旧・調12 真駒内南アートの丘地区


当記事はこの度書き下ろしたものですが、写真は2014年の取材当時のものです。

今回紹介するのは決定番号:95『真駒内南アートの丘地区』です。
市街化区域に編入される前は決定番号:調12『真駒内南アートの丘地区』だった地区です。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

住所としては真駒内の番地地区でイメージとして常盤や芸術の森と言った方が市民の方には分かりやすいかもしれません。
ちなみに山を越えて北側には調5『真駒内駒岡団地』が所在しています。

北側からの入り口部分です。

北東側、北側の入口から見て左手側には雨水貯留池があります。

この地区は『真駒内アートパークタウン』という名前で分譲されていました。

ですが、雨水貯留池の名前は『真駒内エー・ビレッジ雨水貯留池』。
・・・なんか、混ざってませんか?(; ・`д・´)

調19『札幌アートヴィレッジ地区直線距離で2kmも離れています。

・・・排水の流路も違いますから、おそらくは単純ミスなのでしょう。

平成14年7月15日に都市計画法に基づく開発許可を得て造成され、
平成15年3月3日に地区計画決定がされました。
比較的新しい造成地で、建物もオシャレなものが多いように思います。
私も新興造成地を色々と見て歩いていますが、道が広いことも併せて個人的に結構好きな部類の街並みです。

さて、普段はここで終わるところですが、少し気になる事があったので航空写真を見てみましょう。
以下は2007年以降撮影の、国土地理院としては最新の航空写真です。
まだ住宅の建築はまばらですね。

同じ位置の昭和60前後の航空写真がこちら。Σ(゚Д゚;え・・・何これ・・・
採石場のような構造物が見えますが、年代的に見て明らかに団地の造成工事ではありません。

この辺りは駒岡清掃工場もある郊外地ですから、土木系の用途で使われていたのでしょうか。
ちょっと昔の住宅地図を調べてみましょう。

こちらが昭和60年=1985年のゼンリン地図です。
丸見産業火山灰採取場』という記載があります。
名古屋に丸“美”産業という会社が現存しますが、同一か否かは分かりません。
兎も角、航空写真の施設は火山灰の採取場だったという訳です。

火山灰の採取場であれば土壌汚染の心配は薄いかと思いますが、
一方で地盤を切り取ったり、上に土を乗せたりといった行為は、
盛土』『切土』・・・まとめて『盛切』と言い、
液状化現象不等沈下の原因になりがちです。

札幌市地図情報サービスのハザードマップを見てみましょう。

少なくとも札幌市のハザードマップでは、震度・建物倒壊・液状化等の評価は悪くないどころか、むしろかなり良好な評価のようです。
ハザードマップの評価がすべてとは限りませんし、心情的な部分もありますから、当社ではその土地の利用履歴については可能な限り調査して告知しています。

不動産の売買は一般の方にとっては非常に難解で、リスクの大きなものです。
我々不動産のプロフェッショナルであっても、完全にリスクを取り去ることは出来ません。
調べて、調べて、調べて、調べて、それでも足りないのが不動産なのです。

・・・さて、最後にお決まりの地区計画概要でも見てゆきましょうか。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図

決定: 平成15年3月3日 変更:平成16年4月6日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

調19 札幌アートヴィレッジ地区 夜のアートヴィレッジと平成28年度の価格

当記事は2016年04月26日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

さて、このブログももう3年半を迎え、毎年恒例記事というのも増えて来ました。

特に役所関係の記事については、年度が替わると状況も変わりますから、
定期的にウォッチしてゆく必要があるのです。

今回の恒例記事は売れ残り26年目の産業団地『札幌アートヴィレッジ地区』です。

過去の記事はこちら
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 (平成26年)
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夏の様子と平成27年度の価格

さて、夏と冬の様子は既に紹介しましたから、今回は趣向を変えて、夜の様子を紹介しつつ、平成28年度の価格を紹介してゆきましょう。
写真はいずれも平成28年4月上旬の夜7時30分ごろ撮影したものです。

さて、アートヴィレッジに行くには常盤・芸術の森側からのルートと、
石山六区側からのルートの2通りがありますが、
いずれも郊外で、山の中ですから夜は街灯もなく真っ暗です。

しかし、アートヴィレッジでは、5区画中1区画しか運営していないにも関わらず、区画内は街灯が煌々と照っています。

運営中の『芸森スタジオ』が不便しないようにという配慮かもしれませんが、
アートヴィレッジまでの山道は真っ暗なのですから、
街灯がなかったとしてもさほど不便ではないと思うのですが…

確認していませんが、明け方まで点灯している『常夜灯』でしょうしね。

札幌IT立国の夢の跡、『ハドソン中央研究所』跡地も相変わらずそのままです。
購入したい、という方は所有者を探して連絡しますからお問い合わせ下さい。

有名な『廃墟』になりつつありますが、現地は立入禁止です。

『廃墟』とされているものであっても、あくまで私有財産ですから、無断での侵入については刑事罰の対象となります。
勝手に立ち入るような真似は絶対にしてはなりません。

空き家となってから11年が経過しますが、
ハドソンの創業者、工藤裕司氏が設置したと言われるミニSLの駅『ニセコ』が窓からのぞきます。
資金が有り余っていれば、私もこの旧社屋を購入して、芸術的不動産会社を設立するのですが…

まぁ、アートヴィレッジ地区は非常に厳しい地区計画によって、
その運営事業が芸術目的に限定されていますから、営業が許可されない可能性の方が高そう
です。

さて、そんな非常に厳しい地区計画で誰も買えない・買っても事業を運営出来ない事で有名な・・・
というか、私が有名にしようとしている『札幌アートヴィレッジ地区』ですが、
平成28年4月1日の年度替わりに価格が更新されましたので、それも見てゆきましょう。

昨年はこのような公示価格も無視した不自然な値動きで、
札幌市ってホントはこの土地売りたくない事情があるんじゃないの?というお話をしました。
 第1区画  分譲価格:前年比 3.3%↑    賃貸価格:16.9%↓
 第2区画  分譲価格:前年比11.6%↑    賃貸価格: 6.9%↓

いや、だって南区の公示価格は前年比で0.2%下がっているにも関わらず、
分譲価格がこの水準に設定する札幌市役所の担当者ってどんなバブル脳だ、って話ですからね。
そりゃあ私もウラの事情を勘ぐってしまいます。

そしてこの一年、私は色々な場で市政関係者に会う度に、
アートヴィレッジについてチクチクとイヤミを言い続けてみたり、
一般の市民の方に前回のブログ記事をことあるごとに薦めてみたりと、
イヤガ…もとい、適正な市政運営への働きかけを行なってきました。

今年の南区の公示価格は前年比0.1%の下落と、下げ幅は昨年より小さくなっていますが、
やはり南区の凋落は収まらず、と言った処でしょうか。

焦らしましたが、今年の価格を見てゆきましょう。

 第1区画  分譲価格:前年比 6.6%↓    賃貸価格:14.0%↓
 第2区画  分譲価格:前年比 6.4%↓    賃貸価格:13.9%↓

おお、分譲価格も賃貸価格も軒並み下がりました。
私のイヤガラ…もとい、適正な市政運営への働きかけの成果でしょうか。

…ただ、それでもまだまだ高い。
今年の価格と一昨年の価格とを比較してみましょう。

 第1区画  分譲価格:前年比 0.3%↓    賃貸価格:16.9%↓
 第2区画  分譲価格:前年比 4.4%↑    賃貸価格: 6.9%↓


分譲価格については、実は一昨年並みか若干高い程度の価格設定なのです。
一昨年…平成26年4月といえば、消費税増税前後で土地が高騰した年です。
26年間売れ残っている産業団地がその地価高騰期と同水準の価格のままである、というのは、
如何に異常な価格設定であるか、という事を担当者はきちんと考えて頂きたい。

賃貸価格については二年連続で大きく下落している訳ですが、
地区計画の内容からして、短期利用をするような使い方が想定されていませんから、賃貸価格が下がった処で大した意味はないのです。

そして、今年も夏になれば雑草は刈り取られ、綺麗な分譲団地の姿が保たれます。
芸森スタジオ以外に訪れる人のない団地は、毎夜、街灯によって煌々と照らされます。

その為の維持費は、どこから出てくるのでしょうか。

高い、高い、と言っていますが、これは単に値下げをしろと言っているのではありません。
市内の建物が建築可能な土地が坪1万円前後というのは破格です。
しかし、実際には地区計画によって、建物が建たない・転売価値の薄い土地な訳です。

銀行だって、こんな土地が担保ならロクに融資してくれませんよ。
(転売価値≒担保価値が低い為)

3年間繰り返しの主張になりますが、すべての原因は厳しすぎる地区計画なのです。
(まー、そもそもこんな辺鄙な場所を造成したのが誤り、とも言えますが、
 26年間売れ残り続けている事の原因は、地区計画にあると考えます。)

芸術や文化活動といったものを大切にする事は大事ですが、
あまりに現実的でない制限を続ける事は、役人の保身と自己満足に他なりません。

最後に、この地区に設置してはいけない建造物を例示しましょう。(分譲・賃貸共通)
 ① 建築基準法別表第二(と)項第1号、2号、4号に掲げるもの
    =準住居地域内に建築してはならない建築物→一定規模以上の工場や商業施設
 ② 住宅
 ③ 学校(大学、高等専門学校、専修学校その他これに類するものを除く。)
 ④ 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
 ⑤ 老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの
   (就業者のための付帯設備として建築物内に設けるものを除く。)
 ⑥ 老人福祉センター、児童厚生施設その他これに類するもの
 ⑦ 病院、診療所(就業者のための付帯施設として建築物内に設けるものを除く。)
 ⑧ 店舗、飲食店その他これらに類するものでその用途に供する部分の床面積の合計が500㎡を超えるもの
 ⑨ ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場又はバッティング練習場
 ⑩ 遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
 ⑪ 自動車教習所
 ⑫ 畜舎
 ⑬ カラオケボックスその他これに類するもの
 ⑭ 自動車修理工場
 ⑮ 工場(美術品又は工芸品の制作を行うもの及び建築基準法施行令第130条の6に掲げるものを除く。)
    建基法施工令130条6→50㎡以内の食品工場。例)パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋。

こういった数々の制限に該当せず、かつ、文化的・芸術的な商売採算を取れる方で、銀行の融資に頼らずに不動産を購入出来る場合には、アートヴィレッジ地区をお薦めします。

その際には是非仲介をさせて頂きたいと思います(笑)

調19 札幌アートヴィレッジ地区 夏の様子と平成27年度の価格

当記事は2015年05月15日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

平成27年4月12日の札幌市長選挙を受け、平成27年5月2日には、新市長 秋元 克広氏が就任しました。
3期12年を務めた上田 文雄前市長の副市長でもあった新市長ですから、今後の札幌市の行政は上田市政を発展させたものになる、と言われています。

さて、今後の市政には除雪問題や地下鉄延伸の有無、市電の再延伸を始め、
都市計画上、不動産流通上にもさまざまな影響が出てくると思われますが、
今回はいくつもある懸案事項のうち、非常に注目度が低いもの…
『札幌アートヴィレッジ地区』を再び取り上げてゆきましょう。

過去の記事はこちら
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区

前篇では都市計画上の歴史、後篇では各区画の具体的経緯を紹介しましたが、一言で言ってしまえば、鳴かず飛ばずの産業団地ですね。

平成2年からずっと札幌市が分譲・賃貸を行なっていますが、
芸術の森にちなんで、利用は芸術関係の業種に限定されているため、
現在運営されているのは『芸森スタジオ』だけという体たらくなのです。

かつては地場のゲームメーカー、ハドソンの中央研究所がありましたが、
ハドソンの子会社化とブランド消滅に伴って閉鎖され、現在は転売先を探しているところです。

アートヴィレッジには未利用区画が2区画ありますが、この価格は年度ごとに改定されます。
  札幌市 札幌アートヴィレッジ:分譲・賃貸区画
   http://www.city.sapporo.jp/keizai/biz_info/danchi/art-kukaku.html

さて、もう25年も売れ残っている団地、どのような値動きをしているのでしょうか。
前年対比でみてゆきましょう。(具体的な価格は札幌市のホームページをご参照下さい)

 第1区画  分譲価格:前年比 3.3%↑    賃貸価格:16.9%↓
 第2区画  分譲価格:前年比11.6%↑    賃貸価格: 6.9%↓

Σ(゚Д゚,,)札幌市サンよ、ホントに売る気あんのか?

20年以上売れ残っている土地の分譲価格が今更値上がりするなんて馬鹿げているでしょう。

この値上がりの原因はどこにあるのでしょうか?
札幌市に限らず、自治体が不動産…特に土地の取引をする場合、
まずもって価格の根拠として重要視されるのが『公示地価』ですから、
もしかしたら公示地価が大幅に上昇した影響なのかもしれません。

札幌市の場合は、公示地価が区ごとに分かりやすくまとめられていますから、
その資料『土地価格地図』を見てみましょう。 
  札幌市 土地価格地図
   http://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/chika.html

・・・え?札幌市の地価って全体でも0.9%しか上昇してないし、
南区に至っては0.2%のマイナスなんですけど!(;´∀`)
ちなみに平成26年は全市で1.3%の上昇、南区は±0%(変動なし)。
更に、芸術の森に一番近い地点の地価も、横這いか下落で、上昇はしていません。

つまり、アートヴィレッジの分譲価格上昇の根拠は公示地価ではない、という事です。
賃料は値下がりしているものの、前回説明した通り、アートヴィレッジ地区は、芸術事業用の建物を建設することが念頭に置かれていますから、基本的に、賃貸での利用というのはあまり考えられていないのです。

・・・っていうか、あの山奥に建物も建てずに何をやるんだって話がありますからね。

ここまで来ると札幌市にアートヴィレッジを売りたくない事情があるのでは?と勘ぐってしまいます。
造成費と維持費がかかっている状態で売却してしまうと、赤字が計上されるので、会計上の資産として残しておいて『含み損』のままにしておこう、という腹積もりなのでしょうか。
もしそうだとしたら、官僚主義・民主主義両面の悪しき側面と言わざるを得ません。

今後も道路整備や未利用地の草刈などに市の予算が使われる事になりそうです。

・・・と、このように、札幌アートヴィレッジは山奥にあるものの、
税金を使って綺麗に造成され、今も分譲地として良好な状態を保っています。

繰り返しますが、ネックとなるのはあまりに厳しすぎる用途制限なのです。

ぶっちゃけ、もう失敗してしまった事は灯を見るより明らかなのですから、
失敗は失敗として受け止めた上で、塩漬けにするのではなく、
きちんと『損切り』出来るように、都市計画を改める事が必要なのではないでしょうか?

そうでなくては、これから20年後も、30年後も、
この山奥の産業団地に累積的な赤字が計上されていくことになってしまいます。

【関連記事】
私は毎年、この地区の推移を見守っています。関連記事はこちら。
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 (平成26年)
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夏の様子と平成27年度の価格
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夜のアートヴィレッジと平成28年度の価格

調19 札幌アートヴィレッジ地区

当記事は2014年04月16日および2014年04月17日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

市街化調整区域内の地区計画を現地の写真を交えて紹介するという、(自称)画期的なコンテンツ、これまでに4回を重ねてきましたから、全18地区のうち今回も含めると既に四分の一以上を取り上げた事になります。

今回は『既存宅地制度の代替としての地区計画』ではない地区計画です。
大変興味深い経緯を辿った地区ですから、みっちりと紹介してゆきます。
その名も決定番号:調19『札幌アートヴィレッジ地区』

『そんなもん聞いた事ない』という人もいるかと思いますが、住所としては『札幌市南区芸術の森3丁目』、地区計画の範囲はこんな感じです。

Googleマップではこんな風になっています。

『芸術の森○丁目』というのは割とスゴい住所ですが、厚別区にある『下野幌テクノパーク』に比べれば幾分常識的かもしれません。
芸術の森1丁目には札幌市立大学 宮の森キャンパス(本部)があります。
芸術の杜2丁目には市民にも馴染み深い、美術館やホールなどがあります。
いわゆる『芸術の森』としてイメージされるのはこの2丁目ですね。
更に南に行くと、芸術の森3丁目、今回紹介する『札幌アートヴィレッジ地区』です。
芸術の森を表すキーワードはズバリ『バブル景気』です。
というのも、この地区の大きな転換点は平成3年平成18~19年
ちょうど第一次平成不況の始まりとなったバブル崩壊と、
リーマンショックを契機としたファンドバブルの崩壊と重なります。

どんな経緯があったのかは、この地区計画の目標に詳しいです。
 当地区は、南区の大自然と芸術文化が調和した環境づくりとして芸術の森の南端に位置し、
 本市の芸術文化活動の領域を広め、新しい芸術文化を創造するとともに、
 札幌市の個性ある産業の育成を図るため、平成2年に札幌市が造成した団地である。
 さらに平成19年にはその分譲方針を見直し市立大学や芸術の森との連携のもと、
 従来の芸術文化産業の振興に加え、芸術文化活動の発信や集客交流、
 人材育成などの幅広い事業展開を対象とした企業や団体等を誘致していくこととしている。
 そこで本計画では、札幌アートヴィレッジ地区の開発理念、
 分譲・賃貸方針に基づく土地利用及び建築物の配置等の誘導と、
 併せて周辺環境との調和のとれた良好な市街地の形成を図ることを目標とする。

地区計画の目的というと、いつもはテンプレートのコピペ文書ですが、今回は大変参考になる内容ですね。

昭和56年から平成3年にかけて造成された芸術の森地区のうち、
平成2年5区画が造成された芸術の森3丁目は、
札幌市を主体として分譲を行い、企業などの誘致を行ってきましたが、
3区画については分譲出来ず、2区画にのみ建物が建っている状態が15年ほど続きます。
(うち数区画についてはどうやら、関東の大手企業による事業計画もあったようです。)
札幌市もこんな状態ではイカンと奮起し、ファンドバブル全盛平成19年10月3日、地区計画決定がなされます。
リーマンショックは平成20年9月の出来事ですから丁度その前年という事になります。

ちなみに、芸術の森1丁目にある札幌市立大学は平成18年4月開学です。
更に母体の学校法人『札幌市立高等専門学校』は平成3年設立ですから、
どちらも札幌市の事業とはいえ、ホントにアートヴィレッジと同じような経緯を辿っているんですね。

より細かい話をすると、平成18年の都市計画法の改正によって、
以前は許可不要だった公的機関が行う開発行為について、
平成19年11月30日以降、許可が必要になってしまったという事情があるのですが、地区計画の内容や当時の議事録を見るに、この地区計画の決定は、やはり起死回生の策であったような印象を受けます。
バブルに踊って造成した芸術の森ですが、再起を図る為のプロジェクトは、リーマンショック以前のファンドバブルの波に乗せられてしまっただけなのかもしれません。

私自身、ファンドバブルとリーマンショックのアオリを大きく受けた世代です。
ファンドバブルの就職活動超売り手市場と、その後の大不況を重ねると感慨深いものがあります。
商売もギャンブルも政策も、そして人生も、人間はいつだって同じような落とし穴に嵌ってしまうものなのかもしれませんね・・・

そんなアートヴィレッジ地区、現在どのような状況になっているかと言えば、
5区画中2件が分譲・賃貸中、1件が賃貸中の空き地、
1件が売却済の建物で空き地、稼働しているのは残りの1件のみ
です。
分譲情報については札幌市のホームページを確認して下さい。
 札幌市 札幌アートヴィレッジ:分譲・賃貸区画 【リンク切れ】
  http://www.city.sapporo.jp/keizai/biz_info/danchi/art-kukaku.html

 さっぽろ産業ポータル 札幌アートヴィレッジ
   http://www.sec.jp/iarea/view/id/19

価格は毎年変わるという事なので、写真では黒塗りにさせて頂きました。
いつも好き勝手言っている私ですが、これでも時計台の鐘が鳴る札幌の市民ですから、札幌市の事業を妨害する意図はありません。

価格も市街化調整地域らしいお値段で、道路も整備されています。
何故こんなにも利用が進んでいないのでしょうか?

それは、この地区に建築できる建物に厳しい制限が課せられているからです。
以下は売買の場合、賃貸の場合ともに、この地区に設置してはいけない建造物です。
 ① 建築基準法別表第二(と)項第1号、2号、4号に掲げるもの
    =準住居地域内に建築してはならない建築物
       →一定規模以上の工場や商業施設
 ② 住宅
 ③ 学校(大学、高等専門学校、専修学校その他これに類するものを除く。)
 ④ 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
 ⑤ 老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの
   (就業者のための付帯設備として建築物内に設けるものを除く。)
 ⑥ 老人福祉センター、児童厚生施設その他これに類するもの
 ⑦ 病院、診療所(就業者のための付帯施設として建築物内に設けるものを除く。)
 ⑧ 店舗、飲食店その他これらに類するものでその用途に供する部分の床面積の合計が500㎡を超えるもの
 ⑨ ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場又はバッティング練習場
 ⑩ 遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの
 ⑪ 自動車教習所
 ⑫ 畜舎
 ⑬ カラオケボックスその他これに類するもの
 ⑭ 自動車修理工場
 ⑮ 工場(美術品又は工芸品の制作を行うもの及び建築基準法施行令第130条の6に掲げるものを除く。)
    建基法施工令130条6→50㎡以内の食品工場。例)パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋。

・・・一体何をやれと言うのか!( ゚Д゚)
(芸術関係の施設を運営して下さいという話です。)
これ、かなり厳しい制限でして、事業を行う予定で売買しても、実際に事業を開始しない場合には、札幌市に土地を返さなければならなくなります。
(10年間の『買戻特約』が登記されます。)
一度買ったものを他人に転売する場合でもこの特約は有効ですから、もうアートなヴィレッジになるしかない訳です。
しかも、最低でも一区画5000㎡はある土地で、規模の制限があるというのはどういう了見なんでしょう。
5000㎡の土地500㎡の芸術的飲食店50㎡の芸術的パン屋さんでもやれというつもりなのでしょうか。

『これだけ広いんだからメガソーラーでもやれば?』という訳には行かないんでしょうねぇ…

<現在分譲中の空き地にホテル建設の予定があった>
 平成20年3月1日の北海道新聞の記事を引用します。
 建設不動産コンサルティングの都市デザインシステム(東京)は、
 未利用の分譲地約一万平方メートルにホテル建設を決め、六月に正式契約する。
 二~三階の低層で延べ床面積約三千五百平方メートル。
 三十室の客室ほか、芸術作品のギャラリーも複数設ける。
 この夏着工、来年夏開業の予定だ。
 同社は「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)などに
 訪れるアーティストも多く、収益も十分見込める」と話す。

なんとも明るいニュースですが、その土地は現在も更地です。
(面積から類推するに、一番西側の区画・・・市の分譲資料の番号②の土地と思われます。)
株式会社 都市デザインシステムはコーポラティブハウスの企画やホテル経営で躍進した企業ですが、
平成20年8月に経営破綻し、民事再生法の適用を申請しています。
(民事再生を経てコクヨの子会社となり、現在はUDS株式会社として建築企画を行っています。)
当時の報道では、沖縄の大規模リゾート開発に頓挫したという事ですが・・・
同年の9月にはリーマンショックがありましたから、まぁ遅かれ早かれ・・・という事なのでしょうね。

<地場産業の栄枯盛衰>
札幌アートヴィレッジで特に有名なのは『株式会社ハドソン中央研究所』です。
私としては色々と守秘義務の問題が出てくるので正直あまり取り上げたくありません。

ただ、地区計画を紹介するにあたってその地区を代表する建物を紹介しないというのは、資料的価値に劣ります。
守秘義務の対象は『業務上知りえた秘密』ですから、その点には触れずに、『芸術の森 ハドソン 中央研究所』で出てきた検索結果を元に記述したいと思います。

この建物は桃太郎電鉄ボンバーマンで有名な、株式会社ハドソンの中央研究所でした。
ハドソンは札幌を代表するIT企業でしたが、拓銀破たんを機に資金繰りが悪化、平成17年にコナミグループの子会社となり、平成24年に吸収合併され消滅しました。

『中央研究所』は、創業者・工藤裕司氏の趣味ハドソンの自由な社風がよく現れた施設だったそうです。
建物内外をミニSLが走り回り、古銭の展示室などもあったという事がインターネット上に書かれています。

向かって右側にある柵が、ミニSLのレールだったという事です。
しかし、コナミの子会社となった直後、平成17年3月末でこの建物から撤退。
子会社化→吸収合併→そして平成26年のハドソンブランド完全消滅まで、わずか9年
高橋名人桃太郎電鉄など、一世を風靡した企業の歴史は40年足らずで幕を閉じたのです。

建物前にある回収時刻が白紙の私設ポストと建物の窓からのぞくミニSLの駅『ニセコ』が切ないですね。

<アートヴィレッジ 最後の砦>
そして、現在も残っているのは株式会社SAVEが運営する『芸森スタジオ』のみです。

この施設は、各種音響機材とスタジオを貸し出し、音楽のレコーディングを泊まり掛けで行う事が出来る施設で、運営会社の株式会社SAVEは、歌手の松山千春氏の事務所、オフィス・ゲンキ株式会社ボーカロイド『初音ミク』クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、地場の音楽会社、株式会社ウエスなどが株主となっているようです。(芸森スタジオHPより)

前述のホテル開発計画と同日の北海道新聞の記事を引用します。
 イベント企画のウエス(札幌、小島紳次郎社長)と
 歌手の松山千春さんが社長を務めるオフィス・ゲンキ(東京)は
 二月中旬、九三年にファンハウス(現BMGジャパン、東京)が開設したスタジオを約一億円で購入。
 二階建て約千九百平方メートル。客室七室も備え、小田和正さんやビーズが録音を 行ったこともある。
 両社はスタジオを国内外のアーティストらに利用してもらうほか、
 道内の若手歌手やクリエーターらを発掘、育成する拠点とする計画。

・・・と、まぁ、それから6年が経過した現在も運営は継続されているようで、何よりです。
わたくし細丼善太郎はアートヴィレッジ最後の砦 『芸森スタジオ』 を心から応援しています。
   ◆ 芸森スタジオの公式ホームページはこちら

<アートヴィレッジの未来>
前述の北海道新聞の〆の部分を引用しましょう。
 札幌市は新年度、有識者会議を発展させる形で同地区の活性化や市民の利活用促進を検討する協議会を関係者らと設立
 三カ年の事業計画などを策定し、世界に札幌の芸術制作環境をPRしていく考えだ。

これが平成20年の記事ですが、平成26年の現在に至るまで、
平成19年に決定された地区計画が見直されたという話は耳にしていません。

昨今、アベノミクスや東京オリンピックに浮足立ちつつある不動産業界・建設業界ですが、札幌市にはバブル崩壊やリーマンショックの教訓を重く受け止め、浮足立たず、堅実な自治体運営を行って頂きたいものです。

具体的には、どう考えても制限が厳しすぎる地区計画と分譲条件を見直した方がよろしいんじゃーありませんかねぇ?
造成費用と整備費用っつったって市民の税金と地方債(借金)から出ているんでございましょ?

まかり間違っても、札幌オリンピックの招致に成功したなどと言って、
アートヴィレッジに追加投資をするような真似はしてほしくないものです。

決定:平成19年10月3日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

【関連記事】
私は毎年、この地区の推移を見守っています。関連記事はこちら。
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夏の様子と平成27年度の価格
 ◇ 調19 札幌アートヴィレッジ地区 夜のアートヴィレッジと平成28年度の価格

調15 石山六区西地区

当記事は2014年05月02日および2014年07月08日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調15『石山六区西地区』です。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

札幌市民であれば『石山』という地名は、一応知っているというも多いでしょう。
国道230号線『石山通』は、中心部と札幌の温泉地『定山渓』を結ぶ幹線道路で、札幌市の道路の中では有数の知名度がある『道』だからです。

中心部から定山渓までの地名は下記のようになっています。
南○条西○丁目→|→川沿→石山→藤野→簾舞→|→豊滝→小金湯→定山渓

札幌市南区の郊外は、傾斜地ではあるものの古くから安価な住宅街として造成され、多くの人が住んでいますし、その中では『石山』は比較的中心部に近いエリアです。

公共交通機関はバス以外にはありません。
かつては『定山渓鉄道(じょうてつ)』現在の石山通に沿って敷設されており、
これらの地区も、当初の段階では定山渓鉄道があって発展してきたのですが、昭和44年に廃線となり、以後、札幌に私鉄は存在していません。
(より正確に言うと、定山渓鉄道の廃線と、この地区の『宅地化』は順番として若干前後するようです)

現在の『石山』旧・定山渓鉄道『石切山』駅を中心とした一画です。
(お察しの通り石山という地名は採石場があることから付けられた地名です。)

石山通にほど近い部分には住居表示が実施されており、石山1条~4条に区分されていますが、石山通から離れた南側の部分は住居表示も実施されていない市街化調整区域の広大な範囲となります。

『南区石山』の範囲はこんな具合に相当広いのですが、南北に走る市道『石山穴の沢線』以外の部分は、殆どが山である、というのが実態です。

そんな中『石山六区とは何かというと、住居表示が実施される前、この地区の地名は『石山○区』という風に区分されたものが、取り残されているものです。
現在の石山一条~石山四条、また石山東に改編された市街化区域の部分と、市街化調整区域として住居表示が実施されず、単なる『石山』のままとなっている部分に分かれます。

石山は一区から八区まであったのですが、このうち人が住み続けている石山六区地区だけがバスの路線名や地区計画などで地名に残っています。
勿論、地元の方はいまだに『〇区』と呼ぶこともあるようですが、バス停からも『〇区』という呼称は絶滅しており、公式に使われているのは石山六区だけであるようです。
詳細については末尾で項目を設けて紹介しています。

中央バス『石山六区』停留所『石山六区会館』は、今回の地区計画『石山六区西地区』の区域より、
もっと南側にありますから『石山六区』という地区を考えた場合には、これもかなり広い範囲であるという事が出来るでしょう。

さて、現地は『石山穴の沢線』の西側と東側に分かれ、東側には河川『穴の川』が流れています。

西側はかなり急な坂道となっており、二本ある道路(どちらも『石山77号線』)のうち、
北側に関しては、冬の間の通行は禁止されているようです。北側には建物も殆どありません。

東側に関してはゆるやかな傾斜になっており、そこそこの密度で住宅が建築されています。
新しい建物や、売地もちらほらとあるのは、この地区計画が決定された結果の事でしょう。

穴の川は『砂防指定地』となっています。
これは山の崖崩れや川の氾濫の恐れがあるため、土を掘ったり盛ったりしてはいけませんよ、という地域です。
既存の敷地をそのまま使う分には影響がありませんが、土地の形を大きく変更する場合には制限がかかります。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より南方約12㎞の市街化調整区域に位置し、
 昭和42年及び45年に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
 現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
 そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
 現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする。

『既存宅地制度の代替としての建物建築可能な地区計画』です。
これは再三取り上げてきましたが、既存の土地所有者に対する救済措置という意味合いが強いものです。
そもそも、当時建築可能だった土地が、昭和43年の都市計画法の制定によって、市街化調整区域という区割りとなり、建替や新築も出来なくなってしまった、という事情があり、かつ、これをそのままにしておくと高齢化によって限界集落のようになりかねない、という配慮から、建物の再建築が可能なように地区計画を設定しているのです。

しかし、これって市街地を密集させて効率的な都市運用を行うという、
『都市計画法』や札幌市の『コンパクトシティ構想』『都市計画マスタープラン』とは真逆の発想です。

この地区計画を決定する前段の『都市計画審議会』の議事録を見てみると、
この点について、市の職員に強く問題提起をしている市民委員の方がいます。

氏名を検索すると有限会社 市村都市環境研究所の代表者 市村一志氏のようです。
 第26回 自然エネルギー普及 市村一志さん|札幌人図鑑

また、その際の議事録は第22回(事前説明)第24回(本決定)から見る事が出来ます。

まー、このような問題提起をしても、審議会の議題に上る頃には、
住民説明会も済ませてしまっていて、根回しは万全な訳で、賛成多数で採決され、現在に至ります。
デュープロセス(適正手続)というのも、なかなか難しいものだなぁ、と実感します。

あ、今日は思いのほか長くなってしまい、いつものを忘れていました。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

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決定:平成16年10月8日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

【石山一区~八区の区割りについて】
石山六区というのは、旧来の住所区画による呼称であるというのは前述したとおりですが、それでは、石山一区って具体的にどこなの?何区まであるの?

当然の疑問なのですが、実はこれを容易に調べる事は出来ません。
『石山○区』というのは旧地名ですが、あくまで俗称であって、正式な行政区分ではありません。

では、どうやって調べるのかといえば、名前の残っている町内会から調べてゆくのです。
石山二区町内会、石山三区町内会など、区制の名残は今は町内会にだけ残っています。
とはいえ、町内会も統廃合や名称変更がありますから、そこはちまちまと家系図を追うように、データを抽出した上でマッピングをしたのが、この地図です。

具体的な施設や道路を挙げるとこのような区分になります。
 石山一区…藻南公園、啓北商業高校
 石山二区…石山郵便局、旧定山渓鉄道石切山駅
 石山三区…石山小学校、石山消防局
 石山四区…国道453号線『真駒内通』の東側、現在の『石山東』
 石山五区…石山南小学校、石山中学校
 石山六区…市道『石山穴の沢線』の東西に渡る広大な地域
 石山七区…現在の石山3条5丁目、石山3条6丁目
 石山八区…石山開拓神社、介護施設『静山荘』『和幸園』

こうしてみると、現在の石山の住宅街は石山五区が中心となっていて、旧定山渓鉄道の頃の中心地、石山一区と石山二区は若干なりを潜めています。
・・・こうなったのは国道230号線『石山通』のルートによる処が大きいのでしょう。

恐らく大きな誤りはありませんが、他で分かりやすい地図などがあったら教えて下さい。

市内中心部であればまだ資料が出てくるのですが、郊外の古い地名や俗称については、なかなか洗い出しが難しく、石山の区制について取り上げている資料など、簡単には見つけられません。

今後もインターネットに上がらないマイナーな郷土史を編纂してゆければと思います。

調7 北ノ沢静涼苑地区

当記事は2014年05月22日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調7『北ノ沢静涼苑地区』です。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップはこんな感じ。

バス停はじょうてつバス『静涼苑団地前』
『静涼苑』というのが何の事なのか、ハッキリとした根拠資料は見つかっていないのですが、
どうやらマンションやアパートの建物名のような、分譲時のネーミングのようですね。

『五輪通』がほど近く、地図上の配置としてはそんなに不便な印象はありませんが、
何せ山の中ですから、自動車がないとニッチもサッチも行きません。

『北の沢小学校』へは徒歩15分程度、『藻岩中学校』40~50分かかってしまうようです。

中学からはバス通学でしょうか。子供たちは友達と遊ぶのも一苦労ですね。

本当に静かな住宅街という風で、立地以外にはあまり特徴という特徴がありません。
南区、西区、清田区といった札幌の西方面では珍しくありませんが、若干の傾斜地になっています。
傾斜地としては『調5 真駒内駒岡団地』や『調15 石山六区地区』ほどのインパクトはありません。

建物を合法的に建築出来る土地としては、メチャクチャ安いです。

これまで、不動産の価格については抽象的な事ばかりで具体的には書いてきませんでした。
経済情勢によって毎年毎年変わるものですし、『相場』としてウェブ上に載せるのは、土地所有者にとって色々な不利益が発生する可能性が高いため、あえてそうしてきました。
しかし、公的に発表されているものについてはインターネット上でいくらでも見れる訳ですから、『土地総合情報システム – 国土交通省』の鑑定評価を引用してみましょう。
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice_/pdf/2013/01/2013011060036.pdf

同一需給圏は南区の市街化調整区域のうち、第三者による住宅の再建築が可能な戸建住宅地域である。
需要者は札幌市の居住者が大半を占めており、同一需給圏外からの転入者はほとんど見られない。
札幌市の住宅地は居住の都心回帰傾向が鮮明であり、交通接近条件が劣る当該地域の宅地需要は脆弱である。
土地取引は少なく、需要の中心となる価格帯は見いだせない状況である。

う~ん、手厳しい。平成25年は坪3万円台での鑑定となっています。
坪3万円というと、平地かつ地区計画のない普通の市街化調整区域と同等のイメージですね。
とにかく安く土地が欲しい!とか、西区・南区・中央区を頻繁に行き来する、という方ならば、良いかもしれませんね。
西区へは、盤渓を経由して福井・平和方面へ出て、西野へ抜ける事が出来ます。

地区計画の目標は以下の通り。

 当地区は、都心部より南西約7㎞の市街化調整区域に位置し、
 昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
 現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
 そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
 現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする。

既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

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決定:平成11年6月23日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。

調5 真駒内駒岡団地

当記事は2014年04月27日の記事を再編したものです。当時の記録を残す為、表現等は原則的に当時のものを優先しています。

今回紹介するのは決定番号:調5『真駒内駒岡団地』です。
地区計画の名称は、通常『○○地区』ですが、ごく稀に『○○団地の場合もあるのです。
市街化調整区域の地区計画では他に決定番号:『調11 丘珠藤木川西団地があります。

ちなみに通常の地区計画では、全114件中8件が『○○団地』です。

…まぁ、だから何だという話なのですが。

地区計画の範囲はこんな感じ。

Googleマップではこんな感じです。

地区計画の目標は以下の通り。
 当地区は、都心部より南方約11㎞の市街化調整区域に位置し、
 昭和40年代に道の位置の指定を受けた道路によって構成される一団の地区であり、
 現在、比較的良好な住宅市街地を形成している。
 そこで、本計画では、地区の特性に応じた土地利用と建築物等に関するルールを定め、
 現在の良好な住環境の維持増進を図ることを目標とする。

既存宅地制度の代替としての『建物が建てられる市街化調整区域』です。
実際の制限の内容については札幌市HPのPDFファイルを参照して下さい。

計画書 ・ 計画図 ・ 解説書

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・・・ええと、地図を照らし合わせてみると、結構特殊な指定区域になっているのが分かりますか?
一見、指定区域の西側南東側にも住宅街が広がっているように見えますが、それらの部分は指定区域に含まれていません。
西側・南西側については更地や倉庫となっている部分も多いので、指定されていないのも分かるのですが、南東側については一般住宅が多く所在しており、市街化調整区域であるのが不思議なほどです。

これは以前紹介した『調6 中沼地区』でも同様でしたが、地区計画の設定のない市街化調整区域です。
地区計画が設定されていないのに、何故建物が立ち並んでいるのか?
実は西側・南東側は『旧事業法団地』と呼ばれる、非常に難しい扱いのエリアなのです。
昭和39年施行の『(旧)住宅地造成事業に関する法律』第4条によって、都道府県知事の許可を得た区域については、市街化区域と同様に建物を建築出来る市街化調整区域という取扱いになります。

『旧事業法』は、昭和43年『都市計画法』が施行されることで廃止された法律であって、現在の都市計画法の前身の一つである、と言えます。
わずか4年ばかりの間で、市の職員によると100ヶ所程度の指定があるそうで、その指定内容はインターネット等へは公開されておらず、札幌市役所本庁舎の宅地課へ直接確認しなければなりません。

ちなみに、地区計画エリア外である西側には入所式障碍者支援施設『南陽荘入所部』が所在しています。

さて、『真駒内駒岡団地』の地区計画エリア内に話を戻しましょう。

名前の由来は真『駒』内の『岡』にある事からで、住所は『駒岡』ではなく、あくまで『真駒内』の番地地区です。

『駒岡清掃工場』を通過した森の中にポツンと所在しています。

 写真中央の遠くに見える紅白の煙突が、清掃工場のものです。

駒岡団地は山の中にある関係もあり、かなり急な坂道が多くなっており、冬場は通行止め一方通行となる道路が多くあります。
この事からも、除排雪状況は万全とは言い難い状況ということは分かるかと思います。
無理に除雪をしようとすれば重機が頓挫して通行不能になったり、交通規制をしなければ出合い頭事故なども増えますから、やむを得ない処理であると言えるでしょう。

小学校の学校区は『駒岡小学校』
『駒岡』の名前が付いているので、ほぼこの地域の子供かと思いきや、どの学区からも入学が出来る『特認入学指定校』となっている為、児童の88%はこの地域以外の子供だそうです。
平成26年4月1日現在の児童数は83名、6学級で1学年1学級という事になりますから、クラス替えはありません。

中学校の学校区は地下鉄真駒内駅のそばにある『真駒内中学校』
最寄りの中学校は『常盤中学校』ですが、中学生でも山道を歩いて登校してクマにでも会ったら一大事ですから、
真駒内までバス通学をしてもらうのが賢明という事でしょう。
バスは1時間に1本かそれ以下、冬季でなければ12分程度で真駒内駅に着くようです。

ハッキリ言ってしまえば、色々な意味でかなり厳しい立地です。
わずかに流通の事例もありますが、南区郊外には市街化区域内であっても、石山や簾舞、藤野、常盤といった安価な土地があるので、苦戦してしまうようです。

色々な意味で取扱いが難しい土地となりますから、売却をご検討の際は、不動産業者の中でも、知識の豊富なプロに依頼した方が良いでしょう。
四角い住宅地や中古マンションしか扱った事のない素人に任せるのは、大変危険です。

決定:平成10年11月20日 変更:平成18年3月31日の地区計画資料を基に記述しています。
今後、地区計画について内容やエリアの変更がある場合がありますので、ご注意下さい。