B-6 都市ガス導管図の見方


さて、『A-9 都市ガスの配管状況を知りたいとき』で北海道ガスにお願いした、『都市ガス供給照会依頼書』と『道路内導管図』が戻ってきました。

『道路内導管図』はこのようになっています。

『都市ガス供給照会依頼書』には、こちらから送った依頼書に、回答の担当者名などが書かれてきます。

『道路内配管図』の見方では、図面よりも一番上の枠の内容がすべてと言って良いかもしれません。

 前面道路→あり・西150mm・北250mm
引込み管→あり・150mm
対象地区のガス種→13A

『前面道路』欄では、道路内の配管の有無と太さが記載されています。
『引込み管』というのは、道路から敷地内へ接続する配管があるかどうか、その配管の太さの事です。
どちらの道路の配管から引込んでいるのかは、図面を見ましょう。図面では北側から引込んでいますね。

『対象地区のガス種』の13Aというのは、天然ガスの規格です。
ガスは成分によって種類が定められていて、コンロなどの機材もガスの種類に合わせなければなりません。
(プロパンガス用のコンロは都市ガスで使うと事故の元になりますし、逆も同様です。)

図面の内容を読み解いてまとめると、
市役所の回りには西に150mmと北に250mmの道路内配管があって、
市役所には北側から150mmの配管で13Aというガスが供給されているよ。
という意味なのです。
配管の太さや引き込み位置については、北ガスや設備業者さんの領分になります。

さて、札幌市役所は都市ガスが使える事が分かりましたが、
その他、イレギュラーなケースも見ていきましょう。

①道路内に都市ガス配管があっても、引込み管がない場合
 前面道路→あり・西100mm
引込み管なし
対象地区のガス種→13A

・・・という回答が返ってきた場合には、敷地へのガスの供給がないという事です。
道路内に配管があっても、この『敷地への引き込み』がない場合は、すぐに利用する事は出来ません。
自費負担で敷地への都市ガス配管の引き込み工事が必要になります。
既に建物が建っている場合は、建物のガス設備をプロパン用から都市ガス用に変更しなければなりません。

新しい建物でも、オール電化住宅の場合には、都市ガスの引き込みはありません。
見た目だけに騙されてはいけない例ですね。

②その近辺に都市ガス配管がない場合
道路内に都市ガス配管がないエリアの場合には、返信のファックスに配管図面がついてきません。
『都市ガス供給照会依頼書』に、このような文言がスタンプされて返ってきます。
ガス導管図のない地域となります。
ご照会場所の付近に都市ガス管はありません。

これが返ってきたらそのエリアでは都市ガスの供給はまだまだ先・・・とあきらめるしかないでしょう。

③道路内には都市ガス配管はないが、近隣に配管がある場合
都市ガスの供給エリアではあるのだけれど、その道路の中に配管がない場合には、一番最初の画像の左側にある文書にチェックがされた図面が返信されてきます。
ガスの引込が可能ですが、本管延長工事(有料)が必要です
つまり、自分の土地の目の前の道路までの引込費用を負担してね、という事です。
・・・とはいえ、道路を掘って管を埋めるというのは、ベラボーに費用がかかります。
分譲業者が行う大規模な開発でもない限り、個人レベルでやる事ではありません。
よっぽどの事がない限り、すぐには都市ガスは通らないと考えてよいでしょう。
北ガスは徐々に供給エリアを広げていますから、そのうち通ってくれるのを祈りましょう。
まぁ、もし道路に配管が通っても①の状態になるだけの場合もありますが・・・
(造成工事などで、敷地までの引込費用を負担してもらえる事もあります。)

・・・だいたいこんなところでしょうか。
インフラの供給工事については、技術的な問題があるので、出来る・出来ないをすっぱり言えない場合があります。
例えば①のケースで前面道路の幅が20mくらいあって、自分の土地の側ではなく、
道を挟んで向かい側の歩道の中にしか都市ガス配管がない場合には、
道路を20mも掘って引き込み工事を行わなければならないので、
道路管理者の許可を取ったり、どの程度費用負担するか決めたりと、大変です。

都市ガスの有無は土地建物の価格に、比較的ダイレクトに影響する要因ですから、入念に調査しましょう。

当記事は2013年10月11日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

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