未然に防止し、
 緑豊かでうるおいのある良好な住宅市街地の形成を図ることを目標とする。

実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

(市街化区域内の地区計画に『解説書』は添付されません。)

決定:平成15年9月3日 変更:平成16年8月19日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。