札幌における不動産調査の実務を不動産業者以外の方にも分かりやすく紹介した、というのが、平成24年に開設した旧ブログが評価された点です。
今回、新たにサイトを立ち上げるにあたって、最新の情報を反映した上で、『不動産調査の実務』というカテゴリを設け、再掲載することとしました。
まず、道について調べる時に重要となるのは、その道が『公道』なのか『私道』なのか、という事です。
用語の欄で説明した通り、私道とは『公道でない道』ですから、つまりは『公道か否か』を調べるのが最初のステップ、という事になります。
その道が『公道』なのか否かを調べるには、市役所の窓口で問い合わせるのが本来の形ですが、札幌市の場合には窓口に出向かずに、インターネットである程度の情報を収集出来ます。
東京都特別区など一部の自治体でも同様のサービスはありますが、札幌市のものは特によく出来ていて、使いやすいと思います。
札幌市 都市計画情報提供サービス
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/web-gis/
道路以外の土地についても建築基準法や都市計画法に関する制限を確認する事が出来ます。
ただし、下調べとしては良いのですが、窓口に出向いて実際の資料を見ないと大きな落とし穴に嵌ってしまう可能性がありますので、ご注意を。
以下に実際の操作画面のキャプチャを例示し、操作方法を説明します。
著作権法上の引用の規定に基づくものであり、著作権を侵害する意図がないことを申し添えます。
①URLを開くと説明や免責事項が書かれていますので、一度目を通してからページ最下部にある『同意する』をクリックします。
②色々な方法で検索する事が出来ますが、『住所から検索』をお勧めします。
区・字・丁目を選択肢から選んで、『決定』をクリックします。
③最初に表示される地図はかなり見づらいはずです。
地図の下の縮尺を『1/5000』から『1/2500』へ変更し、
左側の『地図の設定』を『認定道路』にすると、かなり見やすくなります。
④認定道路(≒公道)が青い線で表示されます。
調べたい道をクリックしましょう。
⑤画面左側に道路の番号と名称、『認定幅員』が表示されます。
ただし、1本の道の途中で道路の幅が変化している場合には、その振れ幅を記載しているので注意して下さい。
画面では道路幅員として10.91m~85.54mと表示されています。
土地と道路が本当に接続しているのか、道路の形はどうなっているのか、
幅が一定でない場合の、実際の認定道路幅員については、市役所で確認する必要があります。
また、札幌市の管理する道路のみ表示されるシステムですので、市道と道道の場合は幅を知る事が出来ますが、国道の場合には幅を知る事は出来ません。
ただ、今回のテーマは『公道かどうか』を調べることですから、十分に用は足りていると言えます。
ちなみに、地図上で青が道道と市道、黄色が国道ですが、他にもこんな表示があります。
平成26年3月24日のシステム更新によって、公道以外も表示出来るようになりました。
調べ方についてもお知らせしましょう。
③で『認定道路』と設定した部分を『指定道路等』で設定します。
すると、画面のように、橙色、黄緑色、水色の線が表示されます。
ただし、当然位置指定道路等が地図上にない場合には表示されません。
また、『指定道路等』を選択中には、公道をクリックしても情報は表示されません。
あとは同じように橙色、黄緑色、水色の線のうち調べたいものをクリックすると、指定道路等の情報が表示されます。
これらの『指定道路等』は、いずれも公道ではありませんから、注意して下さい。
また、道路以外の土地などについても、クリックをすると都市計画法などの制限を見る事も出来ます。
地盤や山崩れなどの災害関係の情報が掲載されているので、参考になると思います。
余談ですが、南区にある私の実家は『土砂災害危険区域』に指定されていて、評価額が落ちる要因になっています。
ほかにも『出水のおそれのある区域』『第○種災害危険区域』などの指定があり、
北区、東区、白石区、手稲区等に土地をお持ちの方は地盤について調べるとちょっとガッカリしてしまうかもしれませんね。
それでも、そういった区域に指定されている事を知っているか否かが、将来的な展望に大きな影響を及ぼすことがありますから、出来る限り調べておくようにしましょう。
当記事は2013年08月23日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。
“A-1 道が公道か私道か知りたいとき” への3件の返信