当記事は2014年05月08日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。
今回紹介するのは決定番号:調20『新川北地区』です。
都市計画道路『富丘通』の両側にある区域です。新川に架かる新しい橋『新川さくら並木橋』は平成27年にかけて開通した為、当時リアルタイムで開通までの状況を追っていました。
現在、旧ブログに残していますが、将来的にはこのブログに記事を移す予定でいます。
地区計画の範囲はこんな感じ。
Googleマップはこんな感じ。
富丘通の南西側の約3分の1は公有地で、以前は札幌市のパークゴルフ場があったようですね。
北東側の約3分の2は過去に農地であった民有地ですが、
地主さんの状況等は、当然ですが、個人情報の兼ね合いから公開しません。
まぁ、市街化調整区域であったものが道路が通って建物が建築可能となる訳ですから、ウハウハですね。
計画決定前後はデベロッパーやハウスメーカーの営業からの電話が鳴りやまない日々だったのではないでしょうか。
或いは、市の側や業者との『仕掛け』も既に済んでいるのかもしれません。
どちらにしてもただの市街化調整区域の頃よりも、価格は数倍に跳ね上がった訳で、言うなれば『市街化調整区域ドリーム』です。
昭和の頃、多くの人が夢見てきたような話が、平成の現在に蘇ったのです。
・・・本当に、夢のような話と言うほかありません。
地区計画の目標は以下の通り。
当地区は、都心部より北西へ約10㎞に位置する周辺が市街化区域で囲まれた市街化調整区域で、
隣接する都市計画道路「新川通」や上・下水道等の都市基盤は既に整備が完了している。
「札幌圏都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」では、
都市の効率的な維持・整備を行うため、
周辺が市街化区域で囲まれた市街化調整区域において地区計画制度を活用し、
周辺市街地と調和のとれた土地利用の誘導を図っていくこととしている。
そこで、本計画は、当地区での計画的な土地利用の誘導にあたって、
用途地域等の指定に代わる基本的制限を定めることにより、
緑豊かで良好な市街地の形成を図ることを目標とする。
いつもの『既存宅地制度の代替としての地区計画』ではありません。
これは『穴抜き市街化調整区域』と呼ばれるもので、
市街化区域の中にポツンと調整区域が残されているという意味で、
市街化調整区域の中にポツンと住宅群がある既存宅地とは、真逆の存在ですね。
このように、この地区だけがある意味不自然に市街化に取り残されている状態ですね。
『平成21年度第2回 第48回札幌市都市計画審議会 議事録』より抜粋
『穴抜き市街化調整区域につきまして、市街地を一体的、効率的に整備する観点から、
都市的土地利用を行うことが望ましいと考えており、周辺市街地と調和のとれた開発を誘導するため、
地区計画制度を活用したいと考えております。
このため、穴抜き市街化調整区域につきまして、地区計画制度を活用することを区域マスに位置づけ、
都市的土地利用を誘導していきたいと考えております。
また、穴抜き市街化調整区域全体が開発された場合は、
次回以降の区域区分の定時見直しの中で市街化区域に編入していきたいと考えております。』
…という訳で、将来的には市街化区域になる予定の区域です。
こういった市街化調整区域は他にも
『手稲山口地区』『清田・新栄地区』『前田公園南地区』『曙11条2丁目地区』があります。
他に、過去にこのようにして指定されていた地域で、既に市街化区域に編入されたものもあります。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。(この地区に解説書はありません。)
地区計画の内容を見ると、周辺の『第一種低層住宅専用地域』とほぼ同様の制限になっています。
つまり、二階建て程度の一般住宅や共同住宅、ごく小規模な事務所や店舗しか建築出来ない地域です。
新しく開発される区域とはいえ、タワーマンションが建つような事は予定されていません。
決定:平成22年4月6日 変更:平成25年2月28日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。
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