“超”高級新築賃貸マンション『ラ・トゥール札幌伊藤ガーデン』に行って来ました

昨年公開したシリーズ記事『植物園の耳』は私の想定以上の反響を頂いておりまして、林文次郎氏の末裔の方や記事で紹介した建物の所有者・居住者の方などからコンタクトを頂きました。

シリーズ『植物園の耳』
 ◇『植物園の耳』① 探ると消される?!『植物園の耳』のナゾ
 ◇『植物園の耳』② 魔境『植物園の耳』の現在の姿 -建物・道路の構成-
 ◇『植物園の耳』③ 古地図から見る明治・大正の植物園の変遷
 ◇『植物園の耳』④ 『植物園の耳』はどのように民有地となって現在に至るのか?
 ◇『植物園の耳』⑤ 植物園の耳の一大所有者にして名士『林文次郎』氏の人生
 ◇『植物園の耳』⑥ 歴史的経緯に関しての時系列的まとめ

まぁ、そんなこんなで『植物園に詳しい人』と扱われてしまう事になったのですが、そこでよく聞かれるのが、植物園の北側に平成31年3月竣工する『ラ・トゥール札幌伊藤ガーデン』の事です。

ラ・トゥールというのは住友不動産の賃貸マンションシリーズですが、札幌“伊藤”ガーデンの伊藤、とは何か?
植物園の北東側に所在した伊藤組土建株式会社名誉会長の伊藤義郎氏の邸宅の跡地に建築された事にちなみます。
 ◇伊藤義郎 – Wikipedia


まぁこの土地については色々な話が耳に入って来ますが、結局のところ、住友不動産の賃貸マンションが伊藤組土建の施工で建築されることになった訳です。
平成最後の大規模開発、とも言われますが今後これだけの中心地にタワーマンションが建つという事はもうないであろう、とも言われています。

なにせこの立地です。
植物園に赤レンガ庁舎と、札幌の象徴ともいえるような場所に高級タワーマンションが建つという事で、そもそも高級賃貸マンション自体が少ない札幌においては、かなり稀有な建物であると言えるでしょう。
医師や弁護士、法人の経営者や大手企業の支社・子会社などの役員社宅としての需要があるほか、安定した賃料収入のある地主さんなども需要層でしょう。

さて、平成31年2月27日、竣工して伊藤組土建から住友不動産へ引き渡され、翌28日に竣工式、そして3月1日より一般人の内覧も可能になったとの事です。
3月4日以降、メディアの取材や竣工前からの契約者の引っ越し・入居も予定されているようですが、ここで一足先に平成31年3月1日、竣工後初内覧に入る機会を得ましたので、その模様を紹介してゆきましょう。
(竣工前にも内覧会自体は行われていたようですから、部外者の初内覧ではありません。)

地上30階、高さ99.99mの建物ですが、そこまで大きいという印象は受けません。
札幌で一番高いJRタワーが173m、札幌テレビ塔が147m、分譲マンションでも一番高いものは『D’グラフォート札幌ステーションタワー』で143m、二番目は『ザ・サッポロタワー琴似』で135mと、札幌のマンションとしても最高峰という訳ではないんですね。
近い高さの建物としては平成26年竣工の赤レンガテラス(札幌三井JPビルディング)100mがあります。

誰でも外から見ることが出来るエントランス部分。
右側は立体駐車場になっており、通常の車高のタイプとハイルーフ車も停まるタイプの2種類3基があるとのことです。
屋根の架かっているエントランス前までタクシーなどの乗り入れも可能という事です。


用事がなければ立ち入る事もないであろうエントランス部分です。
まだ工事中でチェアなどは完全には設置されていませんが、待合スペースになっているとの事です。
南側には札幌の原生林を多く残した旧伊藤邸の庭園が見えます。
(もちろん、すべてが原生林という訳ではありません。)

都市景観や自然保護の観点から、この森を多く残すように、という働きかけが札幌市からあったという話を聞いています。

いや、殆ど森じゃねーか!
・・・と、上記の外構図を見ていてつぶやいてしまいました。
これにプラスして4倍の広さの植物園が南側に隣接している訳ですから、殆ど森、と言って過言ではありません。

近寄ってもこのような状態。
これ、低中層階は窓から木しか見えないんじゃないの?と思うのですが、木しか見えない、というのもウリではあるようです。
確かに、コンクリートの壁が見えているよりは精神衛生上よさそうです。


植物園の側から勿論、目視は出来ますがそこまで常識外れの目立った建物、という訳ではありません。


木々を眺めながら人を待つ、とか。軽い挨拶をする、とか。


ただし、フェンスで囲われている為、庭園部分は入居者が立ち入ることは出来ないようです。
もちろん、部外者も立入不可。
原生林が見たけりゃ植物園に行け、という話ですね。

さて、室内ですが、モデルルーム仕様となっている部分を掲載してしまいます。
住友不動産のサイトでイメージCGなどが掲載されている中で部外者がモデルルームの写真を載せてしまうというのは、ちょっとはしたないのですが、許して下さい。

まぁ、オシャレで綺麗なのですが、普通の分譲マンションや戸建住宅のモデルルームのような雰囲気で、特筆すべき点はありません。

このマンションの特徴は立地や庭園に加えて設備・サービスにあります。
24時間365日コンシェルジュが常勤しており、冷凍・冷蔵も含む宅配物の預かりサービス、来客の取次、タクシーやクリーニングの手配などをしてくれるとのこと。
インターネット無料、フルオートバス、エアコン付、床暖房、ペット飼育可、トランクルームなどはちょっと高級な建物ではよくある事ですが、それがすべて揃っている、というのが手堅いところですね。

48時間の非常電源(共用部分のみ)、非常用エレベータ、制震構造、停電時用の非常用給水の設置などの防災対策も、昨年の地震があった直後ですから人気の要因になるでしょう。

そして、この物件の珍しい設備として『ディスポーザー』があります。
生ゴミを粉砕処理して流し、集合処理したうえで排水として放流するというものです。
粉砕だけでは排水の詰まりの原因になる為、集合処理装置が必要となります。
札幌では設置のための認定基準があり、あまり一般的ではありません。

また、各階の共用部に24時間利用可能なゴミ置場が設置されているというのも珍しいでしょう。
1階に集合ゴミ捨て場がある、というマンションはよくありますが、各階にあるものは私の経験の範囲では札幌では見た事がありません。
札幌ではゴミの分別が複雑で非常に煩わしい環境にありますが、このマンションでは有料ゴミ袋の料金すら住友不動産が負担する、という事で、ディスポーザーと合わせてゴミに関するストレスはかなり軽減するでしょう。

・・・とまぁ、セキュリティや募集の兼ね合い上、あまり室内の事をべらべら口外するのも憚られますから、最後にこの物件の最上層階、29階と30階の眺望を見せてもらいましたので、それを紹介してゆきましょう。

角部屋はこのように2面ガラス貼となっており、解放感があります。

強度・防音・断熱ともかなり気を使っているとのこと。

花火を見る時には、両脇の窓を開けて音を楽しんで下さい、などというお話も。

では、この巨大な窓から植物園を見下ろしてみましょう。

まだ冬なので博物場などの建物や地面が見えていますが、夏の間は緑に覆われて建物も殆ど見えなくなるとのこと。
 かでる27やロイトンホテルを両脇に、札幌の市街と藻岩山が見通せます。 西側は札幌駅に入ってくる新幹線が見えるようになる予定との事。
北大の構内や琴似駅方面、手稲山などが見えるよい風景です。


東側は中心街の方向を見る事になる為、風景には好みが分かれますが正面に京王プラザホテル、少し北側に札幌駅のプラットホームやJRタワーが見えます。
角部屋の場合には植物園の風景も見えますから、コントラストを楽しむという考え方もあるでしょう。

・・・と、いう訳でひょんなことから話題のマンションに竣工後初潜入する機会がありましたので、紹介してみました。
ここに住みたい、という方は住友不動産に問い合わせをしてみて下さい。

 ◇ラ・トゥール札幌伊藤ガーデン
  https://www.sumitomo-latour.jp/

末注
 『ラ・トゥール札幌伊藤ガーデン』は住友不動産株式会社の賃貸物件ですが、当記事の内容は私個人の感想・見解であり住友不動産株式会社とは一切関係ありません。
 記事の一部に住友不動産株式会社の販売資料を利用しておりますが、著作権法に則る引用であり、権利侵害の意図はありません。