B-2 全部事項証明書(謄本)の見方


さて、『A-3 道の所有者を知りたいとき』で取得した書類の中身をもうちょっと詳しく見てみましょう。

大通の北側部分『札幌市中央区大通西二丁目10番1』の全部事項証明書の内容を一部写したものです。

全部の内容について網羅的な説明はやっていくとキリがありませんので、他のサイトを見て頂くとして、ここでは最低限の謄本の読み方と『道』を調べる為に必要な部分を解説していきます。

<表題部(土地の表示)>…上から1つ目の枠
①地番
そもそもこれが分からなければ全部事項証明書を取る事が出来ませんので、取得した時点では判明していると思いますが、この書類には 『10番』と『10番1』の2つの地番が記載されています。
左下の部分に『*下線のあるものは抹消事項であることを示す。』とある通り、
下線のある『10番』は現在無効な地番で、有効な地番は『10番1』ということです。

②地目
地目とは、その土地の用途を登記する項目です。
不動産登記法で定められた23種の地目のうちのどれかが記載される事になっています。
公道の場合は『公衆用道路』、私道の場合には『公衆用道路』『雑種地』『原野』『宅地』などが多いでしょう。
この例では、郵便局敷地になっていますね。
これは、この土地が道路になる前、札幌郵便局・電報局の敷地だったことに由来します。

古い登記には現行のルールが適用されず、修正しなくても罰則など殆どありませんので、昔のまま放置されている場合が多いです。
しかも、『郵便局用地』は不動産登記法に定められている23種類の地目に該当しない、レアな地目です。

札幌で一番有名な公道がイレギュラーの塊だったりする事からも分かるとおり、登記されている内容がアテにならない事はとても多いのです。

また『公衆用道路』という地目でも、『公道』ではない事も多々あります。
公道』か否かは、登記ではなく、各役所で確認しましょう。

③地積
これも下線があるものが、無効な内容。下線のないものが有効な内容ですから、
4363㎡が現在の登記上の面積ということになります。
宅地・鉱泉地の場合は1/100㎡未満で切捨、それ以外の場合は1㎡未満を切捨します。
この例では4363.○○○…というところを、1㎡未満で切捨しているのです。

また、この面積の計算は登記を行った時点で測量した結果に基づくもので、
現在の面積と一致している保証はどこにもありません。
最近登記を行った土地であれば信頼性は高いですが、古いものでは尺貫法からの換算なので、まったくアテになりません。
B-4 地積測量図の見方』で触れますが、4363㎡の換算前の数字は『4反4畝』です。
・・・単位からしてアテにならなそうな気配がひしひしと伝わってきませんか?

原因及びその日付
この項目には登記をした内容と、その日付が記録されています。
不動産の売買や相続、差押のほか、複数に分けたり(分筆)、1つにまとめたり(合筆)といった記録が書かれています。
この例に書いてある『①③10番1ないし3に分筆』というのは、
『昭和37年3月12日に10番という土地を10番1、10番2、10番3の3つに分けたよ』という意味です。
『ないし』は『…から…まで』という意味で、『いずれか』という意味ではありません。

その下の欄の『昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項の規定により移記』というのは、
紙媒体の登記記録をコンピュータの記録に移し替えました、という意味で、通常は気にする必要はありません。

<権利部(甲区)>…上から2つ目の枠
こちらは、シンプルで『昭和33年に札幌市が所有者として登記されました。』という意味です。
『移記』についても表題部の取り扱いと同じです。
『順位1番の登記を移記』と書かれていますが、この番号によっては、
昔の権利関係を知る為に紙媒体の頃の登記簿を調べなければならない場合があります。
一般の方が現在の登記内容を知りたいだけであれば、気にする必要はありません。

2つめの枠の下に『登記記録の乙区に記載されている事項はない。』と書かれている通り、
3つ目の枠『権利部(乙区)』という記載がある場合があります。
『道』の調査の場合にはあまり出てきませんが、私道の場合には、稀にみられます。
内容としては『借金のカタになっている』『担保不動産である』という記載です。
機会があれば解説しますが、今回は省略します。
私道については借金のカタになっている事、割とありますが、その解決策については機会があれば・・・

最後に、最終段落の文章がとっても大事です。
『これは登記記録に記録されている事項の全部を証明した書面である。』
つまり、『この書類の内容は登記にある内容と全く同じですよ』、と保証しているのです。
現実の権利関係と全く同じですよ、とは保証していません。

登記記録と、所有者や面積、借金のカタになっているかという現状については、法務局は関知していません
ので、ご注意下さい。

さらに、インターネットの『登記情報提供サービス』で取得する登記データには、この一文がありません。
電子データについては登記内容の保証もしませんよ、という事なので、公的な手続は電子データで行えない事が殆どです。

登記の役割や効力はどんなものなのか、感覚として理解して、有効に活用しましょう!

当記事は2013年08月29日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

B-1 ブルーマップの見方


A-3 道の所有者を知りたいとき』などで紹介した通り、法務局で土地の手続きをしてゆくときには『地番』が必要になります。
『地番』とは、法務局における土地の登録番号です。
札幌では、いわゆる一般生活でイメージする『住所』と登記の世界の『地番』は多くの場合、異なります。

『札幌では』と言いますが、北広島や江別、石狩といった近隣自治体の場合には、『地番=住所』である場合も多くあります。
また、札幌市内でも中央区の中心部の一部では、いまだ『地番=住所』となっています。
(あとは、郊外の『市街化調整区域』も地番=住所です。
また、小樽市は古い街なので、『地番≠住所』の場合が多いですね。)

『地番』というものは明治時代から順番に付けられて行ったもので、土地を分割する度に枝番号が増えてゆきますから、地図を見た場合に法則性を掴みづらいという難点があります。
特に旧来から発展してきた人口密度の高い街ではその傾向が強く、戦後には住所から場所が分かりづらい、という問題が発生してきます。
そこで昭和37年に施行されたのが住居表示に関する法律です。

『住居表示』を実施することで、住所に地図上の法則性が生まれ、管理も容易になりました。
『住所』が『地番』なのか『住居表示』なのかを見分ける方法としては、
『札幌市中央区南○西○丁目』という記載ならば、『住居表示』実施地区です。
『札幌市中央区南○西○丁目×××番地×』という記載ならば、『地番』です。
数字でハイフン表記されると、よく分かりませんよね。
インターネット地図などからでも、地番と住居表示を見分ける方法はあるのですが、また機会があれば紹介しましょう。

『地番』と『住居表示』の違いが理解出来ていない不動産屋も結構いるのですが、そういう担当者には高額の取引を任せてはいけません。

札幌市の場合、一般の方が普段利用するのは『住所』であって、『地番』ではありません。
ですから、自分の住んでいる土地であっても『地番』が分からない事は往々にしてあるはずです。
(事実、不動産のプロを自任する私ですら、現在の居住地や実家の地番は覚えていません。地番は全部で4~8桁あるのが普通ですから。)

本来、『地番』を調べるには管轄法務局で公図『地番図』を確認する必要があるのですが、この図は味も素っ気もありゃしない、白黒で線と番号だけが書かれたややこしい図です。

このように、白黒で表記されていて、建物の様子も分かりません。

これだけでは見つけられないだろうという事で天下のゼンリン様が作ったのが、『
地図に準ずる図面』と住宅地図を重ね合わせた、大変ありがたい地図帳です。

一冊3万円程度と非常に高額ですが、『A-3 道の所有者を知りたいとき』で紹介した通り、法務局にはブルーマップが備え付けられていますし、市役所や図書館などで閲覧することが可能です。

まずは目次から探したい土地の住所を見つけましょう。該当するページを開きます。

白黒の『公図』と比較すると、カラーでかなり見やすい事が分かりますね。

建物の様子や道の状況、建物に入っているテナントまで明記されています。
地図の中の黒文字が住居表示(≒住所)、青文字が地番です。

赤で○を付けた青文字の部分が地番です。
また、赤い破線は住所と住所の切れ目である『字界』(あざかい)を表しています。

市役所の入り口の部分は『大通西2丁目』の赤枠にあって『1-7』と書かれているので、地番は『札幌市中央区大通西2丁目1番7』だという風に見ていきます。
これで『おおまかな』地番を知ることができます。

なぜ『おおまかな』と括弧付けしたかというと、これは、あくまでもだいたいの参考地図なんです。
詳細を見てゆくと間違っている事が多々あります。
同じ部分の『地図に準ずる図面』と照らし合わせてみましょう。

札幌市役所の入口部分の地番は『10-3』なのですが、ブルーマップでは『1-7』となっています。
(まぁ、これは『10-3』が道路敷地であるという事情もありますが)
また、住所と住所の切れ目である『字界』(あざかい)についても間違っていますね。
ブルーマップでは、郵便局と市役所入口が同じ住所になっていますが、正しくは地図に準ずる図面の通り、郵便局は『大通』、市役所の前庭は『北1条』です。
同じ区画にある隣同士の建物なのに、住所(字)が違うという事があるんです。

また、ブルーマップでは道路に地番が書かれていないことが大半ですから、道の地番を調べる場合にはブルーマップで目算を付けてから、『地番図』『地図に準ずる図面』で地番を確定させるのが確実でしょう。

『地図に準ずる図面』を取得するのは有料ですが、管轄法務局であれば『地番図』を無料で閲覧する事が出来ます。
管轄法務局で、両者を見比べて地番を探しましょう。

それでは、『地番図』の同じ部分の写真も見てみましょう。
『アレッ?!』と思って頂ければ、ここまで長々と解説してきた甲斐があるというものです。

ここまで解説してきた、市役所の入り口部分の地番にご注目。
何故か『2-3』になっているんです・・・(^^;)
(元記事を書いた当時は気づかなかったのですが、市役所の北側、時計台の東側にある脇道『20』についても、地番図の記載が間違っていますね。)

登記の世界は、このように兎に角複雑怪奇なものなので、
役所に置いてある資料が平気で間違っていたりするのです。

この他に、札幌市役所本庁舎では別の形式の『地番図』を無料で閲覧する事が出来ます。

しかし、こちらについても課税のための図面で、誤りが多くあります。

ブルーマップや地番図は参考図面であって、正解は有料で取得する『地図』『地図に準ずる図面』であるという事は、必ず覚えておいて下さい。

・・・まー、本当に稀に『地図に準ずる図面』すら間違っている、という事があるのですが、そこまで行くとプロの領分ですから、ご相談下さい。

当記事は2013年08月28日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-17 私道の課税について知りたい② 贈与税・相続税・譲渡課税


今日は相続税と贈与税で『道』がどのような取り扱いになっているか、紹介します。

そもそも、相続税や贈与税はどのような場合にかかる税金なのかというと・・・
贈与税・・・生きている人が生きている人に財産を貰うときにかかる税金
相続税・・・亡くなった人の財産が生きている人が引き継ぐときにかかる税金
(これはざっくりとした説明で、亡くなった方から亡くなった方への相続、というのも例外としてありえます。
 亡くなった人からの贈与『遺贈』には相続税が課せられますから、上記の法則に準じます。)

字面からよく誤解があるのですが、贈与税は贈与される人が支払う税金なのです。
贈与する人が支払う税金ではありません。

また、『相続税法』という法律はありますが、『贈与税法』という法律はありません。
二つの税金は、どちらも『相続税法』に定められたもので、税率などは異なりますが実質は同じものです。

相続税・贈与税では、もらった財産の金額を元に、税金の計算をしていきます。
現金であれば金額がはっきりしていますが、それ以外の場合には、金額がハッキリしません。
(比較的金額が分かりやすい上場株式や金相場だって、毎日価格が変わる訳ですから)
そのために、土地建物や株券(有価証券)、自動車や生き物(牛馬)などあらゆる物について、原則的に国税庁が決めた一定のルールに従って税金計算のもとになる金額を計算します。
このルールを『財産評価基本通達』といい、国税庁のHPからも確認する事ができます。

土地の場合には、原則的に『路線価評価』か『倍率評価』で金額を計算(評価)します。
よく、ニュースなどで『路線価』が上がっただの、下がっただの言っているアレです。
(『路線価』についても、国税庁が決めて、発表しています。)
細かい計算方法について紹介しても、あまり意味がありませんので、省略します。

それでは、『道』『路線価評価』か『倍率評価』で計算(評価)するのでしょうか?
答えはイエスでもあり、ノーでもあります。

一般の人が誰でも通っている道には、相続税・贈与税がかかりません。
それが『私道』であっても『公共に通行されているもの』は財産価値を評価しないとするとされています。
財産価値がゼロな訳ですから、それを元に計算される税金もゼロという訳です。
また、『特定の者が通行するもの』については7割の評価減、つまり通常の3割の評価額で計算する事になっています。

ただし、通行する者の範囲が非常に狭い場合にはこの評価減の対象とはなりません。
自分だけしか通らない『道』や扉などが設置してあって一般の方が通らない道などは、通常の土地と同じ評価額となります。

国税庁 No.4622 私道の評価
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4622.htm

『公共って何だ?』『特定の者ってどの程度だ?』という事について、これ以上に明文的な規定はありません。
私道の利用状況や税務署・税理士の見解によって評価方法が大きく変わる場合があります。
同じ私道についてであっても税理士によって評価額が異なる事も実務上では頻繁にあるのです。
実際に税金の申告が必要となった場合には、私道の評価方法について、税理士に確認するとよいでしょう。

<おまけ 譲渡課税について>
ところで、『道』になっている土地を他人に売った場合は、どのような課税の特例があるのでしょう?
・・・答えは『一切の特例はない』です。利益が出た場合には通常の土地を売却した時と同様に、個人の場合は所得税が、法人の場合は法人税が課税されることになります。注意しましょう。

(国や自治体に売った場合に、特例がある場合がありますが、『道』に限った話ではありませんので、説明は省略します。)

当記事は2013年09月28日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-16 私道の課税について知りたい① 固定資産税・都市計画税

『道』に関する税金の話題、第一弾です。
よく『使ってもない土地なのに税金ばかりかかって・・・』なんて話をよく耳にします。
土地を持っているだけで毎年かかる税金は『固定資産税』と『都市計画税』です。
税金の名前は2つに別れていますが、一緒に課税されます。
一般の方が『固定資産税』と聞いてイメージするのは、『都市計画税』を含んでいる事が大半です。

さて、『位置指定道路』や、郊外の市街化調整区域の通路などでは、非課税になっている場合が大半です。
一方で、住宅街にある位置指定を受けていない私道については、課税されている事が多くあります。
固定資産税の課税については市税事務所の職員が現地を確認して適宜見直しを行っているという事になっていますが、建物の建築状況に関する確認が主眼で、土地については建物と比較すると細かく確認してはいないようです。

①『道』が課税されている場合
大きな金額でなくとも、毎年税金が課税されるというのは、大きなストレスになります。
位置指定道路ではない私道の場合、課税の対象となる場合がありますが、
その場合であっても、通常の評価額から大きく減額がされています。

また、通り抜けのできない(行き止まりの)位置指定道路についても課税扱いとされる場合があります。

課税状況について不服である場合には、一定の時期・期間に限り不服申し立てができます。
(固定資産評価審査申出制度 http://www.city.sapporo.jp/citytax/syurui/kotei_toshi/shinsa.htmlを確認して下さい)
公道に面していない土地なのに通常と同水準で課税されている場合などは、減免の対象となることがあります。

とはいえ、固定資産税は一定のルールのもと課税されていますから、
どうしても減免してもらえない場合もあります。
その場合には、最終手段として、『寄附』してしまうのも一つの方法です。
まぁ、寄付をするにしても様々なハードルがあるのですが・・・

②『道』が非課税の場合
固定資産税が非課税の場合には、2種類のパターンがあります。
『固定資産評価額がゼロ』の場合と『納税者の税額が免税点以下』の場合です。

→固定資産評価額がゼロの場合
一定の要件を満たした私道や国・自治体、宗教法人、学校法人などに無償で貸与している土地は、固定資産税が非課税となります。
位置指定道路も大半はこの非課税の私道に該当します。(通り抜けできないものを除く)
A-17 私道の課税について知りたい② 贈与・相続税』でも解説しますが、相続税・贈与税なども原則非課税となります。

→納税者の税額が免税点以の場合
札幌市では、固定資産税は区ごとに課税されます。
区ごとの評価額の合計が一定以下(土地ならば30万円未満)ですと、税金の請求はされません。
少額の税金のために、多額の事務負担が発生すると、財政上好ましくないという理由から、このような扱いになっています。
少額とはいえ、相続税の申告が必要となった場合には、相続財産の対象となります。
こちらから問い合わせない限り、課税台帳などは送られてきませんので、注意しておきましょう。

それでは、毎回の事ですが、相談窓口と管轄を紹介しましょう。

中央市税事務所  管轄:中央区

東部市税事務所  管轄:白石区、厚別区

南部市税事務所  管轄:南区、豊平区、清田区

北部市税事務所  管轄:北区、東区


西部市税事務所  管轄:西区、手稲区

ちなみに、法務局で取得する登記は誰でも取得できる情報ですが、
固定資産税の課税状況は納税者だけが知る事の出来る情報ですから、
窓口を訪問する場合には、身分証明書や固定資産税の納付書などを持参しましょう。

当記事は2013年09月07日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-15 実際の除排雪状況を調べたいとき


札幌で不動産を選ぼうとする際には『除排雪状況』は重要なファクターになるのは言うまでもありません。

賃貸ならば数年我慢すれば…という面もありますが、売買であれば、そうはいきません。
11月中旬~4月中旬の5ヶ月を占める積雪期間の事を考えずに不動産を購入するのは愚の骨頂と言えるでしょう。
3月ともなれば雪が降る日も少なくなりますが、
上がった気温で溶けた雪が道路にシャーベット状の水たまりを作りますから、
それまでの除排雪状況が大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。

さて、札幌市の除排雪が入るか否かについては、
以前『A-14 除排雪の取り扱いを知りたいとき』で紹介しましたが、
今回は個別の物件の除排雪の状況の調べ方の一例を紹介します。

除排雪状況が劣悪な不動産は…
・マイホームであれば、毎日の除雪が大変。
除雪や雪下ろしで怪我や腰痛、筋肉痛の恐れがある。
・投資用のアパートやマンションであれば、入居者の負担が多く、
入居率・定着率への悪影響が懸念される。
・事業用の物件なら、除雪の労力のほか集客力への影響が懸念される。

また、どのような種類の物件であっても
・除雪機械やロードヒーティングの維持費が多くなる。
・雪でスタックする車が多い道で迂回路がないと、自動車での移動が困難になってしまう。
…といった面は共通しています。

◆それでは具体的に、除排雪の状況の一例を写真で見てみましょう。
(それぞれ撮影年度や時期はばらばらなので、あくまでも参考として理解して下さい。)

①とある北海道道、幹線道路だけあって交通量も多く、雪は少ない。

②郊外の市街化調整区域にある法定外道路。
舗装がされていない為、自動車で通った場合かなり浮き沈みがあります。

③道路が角になっている部分には雪が溜まりやすいですが、
この曲がり角は、幅8m以上の市道のため、札幌市の機械除雪が入っているようです。

④殆ど除雪が入っていない市道。幅8m未満の道路には原則、札幌市の除雪は入りません。

⑤某位置指定道路の路面。公共除雪が入らず、かなり路盤が荒れています。
年に何度か、地主さんのご厚意で除排雪をしているようですが、費用はばかになりません。

⑥郊外の市街化調整区域にある市道です。
幅が広く、除雪がないと孤立してしまうからか、毎年きちんと除雪されています。

除排雪の状況は土地によって様々であることが分かって頂けたでしょうか?

◆雪のない間はどうやって確認すればいいの?
さて、それでは、不動産選びの際、具体的に除排雪状況の確認方法を紹介しましょう。
まずはシンプルに『冬の間の写真はありますか?』と相手方に聞いてみるとよいでしょう。
ただ、売主さんにしても業者にしても、道路の写真までは撮っていない場合も多くありますから、
冬の間の写真がないと言われたからといって疑心暗鬼になる必要はありません。

そんな時は管轄の土木センターや近所の方に『冬の間の除排雪の状況はどのようになっていますか?』と聞いてみるのがよいでしょう。
各区の土木センターでは、市の公共除排雪が入っているか否か等が確認出来ます。
札幌市の除雪のほか、近隣の方が厚意で重機を動かして除雪をしてくれているという場合もありますし、
札幌市の除雪に町内会などが費用を負担する、パートナーシップ除雪制度というものもあります。

もし冬の間の写真を見て、きれいに除雪がされている場合であっても、
『誰が除雪をしているのか』
『誰が除雪費用を負担しているのか』
『どの程度の頻度で除雪が入るのか』
…といったことは出来るだけ確認しましょう。

例えば、売主さんが自主的に近辺を除雪しているような場合で、
その不動産の売買の後、売主さんがその土地を離れるような場合は、
買った後、除雪をする人が誰もいない…などということも十分に考えられるのです。

まぁ、聞き取り調査に行ったところで
『冬の間の事なんか覚えでね』
『自分ちの前以外の事なんか知んねぃよ』
…と言われてしまう事も多々あるので、
結局は自分の目で見て確認するのが、一番確実な方法といえるかもしれません。

◆普通の不動産屋さんは、除排雪の状況について教えてくれるの?

一般的に不動産業者は『積極的調査事項』には該当しないため、
原則的に冬季の除雪状況について買主さんに知らせることはしません。

と、言うのも例えば『札幌市の除雪が入ります』と書類に記載してしまったとして、それが誤りだった場合には、業者に責任が発生してしまいますが、書類に記載すること自体が義務ではない以上何も書かないでいれば、責任も発生しない、という考え方でリスクコントロールをしているのです。
(『積極的調査事項』といって書類に記載することが義務となる項目もあります。
例:不動産の所有者や面積に関する事項や法令上の制限など。)

除排雪の状況を調べようが調べまいが、売上額は変わらず、
苦労とリスクが増える訳ですから、やりたがらない業者さんを責める事も出来ません。
(法律上、別途費用を請求する事は違法ではありませんが、ちょっとやりづらいですよね)

私も含め、一部の業者・担当者がリスクを負ってサービスとして行っている場合があるということで、
現在の除排雪状況について冬季の現地調査や聞取り調査の内容をお知らせするものの、
当然ながら将来的な除排雪状況を保証するものではありませんから、
その点についてはご了承頂ければと思います。

当記事は2014年01月28日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-14 除排雪の取り扱いを知りたいとき


近年、札幌市では予算難の関係もあり、除排雪の問題がシビアになってきているようです。
ここでは、『道』の除排雪作業についての原理原則をまとめてみました。

正直、我々一般市民の不満を解消するような内容ではありませんが、
札幌市が提示している除排雪の方策を知っておかなければ、苦情を言っても相手にしてもらえません。

ちなみに『除雪』『排雪』の定義は次の通りで、組み合わせて『除排雪』といいます。
『除雪』…雪を道路から取り除き、近辺に積み上げる事。
『排雪』…除雪で積み上げられた雪を、機械で取り除き、別の場所へ移動させる事。

<公道の場合>

担当部署は各区の『土木センター』または除雪センター(除雪業務委託業者)です。

『除雪』の対象となるのは『道路幅員が8m以上の道道、市道及び8m未満の市道のうち、機械除雪が可能な路線』です。
それ以下の幅員の道路については、市の除雪の対象外とされています。

『排雪』
の対象は『幹線道路』と一部の通学路のみで、『生活道路』は対象となりません。
生活道路…住宅地などの地域に密着した道路幅員10m未満の道路

簡単にまとめると…

8m未満で機械除雪不可の公道 除雪× 排雪×
8m未満で機械除雪可能な公道 除雪○ 排雪×
8m以上で10m未満の公道 除雪○ 排雪×
10m以上の公道 除雪○ 排雪○

『狭い道に除雪が入らない事』
『除雪がめったに入らない事』
『除雪した雪を家の前に置いてゆく事』
『春先に雪解け水で道路が水浸しになる事』
…などについての苦情は、窓口で受けつけられても、その場限りの謝罪の言葉が返ってくるだけです。
実際の除雪作業は民間への外注で事前に組まれた予算に従って発注されているため、改善を望む事は非常に困難です。

また、通常『排雪』のない生活道路については、札幌市と町内会で費用を折半して実施する、
『パートナーシップ除雪制度』というものがあります。
制度の名前は『除雪』ですが、『排雪』に関する制度です。
具体的に対象となる生活道路は、町内会が決定しますから、町内会長等に問い合わせてください。
パートナーシップ除雪についてはこちらをご確認下さい。

<私道の場合>
私道の場合には、たとえそれが位置指定道路であったとしても、原則『除排雪』は入りません。
土地の所有者の負担となりますが、所有者が所在不明である場合には、結局のところ近隣住民の自助努力ということになります。
また、たとえ所有者の所在が分かっていたとしても、強制的に除排雪費用を負担させることは、現実問題難しいでしょう。
なぜなら、どのような除雪を・どの程度するかについて、法的な定めは一切ないからです。

厳密にいえば、その道の管理責任は所有者にある訳ですから、最低限必要な処置をしていないという事になれば、
損害賠償などが認められる可能性もゼロではありませんが、どちらにしろ裁判等の手続きが必要になります。

私道の維持管理は基本的に自費負担となってしまうため、不動産実務でも、公道に面しない土地は評価が低くなります。

私見ですが、多少値が張ろうとも、私道よりは公道に接する土地の方が将来的に扱いやすいと思います。
(ただ、将来的に現状の除雪体制が続いていくかと言われるとそれは微妙ですが…)

当記事は2013年09月24日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-13 道が『河川』だったとき

『道』だと思っていた場所が『川』だった、という事はよくある事です。
アスファルトで舗装されていて、周囲には建物も建っていて、場合によっては自動車も通行できて札幌市が管理していても公道』ではない。

到底川のように見えなくとも、暗渠化していて河川区域という扱いになっている土地もあり、登記簿の地目が『河川』などとなっている場合には特に注意が必要です。
他に水に関係する地目は『塩田』『鉱泉地』『池沼』『水道用地』『用悪水路』『ため池』『井溝』などがあります。
海や湖に関しては河川とは別の取り扱いになりますが、札幌は海に面しておらず、道ともあまり関係ないので、解説はしません。

このようなケースは暗渠の場合と、川の周辺の遊歩道の場合の2通りが多いでしょう。

(暗渠の例)

(堤防の例)

(遊歩道の例)

豊平川の周辺も、公道と接続していてアスファルトで舗装されていますし、
いろいろな川の脇にある遊歩道に関しても、『公道』ではなく『河川区域』です。
あくまで『川』ですから公道のように『道路台帳』はありません。
代わりにあるのが『河川台帳』で、河川区域の位置や広さなどの図面が保存されています。
道路と同じように、河川の場合にも、管理者が台帳を持っています。


河川の管理責任者 窓口のフローチャート http://www.city.sapporo.jp/kensetsu/kasen/menu07-02.html

北海道開発局(国土交通省)、北海道、札幌市など、管理者は多岐に渡ります。
周辺を見て、川の名前が入っている看板などに、管理者が書かれていますので、それを探しましょう。
探しても見つからない場合には、とりあえず札幌市の河川管理課に問い合わせてみましょう。
(管轄だけなら電話で教えてもらえます。)

札幌市の河川管理課は豊平区の札幌市下水道庁舎の5階です。

札幌市の河川管理課では、河川台帳の交付を受ける事が出来ます。

暗渠化された河川区域であっても、すでに水が通っていない事もあり、地中の話なので、実態をつかむことが難しいです。
私の専門分野の関係もありますが、道路調査よりも、河川調査の方が難しいと思います。

また、『道』に隣接せず『川』に隣接している土地は、建物を建築する事が出来ませんが、
実際の建築計画によっては建物を建築出来る場合もあります。
詳細な事項については建築士などへご相談することをお勧めします。

当記事は2013年09月13日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-12 登記がない・地番がない土地ついて知りたいとき


『登記がない土地』『地番がない土地』というものがあります。
不動産登記というのは、不動産の権利関係を公に示す目的でされています。

国としては所有権を把握して、それに対して税金を課す事が元来の目的ですから、所有権が明白で、徴税の必要がない土地=『登記がない土地』=『国有地』です。
根拠となる法律は民法239条2項所有者のない不動産は、国庫に帰属する。
(昔、不動産登記法などに根拠を求めたのですが、記載が見当たらず、札幌法務局の登記官と話した処、上記条文が根拠である、とのことでした。
また、登記簿の前身が土地への税を目的とした『旧土地台帳』であることからも、明白であると言えるでしょう。)

ただし、地番のない土地はすべて国有地ですが、国有地すべてに地番がない訳ではありません。
過去に民有地だった経緯などから、『地番がある国有地』も多く存在しています。

地番のない土地は、地番図や公図では、このように表示されます。

真ん中にある一番大きな四角の左右に、上下に細長い長方形がありそれぞれ『道』と書いてあります。
(ちなみに真ん中にある『1-7』は札幌市役所本庁舎です。)

このような国有地は、明治時代以前からある道路で俗に『赤道』『赤線』ともいいます。
(歴史や経緯について細かな用語説明はあえて省略します。)
昔からある道路ですので、現在は拡幅されていて実際の道路範囲より狭い場合があります。
一方で、新たに拡幅した道路には、地番が設定されています。
つまり、一つの道なのに、地番が書かれている部分と、書かれていない部分があるという事です。
画像では『1-5』『2-6』『10-1』『10-2』『10-3』等が、道路の拡幅で広がった部分です。
南側の大通や北側の北一条通りの元の幅と拡幅の状況が、よく分かりますね。

最初に解説した通り、地番がない土地には、登記も図面も法務局にはありません。
隣接する土地の地積測量図などから周囲の長さを推測する事は可能ですが、登記の情報から全体の形を割り出す事は困難な場合が殆どです。
(国有地は課税の必要がないので、測量したりせずアバウトに把握しているのです。)

その部分の形を知りたい場合には、道路の管理者が保管している、『道路台帳図』などがヒントになります。
(道路の管理者の調べ方は『A-4 公道の管理者を知りたいとき』で紹介しています。)

昔から残っている道についても、札幌市では国土調査などを行い、座標の特定作業を実施しているようです。
市役所7階の管理測量課で測量資料を見る事が出来ますが、専門知識がないと判読は難しい資料です。
細かな座標資料の見方は個別的な内容になりますので、測量士・土地家屋調査士等へご相談下さい。

測量資料の閲覧方法

http://www.city.sapporo.jp/doboku/sokuryo/etsuran/e_01.html

『道』ではない国有地もあるのですが、それについては状況が多岐にわたるので、
内容を調べるのは上級編と言えるでしょう。
また、こういった国有地を購入したいという場合に、国に利用の予定がなく、近隣への影響も少ないと判断された場合には国から『払い下げ』を受けることが出来る場合があります。
お困りの場合には、専門家へご相談下さい。

ところで余談ですが、『登記のない建物』はどうでしょうか?
これは、『未登記建物』といって、金融機関から融資を受けずに来た=担保にする必要のなかった建物に多く見られます。
金融機関から融資を受ける為には、その土地建物を担保にする=抵当権を設定する必要があります。
融資を受ける必要のない資金の豊富な地主さんなどは、登記費用を節約して建物を登記しない、ということもままあるのです。
この場合には『所有者のない不動産』ではありませんから、国に帰属するのではなく、登記がなくともその所有者が所有者、という事になります。

事実、不動産登記をしていない建物を何棟も所有している地主さんも、クライアントに複数いらっしゃいます。
登記をしなくとも税金はかかりますし、火災保険にも加入できますし、賃貸も出来ますから、未登記のまま何十年所有していても、特段の不自由は発生しません。

ただ、他人に売却をしようという場合や、新たに融資を受けようという場合には、元の所有者の名義で登記をしなければなりません。
また、登記をしないまま相続をすることも可能ですが、その場合、将来建物を売却するときには、やはり登記をし直さねばならず、登記の際には相続人全員の実印がある『遺産分割協議書』相続人全員の印鑑証明書が必要になってしまい、大変手続きが煩雑になってしまいます。
私の考えとしては、将来的に売却をする可能性の低い自宅や老朽化建物以外については、相続のタイミングで登記することをお勧めしています。

当記事は2013年09月22日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-11 上水道の配管状況を知りたいとき


さて、今日は道路内のインフラ調査の最終回、上水道の配管状況の調査方法です。
ガスや下水道とは違い、必ず窓口で行う必要があります。
ネットやファックスでお気軽に調査、とはいかないのは大事な飲み水だからなのでしょう。

道路内の『上水道台帳』を取得するためには、全部で4つの窓口があります。
どの窓口でも市内全域をカバーしていますから、お近くの窓口に行きましょう。

中部水道センター (札幌市南区川沿2条2丁目2番7号)


北部水道センター (札幌市北区新琴似6条2丁目1番1号)


南部水道センター (札幌市豊平区豊平8条10丁目2番1号)

水道局資材センター庁舎 (札幌市東区東苗穂2条3丁目2番23号)

窓口に出向いたら、置いてある『地下埋設物(水道管)調査受付票』にこのように書きましょう。

この用紙を窓口の係員さんに提出すると、道路内の『上水道台帳』を印字してもらえます。
配管の太さなどについても、合わせて説明してもらうことが出来ますが、具体例については『B-8 上水道台帳の見方』で紹介します。

このように、窓口に行けば誰でも無料で取得できる上水道台帳図ですが、誰でも無料で取得できるのは道路内の配管までのお話で、敷地内の配管状況については、個別に手数料を支払って確認をする必要があります。
(その場合には、敷地所有者本人の身分証明書や、所有者からの委任状が必要になります。)
飲み水については重要性が高いだけあって、セキュリティが比較的強めです。

また、宅地内配管の状況確認や水道メーターの廃止など諸手続きについては、札幌市中央区大通東11丁目にある本庁舎で一括受付していますが、『上水道台帳図』の配布については、本庁舎で取り扱っていませんので、その辺も注意しましょう。

当記事は2013年10月16日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-10 下水道の配管状況を知りたいとき


さて、道路内のインフラに関する調査ですが、都市ガスの次は下水道に触れてみましょう。
なんと、下水道の配管状況はインターネットで調べることが出来ます。

札幌市下水道台帳情報提供サービス
http://www.jamgis.jp/jam_sapporostp/html/index.jsp

使い方は『A-1 道が公道か私道か知りたいとき』で紹介した、『札幌市都市計画情報提供サービス』と殆ど同じです。

また、基本的にはネットと同じ情報ですが、対応窓口もあります。

札幌市下水道庁舎 札幌市豊平区豊平6条3丁目2番1号

こちらでは、1階にタッチパネル式の端末があり、A3用紙への無料印刷が可能です。
下水道の台帳を印刷してもらうのに手数料を取られる自治体も多くありますから、
その辺、札幌市はリッチと言っていいのでしょう。

『下水道台帳図』の具体的な見方は『B-7 下水道台帳図の見方』で紹介します。

余談ですが、『A-13 道が『河川』だったとき』で紹介したように下水道庁舎には河川の窓口もあります。

当記事は2013年10月14日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-9 都市ガスの配管状況を知りたいとき


『道路』というものは人や車の通り道であるというのと同等に『インフラの経路』としての役割を持ちます。
側溝から始まり、下水道、上水道、電線、都市ガス・・・様々なインフラが道路を利用して敷設されています。

札幌市の近郊の場合には、インフラの普及は以下のような順番でしょうか。
電気>下水道>上水道>都市ガス

上水道があって下水道がない、であるとかその逆もまた然りですが、上下水道が使えないのに都市ガスだけが使える、という例はまず考えられません。
都市ガスが通っていない区域では、熱源としてプロパンガスや電気、灯油を使わなければなりません。
(熱源に灯油を使う場合、給湯器やストーブは灯油で動いても、灯油コンロというものは一般的ではありませんから、コンロだけはプロパンガスや電気と併用しなければなりません。)

ガス種別『都市ガス』『プロパンガス』の違いを簡単に言うと…

『都市ガス』・・・初期費用が高い、道路内にガス管がないと設置不可、火力が弱い、ランニングコストが安い
『プロパンガス』・・・初期費用が安い、どこにでも設置出来る、火力が強い、ランニングコストが高い
(正式にはLPガスと言いますが、以下わかりやすくプロパンガスと言います。)

ここで比較に述べる『初期費用』とは、建物建築時や設備の導入時にかかる費用を指し、『ランニングコスト』とはガスの利用料金を指します。

また、細かい話になりますが『プロパンガス』にも『個別プロパン』『集中プロパン』の2種類があります。
『個別プロパン』はガスボンベやバルク(タンク)を敷地内に設置し、そこからガスの供給を受ける方式。いわゆる、普通にイメージされるプロパンガスですね。
『集中プロパン』は、道路内に配管されたガス管からプロパンガスの供給を受ける方式です。

・・・って、これじゃあ『都市ガス』と『集中プロパン』の違いが判りませんね。
都市ガスとプロパンガスは供給方法の違いではなく、ガスの種類が違うのです。
ガスを燃やした際に発生する熱量が異なる為、ガス器具もそれぞれ異なります。

集中プロパンはごく限られた地域に敷設されており、費用的には都市ガスと個別プロパンの中間的な性質であるといえます。

最近では情報の普及や節約志向から、賃貸でも売買でも『都市ガス』物件の方が明らかに人気です。
・・・と、いう訳で不動産を考えるにあたっては、ガス種別も大きなファクターなのです。

では、道路の中に都市ガスが配管されているか否かは、どのように調べればよいのでしょうか?
実は北海道ガスに都市ガス供給照会依頼書をファックスするだけで、無料で調べる事が出来るのです。

都市ガス供給照会|北海道ガス株式会社
http://www.hokkaido-gas.co.jp/business/contractor/syokai/

このページから地区に応じて『供給照会依頼書』をダウンロードして記載し、ファックスで送付することで調査が可能です。
しかし、北ガスのHPには具体的な記載方法や、どんな図面が送られてくるのか、書かれていません。

ですから、今回は具体的な『供給照会依頼書』の書き方と実際の『道路内配管図』を見てみましょう。
いつものように、ターゲットは札幌市役所です。
(上記様式は平成29年現在の様式であり、最新の様式と相違がある可能性があります。)

こんな風に書きましょう。
札幌市役所とズバリ書くと怒られそうですがマンションなどの場合は建物名も書きましょう。
インフラの調査の場合には、『地番』ではなく『住居表示』が必要です。
(更地の場合には住居表示はありませんので、地番でも差し支えありません。)
2枚目には、住宅地図に照会場所を示す印をつけて、2枚1セットでFAXします。
住宅地図を添付しないと怒られてしまいますので、ご注意下さい。
ちゃんと送ったのに『住宅地図を添付して下さい』というクレームが入った事もあります。
住宅地図は、インターネットで印刷したものでも、場所が示されていればOKです。

その日か、翌営業日にはFAX番号に『道路内配管図』が送られてきます。
窓口に出向かなくても無料で情報提供してくれるなんて、素晴らしいですね!
ちなみに東京ガスは会員登録すればインターネットで供給照会が可能!すごい!!
(業務上、東京のお客様の土地建物についても取り扱う事があります。)

・・・なんて事を平成25年当時は言っていたのですが、平成29年3月からは北海道ガスでもインターネットからの供給照会が可能となりました。

都市ガス供給照会 – 北海道ガス
https://user.hokkaido-gas.co.jp/Article/

インターネット照会では会員登録が必要ですし、原則的に法人を対象としているため、一般の方が閲覧するためには向きません。

ファックスがなく、インターネット登録も困難という方は、仕方がないので北ガスの庁舎まで行きましょう。

北海道ガス株式会社

このようにして取得した配管図の見方については、『B-6 都市ガス配管図の見方』で紹介していきます。

【余談】
序盤で紹介をした『集中プロパン』については、その供給会社に対して、道路内配管の有無を確認してゆきます。
札幌で多く見る集中プロパンの供給会社は北海道ガスの子会社である『北ガスジェネックス』ですが、それ以外にも集中プロパンの供給業者は存在しますから、近隣にお住いの方や町内会などに問い合わせるのがよいでしょう。

北ガスジェネックス株式会社
https://www.kg-genex.co.jp/

当記事は2013年09月25日および2013年10月06日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-8 道路の拡幅について知りたいとき


土地にとって、接続する道路が広い事は良い事です。
・・・というのが不動産業に関わらず、土地に携わる業界の人間の共通認識です。

各自治体も、道路交通の便を良くする事を『街づくり』の一貫と考えており、
札幌も毎年の予算で道路の拡張事業を実施しています。

道路をどうやって広くするのか?
結論から言うと、道路脇の土地を道路にしてしまう訳です。

自治体として道路脇の私有地を①買い取る場合もあれば、②買い取らない場合もあります。
『①買い取る場合』というのは『都市計画法』に基づく『都市計画事業』として決定された『都市計画道路』であって、市が積極的に用地の買取を行ないます。
周辺では地域説明会などが開催され○○年後までに拡幅完了、といったロードマップがしっかりと設定された拡幅です。
当然、そのために自治体に与えられた予算や権限も大きなものとなっています。

一方の『②買い取らない場合』『市道計画』に基づく拡幅といいます。
これが、非常に厄介な取扱いでして、拡幅計画があるのに積極的な買取はなく、消極的に拡幅をしてゆく、という、一見よく分からんプロセスを踏んでゆきます。
予算も権限も期限もなく、ただただ既成事実的に拡幅をしてゆく、と言っても過言ではありません。

【『②買い取らない場合』の道路拡幅手順】
自治体が私有地を道路区域として認定する→
→道路として認定された部分には新たに建物を建てる許可が下りない
→今ある建物を壊したあと、道路に認定された部分は道路の一部に→
→自治体は買い取らず、『私有地のままの市道』になる→
→『私有地』を『市有地』にしたければ寄付して下さい→寄付

・・・こうしてざっくり書くと何か悪質な罠のような手段で、道路にされてしまうのです。
でも、それが法律なのです。最終的には諦めるほかありません。
法的な考え方でいうところの『公共の福祉による私権の制限』というやつです。
かなり乱暴な書き方をしましたが、市道の拡幅計画は事前に法的に適切な手段を取って行われている訳ですから、批難出来る筋合いのことではありません。
新規の道路拡幅の際には、計画発表や事前説明会を行いますし、既に計画がある場合、不動産売買の際、業者が告知します。
ただ、遠隔地にいたりして情報が入ってこないと、知らないうちに『私有地のままの市道』になってしまったケースが過去に多々あるようです。

『私有地のままの市道』というのはどういう状態かというと、登記上の所有権があるだけで、あとは使用することも出来ないし、道路として札幌市の判断で舗装や配管等がされる、持っている意味がほとんどない土地になるという事です。
また、このような敷地は財産価値がありませんから、固定資産税や相続税の対象外となる場合が殆どです。

これを札幌市の用語で『未処理用地』と言い、道路台帳図にもその土地が明記されています。
道路台帳を取得する際にも、『未処理用地』は緑色で表示されています。
オレンジ色は『使用承諾地』と言い、民有地であるものの札幌市に対して道路としての使用を許可している土地です。
まぁ、寄付するしないは自由ですから『私有地のままの市道』を所有し続けることも出来ますが、私有地だからといって何か利用価値があるわけでもありません。
市が買い取らない場合は、既にある建物が存在し続ける限り、道には出来ませんから、
頑張って建物を長持ちさせるようにする、という抵抗策もないではありません。

どうにかゴネて買い取らせる、という手段を考える方もいるかもしれませんが、『買い取らない』という前提で計画されている道路の拡幅は、優先度が高くありません。
自治体としては建物が朽ち果てるのを待っている、という状態の部分が少なくないのです。
ですから、実際はゴネようが、建物を補修しようが、あまり意味がないというのが現実です。

さて、前置きが長くなりました。
今回は『道路の拡幅について知りたいとき』です。
道路の拡幅については、複数の窓口がありますが、順を追って説明します。

まずは、市役所2階 道路確認担当課に行きましょう。

(写真は市役所2階の案内図です。-平成25年現在)

A-2 公道(と特殊な私道)の詳細が知りたい時』と同様の手順で、拡幅があるかどうか知りたい道路を窓口の係員に伝えると、通常は『道路拡幅の予定があります』or『整備完了しています』と言われます。
言われなかった場合には『拡幅の予定はありますか?』と聞いてみましょう。

『整備完了』と言われた場合には、拡幅の予定はありません。めでたしめでたしです。

拡幅の予定があると伝えられた場合には、一応、次に行く窓口を確認して下さい。
窓口は2種類ありますが、隣同士なので、間違っても大丈夫です。
窓口は市役所5階交通計画課地域計画課です。
『①買い取る場合』は交通計画課、『②買い取らない場合』は地域計画課ですが、正直、一般の方が気にしてもあまり意味がありません。

こちらの窓口では、将来どの程度の幅になる予定なのか、現在の幅からどの程度広がるか、教えて貰えます。

もし、具体的な拡幅予定の図面を持ち帰りたい場合には、『A-6 市道・道道の詳細を知りたいとき』で紹介した通り、市役所6階 道路認定課『道路台帳図』のコピーを取得することが出来ます。
『②買い取らない場合』=市道計画の拡幅の場合には、拡幅予定の幅が、道路台帳図に書いてあります。
一方で、『①買い取る場合』都市計画道路の場合には、通常の台帳図に拡幅後の幅は記載されません。
『都市計画道路』の場合、②の窓口で都市計画道路の予定図を閲覧させてもらうことが出来ます。(まー、見づらい図なのですが。)
写しの交付を受ける為には、市役所2階 行政情報課で依頼することでコピーを取得することが出来ます。
コピー代は1枚10円ですが、まー不動産のプロ以外はあまり使わない図面ですね。

現在拡幅事業を実行している場合で、拡幅の進行状況や今後の予定を知りたい場合市役所8階 道路課で、確認をすることができます。
『拡幅予定がある』と決まっていても、工事は20年、30年先の話だったなんて話も、よくあります。

すこし手順が複雑ですが、市道の拡幅についてはこのように調べて行きます。

<私道の場合>
位置指定道路でない私道については正式な幅員が決まっていないので、将来の予定等については所有者に確認する必要があります。
通常、私道を拡幅するなんていう計画は、聞いたことありませんけどね。

また、位置指定道路について拡幅をすることも、一般的にはあまり例がありませんが、
どうしても気になるようであれば、通常の私道と同様に、所有者に確認してください。

また、既にある位置指定道路を自身で所有していて、拡幅をしたい場合の方法は、『C-3 道路の位置指定を受けたいとき』と『C-4 位置指定道路を変更・廃止したいとき』で紹介します。

当記事は2013年10月01日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-7 国道の詳細を知りたいとき


札幌市では、市道・道道・位置指定道路の3種類の道路の図面を、
市役所の1ヶ所で集めることが出来ますが、『国道』だけは別枠の扱いになります。

◇道路台帳図の閲覧方法
国道の道路台帳図を閲覧したり、拡幅計画を確認する為には、
北2条西19丁目にある『札幌開発総合庁舎』へ出向く必要があります。


わざわざ別の庁舎にしていて面倒だ!・・・という気持ちは分かりますが我慢して下さい。
北海道の札幌以外の自治体では、市町村道、北海道道、国道でそれぞれ庁舎が違います。
しかも、道道や国道の場合、自治体内に窓口がないことの方が多いのです。

それを考えると、札幌(政令指定都市)は、一般の方でも気軽に調べられる環境が整っていると言えるでしょう。

さて、『札幌開発総合庁舎』へは自動車または地下鉄東西線『西18丁目』駅から行きましょう。
道路台帳図が見たい場合には3階の『公物管理業務課』
国道の拡幅計画を確認したい場合は2階の『道路計画課 改築企画担当』へ行きましょう。

この張り紙ですが、庁内の至るところに同じような物が貼り付けてあります。
市役所と違って、多くの市民の訪問を想定している訳ではありませんから、その点は注意しましょう。
市役所では窓口に専門と思われる若い女性が多くいますが、こういった窓口では、現場の職員さんが対応してくれます。
あまり市民の対応に慣れていませんから、ぶっきらぼうな扱いを受けても多少は我慢して下さい。

図面が見たい場合でも、拡幅計画が知りたい場合でも、基本的には窓口に住所と位置を告げれば大丈夫です。
従来はここで無償で道路台帳図のコピーの交付を受けられたのですが、平成26年12月より、即時交付はなくなり、手数料も発生するようになってしまいました。

◇道路台帳図の写しの交付
それでは、具体的に案内用紙を見ながら手順を紹介してゆきましょう。
まず、開示請求をする窓口は『札幌第1合同庁舎』の15階『総務課閲覧室』になりました。


札幌法務局も入っている建物ですね。

以下、案内文書の画像と本文を抜粋を交え紹介してゆきます。

道路台帳の図面の写しの提供をご希望の方は、情報公開法に基づく開示請求の手続きが必要です。
*情報公開法『行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年5月14日法律第42号)』

○開示請求できる人は?
行政文書の開示請求は個人、法人、団体を問わず誰にでもできます。

○開示請求の方法は?
行政文書開示請求書(開発局ホームページ、情報公開窓口で入手できます。)
に必要事項を記入し、情報公開窓口に提出して請求します。
また、請求は郵送又はオンライン申請でも可能です。
電子メールやFAXによる請求は、認められていません。

○開示、不開示の決定にはどのくらい期間がかかるの?
開示、不開示の決定については、請求を受けた日の翌日から起算して、
原則30日以内に決定し、請求者に書面又はオンラインで通知します。

○手数料は?
請求の際、1件につき300円(オンライン申請の場合は200円)
手数料(開示請求手数料)が必要になります。
また、開示を実施するときにも、行政文書の種類及び数量並びに実施方法
(閲覧又は写しの交付等)に応じた手数料(開示実施手数料)が必要になります。
ただし、開示する行政文書が少数の場合、開示請求手数料のみで済む場合があります。
詳しくはホームページか窓口でご確認ください。
*「写しを希望」された場合は、情報公開窓口で直接交付を受けるほか、
郵送する事も可能です。郵送の場合には、別途、郵送料相当額の郵便切手が必要です。

これまで無料だったものが300円とは…ボッタクリ感を強く感じます。
しかも、それまで即時交付だったものが2週間待ちって・・・そんなに待たせる意味あるんでしょうか。
開示請求に係る国家公務員様の人件費を考えると、安いくらいなのかもしれません。

詳細については、北海道開発局のホームページに記載されています。
北海道開発局 開示請求について
http://www.hkd.mlit.go.jp/topics/jyoho/kaijiseikyu.html

開示請求申請書はこちらからダウンロードが可能。
北海道開発局 行政文書開示請求書のダウンロード
http://www.hkd.mlit.go.jp/topics/jyoho/seikyusho.html

記載例はこのようになります。

さて、このような取扱いになった原因なのですが、窓口の方によると、
『これまで国土交通省の全国の各窓口で取扱いがバラバラだったので、統一した』との事。
これまでは、北海道のように無料でコピーを出来た窓口もあれば、
上記の開示請求の手続きを取らなければコピーを取得出来なかった自治体もあったようです。

このブログも原因の一つかもしれませんが、インターネットによって情報が水平化する事によって、行政サービスの悪平等化が進んでゆくような気がしてなりません。

サービスは悪い方に合わせるんじゃなくて、良い方に合わせるのが道理なんじゃないの?
と思うのは私だけではないでしょう。

◇オンラインでの交付申請
前述のとおり、窓口で書面申請をした場合、手数料は300円ですが、オンラインで交付申請をした場合には、200円の手数料・・・33%OFFです。
通常、オンライン申請というものは窓口に出向く手間や郵送料が削減出来、業務の省力化にも繋がります。
1つの道路だけを調べたい一般の方は、わざわざ環境を導入する必要もないでしょうが、私のような宅建士にとってはぜひ導入したいサービスです。

・・・で、実際に導入してみました。

国土交通省オンライン申請システム トップページ
http://www.goa.mlit.go.jp/

結論から言うと、相当PCに慣れた人でないと使えたモンじゃありません。クソです。
道路台帳図の交付が有料化し、このシステムが登場した平成27年当時、『この申請システムの使い方をブログで紹介すればアクセスが稼げるかも・・・!』などと考えて、操作方法をスクリーンショットしていたのですが、あまりに上級者向けというか、ユーザーインターフェースがクソ過ぎて、説明を投げ出して以来、ほぼ3年経って現在に至ります。
(下で示す比較表は3年経ってようやく日の目を見ました。そういうコンテンツ、多いんですよねぇ・・・)

具体的手順は説明はしませんが、国土交通省のオンライン申請システムと、法務省のオンライン申請システムの相違点を表にまとめましたので、それを参考にしていただければと思います。

なんたって国交省のシステムは申請したら担当者から電話が来ますからね。
内容確認ったって、そんなんオンライン申請じゃなくて電話申請じゃん。

オンライン申請という割にあまりにアナログで、ここまでアナログなら窓口で手数料取って即時交付してくれた方が、ずっと効率的ですよ。

このブログに書いた不平不満が解決されていった経緯がありますから、敢えて国交省の申請システムについても苦言を呈したいと思います。

当記事は2013年09月20日初出・2015年07月01日改定の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-6 市道・道道の詳細を知りたいとき


さて、『A-2 公道(と特殊な私道)の詳細が知りたい時』で紹介した通り、北海道道と札幌市道の詳細を知る為には、市役所の6階でタッチパネル端末を操作する必要があります。

タッチパネル端末の導入は平成28年1月18日からで、それ以前は窓口に係の職員さんが3~4名いて、都度、紙の台帳を受け取ってコピーをするような形式でした。
これが、『従来の台帳を印刷するための機器が製造中止になった』という理由で、タッチパネル式端末に置き換わった訳です。

道路調査の始点としては『A-2 公道(と特殊な私道)の詳細が知りたい時』で紹介した通り、市役所本庁舎2階 道路確認担当課でその道路の概要について確認します。

その道路が札幌市道北海道道だった場合には、以下の手順で台帳を取得可能です。

まずは市役所本庁舎6階 道路認定課へフロアを移動しましょう。
道路認定課の窓口には写真のようなタッチパネルが複数台設置されています。

①まずは画面横に用意されているタッチペンで画面をタッチしましょう。

②『住所検索』と『位置図検索』が表示されます。
事前に地番を調べておかずとも、地図から調べてゆくことも出来ます。
※ ここでは『住所検索』を選択しました。

③所定の入力方式に従って住所(〇条〇丁目)を入力します。

④地番の入力画面です。分からなければ地図にリンクします。

⑤地図から目的の場所を探しましょう。

⑥目的の場所が見つかったら、印刷をする事が出来ます。
従来と異なり、縮尺や表示角度などを調整する事が出来ます。
  調整が完了したら右下のボタンから印刷を指示します。
⑦印刷が完了すると、領収証が発行されます。

さて、実際に発行された新しい様式の道路台帳図も見てみましょう。


中には、道路台帳図がコンピュータ化されていないこともあります。
また、現在の道路台帳図は建物の形状が記載されておらず、分かりづらいものですから、従来の紙媒体の道路台帳図の方が見やすい場合もあります。
その場合には、窓口にいる職員の方に紙媒体の道路台帳図を依頼します。

建物の形状や電柱や排水口などが詳細に記載されているので、とても見やすい図ですね。
ただし、あくまで旧式の図面ですから、最新の状況は反映されておらず、道路の内容や幅、周辺の状況は現実と異なっている可能性があります。

タッチパネルの操作方法や道路台帳図の内容については、職員の方に確認をしましょう。

道路台帳図の詳細な見方は『B-5 道路台帳図の見方』で紹介しています。

当記事は2016年01月21日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

A-5 私道の管理者を知りたいとき


実は私道の管理者を知る、というのはとても難しい事です。

宅建業者などに管理を依頼している土地であれば、看板や柵などが設置してあってそもそも『私道』となりません。
よって、私道の管理者≒私道の所有者と言えなくもないのですが、
私有地の管理責任については、原則的に所有者にあるものの、一口には言えない部分があります。
土地上の工作物・樹木の管理責任は土地の所有者・占有者にあります(民法第717条)が、一方で、樹木の枝を切るなどしてその工作物・樹木の所有権を侵す事は法律上許されていません。(民法第233条)

一方で、豪雪地帯の札幌では、遠方にいる地主さんの預かり知らぬところで、近所の方が除雪を行っている、ということもよくありますよね。
だからといって除雪をしている近所の方が管理責任を負うという事にも当然なりません。

◆『私道』の所有者を調べる
仕方がないので、法務局に行って登記簿でも見るしかありません。
(具体的な手続き方法と窓口の場所は『A-3 道の所有者を知りたいとき』を確認して下さい。)『私有地』が一見『道』のように見えるという事は、他の用途がない土地と思われますから所有者の方としても、その土地に関心を失っている可能性が濃厚です。
私道でも固定資産税が課される場合、課されない場合があり、無税の場合には土地を所有している認識がない事さえあります。
一般の宅地と比較して、私道では大昔にされた登記がそのままになっていることが大変多く、登記上の所有者が既に亡くなっていたり、高齢だったり、遠隔地にいたり特定出来ない事も多くあります。

もしも所在不明で、連絡を取る必要がある場合には、とりあえず登記簿の住所宛名にお手紙を出しましょう。
運が良ければ連絡が取れますが宛先不明で戻って来てしまった時には、ほぼ手詰まりです。
費用と時間をかけて専門家に依頼するほどの問題なのか、再考する必要があります。

一つのヒントとしては、直近で土地の所有権がいつ動いたのか?というものがあります。
全部事項証明書には、通常、『売買』や『相続』、『贈与』という風に所有権を取得した理由が記載されていますが、それがいつなのかを参照しましょう。
特に道路の場合には、明治・大正の頃から所有権が動いていない事がままあります。
(私が見た一番古い記録では、明治40年から110年も動いていない私道があります。)

平成になってから所有権が変動しているものであれば望みはありますが、昭和の頃のものでも、最低でも約30年以上前ということですから、調査はかなり難しくなります。

専門家に依頼した場合には所有者の『戸籍』をさかのぼって、その近親者等を調査していきます。
近親者(相続人)も遠方に転居していたり、戸籍の取得だけならまだしも、実際に連絡が付くようにするには、それなりの費用を覚悟しなければなりません。
相続登記がされていない土地は、その相続人全員に権利がある場合が大半ですから、子の代、孫の代、ひ孫の代と代替わりを経るうちに、ネズミ算式に数十人~百数十人の権利者が発生してくる事があります。

こうなってくると、下調べ段階や調査途中で『調査に膨大な費用と時間がかかるので、やめませんか?』というような話も出てきます。
また、専門家も『これ以上は調べきれません』と調査を断念する場合もあるでしょう。

具体的に他人の戸籍を取得出来るのは、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士とされています。
ただ、戸籍を取得できる、と言っても、業務上正当な事由がある場合に限られますから、依頼先は弁護士か土地家屋調査士になります。
懇意にしている宅建業者がいる場合には、よい先生を紹介してもらえるかもしれません。

繰り返しになりますが、専門家に依頼したとしても必ず所有者が見つかるとは限りませんので、ご注意下さい。
また、所有者が見つかったからといって、その後の交渉がうまく行くとは限りませんので、ご留意ください。

◆位置指定道路の管理責任
『位置指定道路』は性質上、誰でも通れる必要があり、維持管理についても所有者に義務があるのですが、車止めや造作によって通行が出来なくなっている場合も、稀に見られます。
長年貸していた土地に隣接する位置指定道路の上に塀が建てられていた、なんていう事例もあります。
市役所の建築確認課の窓口に指導をお願いするのもよいのですが、所有者が近くにいない場合など、位置指定道路に関する問題を解決するのは、ちょっと難しいようです。
というか、行政も位置指定道路については及び腰で、法律上通行確保の義務を課しているにも関わらず、通行出来ないような扱いにしている箇所について指導を求めても、応じてもらえないということが多々ありました。
まー、彼らは問題解決したところで給料が増えるでもありませんから、出来るだけ仕事をしないのが賢い処世術というものなのでしょう。
何でもかんでも民事不介入と言って断る警官と同じですね。

◆総括
札幌市も国も、私道や土地の所有者を完全に把握している訳ではありません。
実際のところ、どの窓口に行っても、簡単に教えてはもらえないでしょう。

宅建業者が当事者となる場合には、戸籍の調査を専門家に依頼するほか、過去の履歴や道路内配管の敷設状況、周囲への聞き込みなどで糸口を見つけてゆきますが、商売上、費用対効果を考慮した上で、調査を断念することもあります。
道の所有者が分からなくても、現に道として利用されている場合に、売買のための手段やテクニックはありますから、所有者が分からないなりに業務を遂行していく方向にシフトする、という訳です。

当記事は2013年09月02日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。