損保協会の地震保険CMが生理的にどうも受け付けない件

先日、東日本大震災から12年を迎えましたね。
ワタクシの人生にとってこの震災、東京から札幌に戻る契機になった事件でもある訳で、
色々と地震については思うところもあり、日本人である以上は避けて通れないものと考えています。
これまでに、不動産のプロとして過去に地震について何度も言及してきたことがあります。

よって、別にアンチ地震保険であるとか、札幌は地震の問題はないとか考えている訳ではないのですが、
損害保険の同業者団体である一般社団法人日本損害保険協会の地震保険のCMがどうにも気持ち悪くて受け付けない、というお話をします。

ちなみに、私自身、損害保険募集人資格を有して損害保険募集業務を行なっているのですが、
検索履歴なども関係してか、Youtube広告にかなりしつこくこのCMが表示され、うんざりしています。
また、論理的に問題のある広告ですので、その点についても言及します。

シリーズ『胆振東部地震』

 ◇胆振東部地震で被災した札幌市内の不動産の流通について
 ◇清田区里塚で生じた大きな液状化被害と『防災カルト』の蠱惑
 ◇『液状化、里塚』の現実を見よう、夢想は不要だ
 ◇デマで市域の5.3%を貶めた札幌市民の敵、池上彰氏をどうしてくれようか。
 ◇胆振東部地震から9ヶ月、『液状化、里塚』はどうなった?
 ◇胆振東部地震から1年、里塚の大規模被害は『液状化』が原因ではなかった?!

その他の地震関連記事

 ◇札幌の地盤について 地盤沈下と液状化の目安
 ◇札幌市と地震  過去と将来の液状化現象

知ってるつもりで知らない地震のこと!油断できない大地震篇(北海道版)短尺版

この広告は、地震保険の付帯率が低い地域を対象とした広告で、
おそらくYoutubeにおいては視聴者の居住エリアを対象にリスティングされている広告です。
元サッカー選手の内田篤人氏と慶応義塾大学大学院の纐纈一起(こうけつかずき)氏が出演しています。
それぞれ北海道、東京都、佐賀県、長崎県、沖縄県の5都道県のバージョンが用意されています。

北海道以外のバージョンも確認していますが、北海道編・短尺版が特にキモチワルイ。
それでは、北海道編・短尺版を文字起こししてゆきましょう。

【内田】知ってるつもりで知らない地震のこと 北海道編
    ・・・さて、北海道は地震リスクがそれほど高くないんですが・・・

【纐纈】いいえ、北海道の地質を考えると、決して安全とは言えません。
    北海道は歴史を振り返ってみても大きな地震によって何度か被害を受けているんです。

テロップ:平成30年 北海道胆振東部地震

【纐纈】この地震では火力発電所が被害を受けて全道停電となったことも記憶している方がいらっしゃると思います。
    それと北海道の千島海溝沿いで大きな地震があると言われているんです。

【内田】北海道だって、油断できませんね。
    実際に被害に遭った場合、どういうことが考えられますか?

【纐纈】やはり建物の修繕費や家財の買い替え、当面の生活費など経済的な負担が大きいことです。

【内田】・・・なるほど、それは厳しいですね。

【纐纈】地震保険の加入はかなり重要だと思います。

【内田】いつ来てもおかしくない大地震に備えて・・・
    さぁ、守りを固めよう!・・・地震保険。

このCM、オリコンによってメイキングも公開されているのですが、
5つの都道県ごとに長尺・短尺があり、収録時間の兼ね合いもあってか、
ツギハギで編集されたコラージュのような動画となっています。
オリコンニュースによるCMメイキング動画です。

こちらを見ると分かるのですが、まさにシーンごとのツギハギで作られていて、
私が感じる北海道編・短尺版の気持ち悪さというのは、
このツギハギ編集のまずさによるものであることが分かりました。

別に内田篤人氏や纐纈一起氏を批判するものではないのですが、
まー、学者という形で出演するなら、纐纈氏に関しては、
この編集のマズさに一言あってもよかったんじゃないの、という気はしなくもありません。

・・・で、何が問題なのかと言いますと、既に文字起こしの部分で強調しているのですが、
この地震では火力発電所が被害を受けて全道停電となったというのが北海道における地震被害の例示なのに、
それに対応する策として地震保険の加入はかなり重要と示すのはオカシイでしょう、と。

だって、地震保険は別に停電の被害を補償してくれませんからね。
建物や家財の被害については勿論、保証の対象になる訳ですが、
じゃあ、停電被害が一番大きかった胆振東部地震を例に出すのは論理破綻ではありませんか?

例に挙げられた胆振東部地震では山崩れや農業用の施設の被害が目立ちました。
ただ、そもそも震保険は居住用建物のみが対象で、土地や事業用等の非居住用建物は対象外なんですよね。
つまり、山崩れや地割れが起きようが、畜舎や倉庫が壊れようが、地震保険は下りない訳です。

また、札幌市内においては居住用建物の被害を認められた建物でも多くが
地震保険の付保金額の5~10%のみ認定される『一部損』でした。
ですから、胆振東部地震ほどの規模の地震で、どれだけ地震保険が下りたのか、という視点は重要でしょう。

こういったミスリードを沢山孕んだままできちんとしたリスク説明をせず、
ただ地震保険に加入した方がいい、と説明するのは、明らかにアンフェアであり、
一般社団法人とはいえ、公的な活動を行なっている同業者団体として、問題がある広告であると考えます。

もちろん、『札幌市第3次地震想定』として胆振東部地震より更に大きな地震も想定されていますし、
地震保険自体が無価値なものだとも思いません。
しかしながら、有用なものであってもその販売方法に問題があるのなら、
それは決して肯定されるべきではないでしょう。

長尺版だと短尺版よりは多少マシなのですが、それでもやはり論理としてどうなのかと感じる部分はあります。

特に、地震保険は保険料負担が大きく、経済的な負担が大きな保険であり、
何より、国家の政策として加入を主導している保険であります。
やみくもに不安を煽って、補償内容も十分に告知せずに募集するのでは、
それは官民共犯での詐欺になってしまうでしょう。

地震保険を啓蒙するのであれば、その正しい知識や実態を示すべきではないでしょうか。
少なくとも『この前、2日も停電あったやろ?地震こわいやろ?保険はいっとき?』のような雑な話はやめにしませんかねぇ・・・?

そして次回は賃貸オーナー(大家さん)は地震保険に入る必要ないんじゃないの?というお話をしようと思います。

不動産投資は『盆栽のようなもの』と考えて下さい

こちらのブログでは大変ご無沙汰しております。
ここ2年ほど他の不動産業者さんのプロモーションの一環として、
札幌市以外の自治体の歴史についての記事をまとめており、
その件については機会があれば、何でヨソの不動産屋さんのプロモーションをしているのか、その辺りの事情を紹介したいと思いますが、今回は別のお話。

昨今はFIREなんて言葉がもてはやされて、世の中の投資熱は高まるばかりです。

既に不動産投資をしている大家さん、地主さんも、
相続対策や資産形成の為に、リーマンショックのような暴落があれば是非購入したい、
『いい物件があれば是非ご紹介下さい』という声掛けは沢山頂きます。
まー、投資用不動産はじわじわ上昇を続けているんで、数年前のような価格では到底購入出来ないんですけどね。

また、新たに不動産投資を始めたいという方も沢山いて、
不動産投資をどのように始めればよいか、というご相談もよく頂きます。
そんな時に私が言うのは『投資不動産は盆栽のようなものと考えて下さい』です。
その意味については後ほど説明します。

実は不動産会社を経営する私は、個人名義の不動産を持った事がありません。
多分、今後もしかしたら自宅を買う事もあるかもしれませんが、
将来においても不動産投資を個人で行なう事はまずないでしょう。

まー、不動産投資は個人名義でなく不動産屋として法人でやってしまいます。
それは以下で説明する不動産投資における特徴によるものとも言えます。

いわゆる『会社役員』という立場になって5年が経過しますが、
当初は雇われ社長で薄給で働いていたのでサラリーマン以下の労働環境で、
3年目から一応それなりの報酬を頂けるようになりましたが、
雇われ社長からオーナー社長になる為の自社株の購入に多額の費用が必要で、
昨年まで預金残高が300万円程度でした、マジで。

世の中、それよりも預金残高が少ない方が沢山いるのも承知していますし、
自由気ままに働いていてそれならまだいいんですが、
従業員の雇用を維持して、誰よりも長時間労働してそれですから、
事業承継対策の出来ていない法人を引き継ぐのは人生ハードモードです。

・・・で、今年になって一段落ついてようやく少しだけ経済的、時間的余裕が出て来ました。
まぁ、個人と法人の両方それぞれに数千万の借金がある訳ですが。
(後日注:法人の運転資金以外は記事時点から1年ちょっとでほぼ完済しました。)

兎も角、少しだけ余裕が出て来たので、株式投資を始めてみました。
お客様から『最近景気はどうですか』と経済ニュースを尋ねられる事もありますし、
不動産投資と並行して株式投資をしている大家さん、地主さんも多いものですから、
一つの勉強として、株式投資を実践してみる必要を感じていたのもあります。

長期投資として流行りの外国株(米国・全世界)投資信託をしているのと、
短期投資でスマホゲーム感覚で上場株式のスイングトレードをしています。
(スイングトレード:短~中期で売買を繰り返し利幅を狙う投資方法。)
2月末に口座を開設してから8月末の6ヶ月間で、
信用取引を一切せずに確定利益と含み益、それぞれ100万円を超えて来たので、
まぁ、株式投資について自分なりにそれなりの知識と経験が得られたという事で、
株式投資と不動産投資をそれなりに比較出来るのかな、と思っています。
まぁ、含み益は所詮含み益で、原則は確定利益がすべてなワケですが、
今の相場が良いとはいえ、月に十万円以上は利益確定出来ているので、
まぁ、素人なりに自分の場所で考えす示す程度はしてもよいのかな、と。

よくあるヤツですが不動産投資と株式投資の特徴を単純化した比較表を作ってみました。

ここで言う『上場株式投資』は、上場株式の配当と売買の収益を目的としたものです。
不動産投資にせよ、株式投資にせよ、リスクや利回りは商品次第なので今回は比較に加えませんでした。

それでは、各項目の比較について記してゆきましょう。

①流動性
上場株式は市場があり、いつでも売ったり買ったり出来る流動性の高さがウリです。
流動性の低い上場株式もありますが、価格を問わなければ成約しない事は非常に稀です。
一方の不動産には市場はあるものの、買手とマッチングするまで時間はかかりますし、
売主と買主と買主がマッチングした後も条件の擦り合わせが必須となり、
また、融資を受けて購入するには金融機関の審査に時間を要します。

不動産は売るときにも買うときにも時間がかかる=流動性が低いのは一つの問題点です。

②維持費
手数料が割高な投資信託などを除いて、通常の上場株式であれば、
ネット証券では口座維持手数料などもかかりませんから維持費はありません。
一方の不動産投資では固定資産税、火災保険料、維持修繕費、管理会社への管理料など、維持費はまずかかるものと考えておいて間違いないでしょう。
固定資産税のかからない土地もあるにはありますが、投資の対象となることはまずありません。

③売買費用
上場株式を売買しようとすると手数料がかかりますが、ネット証券ではある枠内であれば無料という事もあります。
手数料競争により大手ネット証券の売買手数料は0.1%以下の水準になっています。
不動産売買において、仮に仲介業者を挟まなかったとしても最低でも名義変更の為に登録免許税はどうしてもかかります。

通常は仲介業者に依頼しますし、購入時には司法書士費用、不動産取得税などがかかります。
売却時には仲介手数料、場合によって測量費や司法書士費用がかかります。
不動産業者の私が言うのもナンですが、3%程度の仲介手数料は株式と比べれば高額であると言えるでしょう。
ただ、不動産取引の調査・折衝・書類作成には細心の注意が必要であり、その為にプロを雇う為の手数料としては妥当と考えています。
ただし、知識も技術もなく取引に介在して手数料を取っていく仲介業者に払う手数料は無駄でしかありませんが。

④価格決定
『ぜんぜんわからない。俺たちは雰囲気で株をやっている』というネットミームがあり、
株価は理詰めで考えられるものではなく、理不尽に乱高下する事もありますが、
何だかんだ、上場株式は『市場参加者全体で決められた価格』で動いています。

しかし、不動産取引では、売主と買主のただ2者が合意した価格が取引価格となります。
(上場株式取引でも、ごくミクロ的に見ればそれは当てはまるのですが・・・)

公示価格や固定資産評価額といった公的価格はあくまでも目安であって、
売主や買主の個別の事情や交渉によって例え同じ不動産でも価格は変動します。
不動産の価格決定は極めて主観的、個別的、定性的に行われていると言えるでしょう。

⑤価格変動
不動産は上場株式と比較して、価格の変動がゆるやかで、変動幅も小さいと言えます。
リーマンショックやバブル崩壊などの経済的クラッシュがあった場合でも、
価格変動幅は株式よりも小さく、その影響の出方も遅い傾向があります。
一方で、好況期でもじりじりと上昇するので株式のようにドカンと上がる事はあまりありません。

⑥取引単価
最低取得価格が高額な株式を値嵩株といって、任天堂やファーストリテイリング(ユニクロ)が有名ですが、
それでもせいぜい500~900万円台で1000万円を超えることはあまりありません。
(まー、米国株などでは最低取得単価がもっと高額なものもありますが。)

1000万円で購入できる投資用不動産はごく限られていますので、
不動産投資は一つの取引単位が大きい投資であると言えるでしょう。

よって、不動産では分散投資も難しいという事になります。

⑦所得税
不動産投資で得られる賃料は、『総合課税』といって累進課税の対象となります。
その年の所得に応じて非課税から最大45%の税率で課税される方式です。

これに対し『分離課税』ではその年の所得に関係なく、固定された税率で課税されます。
株式の場合には配当を受け取った場合でも売却益が出た場合でも、所得税は15%(復興所得税がプラス0.315%)で済みます。
不動産の賃料ではなく、売却益の場合には、『分離課税』で15%(復興所得税も同様)ですが、
前述の通り不動産の売買には多額のコストがかかるので頻繁に売買する事は出来ません。
また、商売として頻繁に売買をするには宅建業免許が必要になります。

株式の収入について『分離課税』ではなく『総合課税』を選択する事も出来ますが、
これは所得税率が概ね15%相当より低い方には有利になります。

原則的に、不動産所得は『総合課税』、株式に関する所得は『分離課税』と覚えてよいでしょう。
借金返済の為にある程度の役員報酬を受け取らなければならない私の立場では、
総合課税では税率面で非常に厳しいものになってしまう為、私には不動産投資は出来ません。

一部では株式に関する所得の増税も叫ばれていますから、これもいつどうなるか分かりませんが・・・

⑧住民税
住民税は固定税率ですが不動産所得は10%、株式に関する所得は5%になっています。
これも色々と計算方法の問題などがありますが、倍違うというと、かなりの違いですよね。

⑨インカムゲイン
不動産を賃貸して賃料を得る場合、ほとんどの場合は毎月払です。
一方で株式の場合のインカムゲインは年に1度か2度の配当月に発生します。
配当月は3月と9月に集中していますが、無配当の株もあります。

まぁ、デイトレードやスイングトレードをしていれば、配当月以外でも利益(キャピタルゲイン)をコンスタントに生むことは可能ですが、それは不確実な利益であって、損失を生じさせる可能性もあります。

また、毎月分配金が出る投資信託は大抵、手数料が高額なので要注意です。
不動産投資の利点として毎月定収入があるというのはありがたいですよね。
(まぁ、不動産投資には維持費がかかると言って投信手数料を否定するのも矛盾しているかもしれませんが)

⑩経費算入
株式はほぼタダで保有できるのに不動産には保有にも売買にもお金がかかる、という指摘を先にしましたが、
そういった費用は税金計算上、経費として差し引く事が出来ます。

固定資産税等の税金、業者に支払うお金、火災保険料、修繕費など、
建物の維持管理に要する費用もそうですが、
税理士の顧問料、弁護士への相談料、不動産に関する打合せ費用、
情報収集の為のセミナー参加費やら書籍代なども経費になり得るでしょう。
ただ、プライベートに関する支出とされてしまう事もあり、
厳密にやって行こうとすると不動産所得の経費ってそう多くないんですよね。

まー、セミナーとかオンラインサロンとかで、人間関係を作るのが好きな人もいますが、それが楽しければそれにお金を使うというのもアリなのかもしれません。
色々ある『大家会』とかはそういったニーズを拾った商売であると言えます。

『大家会』などのトンチキな集団にお金を払うのは惜しい、という方でも、
例えばどこかの飲食店に不動産のプロを読んでレク(レクチャー)を受けたい、という事であれば、
私もよくお呼ばれして資料を準備の上、食事兼レクをする事はあります。

⑪レバレッジ
『不動産投資は融資を受けやすい』とよく言われています。
不動産には銀行の担保評価がありますから、不動産を担保にする事で借入が可能です。

スルガ銀行の不正融資の問題もあり、最近は新たに不動産投資を始めようとしても融資はまず受けられません。
北海道では、ずさんな不動産融資で北海道拓殖銀行が破綻したという過去も影響しています。

そういった意味で、株式はどうかと考えると、信用取引がまさにレバレッジであり、
空売りは証券会社から株を借りて貸株料を、信用買いは金利を支払う訳で、概ね一桁%の費用がかかります。
信用取引では保証金さえあれば、不動産融資のような面倒な審査はありません。
そういった意味では、上場株式の方がレバレッジを掛けやすいと言えるでしょう。

ただ、そのレバレッジの掛けやすさと株式の価格変動リスク故に、
想定外の価格変動が生じた場合には、保証金が不足して『強制決済』されてしまうのが、信用取引の一番恐ろしいところですね。
信用取引は所詮借金という事です。

不動産融資の場合にも、月々の返済が出来なければ不動産が競売に掛けられる事はあるかもしれませんが、仮に不動産が半値になったとしても、返済さえ出来ていれば競売に係ることはまず考えられません。
(同様に株が半値になっても保証金を増額し続ければ強制決済はされない、と言えなくもないかもしれませんが。)

私の場合、個人・法人それぞれに数千万円ずつ借入金がありますが、
事業運営の為の借入金で、不動産を購入する為の借入金はありません。
株式投資においても、信用取引は将来的にもする予定はありません。

お金は払うより貰う方が好きですから。
 
【不動産投資にしかないメリット】
こうして項目を並べて比較してみると、不動産投資なんてやりたくなくなりますね。
まー、私は正直、昨今の不動産価格の上昇による利回りの低下や出回っている物件の品質低下により、
シロート投資家さんは現在の相場で不動産投資なんてしない方がいいと思っています。
そうでなくとも、10年位前の相場でも、かなり勉強していないと厳しいと思います。
リーマンショック直後位の相場で、なんとかシロートさんでもやっていけるのかな、と。

ただ、不動産投資特有のメリットというのも2つだけあって、これについて着目してゆきましょう。

①相続税はダンゼン安い
株式を始めとした有価証券と不動産を比較した場合、不動産の相続税はダンゼン安いんです。
前項①流動性の通り、上場有価証券は流動性が高い分、現金化が容易という事で、現金とほぼ同様の時価課税がされます。
一方で、不動産はどんなに価値があってもすぐに現金化が出来ない事もありますし、
政策的に国民の不動産の購入を促進してゆくという考え方もあり、
不動産の相続税評価額は流通価格の概ね20~60%程度となります。
まー、前項②③④のような価格体系で、維持費もかかりますから、
そこのバランス感覚なのですが、兎に角、相続税は安いのです。

ですから、高齢の資産家の方は株式よりも不動産で運用した方が有利に働きます。
税理士さんなどが『相続対策』として不動産の購入や建物の新築を薦める事もあります。
そうして、投資用不動産市況が支えられている側面もありますね。

また、平成29年にはタワマン税制改正があったように、タワマン節税という手法もありました。
これは、タワマンの相続評価額が流通価格よりも非常に安くなる評価方法である為、
上記の20%すら下回って時価1憶のタワマンが1千万で評価されて節税される、というような現象から改正されたものです。

②個別性によって介在・調整出来る事項が圧倒的に多い
前項②維持費、④価格決定、⑩経費算入など、不動産投資には何かと不確実性が伴います。
不動産はどんなに条件が近くとも、同じものは一つとしてありません。
上場株式は市場の状況に合わせた価格と手数料で売買するほかありません。
一方で不動産は、売買価格も維持費も自分で決めることが可能です。

管理は管理会社に委託しようが、自主管理をしようが、自由です。
古い建物をボロボロのまま使おうが、フルリノベーションしようが、自由です。
借主の需要は大きく異なりますが安く貸すのも高く貸すのも、自由です。
経費をどの程度使うか、セミナーに行こうが本を買おうが、自由です。

売主さんに嫌われるようなムチャな価格交渉をしてみるのも、自由です。

不動産投資は、とにかく自由なのです。
その自由が誰にとっても良い結果をもたらすとは限りませんが、
少なくとも私は不動産投資の自由さによって、それなりの収益を上げさせて頂いています。

【不動産投資は盆栽のようなもの】
相続税を考えなければ、『不動産投資のメリットとはその個別性・主観性以外にない』と言って過言ではありません。

まったく同じ不動産でも、その背景で取引価格は半値にも倍にもなります。
まったく同じ不動産でも、賃料はその時の巡り合わせで大きく変わります。
まったく同じ不動産でも、管理も修繕も募集も自分でやれば、維持費は抑えられます。
(まー、私の立場ではよっぽど暇でなければ自主管理はお薦めしませんが。)

株式投資などをされている方から『良い不動産とは?』と聞かれる事があります。
私は、不動産投資に必勝法はないと考えています。

じゃー、株式投資に必勝法はあるのかよ、という話ですが、
必勝法に限りなく近い理論は存在すると考えています。
だからこそ、(実践できるかは置いておいて)FIREとか持て囃されている訳で。

盆栽って、何百万も何億もする事がありますが、私には価値は分かりません。
それでも盆栽の売買でとんでもなく利益が生まれる事がありますし、
盆栽を貸し出すことで多額の賃料収入が発生することもあるようです。

枝木を切ったり、肥料を与えたり、鉢を変えたり、色々な努力があるでしょう。
借り手や買い手と交渉することで、賃料や売価は色々と工夫出来るでしょう。

盆栽と不動産投資は『努力』と『工夫』がすべてなんです。

『努力』と『工夫』なんて、定量的な理論を求める人にとっては、
バカバカしい感情論・理想論にしか聞こえないでしょう。
好きだと感じた不動産は買えば良いし、嫌いな不動産は買わなければ良い。

そんなもんなんです。
確実性も客観性もないという不動産特有の事情を好ましく感じるか否か、という事です。
それを好ましく感じられない方は、上場株式か外国投信でも買って下さい。

それで不動産投資以上に稼げると思いますし、不動産投資でも株式投資でも稼げないなら、それはただの無能であって、投資に向いていません。
大人しく、今流行っているドルコスト平均法での積立投資をしておいた方が良いでしょう。

もっと極論すれば、どんな投資も『安く買って、高く売る』以外の原理はありません。
どのように(維持費も含め)安く仕入れて、(経費も含め)高額で売却するか、
そこに努力と工夫をどれほど出来るのかという事なんですわ。

そういう意味で、現在のような高額で不動産投資を始めることは薦めません。
よっぽど好きで、どうしても買いたい物件があれば『盆栽』と同じでそれは止めません。
どれだけ知識を付けて、努力して、工夫をしていけるか、不動産投資はそれだけです。

不動産投資は盆栽みたいなモンだと捉えて、時に気楽に、時に深刻に向き合って下さい。

シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?


当記事は平成28年5月9日の記事を一部改訂の上、再録したものです。
現在、ウェルピアひかりのの札幌市による保留地分譲は完了しており、民間で流通しています。
札幌市の分譲当時の状況を示す資料として、本記事を公開します。

さて、今回取り上げるのは東雁来『ウェルピアひかりの』です。

『ウェルピアひかりの』は、明日、平成28年5月10日から一週間に渡り公開抽選会が開始され、その後、公開抽選会で抽選とならなかった土地の先着順分譲受付が始まります。

既にゴールデンウィークには『ウェルピアひかりのゴールデンウィーク住宅祭』として、公開抽選会に先立ってプロモーションイベントが開催されました。

札幌の不動産市況は在庫の枯渇から、停滞ムードが漂いつつあるようですが、ありがたい事に私の身辺では新規の案件も安定的に依頼頂いており、長方形の更地から超難易度の無道路地や欠陥だらけの建物まで、バリエーションに富んだ仕事をさせてもらっており、楽しく過ごしております。

ただ、中古マンションの一般流通は在庫不足から下火になってしまっており、また、アパート・マンションなどの収益用・投資用の不動産に関しても、あまりに高値となってしまって売主側・買主側の双方とも身動きが取りづらい、というのが正直な処です。

そんなこんなで忙しくしており、ブログの更新もままならない状況ですが、『ウェルピアひかりの』に関しては毎年恒例の記事ですから、今年も書きましょう。

『ウェルピアひかりの』は、札幌市が唯一分譲しているニュータウンであり、
札幌市の戸建分野では今最も注目度の高い地区です。

平成26年から紹介してきた地区ですが、この地区の『土地区画整理事業』の完了予定は、平成29年度ですから、あと丸2年しかないという事になります。ちょっと寂しいですね。
(平成30年度~平成35年度は『清算期間』といい、いわば後処理の期間になります。)

さて、ここで『土地区画整理事業』という言葉について簡単に紹介しましょう。
『土地区画整理事業』とは『土地区画整理法』に基づいて行われる事業で、ざっと言えば、キタナイ市街地をキレイにして価値の向上を目指す事業
もっと言えば、道路や公園の整備を含む区画整理をする事で、土地や道路を直線に整え、利便性や財産価値の向上を目指す事業です。

『土地を切り貼りして四角く整理する』とでも言いましょうか。
その『区画整理の施行者が切れ端を集めた土地』『保留地』と言い、『元の地主が持っていた土地を切って四角く整理した土地』『仮換地』と言います。

まー、これはあくまでイメージの話であって、『保留地』『仮換地』四角い更地である事に変わりはありませんし、『仮換地』と言っても、元の土地とは遠く離れた場所になる事も多々あります。

そして、ぶっちゃけた話、整理する前と後で、土地の面積は、当然に小さくなります。
そりゃーそうです、道を広くして、公園などの公共用地を確保する事が『区画整理』なのですから。
この、目減りする部分を『減歩(げんぶ)』と言い、目減りの割合を『減歩率』と言います。

『ウェルピアひかりの』では、なんとその目減りの割合…『減歩率』は、50.70%にもなります。
つまり、土地区画整理事業によって、土地の面積は半分以下になる、という事です。
別の側面から見れば、土地の面積単価が2倍以上になる、とも言えます。 
これは別に不適当な数値という訳ではなく、区画整理前の状況を見てみると納得の行く数値です。

『ウェルピアひかりの』全体のうち『保留地』となった土地の割合は20.18%、
道路や公園となった土地…『公共減歩』の割合は31.53%ですから、残り48.29%が『仮換地』…『元の地主が持っていた土地を切って四角く整理した土地』です。
(数値については札幌市公式サイトの最新年度のデータから引用しています。)

そして、札幌市が冒頭に紹介したようなプロモーションイベントを開催したり、
SUUMOに特設コーナーを設置したりして分譲している土地は、区画整理によって『区画整理の施行者(札幌市)が切れ端を集めた土地』である『保留地』なのです。

区画整理の施行者(札幌市)はこの『保留地』を売却することによって、区画整理の為に支出した費用を回収する、というのが土地区画整理法のメソッドです。

道路や公園となった『公共減歩』、札幌市(施行者)によって分譲される『保留地』
それでは『仮換地』はどうなっているのでしょうか?

『仮換地』は『元の地主が持っていた土地を切って四角く整理した土地』ですが、
元の地主というのはどのような人々なのでしょうか?

既に事業が開始して12年が経過している平成20年当時の航空写真を見ても、この地域に関してはさほど人口密度が高かった訳ではない、という事が分かります。

更に昭和50年頃の航空写真を見ると、殆どが農地であった事が分かるでしょう。

ですから、『仮換地』のうちの大部分は、当時から東雁来で農業を営んでいた方々が取得しました。
広大な畑の半分程度の面積とはいえ、かなり大きな宅地が『仮換地』となってでしょうが、土壌改良の為に土壌の入れ替えが行なわれたり、道路が整備されたりしていますから、農業を継続していくことは現実的ではありません。

ご自身の住居を大きめに建てたり、アパート経営を行なっている方が多いように見受けられます。
都市計画上、事務所や店舗、倉庫などはごく限られたエリアにしか建設する事が出来ませんから、更地にしておくと税金が高く付きますからアパート経営をしていく、というのが王道でしょう。

区画整理事業が始まる以前にこの地区に住んでいたのは、農家の方だけではありません。
航空写真を見るとさほど世帯数が多い訳ではありませんが、雁来川沿いに民家が立ち並んでいます。
また、昭和40年代には現在の東雁来9条~10条周辺『ライラック団地』が形成され、当時流行りだった中規模な宅地造成が行なわれていた事が分かります。
(ちなみに、現在も『ライラック町内会』や『ライラック公園』といった地名が残されています。)

こういった、一般的な規模の宅地にお住まいだった方々も、区画整理事業に伴って、相応の移転補償金を受け取り、自宅を明け渡し、『仮換地』を取得する事になります。

『仮換地』に戸建を新築する人もいたでしょうが、それなりに高齢化の進んだ地区ですから、『仮換地』を売却した資金を元手に、マンションや施設に移るという方も多かったのではないでしょうか。

そして、第三の『仮換地』の取得者として、『不在地主』がいます。
地元の農家の方の血縁者が相続で引き継いだ土地が『仮換地』になったケースもあれば、原野商法のような『将来値上がりするかも…』という投機的な目的で購入されたケースもあります。

特に後者に関しては、ライラック団地などが形成された昭和40~50年前後に、道路もなく地盤が軟弱で、建物が建つ見込みが薄いにも関わらず札幌市外に分譲されたような形跡があり、
『どうにもならない土地をつかまされてしまった』人が多くいたようです。

そういった『不在地主』の方々にとって、この土地区画整理事業はまさに福音と言えるでしょう。
建物が建築不能だった土地が、多少目減りしても、ニュータウンの四角い更地に生まれ変わるのですから。
『仮換地』であっても『保留地』と同様に売却する事は可能ですから、開発中のニュータウンとして注目度が高いうちに売却して換金してしまうのも賢い手段です。

ただし、『不在地主』の方が取得する『仮換地』を売却するにあたっては、いくつかハードルがあります。

1.売却を依頼する業者は自分で見つける必要がある。
これは不動産を売却するにあたって共通のハードルですが、信頼できる不動産業者を探す必要がある、というのが第一段階です。
特に『不在地主』の『仮換地』は通常より特殊な取扱いが多くなる為、通常の売却よりも慎重に不動産業者を選んでゆく必要があります。

2.『仮換地』の取引は法律的に特殊な取扱いが必要になる。
ここまでに説明してきたように、土地区画整理法というのは、非常に厄介な法律です。
不動産業者の必須国家資格である宅地建物取引士試験では、土地区画整理法に関するテーマが必ず出題されるほどの重要項目ですが、実務上では、札幌でさほど多くが実施されていない都合、きちんと取引をこなせる不動産営業マンがどの程度いるか、未知数です。

3.札幌市の『保留地』がライバルになる。
これまでに書いて来た通り、札幌市は『保留地』を大々的に広告費を投入して分譲しています。
同じエリアで更地を売る、という事は必然的に札幌市の『保留地』がライバルになる、という事です。
『保留地』の価格はインターネット上で公開されてしまっていますから、様々な条件を勘案して多少上回る価格で成約する事は可能ですが、『保留地』の分譲価格を大幅に上回る価格での成約は見込めません。
価格がある程度固定している点、比較対象となってしまう土地が多く存在する点がネックです。

ただし、札幌市が大々的に広告してくれている分、エリアの認知度は高いですし、極論、札幌市の『保留地』よりも安い価格設定にしてしまえば、割安感があってかなり売りやすくなる、という事でもあります。

4.不動産売買には『本人確認』が必要になる。
実はこれが一番のネックとなり得るハードルです。
札幌近郊にお住まいの『不在地主』の場合にはさほど問題にはなりませんが、北海道外にお住まいの方が『仮換地』を所有している場合には、ちょっと問題となります。

不動産業者が売却を受託するにあたっては『本人確認』が必要になります。
どんな事を確認するかといえば『その人が間違いなく本人か』、『その人が不動産の所有権を本当に持っているか』、『不動産を売却する意志があるか』などです。

普通の感覚では考えられませんが『売主のなりすまし』『所有権がない売却』というのが、不動産業界ではよくあるトラブルとして、業界紙などで取り上げられています。

印鑑証明や権利証を偽造した完全に詐欺的ななりすましもあれば、他に相続人がいるのに自分だけで売却を決めてしまったり、という事もあります。
不動産業者が『本人確認』を怠ると、買主から損害賠償を求められる場合もあります。

そういった意味で、不動産業者としても『不在地主』との業務は慎重に薦めてゆく必要があります。
業者とケースによっては、遠方のお客様をお断りする場合もあるかもしれませんね。

『仮換地』を売却する場合、これらのポイントに留意する必要があります。
私としては、土地区画整理法の取り扱いや不在地主とのやり取り、可能な限り高値で成約するよう販売戦略を組んでゆく事を大前提に業務を遂行していますから、東雁来の『仮換地』を所有する『不在地主』の方からの依頼も受けています。

ウェルピアひかりのの『仮換地』の売却相談をご希望の方問合せフォームからご連絡下さい。
ブログへのメッセージでも対応致しますが、個人情報を含む事になるのでコメントはご遠慮下さい。

◆シリーズ『東雁来』関連記事

◇ シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?
◇ シリーズ『東雁来』② 『ウェルピアひかりの』ではどのような販促がされていたか
◇ シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?
◇ シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~
◇ シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~

シリーズ『東雁来』② 『ウェルピアひかりの』ではどのような販促がされていたか


当記事は平成27年1月10日の記事を一部改訂の上、再録したものです。
現在、ウェルピアひかりのの札幌市による保留地分譲は完了しており、民間で流通しています。
札幌市の分譲当時の状況を示す資料として、本記事を公開します。

さて本日、1月10日から1月12日まで、多くの人は三連休が始まりました。
そこで、新築を検討している方への私からの提案なのですが、『ウェルピアひかりの』の新春住宅祭へ行ってみては如何でしょうか?

新築を検討している方でなくとも、不動産を勉強している方にお勧めです。

『ウェルピアひかりの』とは、札幌市東区東雁来にある、札幌市の新規分譲団地の名称で札幌市の新築市場では非常に注目度の高いエリアです。

まぁ、『注目度が高い』というのは、賛美両論あるという事でもありますが、その辺、私が不動産のプロとしてどう考えているかは、過去の記事を参照して下さい。

さて、その『ウェルピアひかりの』ですが、本日1月10日から成人の日の1月12日まで、『ウェルピアひかりの 新春住宅祭』なるイベントを開催しています。

これ、毎年シーズンごとに定期的に開催しているイベントではあるのですが、キャンペーンのための景品が、結構豪華です。

1.招運!!初夢抽選会
 計10組に1万円相当の金券、旅行券、食事券のいずれかをプレゼント
2.福袋プレゼント!
 毎日先着10名に生活雑貨3500円相当をプレゼント
3.開運!ぴかりん おみくじ抽選会
 抽選の小吉、中吉、大吉に応じてぴかりんグッズをプレゼント
4.W見学プレゼント!
 指定のモデルハウスを見学すると、『あったかブランケット』をプレゼント

※各プレゼントの応募の為には指定された数のモデルハウスを見学する必要があります。
 また、景品の応募には期間中1家族1セットのみなどの制限があります。

さて、私はなぜ札幌市やハウスメーカーの太鼓持ちのような記事を書いたのでしょうか?
それは当然、他にはない、面白い情報があるからです。

広告であれこれプレゼントと言われても、具体的に何なのか分からなければ、行く気も失せる
というものです。

本日、初日に来場をした知人から、景品の写真を預かりましたので、この際、景品の中身、見せてしまいます(∩´∀`)∩

まずは、『2.福袋プレゼント!
モデルハウス3軒を内覧してスタンプを集める事で、受け取る事ができます。
左上から紹介しましょう。
 ・マルチオープナー(栓抜き、キャップ明け等)
 ・折り畳み水切りボウル
 ・掃除用マイクロファイバーセット
 ・ミニ湯たんぽ
 ・ディズニー魔法瓶
 ・万能ピーラー
 ・折り畳みバケツ

年末のビンゴゲームの景品のようですが、割と役に立ちそうですね。

次に『3.開運!ぴかりん おみくじ抽選会
これはモデルハウス3軒ごとに1回、計3回までくじを引いた結果に応じて、小吉、中吉、大吉があるそうですが、知人は大吉を引き当てたそうです。

これも左上から紹介します。
 ・ぴかりんエコバッグ
 ・ぴかりんボールペン 3本
 ・ぴかりんメモ帳 2冊
 ・ぴかりんボックスティッシュ 2箱
 ・ぴかりんミニフラットホイッスル 2個
 ・ぴかりん反射ステッカー
 ・ぴかりんてぶくろ 2組
 ・ぴかりん絆創膏 5組

『ぴかりん』は『ウェルピアひかりの』のマスコットキャラクターです。

…うーん、大吉でこれですか…まぁ、しょうがないですよね。
小吉や中吉は、数の差こそあれぴかりんグッズの詰め合わせでしょうね。

4.W見学プレゼント!』は、茶色くて落ち着いた柄のブランケットだったようです。
これは、モデルハウスのうち指定された2種類を内覧した方に、もれなくプレゼントされるものですが、知人は受け取らなかったとの事です。

…と、いう訳で、明日と明後日の2日しか有効ではない情報ですが、札幌市が主導する住宅地分譲事業でどのようなキャンペーンがあったのか、今後のためにも大変資料性の高い情報であると考え、掲載しました。

最後に『1.招運!!初夢抽選会』ですが、モデルハウスを3軒内覧した後5つの景品のうちから1つを選び、後日、各2名の計10名に1万円相当のプレゼントが当選します。
5つの景品は下記の通り。
 ・全国共通すし券
 ・こども商品券
 ・温泉入浴回数券
 ・ガソリンカード
 ・札幌グランドホテルレストラン食事券

これは、それぞれ2名ずつの当選者しかいない訳ですから、如何に競争率の低い景品を選ぶかが、当選のカギになるでしょう。

すし券やガソリンカードは汎用性も換金性も高いですから、競争率は高いはずです。
こども商品券は子供服や玩具を買えるという事なので、これは微妙です。
狙い目は温泉券か食事券のどちらかでしょう。

まぁ、札幌市が税金を使ってこのように豪華なキャンペーンを実施している事には、あまり良い気持がしない市民の方もいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、原発に反対して停止させたところで、それまでに原発を建設するためにかかった費用や、これから停止した後の原発を維持するためにかかる費用がゼロになる訳ではありません。

物事というのは、途上にあるものを瞬時にゼロにすることは出来ません。
それが現実的な考え方であって、良識ある人の了見というものです。

そういった意味では、私は札幌市の『ウェルピアひかりの』の分譲事業が、自身のビジネスと関係なく、一市民として成功してほしいと考えています。

まぁ、そんなこんなで、この連休に時間がある方で、
 ・住宅の新築を検討している方
 ・不動産業や建築業を勉強したい方
 ・都市計画と都市政策のフィールドワークをしたい方
 ・結構豪華なキャンペーン景品をタダでもらいたい方
・・・などは、『ウェルピアひかりの』へ行くことを個人的にお勧めします。

参加方法は至って簡単。
明日と明後日の10:00~16:00までに、現地事務所に行きましょう。
そしてスタンプラリーのカードを受け取って、各モデルハウスを内覧します。
現地事務所にもモデルルームにも駐車場がありますから、車でも安心です。
 ・ウェルピアひかりの 現場事務所
   北海道札幌市東区東雁来11条2丁目(街区番号2)



※ 前述の通り現在は保留地分譲は終了しており、現地事務所も現存しません。

◆シリーズ『東雁来』関連記事

◇ シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?
◇ シリーズ『東雁来』② 『ウェルピアひかりの』ではどのような販促がされていたか
◇ シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?
◇ シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~
◇ シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~

シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?


当記事は平成26年4月7日の記事を一部改訂の上、再録したものです。
現在、ウェルピアひかりのの札幌市による保留地分譲は完了しており、民間で流通しています。
札幌市の分譲当時の状況を示す資料として、本記事を公開します。

一週間後、平成26年4月14日(月)から東雁来『ウェルピアひかりの』の保留地分譲が始まります。
毎年毎年の恒例行事でもあるのですが、この日から同地区の現地事務所が開き、資料も解禁になります。
『ウェルピアひかりの』札幌市の戸建分野で今最も注目度の高い地区です。

注目度が高い、というのは好評悪評色んな意味で…ですね。

好評としては『札幌市が分譲する新しい街並みで商業施設も充実』
悪評としては『泥炭地でとにかく地盤が悪い、水はけ最悪』
それぞれまったく別のところを見ているので、こればかりは相容れないんですよね。

私は商売柄、交通の利便と収益性・処分価値しか見ない人なので、自分自身が買いたいとは思いませんが、そういう選択肢もアリなんじゃないかな、とは思います。
ただ、自分が納得して購入したものであれば、それで良いのですが、情報を集めずになんとなく買ってしまって後で後悔、というのはあんまりだと思いますので、情報の一つとして『東雁来』『ウェルピアひかりの』について私なりにまとめてみます。

◆事業の概要

『ウェルピアひかりの』は地区計画『東雁来第二地区地区』区域で、平成3年度見直しに伴い市街化区域に編入、平成8年から土地区画整理事業を開始し、平成30年に完了予定です。
現在、札幌市と協賛業者が分譲を行っています。

余談ですが、第一区画にあたる地区計画『東雁来地区』は、昭和53年度見直しに伴い市街化区域に編入、昭和58年から平成元年まで土地区画整理事業により整理されました。

◆地盤の悪さ

さて、批判の対象となっている『地盤の悪さ』ですが、札幌市が提供する地震防災マップ液状化危険度図を見ると、あまり地盤が強いとは言えませんが、周辺にはもっと悪い状況の土地も多く、市内でここだけが極端に地盤が悪い土地である、という客観的根拠はありません。
まぁ、売主である札幌市の出した資料が客観的かは置いておいて、札幌市の公開する各種資料を否定する第三者的資料も公開されてはいませんからね。
(数値が良いのは、泥炭地の上に盛り土をしているから、という見解も聞きますが、それにしたって数値的な調査データを見たことがないのです。
 ただ、建築業・不動産業に携わる人間の経験則としては一考の余地があります。)

とはいえ、当の札幌市自身も、土地の概要に『軟弱地盤』と小さく書いて販売しています。
批判している方は、『札幌市主導で軟弱地盤の土地を売りさばくのか』という、良心的・道義的批判によるところが大きいように思います。

◆ニュータウンゆえの宿命

また『ウェルピアひかりの』の各種広告に記載されているようにこういったニュータウンには『子育てファミリー世代の皆さんが暮らしています』これはもちろん良いところでもありますが、短所ともなり得ます。

私自身がそういう造成地の出身なのでよくわかるのですが、山の中を切り裂いて造った住宅街や、地の果てを埋め立てて造った住宅街は、同世代・同所得層の方が同時期に購入する関係上、20年後、30年後には、地域全体としての高齢化に見舞われ、過疎化と地価下落が発生します。
そして、人口が減れば、民間資本のショッピング施設は容赦なく閉店してゆきます。

札幌市は『ウェルピアひかりの』のバス網を充実させると掲げていますし、高齢者や障碍者に優しい福祉の整った地域とする事も目標として掲げています。
地下鉄からもJRからも遠く離れた地区が、将来的に便利な街であり続けられるのか、どちらかといえば疑問符が付くと感じるのは、私だけではないでしょう。

札幌市主導で行った事業だから大丈夫、という保証も当然ながら出来ません。
札幌市は過去にも都市計画の大失敗と批判されるような事業をいくつも手掛けて来たのですから。

◆とはいえ、当面は便利な状態だと思いますよ

色々悪口みたいな事を書いてしまいましたが、どんな財産にだって不確定要素やリスクは必ず付いて回るものですし、そのリスクは原則、価格に反映しているのが資本主義社会です。
そういった視点から見ると、ウェルピアひかりのの分譲価格は不当に高額と言う事も出来ません。

また、今後、平成30年まで事業が継続してゆきますから、(こういう言い方が適当かは分かりませんが)今よりは便利になってゆくことが見込まれます。
『東雁来流通工業系業務地区』として、軽工業や配送センターも誘致しているところです。
札幌市としても意地と見栄がありますから、当面はこの地区の発展に注力していくのではないでしょうか。
そういった意味で、ここ十数年単位極端に状況が悪化するかと言えば、私はNOと答えます。

いつ大地震が来るか、20年後、30年後の地価がどうなっているのか、そんなことは誰にも保証出来ませんし、そんな事を言っていたら財産なんて持てません。
どのような資産を買うにせよ、『割り切り』『納得』が肝要です。

4月14日の分譲開始に伴い、各種販売資料も公開されますので、何か興味を惹くような内容があれば、またこの地区を取り上げます。

◆個人的には…

ウェルピアひかりのは『スポーツのまち』だそうですが、計5面あるサッカーコート(+2面のフットサルコート)に時代を感じてしまいますね。

1面がコンサドーレ札幌ユース、2面が札幌サッカーアミューズメントパーク、2面が東雁来公園サッカー場だそうで、それぞれに所有者は違うそうです。

これらのコートは平成10年代の後半に開業したようですが、平成10年がコンサドーレ札幌のJリーグ加盟平成14年がワールドカップですから、本当に、時代背景がよく出ているなぁという印象ですね。

昭和の頃にも各地の広場に野球場を造って、現在その野球場がどうなっているのかを考えれば、もうちょっと合理的なものの考え方をしてくれてもよいような気がするんですけどねぇ…

◆シリーズ『東雁来』関連記事

◇ シリーズ『東雁来』① 札幌市が分譲する『ウェルピアひかりの』ってどうなの?
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◇ シリーズ『東雁来』③ 東雁来『ウェルピアひかりの』の仮換地を売りたい人はどうすればいいの?
◇ シリーズ『東雁来』④ 東雁来の歴史 ~明治から戦前まで~
◇ シリーズ『東雁来』⑤ 東雁来の歴史 ~戦後から平成まで~