重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

当記事は2015年1月21日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

この仕事をしていると…と言いますか、どんな仕事をしていても、
同業者と共同で仕事をする、というのはなかなかに難儀なものです。
 
税理士事務所に勤務していた頃は専ら税務署(国税庁)や自治体の税務課が相手で、
同業者と仕事をするのは、グループ企業の連結会計や法人同士の折衝など、
ごくごく限られたシチュエーションだけでしたが、
不動産業では複数の不動産業者が仲介をする『分かれ』=『共同仲介』という形態が、
(手数料の両受けを狙う『両手』に拘泥しなければ)ポピュラーな取引形態であり、
つまりは同業者と仕事をするのはごくごくありふれたシチュエーションなのです。
 
『共同仲介』といって、何をするかと言えば、
双方の条件の折衝や売買の段取りや銀行融資の調整など多岐に渡りますが、
取引において最も重要な業務として、書面の作成業務があります。
主には『売買契約書』『重要事項説明書』がそれにあたりますが、
その他にもそれに付随した書類のやりとりが必要になります。
 
『売買契約書』と『重要事項説明書』の作成…共同仲介といっても、
双方の担当者が何度も面談して綿密に打合せをして…というような作成方法は取りません。
 
売主側か買主側、いずれか一方の業者が素案を作成し、
双方でやりとりし、不明点があれば確認し、修正箇所があれば随時指摘する。
取引条件の交渉内容がきちんと書面に織り込まれているか、念入りに確認する。
…といった風に、何度かやりとりをして契約書面を完成させてゆきます。
(その際に、必要があれば共同で現地調査をしたり、面談で打合せをすることもあります。)
 
作成するのは、一般的には売主側の業者が作成する方が多いようです。
(売主側の方が当然その物件についてよく知っているから、という事情があります。)
 
さて、一連の不動産一括査定サイトに関する記事の時もそうでしたが、
当ブログの記事は私の気分次第で題材をチョイスしている傾向が強く、
特に不動産業界の気に食わない話題については私怨丸出しで取り上げてきました。
 
そして、今日のお話も私怨です。
 
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』という項目のお話。
 
前提条件として『重要事項説明』というのは、不動産の買主・借主に対して契約に先立って、
その契約を結ぶかどうかに影響し得る『重要な事項』を書面を提示した上で説明する、という制度です。
この書面の作成買主・借主への説明については宅建主任者が行わねばならない事になっています。
 
『重要な事項』というのは、法令的な制限の他にもインフラの整備状況や、
取引条件…特に支払や融資や保証、解約に関して特に説明するべき事項が定められており、
国が定めた以外の事項であっても、契約に影響するような事項は告知すべきとされています。
 
そして、国土交通省が定める『重要な事項』のうちの一つが、
『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』なのです。
 
それでは、この項目で説明するべき内容というのは、どういったものなのでしょうか。
 
不動産流通近代化センターが運営する情報サイト不動産ジャパン』の説明を抜粋しましょう。
 http://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/8_2_3.html
 
 瑕疵担保(かしたんぽ)責任の履行に関する措置
  売り主が講ずる瑕疵担保責任の履行に関する措置について説明されます。
  瑕疵担保責任の履行に関する措置とは、売り主が倒産などにより、
  瑕疵担保責任を負うことができない場合でも、
  保険への加入などにより瑕疵担保責任を履行するという制度です。
  平成21年10月1日より、新築住宅の売り主には、
  瑕疵担保責任の履行に関する措置を講ずることが義務化されました
 
  *瑕疵担保責任:宅地または建物に、
   契約の締結当時に隠れた瑕疵(欠陥など)があった場合に、
   売り主が買い主に対して負う責任のこと。
 
ざっくり言うと、
『万一、不動産に何か欠陥があった時、売主はその保証をするけど、
 保証するための準備として、具体的にどんな事をしているかを説明するよ』
…という項目なのです。
 
『保証するための準備』とは、法務局に供託金を収めたり、
住宅かし保険に加入するといった事で、特に新築住宅の売買の場合には、
この『保証をするための準備』をする事が瑕疵担保履行法で義務付けられています。
 
一方で、土地の売買の場合では、『保証すること』はあっても
『保証するための準備』をする事は実務上、まずありません。
 
中古住宅や中古マンションの場合も基本的には土地と同様で、
例外的に、任意で住宅かし保険に加入している場合には、
この項目に記載される事になりますが、
保険へ加入しての取引はまだまだ少数派のようです。
(ごめんなさい、具体的な加入率についてはデータが見つけられていません。)
 
話を戻して『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』とは、とどのつまり何なのか。
 
それは『保証するための準備をしているかどうか』という事です。
『保証自体をするか否か』では、ないのです。
 
この二つを混同している不動産業者が、大変多くて、うんざりします。
 
『保証自体はするけど、保証の為の準備(保険加入など)はしません』という取引条件なら、

瑕疵担保責任の履行に関する措置は、『講じない』とするのが正解なのです。

 
こちらが作成した『重要事項説明書』に対して、
『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要が”講じない”となっているんですけど、
 瑕疵担保責任は負って頂けないんですか?それでは困るのですが…
『瑕疵担保責任は”負わない”とするべきで、”講じない”というのは誤りではありませんか?』
などと言う確認・質問を受ける事が多々あり、
オドレはホンマに宅建主任者か?!と思いながら、以上のような説明をするのです。
 
もう数年前の話ですが、更地の取引で買主側の担当者とこういったやりとりがあって、
『事前に買主様にも説明しておいて下さいね』と言っていたにも関わらず、
重要事項説明の最中に瑕疵担保責任を負ってもらえないなんて聞いてない!』と、
買主様が機嫌を損ねてしまった、という経験もあります。
『期限内の瑕疵担保責任は負いますが、その保証を履行するための措置…
 …つまり、保険への加入などは行わないという意味です。』
と、すかさず口を挟んだものの、
買主さんが一度抱いた疑念というのはすぐには消えないもので、
『瑕疵担保責任の期間が過ぎてしまったらどうするのですか?』
などと、ミもフタもない事を言われるものですから、
『この期間を取引条件として価格などが決定されていますから、延長する事は出来ません。
 土地に関する法令的・実務的な調査は弊社でも既に実施していますが、
 ご不安であれば期間内に土壌汚染や地中埋設物に関する調査を行なって下さい。』
と、言って、まぁ不承不承ではありますが契約を締結したことがあります。
(その後、その更地には無事住宅が建築され、買主様が居住されています。
 もちろん、土壌汚染や地中埋設物のリスクが高い場合には事前に説明します。)

 
この項目、必要な取引の時以外には省略してしまいたいのですが、
『講じない場合には講じない事を説明する事を国に義務付けられているため、
省略する事は出来ず、苦々しい思いをしながら日々を過ごしている次第です。
 
記載ミスや誤字脱字程度の事はともかくとして、
法令に関する理解そのものの問題になると、ちょっと困ってしまいますね。

この項目は平成21年の『住宅瑕疵担保履行法』の施行に伴い追加されたものです。
ですから、経験が長く、勉強不足の宅建主任者は知らない項目かもしれません。
不動産会社の担当者がこの項目の内容について正確に答えられるかどうかが、
その担当者のスキルを図る一つの目安になるかもしれませんね。

ハウスメーカーや工務店の場合には日常的に出てくる項目ですから、
それらの住宅営業マンがこの項目を知らなければ、論外と言えるでしょう。

それ以外の不動産業者の場合は経験か知識のどちらかが不足していると言えます。
普段賃貸ばかりやっていて売買の経験が浅いであるとか、
土地の取引ばかりしていて建物の取引実績が少ないであるとか、
ほとんど現場以外の仕事をしていて実務を知らないであるとか、
まぁ、そういった事情が考えられますが、どのような事情にせよ、
この項目の詳細を知らない場合、ちょっと頼りないと言えるかと思います。

 

中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか

当記事は2015年1月19日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

ところで、これまでの記事で『新築住宅でなくても任意で瑕疵保険に加入する事は可能』と紹介してきましたが、
『新築で義務の保険』と『新築以外で任意の保険』にはどのような違いがあるかも、紹介しておきましょう。

『新築で義務の保険』は1号保険『新築以外で任意の保険』は2号保険と言い、それぞれの特徴は下記の通りです。

義務化保険(1号保険)
 住宅瑕疵担保履行法第19条第1号に規定されている資力確保義務に対応した保険契約。

 被保険者が建設業者または宅地建物取引業者であって、
 未だ人の居住の用に供したことのない住宅で、
 建設工事の完了の日から起算して1年以内に

 発注者または買主(以下「住宅取得者」)に引き渡された住宅を対象とするものです。
 ただし住宅取得者が宅地建物取引業者である住宅は任意保険(2号保険)となります。

任意保険(2号保険)
 住宅瑕疵担保履行法第19条第2号に規定されている1号保険以外の保険契約。
 〈任意保険の例〉
 完成から一年を超えて引き渡された住宅
 建設業の許可の不要な事業者が建設した住宅
 住宅取得者が宅地建物取引業者である住宅

対象となる物件が新築か否かで1号保険、2号保険が分かれてくる訳ですが、
原則的には、保険による保証の内容は同一です。

1点だけ異なる点は1号保険のみ『指定住宅紛争処理機関』を活用できる、という点です。
『指定住宅紛争処理機関』とは業者と消費者の間に瑕疵にまつわるトラブルがあった時、
自身で弁護士へ依頼せずとも、
第三者である弁護士による「調停」または「仲裁」を受ける事が出来る機関です。

『紛争処理機関』に支払う手数料は1万円こっきりで他の費用はかからないとの事です。
通常、弁護士に依頼すれば裁判までゆかずとも
報酬や実費で少なくとも数十万円の費用が発生します。
裁判に至れば更に費用が発生する訳で、
『紛争処理機関』は非常にお手頃な相談先であると言えます。
原則的にはその「調停」に従う事とされていますが、
どうしても不服があるという場合には、
裁判などの手段に訴え出る事も可能です。

2号保険(新築住宅以外)の場合、直接話し合うか、弁護士に依頼する事になります。

『特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律』は、
真面目にやっている事業者にとっては負担となるだけという批判もありますが、
本当にその業者が信頼できるのかどうか分からない消費者にとっては、
ある程度は有意義な制度であるという事が出来るでしょう。

新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します

当記事は2015年1月13日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

さて、ここまでは『品確法』に基づく『新築住宅』の定義を3回に渡り掘り下げてきました。
『品確法』では、『欠陥住宅からの消費者保護』を目的として、
売主に引渡し後10年間の瑕疵担保責任(欠陥の保証)を義務として課しています。

これは建築業者、不動産業者だけでなく一般消費者についても課されている義務です。

『品確法』は平成11年6月23日に公布された法律ですが、
実は、欠陥の保証をするにあたってはこの法律だけでは不十分だったという事情があります。

それがヒューザー・姉歯耐震偽装問題に端を発した欠陥マンション問題です。

ぶっちゃけ『10年間の保証をする義務は課したけど、具体的にどう保証するかは決めていなかった』のです。
建築会社や分譲会社が倒産した場合に、
消費者を保護する手立ては殆どなかった
という状況があります。

そこで満を持して登場したのが『特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律』です。
(平成19年5月30日公布、平成21年10月1日施行)

この法律では、建築業者や不動産業者に対して、
『10年間の保証義務をきちんと果たせるようにする』事を目的
としています。

具体的に、どのように保証するかと言えば、
①法務局に供託金を預ける
②瑕疵保険に加入するのいずれかの方法が定められています。
『品確法』の瑕疵担保責任は一般消費者が新築住宅を転売する際にも課されますが、
『瑕疵担保履行法』の義務は、一般消費者が売主の場合には該当しません。

の方法では住宅の引き渡しから10年間、法務局に所定の供託金を預託する事が必要になります。

1戸の場合は計2000万円、10戸の場合は計3800万円(1戸380万円)、100戸の場合は計1億円(1戸100万円)…
まぁ、大変多額の現金を10年間寝かせておかなければならない事になります。

の方法では、国土交通大臣が指定する5つの『住宅瑕疵担保責任保険法人』
『住宅瑕疵担保責任保険』のいずれかに加入し、保険料を納入します。
これがいわゆる『住宅かし保険』で、
法人によって『すまいまもり保険』『住宅あんしん保証』などの商品名があります。

 ◇株式会社住宅あんしん保証
 
 ◇住宅保証機構株式会社
 
 ◇株式会社日本住宅保証検査機構
 
 ◇株式会社ハウスジーメン
 
 ◇ハウスプラス住宅保証株式会社

 ※ 過去に『たてもの株式会社』も瑕疵保険の引受を行っていましたが、
   平成23年9月14日付で国交省へ廃業届が出され、
   平成23年11月16日に破産決定されました。
   既に引き受け済みの保険契約については、
   『株式会社住宅あんしん保証』が引き継いでいます。

①供託②保険かを選択するのは、義務を負う業者ですが、

2000万円もの現金を10年間寝かしておくよりは、
幾許かの保険料を支払う、というケースの方が多いようです。
(マンションなど比較的まとまった戸数の場合には、
 供託方式が選択される場合もあります。)

これにより、住宅の購入者が取得した新築住宅の欠陥について
10年間の保証を受けられる制度的担保が確立した
と言えます。
(まぁ、この保険制度については色々と批判もあるようですが、
 この場では割愛します。)

さて、この『かし保険』は新築の場合には事業者に加入義務があり、
新築以外の場合には、任意保険として加入する事が出来ます。
次回は、新築の場合と中古の場合の『住宅かし保険』の違いを紹介します。

業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘

当記事は2015年1月7日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

ええと、もうちょっと『新築』の定義についてもうちょっと掘り下げてみる事にしました。
いい加減しつこいのですが、品確法と公正競争規約での『新築住宅』の定義は『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』です。

 
で、その『人が住んだことがない』という状況を
客観的に立証するのは非常に難しい
というお話をしました。

例えばその建物に住民票を移していたとしても、
実際に居住していない場合『人が住んだことがない』と判断される、とも解説しています。
 
しかし、私のこの見解には詳細な客観的根拠がありません。
そこで、国土交通省の担当部署:住宅局住宅生産課へ問い合わせてみる事にしました。
問い合わせをするにあたって、こちらも十分な理解がなければなりませんから、
法律や手引きを読むほか、インターネット検索でも色々と文章を読んでみることにしました。
 
すると、不動産業界に勤務するという色々な方のブログがヒットします。
また、Yahoo!知恵袋のような質問サイトにも多く行き当たりました。
それらをじっくりと読んでみましたが…
ホントにこの業界の俗説と都市伝説の多さには、溜め息が出るばかりですね。
 
前回紹介したように、『工事完了日』とは実態として建物が引渡し可能となった日を指します。
建築確認検査済証の交付を受けた日や建築確認検査を実施した日、
建築確認検査済証に記載された工事完了日など、色々な見解がありますが、
まぁこれらは100%正解とは言えませんが、100%誤りでもありません。
 
しかし、まったくもってヒドいのは登記と新築に関する理解。
『表題(表示)登記がされた時点で新築ではなくなる』
『保存登記をした時点で新築ではなくなる』などなど、
俗説をまことしやかに書いている人間が、殊の外多いのに驚いてしまいました。
 
…ひどい話では新築後1年を経過すると表題登記をしなければならない』という、
どこから聞いたの、その話?!というような論もあり、辟易してしまいます。
不動産登記法に定める表題登記の期限は新築後または取得後1ヶ月以内です。
(所有権移転に使う『住宅用家屋証明書』
の期限の1年以内と混同しているのでしょうか?
 原則は一ヶ月で罰則も定められているのですが、
 実務上は諸事情あって、表題登記されないまま何年も経っている建物も多いのです。)

表題登記も保存登記も、その建物に関する権利関係を明白にするためのものです。
(表題登記は土地や建物の性質を記録するものですが、それは権利関係を明白にするための記録です)
 
ざっくり『所有権がある』=『住んでいる』という事にならないなんて事は、
賃貸用戸建や賃貸アパートの登記名義が住んでいる人とは別である事を示すまでもなく、自明です。
 
Yahoo!知恵袋などで一般消費者の方がそのような勘違いをするのは仕方がありませんが、
仮にも不動産業界にいる人間が宅建主任者を名乗って書く文章が、
そのような耳学問の俗説で語られているというのは、同業者としてちょっと恥ずかしいですね。
 
…なーんて言ってますが、当の私もこのブログに書いている内容が、全て正しいとは思っていません。
用語に誤りがあったり必ずしも正しくない言い回しを使っていたりしても、
あえてそのままにしている箇所もあります。
(それは表現上・ニュアンスの分かりやすさを優先した都合であったり、
 文章の一部だけ
直すと収拾がつかなくなったり、事情はいろいろです。)
また、私自身が気付いていない誤りも、おそらく多々あるはずです。
 
だからこそ、一つ一つの案件に沿って法令条文を引っ張ったり、
役所へ問い合わせる事が大事なのであって、
インターネットで気軽に調べたものを回答とするのは、プロの仕事ではありません。
このブログは私がプロとして有償で活動しているものではありませんから、
当ブログの免責事項でも触れていますが、当ブログの内容について、
誤りがあったとしても、私は何の保証も致しませんので悪しからずご了承下さい。

ただし、プロとして有償で業務を委託された場合において、
その調査によってお客様に損害を与えた場合には、当然にその責任を負うものです。
 
当ブログは一般消費者の方だけではなく多くの同業の方にご愛顧頂き、
それ自体は大変うれしく思っていますが、
意図せざるところで都市伝説や風説を流布しかねないと思うと、
少し空恐ろしい思いにもなり、このような駄文を書き連ねてしまいました。
 
 
…と、いう訳で、国土交通省住宅局住宅生産課へ問い合わせた回答は以下の通り。
①新築住宅は『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』のこと。
②『新たに建築された日』は、実態としての工事が完了した日。
③『人が住んだことがない』かどうかは、実際に人が生活したかどうかで判定する。
建物の表題登記や保存登記は、『新築』の判定とは何ら関係ない
余談ですが、この考え方を適用してゆくと、
モデルルームなどで仮設事務所などのように扱っていた場合でも、
通常はそれを『居住』とは見なさず、『新築住宅』の扱いとなる、という事ですね。
<個人的備忘>
新築住宅とはどういう物件を言うの?その定義とは?│新築住宅購入のポイント・注意点とは?!
 
【新築物件と呼べるのは建物が完成したあといつまで?】│失敗しない中古マンションの見極め方


新築未入居、登記済=中古扱いの物件購入
 http://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/239154/

おしえてください。建築物件(築1年)購入時に「建物表題登記」費用を請求されました。 – 教えて! 住まいの先生 – Yahoo!不動産
 http://knowledge.realestate.yahoo.co.jp/chiebukuro/detail/1079759060/

『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い

当記事は2015年1月5日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?

前回の記事、『『新築住宅』ってどういう意味?定義は?』では
『新築住宅』とは『品確法』『公正競争規約』の2つの裏付けから、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』を指すと説明しました。

この2つのうち、特に重要な役割を担うのは『品確法』で、
その目的は『欠陥住宅からの消費者保護』にあります。
新築住宅の主要構造部…つまり、屋根・柱・梁などの部分についての
瑕疵担保責任(欠陥の保証義務)が10年とする義務
が定められています。

この法律には他にも『住宅性能の客観的定義付け』も目的としています。
最近聞くようになった『住宅性能表示制度』はこの法律に基づくもので、
住宅に関して断熱・防音・防災・防犯など一定の基準が定められています。
しかし、これはあくまで任意の規定であり、性能検査を受けない事も可能ですから、
法律の主眼が『欠陥住宅からの消費者保護』にあることは明白です。

さて、そんな前提条件を頭に入れた上で、
『新築住宅』の扱いを具体的に考えてゆきましょう。

◇具体的に『新築』と言える期間はいつからいつまで?
建物が完成した日からそのちょうど1年後までの1年間です。
例えば、令和3年1月2日に建築された建物であれば、
令和3年1月2日~令和4年1月1日までが『新築』の期限となります。

建物が完成した日、というのは建築工事が完了した日を指し、
実態を鑑み、建物本体の引渡しが可能な状態となった日が工事完了日となります。

ただ、その『建物が完成した日』というのが実務上ちょっと難儀で、
特に不動産業者が企画した建売住宅などの場合には、
建築業者から不動産業者に引き渡された日や建築確認手続きの日など、
建物の建築に関していろいろな日付が登場しますし、
かつ、営業マンがいまいちその辺を理解していなかったりします
が、

あくまでも工事の完了日が、『新築』の起算日となります。

◇『人が住んだことがない』ってどういう意味?
人が住んだ事がない、という意味です。
…えーと、何の説明にもなっていませんね。

実のところ、法律や手引きを見ていても具体的な定義付けが見当たらないのです。

他の法律などの扱いを鑑みるに『実際に寝泊まりする』と考えられますが、
それをどのように立証するのかについては、なかなか難しい処があります。

客観的に言えば、住民票を移していたりすれば、居住している傍証になりますが、
これも実態を伴わない(=住んでいない)場合には、無効になると思われます。

『品確法』においては、消費者保護が目的ですから、
このような取扱いについては消費者優位に運用されるはずです。
例えば、瑕疵担保責任を10年とする事を避ける為に、
業者の身内が一時的に居住したり住民票を移したりして、
『新築』扱いでなくすという事は、認められないでしょう。

まぁ、その場合には『新築』という宣伝文句を使えなくなって、
ただの『中古住宅』になってしまう訳ですから、
あまり実用的ではありませんし、通常は考えられない手法ですね。
(『新築』で売る事には、それほどに流通上の優位性があるのです。)

◇人が住まないまま転売された一年内の建物は『新築』になるの?
なります。

…と、言うのは例えばマンションや分譲住宅のデベロッパーが倒産した場合
そのデベロッパーから事業を引き継いだ業者から住宅を購入した消費者が、
売主が異なるからといって保護されなくなるのは合理的ではないという判断です。

消費者が購入した新築住宅を未入居のまま第三者へ転売した場合はどうでしょうか。

この場合でも『新築住宅』という扱いになり、
一般消費者である売主は、10年の瑕疵担保責任を負います。

詳細については、以下の記事を参照して下さい。

新築未入居の物件を売却する場合の品確法上の問題点|不動産流通近代化センター
http://www.kindaika.jp/archives/1622

品確法の定めにおいて『新築住宅』というのは純粋に、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』
…という以上の定義はないのです。

◇『新築』でなくなった建物はどうなるの?
『人が住んだ事のある居住用建物』は単なる中古住宅です。
では、『人が住んだ事がないまま一年を経過した建物』はどうでしょう?

これは不動産取引の慣例上、『築後未入居』『未入居』などと呼ばれています。

かつては『新築未入居』などと言うこともあったようですが、
現在、この言い回しは『公正競争規約』によって、禁止されています。

『未入居』の物件は何らかの事情で注文住宅が未入居のまま売却される場合もありますが、
その多くは建築業者や不動産業者の企画した建売住宅が1年以上売れ残ってしまったものです。

これを狙って強気の価格交渉をしようとする方も多いようですが、
まぁ、広告に掲出されている価格を大きく下回る、というのは、
不動産流通の構造上、ちょっと難しいかもしれません。

どちらにせよ、『新築』でなくなった建物については、
『品確法』上、10年の瑕疵担保責任が義務ではありません。

前回解説した通り、10年の瑕疵担保責任を任意で設定する事は可能ですが、
業者に対する義務として定められているものではありませんから、
『築後未入居』の物件を購入する場合には、この辺りを事前に確認しておく必要があります。

『新築住宅』ってどういう意味?定義は?

当記事は2015年1月3日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

新年あけましておめでとうございます。

ご挨拶はさておき、新年一発目の記事ですから、一般需要の高い記事を書いて行こうと思います。

不動産調査や新しい道路に関する記事で検索順位が高い当ブログですが、
札幌市が分譲する新興住宅地『ウェルピアひかりの』に関する検索でも
各検索エンジンの上位群に表示されるようになってきたようです。

ハウスメーカー・工務店といった売り手の商品情報ではなく、
ある程度距離を置いた人間が俯瞰的にまとめた記事の方が、需要もあるようですね。
(というか、ハウスメーカーの営業さんなどにも読んで頂いているようです。)

・・・と、いう訳で、住宅を新築しようとする方にも閲覧されているようですから、
今回は『新年』『新春』とかけまして『新築』について紹介してゆきましょう。

日常会話で『新築』と言えば新しく建築した建物を漠然と指しますが、
正式には建物の『新築住宅』ってどういう定義の言葉なのでしょうか?

結論から言いましょう不動産流通上、『新築住宅』とは、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない居住用建物』を指します。

根拠は二つあります。

『住宅の品質確保の促進等に関する法律 第2条2項』(以下、『品確法』)
 この法律において「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、
 まだ人の居住の用に供したことのないもの
 (建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。

『不動産の表示に関する公正競争規約 第18条1項』(以下、『公正競争規約』)
 建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。

『品確法』欠陥住宅に関する消費者保護を定めた法律で、
この法律に定める『新築住宅』については、建設業者・不動産業者が、
消費者に対して10年間の保証を行う義務がある
ことを定めています。

従来騒がれてきた『欠陥住宅』『手抜き工事』から消費者を保護するための法律ですね。
ただし、定義の通り、建築後1年超の住宅については、保証義務の対象外となります。
(義務がなくとも、任意で保険に加入し保証をする事は可能です。)

『公正競争規約』は、不動産の広告に関する記載のルールを定めたものです。
法律ではなく、業界団体(不動産公正取引協議会)の定めたものですが、
『不当景品類及び不当表示防止法 第11条第1項』では、
業界団体の定めたルールが法律に準ずるものと出来るとされていますから、
限りなく法律に近い定めであり、罰則の規定も定められています。

これにより、広告等でも『新築』の定義は『品確法』で定めるものと同一となりました。

このように『品確法』と『公正競争規約』の両面から、『新築』の定義がされています。
その結果、不動産流通の世界で『新築』という言葉は、
『新たに建築されて一年以内の、人が住んだことのない建物』を指すことになったのです。

余談ですが、ここまでの解説は不動産流通の世界での定義であって、
『新築』という言葉の定義がこれに限られている訳ではありません。

例えば一般の辞書では『新しく建物を建てること。また、その建物。』と定義されていますし、
同じ不動産に関する法律でも、『不動産登記法』では、
『平成27年1月3日新築』といった風に、建築日を示すための用語として使われます。

私はこのブログの記事を書く際に、出来るだけ法律原文を引っ張って来るようにしていますが、
これはインテリぶりたいだとか、文章を権威付けたいといった目的ではなく、
法律によって言葉の定義も様々ある訳で、
根拠を示さずに論を展開する事は非常に危険だからなのです。

『新築』に限らず『事業者』『業務』『土地』『建物』といった用語も、
法律によって定義が多岐に渡り、これを曖昧なまま使う事は非常に危うい
事です。

次回、以下のような具体例を挙げ、更に詳しく『新築』について解説してゆきましょう。
 ・具体的に『新築』と言える期間はいつからいつまで?
 ・『人が住んだことがない』ってどういう意味?
 ・人が住まないまま転売された一年内の建物は『新築』になるの?
 ・『新築』でなくなった建物はどうなるの?

シリーズ:『新築』と『瑕疵担保履行』
『新築住宅』ってどういう意味?定義は?
『新築』と判定される具体的ケースと詳細な取り扱い
業界の俗説『登記をすると新築でなくなる』の嘘
新築住宅の『住宅かし保険』の概要を分かりやすく解説します
中古住宅の『住宅かし保険』は新築住宅の場合とどのように違うのか
重要事項説明書の『瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要』ってなんなの?


札幌の不動産屋、ドローン活用を語る③ 運用機材の紹介

さて、ブログの更新を2ヶ月止めていたのにこのシリーズでは矢継ぎ早に更新しております。
複数の会社の経営者として、この人手不足の折、それなりに多忙に過ごしておりますが『今が旬という話題があると寝る間を惜しんで夜中から明け方にかけてベッドの中でも半覚醒(うたた寝)状態で記事を書いてしまいます。

過去2回で『ドローンの合法的運用は困難を極める』と結論付けておいて何故『今が旬』なのかというお話は、記事の最後で紹介しますね。

【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。
 
Mavic2 Zoom(DJI)
中国の有力ドローンメーカーDJI製の中上位クラスのドローン『Mavic2』はProZoomの2機種が発売されています。

いずれも本体性能は同一ですが、異なるのはカメラの性能です。
Proより高画質なカメラを搭載したモデルで本体価格は19万円台です。

Zoomはカメラ性能ではProに劣るものの光学ズーム機能を搭載したモデルで本体価格は16万円台です。

なかなかにご立派な本体価格で、初めて価格を訊ねられる方には驚かれる方も多いのですが、業務用軽自動車の5分の1以下(家庭用軽自動車だと10分の1以下ですね)ですし、PCと同程度の価格と考えれば、そう大きな金額でもないでしょう。
上位機種で『プロ用』と銘打って同じDJIから発売されているPhantom420万円程度とそう変わりない価格ですが、Mavic2は折り畳みが可能な為、携行性に優れています。

まぁ、更に本格的なプロ用のM200シリーズV2という機種はその3倍超の価格ですし上を見れば青天井なのですが・・・


※写真のアスファルト舗装部分は道路敷地内ではなく、私有地内です。

1つのバッテリーでカタログスペック上30分程度の飛行が可能ですが低電圧になるとアラートが出る設定(アラートが出る電池残量は任意に設定可能)があるので、実感としては離着陸をスムースに行っても20分程度の飛行時間という感覚です。

合法的にドローンを飛行させられる郊外地まで行って、20分飛ばして終わりというのも世知辛い話ですし、業務として利用するという観点からも、予備バッテリーはどうしても必要になってきます。

予備バッテリーは今日現在の価格で1つ16,500円もしますから、予備のプロペラなど各種アクセサリ類も併せれば20万円を下らない総額となります。
アクセサリ類をセット販売する『Mavic 2 Fly More Kit』という商品も販売されています。

カメラ設置部分(ジンバル)の可動でカメラ角度の調整が可能なので、ドローンの水平方向の撮影の他、真下の角度まで柔軟に画角を設定することが出来ます。

操作は専用の送信機(コントローラー)とスマートフォンを接続して操作します。
各方向のセンサーによる衝突・接触防止機能もあり、飛行の安定性は素晴らしいものですが、強風や電波干渉、鳥や電線との接触、或いはスマートフォンの不調で制御不能に陥る可能性もあります。

本体重量だけで900g程度と1kg近くありますから、人体は勿論、建物の屋根や自動車に当たるような事があれば、大事故につながりかねません。
最初の1年に限り三井住友海上が引受する賠償責任保険が無料で付いて来ますが、インターネット上で手続きをしなければなりませんので、忘れずに手続きをしましょう。(2年目以降は有料での更新。)
 
散々書いている通り、航空法の制限により、国土交通省の許可がなければ合法的に飛ばせる場所は相当の郊外地に限られます。

しかしながら、非常に素晴らしい性能で、実際の原野・山林調査で活躍していますので、不動産業界におけるドローンの運用検証という意味においても非常に有意義な買い物であったと満足しています。

 
Tello(Ryze Tech)
私は最初のドローンがMavic2 Zoomだったのですが、何せ市街地で飛ばせないものですから、フラストレーションが溜まります。
そこで導入したのが航空法の規制の対象外となるトイドローン、Ryze TechTelloです。
従来の飛行高度は10mまでだったそうですが、ファームウェアのアップデートで高度30mまで飛べるとのこと。

価格は1万円+α(販売店でばらつきがあります)と非常に求めやすい価格になっています。
 
バッテリー1つあたりの飛行時間は13分本体重量は80gと非常に軽く、その辺のプラモデルよりも軽い、という感覚です。
バッテリーの価格は購入個数によって異なりますが、概ね2,000円程度とこちらも手頃です。
 
カメラ角度の調整は出来ませんからドローンの水平方向の撮影しか出来ず、また、ドローンが前後左右に移動している際にはカメラも併せて傾きます
スマートフォン単体での操作が可能ですが、省コスト、省機能ですから衝突防止機能やGPS機能は搭載されていません。
また、本体重量が軽く、プロペラの出力も控えめなので風に煽られやすいのは物理的にやむを得ない点でしょう。

いくら軽いとは言っても建物の近くで飛ばすのは少し怖いなというのが正直な感想です。
とはいえ、Mavic2の予備バッテリー1個よりもTello本体の方が安いので、性能にとやかく言うのはお門違いでしょう。

この軽さとコストパフォーマンスを実現するためには、やむを得ないでしょうね。 
一番の長所は航空法の規制がほぼ除外されることです。
オモチャとしては非常に有用で、ドローン操作の入門用にも非常に良いと思いますが、飛行時間や安定性を考えると、不動産業務で常用するのは少し難しい状況です。
ただ、接触防止センサーが付いていないのと軽量で接触しても建物に傷が付く恐れがないので、室内や建物のスキマなどで飛ばす分には、十分有用であると言えるでしょう。
 
で、結局?
Mavic2 ZoomTelloもまさに帯に短し襷に長しという状態で、市街地で建物検査や物件調査といった不動産業務に利用するには難のある状況です。

ハッキリと言ってしまえば、

市街地で合法的に飛ばせる場所なんてねぇよ!Σ(゚Д゚;
市街地で業務に使えるドローンなんてねぇよ!Σ(゚Д゚;
という状況であると言えるでしょう。
では、国土交通省の許可を得られればそれでいいか、というとそうではないんです。
国土交通省の許可にあたっては100時間の飛行経験を要する中で、不動産業と同じ管轄である国土交通省に対して虚偽申請をする訳にはゆきません。
Mavic2 Zoomの飛行時間を30分とした場合、200回以上のバッテリー交換が必要になります。
私は条件を満たしていますが、不動産業として複数の人員で事業を営むにあたっては、全員に100時間超の研修を課す訳にもいきません。

ドローンは不動産業に有用であって、利活用をするべきだ、というシリーズ記事にも関わらず、愚痴しか言っていない訳ですが、今回、事情が変わってきました。
 
Mavic Miniの登場
今回、ドローンに関する話題が『今が旬』であると判断して連続して記事を書いて来た、ある事情があります。
それは令和元年11月14日発売予定のDJI製Mavic Miniの登場です。

なんと、わざわざ日本の航空法の対象外とするためバッテリー容量を削って本体重量を199gにしたというピーキーな機体です。
海外版はバッテリー容量があり、飛行時間30分で249g、一方で日本版はバッテリー容量を削った分、飛行時間18分3分の2以下に削られてしまっていますが、これまでに述べて来た通り、航空法の規制を受けないというのは不動産業への活用にとって、非常に有用であると言えるでしょう。

価格は発売日現在で46,200円とまずまず手頃です。

不動産業に利活用するドローンとしてはMavic Miniが最有力候補であると考えています。
勿論、私は既に予約済みで、率直に言って到着を心待ちにしています。

性能的にはコスト的な部分で飛行時間やカメラ性能については納得していますが衝突・接触防止機能が搭載されていない点が運用にどのような影響を及ぼすか少し気になります。
とはいえ、海外版の評価などを鑑みるに十分に有用であるものと期待しています。

次回は、実際に到着したMavic Miniが到着次第、開封してレビューしてみたいと考えています。

・・

・・・

・・・と、発売前日までに3記事を間に合わせた訳ですが、注文殺到で追加バッテリー付き商品の発売が延期されるという噂が・・・(;´Д`)オレノスイミンジカン
特にお知らせのメール等は来ていませんが現に、発売前日の段階で商品の発送が未定になっているという・・・
まぁ、待望の200g未満の製品という事で、日本中のドローン愛好家が待ちに待った製品という事なのでしょう。

仕事で忙しかったのと寝ぼけまなこで記事を書いていたせいか、ネット上の情報に気付くのが遅くなってしまいました。

・・・いや、不覚ですよ。ホントにね・・・(; ・`д・´)

札幌の不動産屋、ドローン活用を語る② ドローンへの規制

さて、シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』前回は不動産業においてドローンの有用性は非常に高い一方で、法規制によって運用は困難を極めることを説明しました。
第2回の今回はドローンに課せられる規制を紹介します。
ハッキリ言ってドローンの法規制に関してはごくごくありきたりの記事ですが、不動産業に活用する前提で述べてゆきましょう。

シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』
【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。
 
飛行可能なエリア

ドローンに関する記事で頻出のこの画像、国土交通省の資料に添付されるものです。
空港等の周辺の上空の空域(A)150m以上の高さの空域(B)人口密集地区の上空(C)
『安全性を確保し許可を受けた場合のみ飛行可能』・・・つまり、原則飛行禁止です。

『許可』というのは国土交通省によるもので、要件として100時間以上の飛行経験が必要とされていますから、初心者のうちはまず無理、と考えておきましょう。

『許可』なく飛行が可能なのは(A)、(B)、(C)以外の空域で、これはつまり『空港の周辺および人口集中地区ではなく、150m未満の空域』という事になります。

空港等の周辺の上空の空域(A)
札幌市内では丘珠空港の周辺が該当しますが、どのサイトも空港周辺の飛行は『原則禁止』というだけで具体論が出てこない。
トラブルになる可能性があるので具体的な記載がないのはやむを得ないのかもしれませんが、『周辺』ってどこまで?という話は重要だと思います。
まず、札幌地図情報サービスで調べられる『航空進行区域』はかなり低い高度まで飛行が制限されていますから、全面的な飛行禁止区域と捉えた方が安全でしょう。
具体的には、丘珠空港の周辺1km程度と、北西方向には屯田、拓北、百合が原周辺、南東方向には伏古、東苗穂周辺がこれにあたります。

また、空港から4km圏内『水平表面』に指定され、高度45m以上の飛行は禁止です。
丘珠空港で言えば、北24条駅、新琴似駅、拓北駅、モエレ沼公園なども含むかなり広い範囲です。
逆に言えば、高度45m未満で、かつ、人口集中地区(C)でなければ、飛行可能という事になります。

更に複雑なものとして『円錐表面』という考え方があり、『水平表面』から5.25Kmの範囲内で1/50の勾配で段階的に飛行可能高度が上がってゆきます。
つまり、空港から9.25km圏内では、150mの高度の飛行は出来ず、現実に当てはめるとかなりファジーな計算方式によって制限が課されるという事です。

まぁ、安全策として空港から10km圏内は航空進行区域と人口密集地区を除けば45mまでの高度制限、と考えておけばよいかと思います。
10kmというと石狩市役所、石狩太美駅、江別西IC、JR厚別駅、豊平区役所、円山駅、札幌西ICを含む、とんでもなく広い範囲ですから、これは留意しておくべきでしょうね。

150m以上の高さの空域(B)
これは標高ではなく、地表からの距離です。
ですから、ドローンは高度表示がされるものを購入しなければ航空法違反になる可能性があります。
日本の量販店で購入できるものはともかく、インターネット通販などで購入する際には注意が必要です。

人口密集地区の上空(C)

人口が集中した市街地の上空は危険ですから、許可のない飛行は禁止されています。
指定状況は国土地理院のサイト地理院地図から参照出来ますが、操作方法に不慣れな方は下記のリンクを利用することをお勧めします。
 ◇国土地理院 人口集中地区(DID) 平成27年
  https://www.gsi.go.jp/chizujoho/h27did.html

人口密集地区(DID)とは、総務省統計局5年に1度、国勢調査を元に発表するものです。

一見かなり広い範囲で飛行が可能なように見えますが、不動産屋の立場で言わせてもらうと、不動産流通市場がある区域とほぼ被ってしまっています。
ここでもドローン規制の壁が立ちはだかります。

ここまで紹介した(A)~(C)の原則飛行禁止区域以外を探して飛行しなければならない訳ですが、この他、道路や鉄道の上空飛行禁止が看板などで明示されている施設なども飛行禁止とされています。
他に河川の場合には河川管理者、公園の場合には公園管理者の許可を得ることがガイドライン上は示されています。
(ガイドラインに記載はありませんが、港湾の場合は港湾管理者の許可が必要でしょう。)
札幌市の場合、市立/道立/国立問わず公園敷地内でのドローンの使用は原則禁止されています。

いや、まぁ、ここまで読んで頂ければよく分かると思うのですが、
市内で合法的に飛ばせる場所なんかほとんどねーよッ!Σ(゚Д゚;
という状態で、ドローンの飛行には厳しい制限が課されている訳ですね。

 
操作や作業における制限
この他にも現在10種類の作業や操作に関する制限事項が明示されています。
令和元年9月18日の改正で、①~④が新たに加わりました。

①アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
 まぁ、論外ですが飛行可能なエリアまで行くのに、自動車を使うでしょうから、航空法以前の問題ですね。

②飛行前確認を行うこと
 まぁ、そりゃそうだよね、というお話。
 あとは中上位機種のドローンの場合には、自己診断機能も付いているので、より安全性が高いと言えるでしょう。

③航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
 空港周辺以外でもヘリコプターや他のドローンなどが飛行している可能性があります。
 飛行音が聞こえた場合には、自分のドローンの高度を落とし、近くに戻すなどするべきです。

④他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
 法規制というものがここまでファジーな記載でいいのか、という話です。
 リーフレットなどでは『危険な飛行禁止』と記載されており、人を追い回すような絵が併記されています。
 ただ、規制する側として柔軟に(悪く言えば恣意的に)運用出来るようこのような記載になっているのでしょう。
 ドローンはかなりの騒音を発生させますから、騒音問題なども念頭に置かれているのではないでしょうか。

 また、他人のプライバシーに対する配慮についても求められているものと思われます。

⑤日中(日出から日没まで)に飛行させること
 北海道では、冬期間かなり日照時間が短くなってしまいますから、注意が必要です。
 客観的な根拠を求めるのであれば『日の出日の入り』という検索ワードで、地域ごとの日昇・日没時間を調べることが出来ます。

⑥目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
 これはかなり注意が必要です。
 中上位ランクのドローンの飛行性能は非常に優れており、あっという間に上昇し、見た目上は豆粒よりも小さくなってしまいます。
 また、コントローラ(送信機)の液晶画面でカメラの画像が常時見られますので、注意がそちらに行きがちとなります。
 しかし、『直接肉眼による目視』と限定されているので、カメラ越しでの確認はNGです。
 人口密集地区外の山林の場合でも、目視外の山の向こう側に飛ばすのは許されません。
 時たまメディアで取り上げられているVRゴーグルの使用も航空法に照らせば200g以上のドローンであれば国土交通大臣の許可が必要という事になります。

⑦人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
 これも非常に厳しい規制です。
 水平・垂直ともに30mという規制ですから縦横斜め30mの距離を保持しなければなりません。
 不動産業で考えた場合、一辺30mの正方形の土地は約270坪で、かなり広い土地ですが、これは片側で30mと考えると前後左右の余裕を見れば1090坪と、とんでもなく広い土地が必要になります。
 (札幌市の標準的な価格帯の住宅は50~80坪程度)
 そう考えると人口密集地区以外の郊外の住宅地であっても、30mの距離は保持出来ない事も多いでしょう。
 ただ、『人または物件』と規定されている為、他人の土地が近くにあっても更地であればOKという事になります。

⑧祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
 これは当たり前とも言えますが、学校行事やライブ会場、民間スポーツクラブのイベントなど、公的でない集まりにも適用されるという点には注意が必要です。
 不動産業での活用という意味では、あまり気にする必要はありませんね。

⑨爆発物など危険物を輸送しないこと
⑩無人航空機から物を投下しないこと

 論外です。ドローンテロが流行っていますから、誤解されるようなことも避けるべきでしょう。

このように、ドローン規制では当たり前・常識的といえる規制と非常に厳しい規制とが混在しています。
 特に、目視外飛行と30m規制については、注意が必要ですから覚えておきましょう。

 
規制の対象となるドローン
以上のようにドローンの飛行に関しては、航空法上、『無人航空機』という扱いで、非常に厳しい規制が課されています。
特に市街地の飛行に関しては、国土交通大臣の許可を得ない限りほぼ不可能と言っていいでしょう。
前回紹介した不動産業で想定されるドローンの使途として、現状では原野・山林の調査にしか使えないといったのはこういった事情だったのです。

一方で、ドローンのうち重量が200gに満たないものは、『模型航空機』という扱いになり、航空法の規制の大半を受けないことになります。

200gに満たないドローンが航空法で受ける規制は航空法第99条の2のみで、空港周辺や一定の高度以上の飛行についてのみ国土交通省の許可が必要とされています。
ただし、公園や河川などの管理者のいる施設の飛行には管理者の許可が必要となりますし、公道上での離発着も出来ませんので、それだけは注意が必要です。
この規制を念頭に置いた上で、ドローンをどのように利活用していくのか、というのが重要な課題です。
次回は実際に運用しているドローンの機種について、紹介してゆきます。

札幌の不動産屋、ドローン活用を語る① ドローンの必要性

さて、今回から何度かに渡ってシリーズ記事『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』と題して、不動産業におけるドローン活用について、語ってみましょう。
ドローンというと、数年前から急激に安価・高性能になったこともあり、テレビなどでもよく取り上げられるようになったように感じます。

ただ、ドローンの運用や規制についてあれこれと書かれた記事はあるものの、それを具体的に特定の業界でどのように活用するのか、というノウハウを示した記事は、さほど見当たりません。

まぁ、そういう記事はアクセス目当てで検索にヒットする普遍的で当たり障りのない内容が多いというのが一つの要因。
また、ドローンに関する法規制はまだまだ明確化されておらず、グレーゾーンが多いという事情があります。
誤った法解釈で『こうするべき』と迂闊に示してしまうと、それが誤っている事が分かった場合に、ネット上での炎上のみならず、場合によっては刑事事件となる恐れもあるからでしょう。
 
ですから、今回のシリーズでは一応このような前置きを置いた上で、可能な限り突っ込んだ具体的な内容を記事としてまとめられればと思います。
 
【注意】
ドローンの利用については航空法を始め地域により様々な法規制があります。
本稿の内容はそれを網羅していることを保証しません。
などを参照の上、自己責任にてドローンを運用下さい。

ドローンの必要性

第1回の今回は、不動産業界におけるドローンの必要性についてお話します。
私が不動産業に携わる中で考える、特に札幌近郊の不動産環境におけるドローンの必要性・有用性について述べてゆきましょう。

①高所作業の高コスト化

不動産業において、『建物の管理』というのは一つの課題です。
業界外の方にはあまりピンとこなかもしれませんが、不動産業界には『管理会社』という、分譲マンションや賃貸マンションを管理する会社が存在します。
分譲の場合と賃貸の場合でかなり性質の異なる管理会社ですが、どちらにせよ建物の不備や不具合を監視する必要があります。

昨今、不動産管理会社の大きな課題として高所作業の高コスト化が挙げられます。

管理会社、工事業者問わず、最近、高所作業に関する費用が非常に大きくなっています。

・・・と、言うのも『屋根に昇れない』という人、かなり多いんですよね。
建物の維持管理に関するトラブルで、大きなウェイトを占めるのが屋根・外壁の問題で、こまめに点検をしなければ、雨漏りが発生する事になります。
正直に言ってしまえば、私が経営する管理会社でも、屋上点検の際に誤って滑落して労災事故が発生したこともあります。
(もちろん、労災を使って治療をしてもらい、治療中の配置換え等のケアも行ないましたが、とはいえ、本人の痛みや不便を考えるとそれでOKという話ではありません。)
私自身、不動産業に就いた当時は体力がないながら屋根の上へも昇っていましたが、現在は経営者として怪我をしては社の運営に関わりますので、高所作業は控えています。

就業人口の高齢化や若い方で高所恐怖症の方が多くなっている事、また、昇れる昇れないという以前に『わざわざ昇りたくない』という仕事に対するモチベーションの問題もあるでしょう。
今後、職人の高齢化や働き方改革だのが進んでゆくにつれ、高所作業にかかるコストは年々増加してゆくことが見込まれます。
 
そういう意味では『高所作業が出来る人になる』というのも一つの『稼ぐ方法』な訳ですが、今の教育体制の基ではなかなか、そういう職業の人口というのは増えてゆかないのでしょうね。
 
②建物の老朽化・樹木の伸長などの調査

前述しましたが、建物の維持管理に関するトラブルでは屋根と外壁に関するものが大きなウェイトを占めています。
札幌ではオリンピックから50年を経過する事もあり、古い建物が増加しており、Googleマップの航空写真を見ているだけでも、屋根が赤サビで真っ赤になった家が多く見受けられます。

屋根の錆は雨漏りの原因となりますし、それが躯体を弱らせ、シロアリの発生などにもつながりかねません。
剪定が行き届かず、枝木が張り出している築古戸建も多くなっています。

本来は屋根に昇るなどして点検するべきですが高所作業が高コストする中では、そう何度も高所作業をする訳にもいきません。
本格的な修繕は当然、屋根に昇るにしても初動点検、定期点検は可能な限りドローンで代替することが望ましいと言えるでしょう。
 
③建物からの眺望のシミュレーション
これは私の業態ではまったく出番がないのですが新築マンションの眺望を示すにあたって、ドローンで同高度から撮影した動画・静止画を使うという手法は、既に各デベロッパーが実施しています。
広告上、『ドローンで同高度から撮影したものです』等の注釈は必要ですが、眺望をウリにする場合には、イメージが付きやすい資料となるでしょう。

戸建の場合には、10~15m程度ですからあまり使い道はないかもしれませんが、ハウスメーカーなどが分譲する新築分譲団地では利用されるかもしれません。

④積雪時の調査
これは北国特有の問題ですが、ドローンの活躍による積雪時の調査にも期待しています。
人が利用していない土地・建物は当然除雪されていません。
札幌近郊では1~3月は1mを超える雪が積もりますから、立ち入っていく事も難しいような状況になってしまいます。

建物を取引するのであれば玄関までは除雪して、建物内を確認しますが、その場合でも建物の裏手の庭などにはなかなか手が回りません。
それ以上に、土地のみの取引や解体予定の建物など、わざわざ除雪をするコストを掛けられる案件ではない、という場合もあります。
勿論、雪のない状態を知っていることがベストではありますが、急ぎの取引などでそうはいかない場合に、ドローンでの調査は有用であると考えます。

 
⑤原野・山林の調査

これは不動産業者全体が、という事情ではなく、あくまでも私の業態での話ですが、原野・山林の調査においてもドローンは有用性を発揮します。

広大な、 或いは道路と接続していない山林や原野について、業務の依頼を受けた際に、数千~数万坪の山林の中を分け入っていくことは多大な危険を伴います。
積雪時は勿論危険ですが、冬でなくともヒグマが出ることもあれば、に滑落する危険性もあります。
また、航空写真だけでは全体の起伏や樹木の状況などを把握しきれませんから、
そういった土地の調査手段としてドローンは有用です。
 
とにかくドローンは有用だ!・・・けど・・・

このように、不動産業界においてドローンの必要性は非常に高いのですが、その一方で法律を順守してドローンを活用するのは非常に困難なのです。

前述の通り、ドローンの運用には航空法をはじめ様々な法規制があります。
これまでドローンの必要性を①~⑤の項目で紹介しましたが、合法的な運用では、原則的に建物の点検や市街地の撮影には利用することは出来ず、原野・山林の調査しか出来ないのです。

次回はドローンの活用を困難にしている各種の規制について、紹介してゆきましょう。

 
シリーズ『札幌の不動産屋、ドローン活用を語る』

事故物件公示サイト『大島てる』への削除依頼の方法とは?

不思議な話、最近また『大島てる』に関する問い合わせや相談が増えています。
◇ 大島てる
 http://www.oshimaland.co.jp/

私はテレビを見ない人で、彼のSNSもフォローしていないので、大島学氏の活動について詳しくないのですが、メディア露出が増えて来たのでしょうか。

この記事を公開する平成31年3月には、官報掲載の破産者情報を地図に落とし込んだ『破産者マップ』なるサイトが公開され、大きな話題を呼ぶとともにわずか数日で閉鎖されました。
この『破産者マップ』についても『大島てる』との類似が指摘されたり、大島学氏がコメントを出していたりします。

◇ 破産者マップについて事故物件サイト大島てるが緊急コメント「私が運営しなかった最大の理由」とは!? 弁護士見解も
 https://tocana.jp/2019/03/post_88663_entry.html

まぁ、こういう事を契機に検索ニーズが高まって、このブログにたどり着く人が多少増えたという事なのでしょう。

私はSEOをあまりやる気がないという話は記事中でも度々触れていますが、最近、やる気のないSEOの為にデータを見ていた処、Googleの『検索パフォーマンス』で『大島てる 削除依頼』『大島てる 削除』検索順位1.1のスコア。
念のためBingでも検索しましたが、広告とYahoo!知恵袋に次ぐ3位。

え、マジで?Σ(゚Д゚;というのが正直な感想。

『いやいやいや、大島てるのサイトには削除依頼の方法が公開されているはずですし、弁護士でも何でもない私には何も出来ませんよ?』というのが本音です。
別に私は『大島てる』の相手をして儲かる訳でもありませんし。

というか、検索上位に表示される記事『事故物件扱いされた物件についての『大島てる』氏とのやりとりを公開します』も、削除依頼の方法をまとめたものではありません。

大島学氏は色々なインタビュー記事で事実であればどんな圧力があっても削除しないが、事実無根の書き込みがあればきちんと対応するという趣旨のことを語っていますし、私も『大島てる』に誤った情報があれば、最近はその都度メールして削除してもらっています。
(インタビュー内容はあくまで趣旨であって原文は実際のインタビュー記事を参照してください。)

ですから、『大島てる』の誤情報は『手順さえしっかりとしていれば、簡単に削除してもらえるもの』という認識を持ってしまっていました。

しかし、よくよく調べてみた処、このブログの検索順位が上がってしまった理由が分かりました。
現在、『大島てる』への有効な連絡手段が公開されていないんですね。

『大島てる』で公開されている『お仕事依頼』のリンクでは『削除依頼はここでは受け付けておりません』とはっきり書かれています。
また、『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うかで紹介した通り、投稿へのコメントでの反論はまったくの無駄です。

コメントは地図上では表示されませんし、『怪談』という悪質なデマに対する正当な指摘であっても半年近く放置されます。


まぁ、『大島てる』への投稿やコメントの数を考えれば、いちいちチェックも対応もされないという事は、悲しい事ですが現実です。

そして、削除依頼のフォームなども無ければ、『大島てる』への連絡先の記載もありません。

少なくとも、高額で成約したマンションを『大島てる』に事故物件扱いされるの巻の元記事を掲載した平成27年当時はメールアドレスも公開していたし、削除依頼についての注意書きも掲載していたと記憶しています。


掲載場所は『大島てるオフィシャルブログ』でした。
今回、改めてオフィシャルブログの記事を『削除』というワードで検索しましたが、当時掲載していたメールアドレスや削除依頼の手順などは、見当たりませんでした。

ちなみに、私が知っているメールアドレスをウェブ検索しても、掲載されているサイトは殆どありませんでした。

これでは、『削除依頼を受け付ける』と公言しておきながら実際に削除依頼をしたい人にその方法は示されていない。
その一方で、事故物件の投稿はデマであってもサイトから『事故物件の新規投稿』でわずか3クリックで完了してしまう。

これはあまりに不公正なバランスであると言うほかありません。

しかも、大島学氏はそれを糧として講演活動やメディアやイベントへの出演で報酬を得ている訳ですから、責任は当然に発生しているというべきでしょう。

バランスを考えれば、削除も同じくらい簡単に出来るようにするか、新規投稿に裏付け資料の添付を要請するなど複雑化するなどしなければ、とてもフェアとは言えません。

しかし、私は弁護士でも何でもない、ただの地方都市の不動産屋ですから、『大島てる 削除』『大島てる 削除依頼』と検索して来る方に対しては何もして差し上げられません・・・と、思っていました。

私が削除依頼を代行する事も出来ませんし、デマ情報に関するカウンターサイトを運営するという事もありません。

しかし、今回の件でよくよく考えてみたところ、一つ、削除依頼をしたい人に対してお知らせ出来ることがあることが分かりました。
問題は『削除依頼をする先が公開されておらず、分からない』事です。

実は、『大島てる』は『株式会社大島てる』という法人によって運営されています。
あ、国税庁が法人番号と住所を公開しているぞ(; ・`д・´)

◇ 株式会社大島てるの情報|国税庁法人番号公表サイト
 https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=4010701015837

ちなみに、業務妨害罪とか言われて私の氏名や顔写真を公表されても困るので言っておきますが、この住所はWikipediaにも掲載されていますし、『大島てる』のサイトに掲載されている判決文にも記載されていますから、公知の事実ですし、当の大島氏らが公開している情報ですので悪しからず。

ただ、たとえ住所を公開して、顔出しをしていたとしても、『ここに削除依頼を郵送して下さい』という案内がなく、申請書式も公開していないのでは、普通郵便でそのような依頼をしたところでどこまで対応されるのか、未知数であるというのが正直なところ。
内容証明郵便とは言わずとも、書留くらいは付けておきたいところですね。
(現状でも膨大な郵送物が届いているでしょうから、それでも対応してもらえるのかは未知数ですが。)

また、仮に郵送での削除依頼が方法として有効であっても、『事実』であるものはどんなに困っていても削除してもらうことは出来ませんから、以下のようなことは記載しなければならないと思われます。
・差出人はどのような立場の人間なのか
・どのような理由で事実無根であると主張するのか
・削除を希望する物件の住所や『大島てる』でのアドレスなど

ただ、郵送にしろメールにしろ、『削除依頼』と『新規投稿』の労力のバランスがアンフェア過ぎて横行するデマを抑止する自浄作用がないのが『大島てる』の一番の問題なのです。

件の『破産者マップ』では、削除依頼の為に身分証明書などの個人情報を収集しており、ゆすり・たかりを疑われていましたが、一方でこういった削除依頼の方法をオープンにしていないようでは、『削除の代償に金銭を要求している』というような口さがない噂を立てられているのも、止むを得ないのではないでしょうか。

削除もワンクリックで簡単に出来るようにする、というのは一例ですが、以前も主張した通り、地図上からも反論・追記を含むコメントが表示出来るようにする等しなければ、ただの『件数稼ぎ』に終始していると見られて、コンテンツとしての信頼性がどんどん損なわれてゆくのではないでしょうか。

既に十分に知名度は上がっていますし、書籍執筆やメディア露出などで稼いでもおられるのでしょうから、大島学氏にはもう少し『公正さ』『フェアさ』に目を向けて貰えることを期待しつつ、本稿を終えたいと思います。

いずれ、『事故物件』の実務上の取扱いと裁判例について紹介したいと考えています。
それまでに炎上させられて私がネットから退場している可能性もありますが。

【関連記事】
◇ 高額で成約したマンションを『大島てる』に事故物件扱いされるの巻
◇ 事故物件扱いされた物件についての『大島てる』氏とのやりとりを公開します
◇ 『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うか
◇ 事故物件公示サイト『大島てる』への削除依頼の方法とは?

平成30年6月29日『札幌市地図情報サービス』の運用が開始されました

従来、札幌市の不動産調査において重要な位置を占めていたシステム、『札幌市都市計画情報サービス』では、都市計画や道路の情報をダウンロードすることが出来ました。

これがこの度、6月29日から『札幌市地図情報サービス』としてリニューアルされました。

札幌市地図情報提供サービス
 http://www.city.sapporo.jp/johoo/it/web_gis/web_gis.html

大きな特徴として従来の都市計画情報サービスで提供していた情報に加え、
ハザードマップの情報が統合された、という事があります。

従来、ハザードマップは各項目ごとにPDFが用意されており、
かなり広いエリアごとの区分けで非常に見づらかったのですが、
これが改善されたという事になりますね。

さて、許諾事項や同意画面を抜けると、このような選択画面となります。

表示するテーマ=レイヤを表示されている中から選択します。
道路区分や都市計画、ハザードマップなどですね。


選択したテーマで、地図が表示されます。
テーマを変更したい場合には左上の『テーマ変更』を選択します。


地図の上半分の画面を占める説明文ですが、どうやら消せないようです。
もしかしたら消す方法もあるのかもしれませんが、
使い方』や『ヘルプ』をざっと読んだ範囲では見当たりませんでした。

というか、ヘルプのリンク(左側)のジャンプ先が滅茶苦茶で驚きます。

『用途地域』や『ハザードマップ』などのテーマを選択時に、
地図をクリックすることで『都市計画図』や『防災情報』をPDF形式でダウンロードすることが出来ます。


このPDFファイルには自動印刷リンクが仕込まれており、
開くたびに印刷ウィンドウをキャンセルしなければならないというクソ仕様です。
→公開から数日でこの仕様は修正されました。

・・・と、まぁいつも通り腐して来ましたが、
ハザードマップが統合され『防災情報』がまとまったのは便利ですが、
実際のところ、慣れるまでに結構な時間を要しそうです。

また、このシステム、Android環境では重すぎる上に上半分の説明文が邪魔で非常に利用しづらく、出先でのスマートフォンによる調査が出来なくなってしまいました。
→公開から数日でこの仕様は修正されましたが、まだ許諾関係が鬱陶しいですね。

今回のシステムには国際航業株式会社が提供する統合型GISアプリケーション『SonicWeb-ASP』を利用しているようです。
私はこのアプリケーションを札幌市地図情報サービスを通してしか知りませんが、汎用のソフトという事でカスタマイズについても融通が利かないのかな、という印象ですね。

実は旧:都市計画情報サービスもまだインターネット上にシステムが生きているのですが、表玄関からは入れなくなっていますし、大きなトラブルがなければいずれ削除されてしまうのでしょう。

そういえば『札幌市下水道台帳情報提供サービス』の情報が見当たらないな、
などと思っていたのですが、こちらは現段階で統合されていないようです。

札幌市下水道台帳情報提供サービス
 http://www.jamgis.jp/jam_sapporostp/html/index.jsp

もう少し使い方を調べた上で、面白い使い方があれば紹介をしますし、過去の記事についても書き換えを行ってゆければと考えています。

KH-2 北広島市での不動産調査の方法【新庁舎】


シリーズ『北広島』
 ◇KH-1 北広島市での不動産調査の方法【旧庁舎】
 ◇KH-2 北広島市での不動産調査の方法【新庁舎】
 ◇KH-3 北広島市は『背骨のない町』という特殊な性質を持っている
 ◇KH-4 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?①
 ◇KH-5 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?②
 ◇KH-6 北広島は何故3つに分裂したのか?
 ◇KH-7 北広島市『大曲』とは何か、その歴史を探る
 ◇KH-8 『大曲』の由来となった場所の現在の姿

さて、新規記事でございます。
前回紹介した通り、平成29年5月、北広島市役所の新庁舎が竣工し、
第1~第3まである旧庁舎については、今後解体する運びとなりました。

新庁舎については昨年の段階で既に取材をしているのですが、
諸事情によって今回の機会を待つまで掲載が遅れてしまいました。
一部写真に古いものが混じっていますが、ご容赦ください。
さて、紆余曲折あって設置されたこの新庁舎、
不動産に携わる者にとっても、調査活動のしやすい良い庁舎であると言えます。

今まで北広島中央にあった第1~第3庁舎の機能が集約された他、
それまでは北広島市土木現業所まで行かなければ取得できなかった、
道路台帳図が新庁舎で取得する事が出来るようになったのです。

これによって殆どの調査が新庁舎だけで完結するようになりました。
初めて行く方にも分かりやすい案内図が庁舎の入口にあります。

<3階>

<4階>

不動産調査に関わる部署は3、4階に集中しています。

3階の都市計画課で調べる用途地域はインターネットからも見る事が出来ますし、固定資産税の評価証明書などもインターネットから申請書をダウンロードして作成して持参するという手順です。

 北広島市「市税に関する証明書」
 http://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/hotnews/detail/00011402.html

肝心の道路調査は、4階の窓口に出向く必要があります。

ずいぶんとオシャレな庁舎になったものです。

4階14番窓口「都市整備課」で職員の方に声をかけましょう。
所在地を聞かれるので住所を答えるか、地図を見せましょう。

すると「北広島市地籍集成図」を提示してくれますので、
道路台帳を取得したい場所を確認します。

職員の方がデスクで作業をし、道路台帳図を出力してくれます。

土木事務所と違い、微妙にカラーで出力されるようになりました。
手数料は変わらず140円と少し高めですが、
600円取られる江別市よりはずっとマシです。

台帳図と一緒に渡された納付書を2階の北洋銀行で支払います。

<上下水道>
同じく4階の12番窓口「水道施設課」でタッチパネルを操作します。

写真右手側のディスプレイがタッチパネル端末です。
住所と地番を入力すると、周辺地図に配管状況が入った画面が表示されます。
水道台帳図と下水道台帳図がそれぞれ別の用紙で出力され、
納付書を渡されるので同じように2階の北洋銀行で払込みましょう。

国道・道道の場合の調査方法は前回と同一ですが、一応紹介します。

<国道>
その道路が『国道』の場合は『札幌建設開発部』が窓口です。
窓口の場所と調べ方は『A-7 国道の詳細を知りたいとき』で紹介しています。

<道道>
その道路が『道道』の場合は『札幌建設管理部』が窓口です。
窓口の場所と調べ方は『札幌市外の『道道(どうどう)』について知りたいとき』で紹介しています。

このように、新庁舎への建て替えによって窓口が集約され、
北広島での調査は非常にやりやすくなったと言ってよいでしょう。

不動産を流通させるに当たっては、まず役所が調査しやすい環境を提供することが第一である、と常々提言していますが、北広島市についてもある程度の水準には達したと言っていいでしょう。

今後、北広島が再び隆盛を取り戻せるよう、
市には今後も是非頑張ってもらいたいと思います。

もーちょっと道路台帳図を見易く・綺麗にしてほしいなー、なんて。

KH-1 北広島市での不動産調査の方法【旧庁舎】


当記事は2014年06月26日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

シリーズ『北広島』
 ◇KH-1 北広島市での不動産調査の方法【旧庁舎】
 ◇KH-2 北広島市での不動産調査の方法【新庁舎】
 ◇KH-3 北広島市は『背骨のない町』という特殊な性質を持っている
 ◇KH-4 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?①
 ◇KH-5 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?②
 ◇KH-6 北広島は何故3つに分裂したのか?
 ◇KH-7 北広島市『大曲』とは何か、その歴史を探る
 ◇KH-8 『大曲』の由来となった場所の現在の姿

この記事は上記の通り4年近く前に書いた記事です。
この頃、北広島市役所の旧庁舎は解体・新庁舎の建設予定があり、
旧庁舎時代の記録を残しておく必要から書いたものです。
それでは早速、一部改稿した過去の記事を見てゆきましょう。

今回、紹介する自治体は『北広島市』です。
平成8年までは『札幌郡広島町』でしたが、人口の増加に伴い市制へ移行しました。
名称は現在の広島県広島市からの開拓入植者が多かった事に由来します。
実は札幌市内にも、広島県をルーツに持つ方は多いようです。

当初は札幌市のベッドダウンとして発展し、新千歳空港へは札幌よりもずっと近い事から、
工業団地が主軸となってきており、現在も『輪厚工業団地』が分譲中です。
一方で住宅地はというと…札幌や本州への若年層の流出があり、高齢化が進んでいます。
まぁ、これは全国的な潮流であって北広島に限ったことではないのですが・・・

それでは、具体的な調査窓口を紹介してゆきましょう。

<市道>
その道が北広島市の『市道』の場合の窓口はこちらです。
北広島市土木事務所 北海道北広島市共栄196-1


道路台帳のコピー代金は一枚につき140円
図面の精度ですが、正直に言ってしまうとかなりラフで見づらい印象を受けます。

ちなみにこの窓口は最近まで各インターネット地図に登録されておらず、
Googleマップのナビゲーションで現地に行こうとすると難儀していましたが、
ようやく各種インターネット正しく地図にも反映されるようになりました。
噂の日本ハムファイターズのボールパーク予定地からも近いですね。

北広島のHPには市道の台帳交付などの調査窓口について、書いていません。
調査窓口が分からない、というのは公益上よろしくない事だと思うのですが、
各自治体では、まだそういった面での整備が不十分な場合が多いのです。
→平成29年3月に改善されました。

<国道>
その道路が『国道』の場合は『札幌建設開発部』が窓口です。
窓口の場所と調べ方は『A-7 国道の詳細を知りたいとき』で紹介しています。

<道道>
その道路が『道道』の場合は『札幌建設管理部』が窓口です。
窓口の場所と調べ方は『札幌市外の『道道(どうどう)』について知りたいとき』で紹介しています。

<位置指定道路>
位置指定道路や上下水道の窓口は、市役所本庁舎(北広島市中央4丁目2番地1)です。
庁舎は3つに分かれており、位置指定道路第二庁舎の建築指導課
上水道第三庁舎の水道施設課下水道は同じく第三庁舎の下水道課です。
(上下水道の台帳については水道施設課の窓口にあるタッチパネル端末で取得可能)

・・・と、ここまで書いてきましたが、この文章も、将来的には改定が必要になります。
実は北広島市の庁舎はかなり老朽化が進んでおり
20年以上前から建て替え計画を検討していましたが、
諸事情によってまったく話が進んでいませんでした。

しかし、平成26年1月16日、ようやく具体的なプロジェクトとして建替計画が決定され、
具体的なイメージ図やタイムスケジュールも公表されています。
平成27年7月から着工し、平成29年7月に工事完了の予定ですから、
3年後には、不動産調査の窓口についてもかなり様変わりする可能性があります。
そうなると当時の状況がわかる資料が殆ど残りませんから、
このようなブログも一つの重要な資料になるのでは…などと考えています。

北広島市役所の庁舎建替計画については、追々紹介するかもしれません。

・・・と、言っておいて、結局建て替えが済んでから1年を経るまで、
建て替え計画について紹介する機会はなかったんですがね!!

次回は新庁舎になってからの調査方法について紹介してゆく予定です。

KH-0 この道なぁに?『北広島』がはじまります


平成30年3月26日、プロ野球日本ハムファイターズの移転候補地が、
北広島市の『きたひろしま総合運動公園』に内定しました。
候補地として、真駒内アイスアリーナや北海道大学敷地が取り沙汰されたり、
それ以前は月寒グリーンドームや八紘学園の敷地も俎上に挙がりましたが、
結局の処、札幌市から実現性のあるプランが示されなかったという事でしょう。

まー、『勝ち馬に乗る』『長い物に巻かれる』札幌の人の市民性というのは、
好成績のうちは良いものの、負けが込むと途端に応援しなくなってしまうので、
率直に言って、大阪や広島のような球団との関係性は作れないでしょう。

北海道の人は大らかだというイメージがあるかもしれませんが、
環境が厳しく所得も低い分、シビアで利己的な方が多いのです。
東北もそれは同じで、西の方とは傾向が大きく異なるように思います。
(そうでもしないと生きていけないのだから仕方ないでしょう。)

まー、私も札幌出身ですし一概に北の人間を否定しているのではなく、
西の人は西の人で別の面倒さ、厄介さがあるのでお互い様ですね。

さて、以前から私の営業エリアは札幌市とその近隣と紹介してきましたが、
具体的には札幌の南東側・・・北広島市、江別市の取引が多く、
北西側・・・小樽市や石狩市の取引はそう多くありません。

特に北広島市に関しては札幌市に次いで取引が多く、
またマニアックな取り扱いについてもある程度通じていますから、
ファイターズ移転決定で注目度もあるこの機会に、
過去の記事も含めて北広島市における不動産調査や北広島の歴史、
都市計画などについて、気まぐれに紹介してゆこうと思います。

まずは不動産調査について、まとめる事にしましょう。

シリーズ『北広島』
 ◇KH-1 北広島市での不動産調査の方法【旧庁舎】
 ◇KH-2 北広島市での不動産調査の方法【新庁舎】
 ◇KH-3 北広島市は『背骨のない町』という特殊な性質を持っている
 ◇KH-4 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?①
 ◇KH-5 北広島は何故、国道36号線沿いに展開しなかったのか?②
 ◇KH-6 北広島は何故3つに分裂したのか?
 ◇KH-7 北広島市『大曲』とは何か、その歴史を探る
 ◇KH-8 『大曲』の由来となった場所の現在の姿

札幌市外の『道道(どうどう)』について知りたいとき


当記事は2014年06月19日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

今日は北海道が管轄する道、『道道』の調べ方を紹介しましょう。

北海道ではテレビやラジオで『どうどう』という音を聞くことは日常的ですが、
『道道』と文字として書くと、かなり違和感があるように感じるのは私だけでしょうか?
PC上で変換をする際も誤変換が目立つので『みちみち』と打っています。

本題に入りましょう。
札幌市内の『道道』については、札幌市が管理を行っています。
これは、政令指定都市に与えられた行政権限の委譲によるもので、
これによって市内の『道道』については、札幌市役所で調べることが出来ます。
調べ方については、『A-6 市道・道道の詳細を知りたいとき』で紹介しています。

札幌市外にある道道については、各自治体に行っても教えてもらえません。
例えば、石狩市を走っている道道のことを石狩市役所に問い合わせても無駄という事です。

道道を調べる窓口は北海道の『札幌建設管理部』という部署です。
ちなみに『札幌建設管理部』は道央圏≒空知総合振興局管轄の場合です。
ほかの地域では『旭川建設管理部』『小樽建設管理部』などになります。

国道を管轄する国の窓口『札幌開発建設部』なので、メチャクチャ紛らわしいですね(; ・`д・´)

“札幌”建設管理部ですが、千歳市や石狩市…空知地域全体を管轄しています。
この役所は札幌に本所があり、各地区に『出張所』があります。

札幌にある本所では、空知振興局のすべての道道を調べる事が出来ますが、
各出張所では、出張所それぞれの管轄地域の道道についてしか、調べられません
・・・と、いう事は札幌市の本所で調べるのが一番確実という事です。
私も通常は本所にしか行きませんが、市外遠方の方もいらっしゃるでしょうから、
各出張所についても紹介してゆこうと思います。

各窓口へ出向き、『道道の台帳の写し頂きたい』と伝え、受付簿に署名すると、
職員が道路台帳のコピーを無料で取ってきてくれます。
希望があればA全版(A4サイズの8倍)やB全版で図面をコピーしてもらえますが、
通常はB4~A2サイズの部分コピーまたは縮小コピーです。

札幌市をはじめとして、各自治体では台帳のコピーは有料ですが、北海道は無料なのです。
(各出張所に電話で問い合わせて調査した結果です。今後変更となる可能性があります。)

さて、各窓口の場所と管轄について紹介していきましょう。

札幌建設管理部 札幌市中央区南11条西16丁目2番1号(011-561-0201)
 管轄:空知総合振興局管轄区域の全域

千歳出張所 千歳市桂木6丁目1番28号(0123-23-4191)
 管轄:北広島市・千歳市・恵庭市




滝川出張所
 滝川市流通団地3丁目1番5号(0125-22-3434)
 管轄:滝川市・芦別市・砂川市・赤平市・歌志内市・上砂川町・浦臼町・新十津川町
    奈井江町・雨竜町石狩川流域下水道・北海道子どもの国・徳富ダム

深川出張所 深川市錦町北4番11号(0164-22-1411)
 管轄:深川市・妹背牛町・秩父別町・北竜町・沼田町

当別出張所 石狩郡当別町栄町192番7号(0133-23-2220)
 管轄:江別市(一部除く)・石狩市(一部除く)・当別町・新篠津村
     真駒内公園・野幌総合運動公園

 ※ 江別市・石狩市の一部については西野にある『事業課』が管轄しているので、
    道路台帳は本所で取得して下さい。




長沼出張所
 夕張郡長沼町市街地(01238-8-2346)
 管轄:夕張市・長沼町・南幌町・由仁町・栗山町・栗山ダム

岩見沢出張所 岩見沢市上幌向南1条2丁目(0126-26-3011)
 管轄:岩見沢市・美唄市・三笠市・月形町・美唄ダム

・・・と、まぁ私も行ったことのない窓口が多数あります。

ところでここまでのリストに、札幌に隣接する『小樽市』が入っていませんね。
これは単純な話で小樽は後志総合振興局の管轄だから、という話です。
いずれは小樽についても取り上げてゆきますが、1日の代休では窓口は回り切れませんでした。

引き続き、札幌市以外での道路の窓口について紹介してゆきます。