A-2 公道(と特殊な私道)の詳細が知りたいとき


さて、前回『A-1 道が公道か私道か知りたいとき』で、その道が公道であるのか、市道であるのかを知ることが出来ました。

では、その市道がどのようなものなのか、詳細を調べる方法を紹介します。
用語解説のページでも紹介していますが、道路法第28条の規定によって、公道ではその管理者が必ず『道路台帳図』を作成する事になっています。

『道路台帳図』を取得する為には、その『道』がどんな『道』なのか、まず確認する必要があります。
『国道』以外の道については、札幌市役所に確認に行きましょう。


市役所の窓口と、問い合わせの具体的な内容を例示してみました。
調査に行った人の言葉を緑、窓口の対応例を紫で表記しています。

①市役所2階 道路確認担当課(011-211-2864)
「道路の確認をお願いします」
(道について知りたい旨を伝えれば、目的は分かってもらえると思います。)
「どうぞ」
「住所は中央区大通西2丁目です」
(条丁目を言うと、ディスプレイに地図を表示してもらえます)
「このあたりですか?」
「はい、(指をさして)この道です」
「分かりました。この道は…」

A『道道、市道』道路番号10-2・大通北線です。幅○m、事業計画はありません。』
B『国道』『これは国道なので、北海道開発局の管轄になります。』
C『特殊な私道』『〇〇〇〇道路第〇〇〇〇号ですね。図面は必要ですか?
D『その他』『これは公道ではありませんね。位置指定もされていません。』

…という風に答えてもらえます。(後半部は返答の一例です。)

②-A 道道、市道の場合→市役所6階 道路認定課(011-211-2457)
道道、市道といった公道だった場合には、市役所6階に行きましょう。
以前は職員に依頼してブループリントの台帳を持ってきてもらい、それをコピーするという形式でしたが、平成28年1月18日からタッチパネル端末を自分で調査して調べる形式に改められました。

道路台帳図の取得方法については別記事『A-6 市道・道道の詳細を知りたいとき』で紹介しています。

タッチパネル端末ではこのような図面を取得する事が出来ます。
うーん、ちょっと見づらいですかね。
角度は1°ずつ、縮尺は500分の1と1000分の1を選択出来ますが、建物の形などは記載されておらず、見づらさは否定できません。

6階の窓口で職員に依頼をすると、平成28年1月以前に利用していた古い様式の道路台帳図の写しの交付を受ける事が出来ます。

こちらは、建物や道路内の電柱、排水口などが記載されており、非常に分かりやすい図です。
ただし、あくまでも旧式の図面ですから、最新の状況は反映されておらず、道路の内容や幅、周辺の状況は現実と異なっている可能性があります。

新様式も旧様式も代金は1枚20円。
また、「現在の道路幅と将来の道路計画での道路幅が違う」事もあります。
基本的には2階で道路の確認をした際に、道路を広げる予定がある場合には、教えてもらえます。
くれぐれも図面の数字だけ見て内容を早合点しないようにしましょう。

道路の境界点がどこにあるのか、拡幅計画の詳細を知りたい場合の方法は、また別途記事を用意します。
大通を例とした具体的な資料の見方は『B-5 道路台帳図の見方』で解説します。

②-B 国道の場合
国道の場合には、札幌市の管轄ではなく、北海道開発局の管轄になります。
最初から国道と分かっている場合(が殆どだと思います。)には、わざわざ市役所に行く必要はありません。
国道の場合の問い合わせ窓口、問い合わせ方法は『A-7 国道の詳細を知りたいとき』で紹介します。

②-C 位置指定道路の場合
お調べの道が『位置指定道路』等の特殊な私道だった場合は、
2階の同じ窓口で『位置指定図』をもらう事が出来ます。
図面は1件の申請につき何枚でも300円。大体は2枚で済むので、若干お高いですね。
この図面では『位置指定道路の範囲』『位置指定を申請した人』『位置指定された時期』などが分かります。

こちらも以前は手書きの古い図面が大半を占めていましたが、平成25年から札幌市が調査・再作成した図面に次々と置き換えられていっています。

・・・と、まぁ結構見栄えの良い、しっかりとした図面が用意されています。

昔のブログでは、『位置指定図なんて全然アテになりません』というような事を書いていたのですが、5年も経たないうちに状況が大きく変わってしまいました。
ちなみに、全然アテにならない昔の図面というのはこんな感じです。

ほら、アテにならないでしょう?

次々と新しい位置指定図に置き換えられていますが、権利関係が複雑な物など、まだすべてが置き換えられた訳ではないようです。
このような図が出て来た場合には、不動産業者や土地家屋調査士に調査を依頼した方がよいでしょう。

②-D その他
一般の方が『道』と認識している土地が、市役所2階で登録されていない事があります。
『私道』や『河川区域』である事が考えられます。
『法43条ただし書の空地』などという、呪文のような言葉を言われる場合も…
特例的に建物が建てられる取扱もありますがとりあえず『公道』ではありません。

法務局で所有者を調べて、所有者が『札幌市』であれば『市有地』です。
市役所14階の管財課で、どの部署が所有している土地なのかを調べてもらえます。
各部署へ出向いて、その土地の管理状況について教えてもらう必要があります。
 『北海道』『国』の場合でも、市が管理している事が多くあります。
とりあえず市役所で聞いてみるのもよいでしょう。
ちょっと無責任でしょうか。公道でない公有地の管理についてはケースバイケースで、はっきり言えない部分があるのです。

道路の所有者については『A-3 道の所有者を知りたいとき』、公道の管理者については『A-4 公道の管理者を知りたいとき』で紹介しています。

法務局で所有者を調べて、所有者が個人や会社の名前であれば『私有地』です。
通行地役権』『囲繞地通行権』などで通行する事が出来る場合もありますが
できれば利用・通行しない方が懸命だと思います。
私道の場合の取り扱いは『A-5 私道の管理者を知りたいとき』で紹介しています。

当記事は2013年08月31日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

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