当記事は2016年04月26日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。
さて、このブログももう3年半を迎え、毎年恒例記事というのも増えて来ました。
特に役所関係の記事については、年度が替わると状況も変わりますから、
定期的にウォッチしてゆく必要があるのです。
今回の恒例記事は売れ残り26年目の産業団地、『札幌アートヴィレッジ地区』です。
過去の記事はこちら
◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 (平成26年)
◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夏の様子と平成27年度の価格
さて、夏と冬の様子は既に紹介しましたから、今回は趣向を変えて、夜の様子を紹介しつつ、平成28年度の価格を紹介してゆきましょう。
写真はいずれも平成28年4月上旬の夜7時30分ごろ撮影したものです。
さて、アートヴィレッジに行くには常盤・芸術の森側からのルートと、
石山六区側からのルートの2通りがありますが、
いずれも郊外で、山の中ですから夜は街灯もなく真っ暗です。
しかし、アートヴィレッジでは、5区画中1区画しか運営していないにも関わらず、区画内は街灯が煌々と照っています。
運営中の『芸森スタジオ』が不便しないようにという配慮かもしれませんが、
アートヴィレッジまでの山道は真っ暗なのですから、
街灯がなかったとしてもさほど不便ではないと思うのですが…
確認していませんが、明け方まで点灯している『常夜灯』でしょうしね。
札幌IT立国の夢の跡、『ハドソン中央研究所』跡地も相変わらずそのままです。
購入したい、という方は所有者を探して連絡しますからお問い合わせ下さい。
有名な『廃墟』になりつつありますが、現地は立入禁止です。
『廃墟』とされているものであっても、あくまで私有財産ですから、無断での侵入については刑事罰の対象となります。
勝手に立ち入るような真似は絶対にしてはなりません。
空き家となってから11年が経過しますが、
ハドソンの創業者、工藤裕司氏が設置したと言われるミニSLの駅『ニセコ』が窓からのぞきます。
資金が有り余っていれば、私もこの旧社屋を購入して、芸術的不動産会社を設立するのですが…
まぁ、アートヴィレッジ地区は非常に厳しい地区計画によって、
その運営事業が芸術目的に限定されていますから、営業が許可されない可能性の方が高そうです。
さて、そんな非常に厳しい地区計画で誰も買えない・買っても事業を運営出来ない事で有名な・・・
というか、私が有名にしようとしている『札幌アートヴィレッジ地区』ですが、
平成28年4月1日の年度替わりに価格が更新されましたので、それも見てゆきましょう。
昨年はこのような公示価格も無視した不自然な値動きで、
札幌市ってホントはこの土地売りたくない事情があるんじゃないの?というお話をしました。
第1区画 分譲価格:前年比 3.3%↑ 賃貸価格:16.9%↓
第2区画 分譲価格:前年比11.6%↑ 賃貸価格: 6.9%↓
いや、だって南区の公示価格は前年比で0.2%下がっているにも関わらず、
分譲価格がこの水準に設定する札幌市役所の担当者ってどんなバブル脳だ、って話ですからね。
そりゃあ私もウラの事情を勘ぐってしまいます。
そしてこの一年、私は色々な場で市政関係者に会う度に、
アートヴィレッジについてチクチクとイヤミを言い続けてみたり、
一般の市民の方に前回のブログ記事をことあるごとに薦めてみたりと、
イヤガ…もとい、適正な市政運営への働きかけを行なってきました。
今年の南区の公示価格は前年比0.1%の下落と、下げ幅は昨年より小さくなっていますが、
やはり南区の凋落は収まらず、と言った処でしょうか。
焦らしましたが、今年の価格を見てゆきましょう。
第1区画 分譲価格:前年比 6.6%↓ 賃貸価格:14.0%↓
第2区画 分譲価格:前年比 6.4%↓ 賃貸価格:13.9%↓
おお、分譲価格も賃貸価格も軒並み下がりました。
私のイヤガラ…もとい、適正な市政運営への働きかけの成果でしょうか。
…ただ、それでもまだまだ高い。
今年の価格と一昨年の価格とを比較してみましょう。
第1区画 分譲価格:前々年比 0.3%↓ 賃貸価格:16.9%↓
第2区画 分譲価格:前々年比 4.4%↑ 賃貸価格: 6.9%↓
分譲価格については、実は一昨年並みか若干高い程度の価格設定なのです。
一昨年…平成26年4月といえば、消費税増税前後で土地が高騰した年です。
26年間売れ残っている産業団地がその地価高騰期と同水準の価格のままである、というのは、
如何に異常な価格設定であるか、という事を担当者はきちんと考えて頂きたい。
賃貸価格については二年連続で大きく下落している訳ですが、
地区計画の内容からして、短期利用をするような使い方が想定されていませんから、賃貸価格が下がった処で大した意味はないのです。
そして、今年も夏になれば雑草は刈り取られ、綺麗な分譲団地の姿が保たれます。
芸森スタジオ以外に訪れる人のない団地は、毎夜、街灯によって煌々と照らされます。
その為の維持費は、どこから出てくるのでしょうか。
高い、高い、と言っていますが、これは単に値下げをしろと言っているのではありません。
市内の建物が建築可能な土地が坪1万円前後というのは破格です。
しかし、実際には地区計画によって、建物が建たない・転売価値の薄い土地な訳です。
銀行だって、こんな土地が担保ならロクに融資してくれませんよ。(転売価値≒担保価値が低い為)
3年間繰り返しの主張になりますが、すべての原因は厳しすぎる地区計画なのです。
(まー、そもそもこんな辺鄙な場所を造成したのが誤り、とも言えますが、
26年間売れ残り続けている事の原因は、地区計画にあると考えます。)
芸術や文化活動といったものを大切にする事は大事ですが、
あまりに現実的でない制限を続ける事は、役人の保身と自己満足に他なりません。
最後に、この地区に設置してはいけない建造物を例示しましょう。(分譲・賃貸共通)
① 建築基準法別表第二(と)項第1号、2号、4号に掲げるもの
=準住居地域内に建築してはならない建築物→一定規模以上の工場や商業施設
② 住宅
③ 学校(大学、高等専門学校、専修学校その他これに類するものを除く。)
④ 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
⑤ 老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの
(就業者のための付帯設備として建築物内に設けるものを除く。)
⑥ 老人福祉センター、児童厚生施設その他これに類するもの
⑦ 病院、診療所(就業者のための付帯施設として建築物内に設けるものを除く。)
⑧ 店舗、飲食店その他これらに類するものでその用途に供する部分の床面積の合計が500㎡を超えるもの
⑨ ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場又はバッティング練習場
⑩ 遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
⑪ 自動車教習所
⑫ 畜舎
⑬ カラオケボックスその他これに類するもの
⑭ 自動車修理工場
⑮ 工場(美術品又は工芸品の制作を行うもの及び建築基準法施行令第130条の6に掲げるものを除く。)
建基法施工令130条6→50㎡以内の食品工場。例)パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋。
こういった数々の制限に該当せず、かつ、文化的・芸術的な商売で採算を取れる方で、銀行の融資に頼らずに不動産を購入出来る場合には、アートヴィレッジ地区をお薦めします。
その際には是非仲介をさせて頂きたいと思います(笑)