『地図』または『地図に準ずる図面』では、土地のだいたいの形と、地番、隣接関係を調べることが出来ます。
『地図』とだけ言うと紛らわしいですから、『地図に準ずる図面』という呼称にまとめます。
『地図に準ずる図面』って何よ?という疑問については用語集を参照。
早速、図面を見てゆきましょう。
これだけではイメージが掴めないでしょうから、Googleマップと照らし合わせてみましょうか。
『10-1』が今回調べている、大通の北側部分です。
その北側が『10-3』札幌市役所の入り口付近、さらに北側『10-7』は市役所庁舎と駐車場部分です。
西側にある『9』と『10-2』は札幌大通郵便局(NTT東日本ビル)です。
東西には『道』と書かれていますね。
(『道』と書いてある部分については『A-12 登記がない・地番がない土地ついて知りたいとき』で紹介しています。)
実際の住宅地図やブルーマップと、地図に準ずる図面を照らし合わせて、所在を調べます。
1つ(=1筆といいます)の土地に複数の建物が建っていたり、1つの建物が2筆以上の土地にまたがって建築されている事も多々ありますので、注意が必要です。
そして、地図を準ずる図面を見る上での最大の注意点ですが、『9番』(郵便局)『1-7』(市役所)の線の上に記載されている『● ● ●』です。
これは『字界(あざかい)』といって住所の切れ目を表記するものです。
具体的には郵便局は『大通西2丁目』なのですが、お隣の市役所は『北1条西2丁目』なのです。
同じ区画で隣同士なのに、字(住所の区切り)が異なる事があるのです。不思議ですよね。
『字界』についてもはっきりとした決まりはなく、ケースバイケースというのが現状のようです。
区画整理を実施したせいで、4丁目のはずの区画の土地が登記記録では5丁目になっている『飛び地』があったりと、
整理したのか散らかしたのか訳がわからないような事例も結構あるのです。
このような場合、『B-1 ブルーマップの見方』でも書いていますが、ブルーマップや地番図では微妙な『字界』が間違って表記されている事があります。
公務員の皆さまにはその辺、きちんと考慮して業務を執行してもらいたいものですが、一度役所が決めた事については、現状に合わせて変更する事は難しいようです。
国の機関である法務局と、札幌市とで見解が異なる事もあり、公式な書類で住所が二重になっている例もあります。
住所の境界である『字』については、近年でも、割と曖昧な取り扱いが多いような印象を受けます。
毎度毎度で申し訳ないのですが、トラブルになった場合には個別に協議する以外の方法がないのです。
詳細な調査や問題解決の為の業務についてはプロにご依頼下さい。
当記事は2013年08月30日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。