調5 真駒内駒岡団地

当記事は2014年04月27日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調5『真駒内駒岡団地』です。
地区計画の名称は、通常『○○地区』ですが、ごく稀に『○○団地の場合もあるのです。
市街化調整区域の地区計画では他に決定番号:『調11 丘珠藤木川西団地があります。

ちなみに通常の地区計画では、全114件中8件が『○○団地』です。

…まぁ、だから何だという話なのですが。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップではこんな感じです。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より南方約11㎞の市街化調整区域に位置し、
 昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
 現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
 そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
 現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする。

既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

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・・・ええと、地図を照らし合わせてみると、結構特殊な指定区域になっているのが分かりますか?
一見、指定区域の西側南東側にも住宅街が広がっているように見えますが、それらの部分は指定区域に含まれていません。
西側・南西側については更地や倉庫となっている部分も多いので、指定されていないのも分かるのですが、南東側については一般住宅が多く所在しており、市街化調整区域であるのが不思議なほどです。

これは以前紹介した『調6 中沼地区』でも同様でしたが、地区計画の設定のない市街化調整区域です。
地区計画が設定されていないのに、何故建物が立ち並んでいるのか?
実は西側・南東側は『旧事業法団地』と呼ばれる、非常に難しい扱いのエリアなのです。
昭和39年施行の『(旧)住宅地造成事業に関する法律』第4条によって、都道府県知事の許可を得た区域については、市街化区域と同様に建物を建築出来る市街化調整区域という取扱いになります。

『旧事業法』は、昭和43年『都市計画法』が施行されることで廃止された法律であって、現在の都市計画法の前身の一つである、と言えます。
わずか4年ばかりの間で、市の職員によると100ヶ所程度の指定があるそうで、その指定内容はインターネット等へは公開されておらず、札幌市役所本庁舎の宅地課へ直接確認しなければなりません。

ちなみに、地区計画エリア外である西側には入所式障碍者支援施設『南陽荘入所部』が所在しています。

さて、『真駒内駒岡団地』の地区計画エリア内に話を戻しましょう。

名前の由来は真『駒』内の『岡』にある事からで、住所は『駒岡』ではなく、あくまで『真駒内』の番地地区です。

『駒岡清掃工場』を通過した森の中にポツンと所在しています。

 写真中央の遠くに見える紅白の煙突が、清掃工場のものです。

駒岡団地は山の中にある関係もあり、かなり急な坂道が多くなっており、冬場は通行止め一方通行となる道路が多くあります。
この事からも、除排雪状況は万全とは言い難い状況ということは分かるかと思います。
無理に除雪をしようとすれば重機が頓挫して通行不能になったり、交通規制をしなければ出合い頭事故なども増えますから、やむを得ない処理であると言えるでしょう。

小学校の学校区は『駒岡小学校』
『駒岡』の名前が付いているので、ほぼこの地域の子供かと思いきや、どの学区からも入学が出来る『特認入学指定校』となっている為、児童の88%はこの地域以外の子供だそうです。
平成26年4月1日現在の児童数は83名、6学級で1学年1学級という事になりますから、クラス替えはありません。

中学校の学校区は地下鉄真駒内駅のそばにある『真駒内中学校』
最寄りの中学校は『常盤中学校』ですが、中学生でも山道を歩いて登校してクマにでも会ったら一大事ですから、
真駒内までバス通学をしてもらうのが賢明という事でしょう。
バスは1時間に1本かそれ以下、冬季でなければ12分程度で真駒内駅に着くようです。

ハッキリ言ってしまえば、色々な意味でかなり厳しい立地です。
わずかに流通の事例もありますが、南区郊外には市街化区域内であっても、石山や簾舞、藤野、常盤といった安価な土地があるので、苦戦してしまうようです。

色々な意味で取扱いが難しい土地となりますから、売却をご検討の際は、不動産業者の中でも、知識の豊富なプロに依頼した方が良いでしょう。
四角い住宅地や中古マンションしか扱った事のない素人に任せるのは、大変危険です。

決定:平成10年11月20日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。