調24 東米里厚生地区

当記事は2014年04月14日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調24『東米里厚生地区』です。

この地区計画は平成22年8月5日に決定を受けたもので、
今のところ市街化調整区域内の地区計画としては最後に指定されたものです。
そして、東米里に3つ指定されている地区計画の最後の一つです。
(他の2つは『調3 東米里花園地区』と『調4 東米里東栄地区』です。)

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

認定幅員8mの市道『東米里15号線』両脇1.1ヘクタールが範囲です。
市街化調整区域内の都市計画としては、最新にして最も狭い地区となります。

面積が狭い事もありますが、私の経験の範疇では、流通事例を目にした事はありません。
『東米里厚生地区』という名称も、検索サイトでは札幌市国交省しかヒットしません。
更に、過去に位置指定道路だったからか、Googleストリートビューも入っていません。
まさに札幌市内で最も謎に包まれた地区と言えるでしょう (悪ノリ)

この文章も、民間のサイトとしては初となる筈です。(最初で最後かもしれませんが)

写真のように古い住宅が林立しており、老朽化が進んでいます。
この地区計画の決定によって、古い建物の立替が合法になりますので、
現状の土地所有者の保護という側面はありますが、
わざわざ新規にこの地区の土地を購入するメリットは、正直見出せません。

幹線道路の道道626号線東へゆくと江別市大麻の街中に到達しますから、
この地区に住むよりは、札幌の別の地区か江別市の大麻にお住まいになった方がよろしいかと思います。
まぁ、私の個人的な考えにすぎませんが・・・

ちなみに『第二種災害危険区域』に指定されています。
東米里花園地区、東米里東栄地区は第一種ですから、若干安全という判断のようですね。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より東方約9㎞の市街化調整区域に位置し、
 昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
 現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
 そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
 現在の良好な住環境の維持・増進を図ることを目標とする。

毎度同じ文面です。絶対コピペしてますよね、市の職員も。
既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

今回のように、殆ど流通していない土地、というものも一定数存在していて、
そういった土地は今後どうなっていくのか、未知数な部分が大きい
と言わざるを得ません。
この地区が10年後、小奇麗な住宅街になっている可能性もあり得ますが、
その場合には、この文章が先見の明のない不動産屋の戯言として残っていく事になります。

或いは、この地区についてのインターネット上唯一の民間文書が、
あまりよい評価をしていないので、この地区の地価が下落して、市街化が抑制されてしまうのでしょうか。

卵が先か鶏が先か、或いはまったく関係ないのか、今後の動向に注目しています。

決定:平成22年8月5日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

調4 東米里東栄地区


当記事は2014年04月08日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調4『東米里東栄地区』です。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

東米里の下水処理場(水再生プラザとスラッジセンター)の南側にある、
道央自動車道を挟んだ一帯が地区計画区域です。
道央道自体は国道のため地区計画区域には含まれていません。

東米里の中では、もっとも市街化区域に近いエリアで、以前紹介した『東米里花園地区』に比べて、小中学校には近付きましたが、それでも20分以上はかかります。

コンビニは一応ありますが、スーパーとなると少し足を延ばす必要があります。

立地という面では、正直便利とは言い難い土地柄ですが、その分お安く流通していますから、職場に近い方などはよいのではないでしょうか。
正直、住宅を建築出来る土地としては、南区の奥地と並んで、かなり安価な水準です。

道道626号線がすぐ近くですから、自動車のアクセスはそう悪くもありません。

流通量も土地・戸建ともにそこそこ出回っているように見受けられます。
地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より東方約7㎞の市街化調整区域に位置し、
昭和30年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
現在の良好な住環境の維持・増進を図ることを目標とする。

う~ん、安定のテンプレ感ですね。
既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

・・・という私の注意書きもテンプレ化してきましたね(^^;)

ちなみに東米里花園地区と同様『第一種災害危険区域』に指定されています。

最後に、水再生プラザという名前の下水処理場が近くにありますので、今回は、『市街化調整区域工事分担金』について紹介しましょう。
市街化調整区域で下水道を利用した排水施設を設置する時は、原則1戸70,000円の分担金が賦課されます。
トイレなどの排水施設の数によっては、増額となりますが、設備基準を見ていると、よっぽどの豪邸か集合住宅でなければ、定額ですね。

これは地区計画が定められている市街化調整区域でも例外ではありませんから、住宅を建築しようという時には、注意しておきましょう。

市街化区域で既に下水道が完備されている地区では、このような負担は発生しませんが、市街化区域であってもまだ下水道が完備されていない区域で、札幌市が新たに配管埋設工事を行って下水道を設置するような場合には、『市街化区域受益者負担金』というものが、3年12回分割で賦課されていきます。
こちらの金額は実費をもとに札幌市が算出します。

市街地で育った方や、集合住宅に住んでいる人にはピンと来ませんが、下水道も重要なインフラであって、整備するための費用が必要だということですね。

決定:平成10年7月31日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

調3 東米里花園地区


当記事は2014年04月05日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

市街化調整区域の地区計画について、現地の写真や地図を交えて、あれこれ書いていこうという趣旨で、一つ一つ現地を実際に確認した上で、記事を書いて行こうと思います。

さて、一番最初はやはり札幌市白石区『東米里』です。
と、言うのもわが社のお客様は旧上白石村地区(菊水~東米里)に特に多く、このエリア無くして現状の規模の商売はないと言っても過言ではない、繋がりの深い土地なのです。

都合、東米里にある物件の取引も何度か経験しているため、個人的に市街化調整区域と聞いて一番最初に思い浮かぶのが、東米里地区なのです。

東米里には、市街化調整区域の地区計画としては最多の3エリアが指定されていますから、
個人的な思い入れを除いても、重要なエリアという事が出来ます。

最初にご紹介するのは決定番号:調3『東米里花園地区』です。
地区計画の範囲はこんな感じです。

で、Googleマップはこんな感じ。

どちらにも中央に大きな建物がありますが、これが『東米里小中学校』の跡地。
平成23年に閉校し、翌24年には解体されましたから、現在は存在しません。
現在は平成18年に学校敷地内に設置された『米こめ公園』だけが残っています。
(米米CLUBを連想させるネーミングセンスですね)

東米里にはほかに白陵高校、下水処理場、ごみ焼却場などもありますが、東米里小中学校(跡)を中心にコンビニ、お寺、簡易郵便局のある
『東米里花園地区』は東米里の中心と言ってもいいかもしれませんね。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より東方約8㎞の市街化調整区域に位置し、
昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする。

 

…という訳で、いわゆる既存宅地の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

地区計画に従えば住宅が建築出来る地域にはなりますが、東米里は札幌市内でも北区・手稲区の一部に並んで地盤が弱く、雨などで増水しやすい地区です。
そのため、床の高さを一定以上にしなければならない『第一種災害危険区域』に指定されています。
法令上の制限ではありませんが、地盤が弱いので、杭を多く打たないと、建物がもろくなります。
自動車で走ると、地盤沈下によりアスファルトの凹凸がかなり大きい事が分かると思います。

コンビニは近くにありますが、スーパーは遠く、校区の小中学校も徒歩30分程度かかりますから、子育て世代や車のない世帯にとっては、ちょっと敬遠したい土地柄かと思います。
また、新規建築の場合には、原則、住宅に類するものしか建築出来ませんから、
工場などの事業用地としても難しい土地でしょう。
低予算で広い庭が欲しい、車が複数台あって大きなガレージが欲しい、などという方には、よいかもしれませんね。

決定:平成10年11月20日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

調2 川下地区


当記事は2014年04月28日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調2『川下地区』です。

東米里以外では唯一の白石区内の市街化調整区域内の地区計画ですが、実は東米里地区自体が、古くは『川下地区』という地名だったりします。
(今まで紹介してきた地区計画は『東米里花園地区』/『東米里東栄地区』/『東米里厚生地区』です。)

ちなみに現在の川下の西側にある『川北』も昔の『川下地区』の一部。
川下の『川』とは、『厚別川』の事で、『下』はその下流であるという事を意味しています。

そもそも札幌市の南西側、つまり現在の白石区・厚別区は『大谷地原野』という広い地名で括られていて、その中に『川下』『北郷』『厚別』などの地区を含んでいたのです。(ざっくりとした説明ですが…)
文献によっては『大谷地原野』≒『川下』のように書いてあり、
『川下』というのは、現在の厚別区を含む大きな括りであったようです。

現在の川下の南側にある東川下地区については、昭和55年に住居表示が実施され、川下1条~5条に区分されましたが、川下の北側については市街化調整区域で住居表示は実施されていません。
川下の『南』にあるのに『東』川下地区というのは、昔はもっと『川下地区』が西に広かったからなんですね。
市街化調整区域部分の住所は白石区川下○○○○番地○○といった具合になっています。

そんな、川下地区の北側、市街化調整区域の一部に指定されているのが、今回紹介する『川下地区』です。
川下地区というと、広義にこのような意味がありますから、本来的には『川下地区』などと名付けるべきだったのかもしれません。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

現地は南北に走る2本の大き目な道路(西側:川下線・東側:川下3号線)に挟まれています。
その間にアミダくじのような東西の道路があり、そこが地区計画の区域となります。

現地には古い建物もありますが、新しい建物が結構多いですね。
元々の地主さんが積極的に分譲を進めているのでしょう、小奇麗な新興住宅街という印象です。

北側の道路や南北の通路には歩道がなく、各所に亀裂が入っており、舗装の状態は良くありません。

一方で真ん中の道路は、最近舗装を直したようで、歩道もあり、道路状況は良好です。
南側の半分だけ通った道も、ほぼ北の道路と同様ですね。

『出水のおそれのある区域』に指定されており、やはり例によって地盤はよくありません。
写真は4月頭に撮影したもので、雪も少なくなっていますが、
排水溝がオーバーフローしていることからも、水はけが良くない事がわかるはずです。

小学校は『川北小学校』徒歩15分程度、中学校は『北都中学校』徒歩20分程度。
生活利便としては、少し離れると北郷や川下の条丁目地区などがあり、そこまで不便とも言えません。
価格もお安いですから、まぁ、アリなのかな、という立地ですね。

ただ、JR函館本線の線路が白石~森林公園の経路でこの一帯を迂回している事からも、やっぱり地盤の問題というのがあって、数十年安心して住める建物を建てるには、基礎杭を多く打つなど、ある程度の費用を掛けた施工が必要となりますからご注意下さい。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より東方約8㎞の市街化調整区域に位置し、
昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする

例によって既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書


決定:平成10年7月31日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。