『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うか

当記事は2016年3月18日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

『事実は小説より奇なり』というのは人間の性質を非常によく表した言葉だと感じます。

人間は創作よりも事実を重んじるものです。
勿論、退屈で平凡な事実よりも、ドラマチックな創作の方が良い、という向きもありますが、
ドラマチックでセンセーショナルな事実であれば、それは創作に勝るでしょう。
『ノンフィクション』という言葉の魔力は非常に強力で、
それが故に『リアリティショー』『モキュメンタリー』といったジャンルも登場しました。

※ リアリティショー
   台本のないリアルな出演者の反応をウリにした番組。
   『電波少年』や『あいのり』、『テラスハウス』あたりですね。
  モキュメンタリー
   モック・ドキュメンタリーの略。ドキュメンタリー風の創作作品。
   『ブレアウィッチプロジェクト』が一番有名ですね。

ドラマやアニメの舞台(ロケ地)になった場所を訪れる『聖地巡礼』という行為も、
現実との繋がりを求めているという側面があると言えるでしょう。

また一方で、『隠されている事を知りたい』『舞台裏を見たい』という欲求も、
人間としてはごくごく当たり前の精神現象でありますが、
インターネット時代になって、テレビや新聞で扱われなかった情報が重宝がられたり、
逆にインターネットの誤った風説を真に受けてしまう人も多くいるようです。
まぁ、ネット以前から『陰謀論』は盛んにもてはやされていた訳で、
インターネットではそういった傾向が増幅されやすい、という事です。

特に『怪談』の分野では、その両面の心理的働きが非常に強い事は、
『ホントにあった怖い話』や『ホントは怖い○○○○』などのタイトルが、
非常に頻繁に使われている事からも、よくわかるでしょう。
(例:ホントは怖いグリム童話、ホントは怖いサザエさん、などなど)

人間は『知られざる真実』が大好きな生き物です。

さて、そんな人間心理を巧みに掴むコンテンツが『大島てる』です。
『大島てる』は事件や事故などで人が亡くなった建物をGoogleマップ上で表示するという、
『事故物件公示サイト』として不動産関係者だけではなく、
一般の方や怪談マニア、事故物件マニアまで広く注目されているコンテンツです。

 大島てる CAVEAT EMPTOR: 事故物件公示サイト
  http://www.oshimaland.co.jp/

私自身、不動産調査の一環として、『大島てる』を閲覧する事がありますが、
誰もが匿名で事故物件を追加・編集できるシステムの都合上、
その信憑性はWikipediaや2ちゃんねる程度のものでしかない
、と、
以前、本館の記事で紹介したところ、非常に大きな反響があり、
終いには『大島てる』管理人本人を名乗る方からのコメントなども寄せられました。
(まぁ、ご本人へメールで連絡していた内容とコメントの内容に齟齬があったので、
 コメントの方は『騙り』であったと判断していますが…本当の処は分かりません。)

 ◇ 『高額で成約したマンションを『大島てる』に事故物件扱いされるの巻』

話は変わりますが、不動産の価格ってどのように決まっているか、ご存知でしょうか?
不動産の俗語『一物四価』が大ウソってホント?』では、
不動産鑑定士が国や自治体に示す『鑑定価格』と、『実勢価格(時価)』が、
入れ子構造・相互干渉的に影響しあって決まってゆく、と紹介しましたが、
その『実勢価格』はどのように決まるかと言えば、
資本主義の原理で、需要があるものは高値になり、需要のないものは安値となります。

つまり、『誰も欲しくない不動産の価値は、どんどん下がってゆく』訳ですね。

『不動産を欲しい・欲しくない』と判断をするのは買い手ですが、
不動産を購入する時のファクターって、どんなものでしょうか?
もちろん、価格もあるでしょう、交通の便が良いであるとか、
病院や学校が近いというのも要因でしょうし、治安の良し悪しも重要でしょう。

しかし、表面に見える便利さだけがファクターではありません。
高級住宅街のイメージの強い大田区田園調布は正直めちゃくちゃ不便ですし、
札幌の住宅街でも高値の付く『山鼻』地区は地下鉄駅まで徒歩20~30分かかりますが、地下鉄駅から徒歩5分の土地の大半よりもずっと地価が高いのです。

このように実勢価格は『なんとなく良さそうなイメージ』で形成されている部分も大きいのです。

この商売をやっていると『いくら便利でも、○区や○○区はイヤだよ』と言う方もいますし、一方で中心部までかなり距離があり地下鉄からも遠い『明日風』『東雁来』を、新興住宅地(ニュータウン)であるという理由で購入される方も多いですが、これはまさに合理的・数値的利便性ではなくイメージで不動産を選んでいるという好例でしょう。

一方で札幌市内の『なんとなく悪そうなイメージ』を持たれている地域として、
私が非常に注目をしているのが『中の島』地区です。

中の島は札幌市豊平区、地下鉄南北線の中の島駅周辺の地区です。
札幌の地名の由来ともなった河川、豊平川の東側に面するこの地域は、
市内中心部にほど近く、かつ、戦後まで市街化されずに農地のまま残っていた為、
昭和40年代と早いうちからマンション開発が進んだ地区です。
海のない街である札幌市にとっては、豊平川沿いは今でいう東京の湾岸エリアのような扱いで、オーシャンビューならぬリバーサイドの景観がウリになりました。
また現在でも『豊平川の花火が見える』というキャッチコピーには人気があります。

しかし、そのように利便性の高い地域だったからこそと言えますが、
地元の人間…特に現在50~60歳程度の方の口からは、
暴力団関係の事件が起こったであるとか、治安が悪いという評判をたまに耳にします。
歓楽街のすすきのに近い事からも、すすきので働く方が中の島を住まいにしているという話も聞き、
正直に言って、そういった職業の方が多い、という事は事実のようです。

他にも、以下のような要因から、中の島の評価は若干下がり気味である事は否めません。
1.中の島のメインストリート『中の島通』の東側に『豊平川通』、西側に『平岸通』が整備された事で、昭和後期から人の流れが大きく変わり、中の島が素通りされてしまう事が多くなった。

2.中の島の中心に位置する北海道工業大学が北海道科学大学に名称変更し、本部が手稲区前田に移ってしまった事で『落ち目』の印象、将来性への不安を与えてしまった。
  ※ ただし、本部は移りましたが中の島キャンパスは当面の間、移転の予定はないとの事です。

3.隣接する『平岸』や『澄川』は6条を超す大規模な地名なのに対して、『中の島』は2条までしかない小規模な地名である為、地域としての存在感が薄い。

しかし、個人的主観ですが、中の島はそんなに悪い街ではありません。
事実関係が明確でないので『暴力団はいない』とは言えませんが、
『反社会的勢力排除条項』などの普及により、今現在で治安が悪い、という話はそう聞きません。

そんな中の島地区ですが、不動産業に従事する者として今後を不安に思うのが、先述した『大島てる』という大きなコンテンツの存在です。

人間は『知られざる真実』(に見えるもの)を好みますから、
大島てるというノンフィクションの草の根サイトの影響力は想像を絶するものがあります。

『大島てる』は日本中どころか世界規模のコンテンツですから、
中の島の事故物件だけが取り上げられている訳ではありません。

しかし、私の知る限り『中の島』だけは少し事情が異なるのです。
それが『ファンキー中村』氏の怪談にまつわる投稿の存在です。

ファンキー中村氏とは何者なのか?公式サイトのプロフィールを引用してみましょう。
http://funky-nakamura.com/profile/index.htmlより引用)

 ファンキー中村 プロフィール
 ファンキー中村(小林克也氏より名づけられる)
 北海道岩見沢市生まれ。出生後すぐに東京へ移住する。
 その後、返還翌年の沖縄県那覇市へ移住するが小学校4年の2学期に母の体調不良により故郷北海道に戻る。
 15歳で渡米、ここで出会ったアメリカ車の魅力に強く惹かれ、
 その知識により帰国後は20年近く雑誌にてライター活動をする。
 某ディスコにてDance Music系のRemixerを歴任、
 公式ドラッグレースのメインMCを務めるなど多岐に渡り、活動の幅を広げる。
 本人自ら体験した怪談(実話怪談)を語るという分野の先駆者であり、怪談クリエーターとして現在は活躍中。
 (以下略。強調・下線は筆者による。)

この、『本人自ら体験した怪談(実話怪談)』の中に、札幌に居住中のエピソードが多くあるのです。
特に中の島の分譲マンション、中古マンションに関するエピソードは、
そのうち4つがマンション名を特定された上で『事故物件』として『大島てる』に登録されています。

YouTubeにはそのうち3つの動画が投稿されていますから、その内容も併せて見てみましょう。

ちなみに大島てるやYouTubeへ投稿したのは誰かは、分かりませんが、
大島てるへはいずれも平成24年9月23日に投稿されていることから、同一人物による投稿と思われます。

<ファミール中の島>
 怪談のタイトル『事故物件』
 YouTube  http://www.youtube.com/watch?v=5wR5F9xaxww
 大島てる http://www.oshimaland.co.jp/?p=sx7kh5je

<第2佐々木マンション>
 怪談のタイトル『におい』
 YouTube  http://www.youtube.com/watch?v=ADas9Cd9zO8
      http://www.youtube.com/watch?v=OZT7Fl8Vq6g
 大島てる http://www.oshimaland.co.jp/?p=8mbwbw6s

<カトレアハイツ札幌>
 怪談のタイトル『屋上の女』
 YouTube  動画は投稿されていないようです。
 大島てる http://www.oshimaland.co.jp/?p=ckvjiru8

<京王もなみマンション>
 怪談のタイトル『呼ぶ女』
 YouTube  http://www.youtube.com/watch?v=th2YzLpveOM
 大島てる http://www.oshimaland.co.jp/?p=t9s73z23

動画内の情報では物件を特定するには至りませんが、
動画で『これはインターネットだから言わない方がいいかな』など、
意図的に所在をボカしているような言い回しをしている事から、
ファンキー中村氏が定期的に開催している怪談ライブなどでは、
実際に建物名まで言及してエピソードを語っている可能性もあります。

前述したように、中の島に関してマイナスイメージを持つ方は確かにいますし、
開発から40年も経っていれば、そりゃー事件や事故が実際に起こった事だってあるのかもしれません。
しかし、怪談を根拠として私有財産が『事故物件』として取り扱われている事には、大きな問題があります。

まぁ、ファンキー中村氏はあくまで実話だというテイで怪談をしている訳ですが、
もし実話であるとしたって『心霊現象が起こる』というのは、事故物件と扱えるものではないでしょう。

私の周りのマンション購入希望者や不動産関係者からも、
『中の島って事故物件が多いんでしょう?』と聞かれる事があります。

大島てるを見たという方もいれば人から噂を聞いたという方もいますが、
風説というのはそういうもので、少なからず大島てるの影響があるとは言えるでしょう。

先の話に戻りますが、これが『なんとなく悪そうなイメージ』であって、
中の島の不動産価値を下げる要因となりうるものであると言えると私は考えます。
特に、昭和に建設されたマンションに関して、イメージへの悪影響は計り知れません。

これら4件の投稿が平成26年9月23日にされて以来、
どれだけの人がこの風説に触れ、中の島地区に悪印象を持ったでしょうか。
そこで、私は各投稿に対してコメントで異議を唱える事にしました。

4つの投稿に対するコメントでの指摘の要点は下記の2つ。
1.怪談を根拠に特定のマンションを『事故物件』扱いするのには問題がある。
2.動画がYouTubeにある3件については、動画内で所在が特定出来ない。

、<ファミール中の島>


<第2佐々木マンション>

<カトレアハイツ札幌>

<京王もなみマンション>

しかし、平成27年10月29日に投稿してから現在に至るまで約5か月、これら4つの投稿が修正・削除されるような気配はまったくありません。

別に、私は『大島てる』管理人の大島学氏やファンキー中村氏が主導して、
中の島地区を貶めているとは考えていませんし、
そんな証拠がどこにもない以上、そんな事実もどこにもありません。

しかしまぁ、中の島にお住まいの方、特に同じマンションを所有の方は、
明確な因果関係を立証する事は出来ないものの、
こういった投稿が『大島てる』にある事で、資産価値に良い影響を与える事はない訳です。

『大島てる』管理人大島学氏の運営スタンスは高度に一貫しています。
事故が事実であれば、関係者の心情に配慮するのではなく公共の福祉として公開する。
事実ではない投稿でも、コメント等での指摘がない限り、そのまま公開する。

…2ちゃんねるの元管理人のひろゆき氏にも通じるような、
インターネット上の大コンテンツを育てられる方に特有の意思の強さですが、
この件に関してはコメントで指摘があってから約5ヶ月が経っているのに、投稿は掲載されたまま。
しかも、コメントは地図から直接確認する事は出来ず、別ページを開かねばなりません。

これでは自浄作用を期待したり閲覧者の正常な判断を仰ぐ事は出来ないのではないでしょうか。

そして、一つの事実として『大島学』氏と『ファンキー中村』氏は、
複数度に渡ってコラボイベントを開催している
、という事も付け加えておきましょう。

ちなみに平成28年3月26日に開催されるイベントの告知を引用しましょう。

 事故物件とゆうれい噺
  稀代の怪談クリエーターファンキー中村の実話怪談と、
  事故物件検索サイト管理人の大島てるとの一騎打ち!
  現実に存在する”忌地”と、それらに巻き起こる”怪異”とが成す双璧!
  何をお持ち帰り頂くかは、あ・な・た・し・だ・い・・・

なーんだ、本人がコラボイベントに『実話』って書いてるんですから、きっと実話なんですね。
大島学氏も、このキャッチコピーのイベントに主役格として出演するという事は、ファンキー中村氏の話が実話である事を積極的に追認はしているかは兎も角、ある程度の理解をもってコラボレーションしているのでしょう。

ちなみに2ちゃんねるには、ファンキー中村氏の会談が実話か否かを検証するスレッドがあります。
 ファンキー中村の実話怪談を検証するスレ
  http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1375874452/

もっとも、別に怪談が実話かどうかなんていう事は、本筋ではないのです。
最初に述べたように、これがあたかも『知られざる真実』であるかのように、
インターネット上に風説が広がってしまうことによって、
中の島地区にとって良くない影響が出ているのではないか、という事を懸念して已みません。

繰り返しになりますが、この記事は何らかの事実関係を断定するものではありません。
くれぐれも邪推しないで下さいね。判明している事実は、下記の事項だけです。
1.投稿者は不明だが、『大島てる』に『ファンキー中村』氏の怪談を根拠とした投稿が掲載されており、投稿へのコメントで指摘があっても半年近く掲載され続けている。
2.投稿者は不明だが、YouTubeに『ファンキー中村』氏の怪談が投稿されている。
3.『大島てる』管理人の大島学氏とファンキー中村氏は、複数回に渡りコラボレーションイベントを開催している。

それ以外の事は一市民の私には知り得ませんし、知るつもりもありません。
ただただそれだけの事ですが、
迷惑を被っている中の島の住民の皆様には、心からお見舞いを申し上げます。

<H27.03.19追記>
 この記事の公開から数時間後、当日の午前中には今回紹介した4つの投稿はすべて削除されました。
 前回と異なり、大島てると名乗る方からのご連絡等はありませんので、
 おそらくは前回のコメントの方は『騙り』だったのでは…と考えています。

 それはそれとして、この記事をどうするのか?というお話ですが、そのままにしておきます。

 と、言いますのは、根本的に『自由な投稿に比して自浄作用が非常に弱い』という問題があり、
 もし、削除依頼を出した所で『削除して終わり』という対応がされるだけで、それ以上の対応が無い事で、
 ユーザーによる虚偽・欺罔など不適切な投稿がなされ続けている、という現状について、
 一般の認知を得なければ、今回のように一つの地域の不動産価値が、
 二年半に渡って毀損され続けるという異常事態が今後もまかり通る事になります。

 勿論、ユーザーが自由に投稿したものについて全ての責任を管理人が負うというのはナンセンスですが、
 ここまでの大コンテンツになり、テレビへの出演や有料イベントの開催をしているにも関わらず、
 自浄作用を高める措置もせずに『指摘されたら削除してお終い』というのでは、
 無責任な風説で資産価値を下落させられた不動産所有者の方と比して、あまりにアンフェアでしょう。

 勿論、私的なコンテンツに対して、あれこれと横から口を挟む正当な権利など、私にはありません。
 ですから、せめて私は私的なコンテンツとして、ユーザーのリテラシーを高める為、
 啓蒙活動としての当該記事を維持してゆこうと考え、この記事を軌道修正をしない事を決めました。

 インターネットは自由な情報発信の場ではありますが、
 この20年であまりに裾野が広がった事もあり、ある種の無法地帯に陥っていると言えるでしょう。
 利用者それぞれがメディア・リテラシーを持って、情報を適切に扱えるようになる未来が実現する事を望みます。

<H30.2.15追記>
 とかなんとか言ってから、もう2年近くが経ちますが、
 大島てる氏はファンキー中村氏とのコラボをしなくなってしまったようです。
 辞めてしまった、というのは語弊があると考えこういう書き方をしますが、
 2016年は一緒に全国を回っていたのに、不思議だなーと思います。
 ◇ 『大島てる ファンキー中村』Google検索
 ◇ 『大島てる ファンキー中村』Bing検索

 まー、客の入りだとか分け前の問題だとか、
 色々な事情があるでしょうから、根拠のない邪推はやめましょう。

 とりあえず元記事を書いて削除された4つのマンションについては、
 本日現在において、誤った情報が復活していない事に安堵していますが、
 誤った情報、いい加減な情報は未だ溢れており、
 これが自浄作用のある仕組みに改められる様子はありません。

 昨年末には大島てる氏に対して殺害予告をした人物に対して、
 警察に通報するほか、自身でも住民票を取得したり自宅を確認するなどして、
 自首を促していたようで、かなりナイーヴに対応しているようです。

 ◇事故物件サイト「大島てる」管理人を殺害予告した犯人逮捕!!
   http://tocana.jp/2017/11/post_15073_entry.html

 勿論、違法行為であるのか否かという事が大前提ではありますが、
 逮捕から数ヶ月経っても犯人の氏名や生年月日を晒し続けているのを見るに、
 人に言うのは好きだけれども、人に言われるのは大嫌い、という性格なのでしょう。

 前回のような例もありますし、私も住民票を取られたりとか、
 手紙が送られたりとか炎上を誘導されるようなことがあるのかもしれませんね。

事故物件扱いされた物件についての『大島てる』氏とのやりとりを公開します


この記事は2018年2月13日に新規に書き下ろしたものです。

前回『高額で成約したマンションを『大島てる』に事故物件扱いされるの巻』の最後は、このような締めくくりをしました。

平成27年8月30日追記
『大島てる』氏からの当記事へのコメントでの申し出により、
先方へメールにて物件情報を送信したところ、該当する投稿は削除されました。

削除されるまでにコメントで『大島てる』を名乗る方とやりとりしましたが、
メールとコメントで矛盾する部分が多くあり、
実際に本人だったのか否か、また複数の運営者がいるのか等、
私には判然としない部分が多かったように思われます。

当時非公開だったメールでのやりとりを含め、次の記事に掲載予定です。

当時はこの件について、あまり突っ込んで記載はしていませんでしたが、
元の記事を書いて2年半、物件が成約してからかなり経ちますから、
この際、『大島てる』氏とのやりとりを直接送ったメールも含め公開し、
この件についての私の見解を記述したいと思います。

ブログへのコメントについては従来公開していたもので、
私からのメールへの返信はなく、私のメールのみの掲載ですので、
文章の使用許諾や著作権云々という問題にはならないものと判断しています。

文書については原文ママですが、着色や下線・強調は私によるものです。

= = = 以下、引用部分 = = =

大島てる 
 大島てるです。

 誤報を削除させて頂きたいと思います。
 物件はどちらでしょうか?

細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】 
 >大島てる様
 いつも貴サイトを利用させて頂き、ありがとうございます。

 また、誤報の削除の申し出についてもありがたく存じますが、
 本文中でも触れている通り、ここで物件名を明記する事は、
 投稿型コンテンツにありがちな編集合戦を誘発させる可能性があり、
 売主買主双方のお客様にご迷惑となる可能性がわずかでもある以上、控えさせて頂きたく存じます。

 貴サイトへの削除依頼が憚られたのも上記の理由によります。

 メールなどの非公開性が保たれた方法で、削除をお願いしたいのですが、如何でしょうか。

 

大島てる 
 >細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】さん
 では,公開できる範囲内でヒントをお願いします。

 7月13日付ブログ記事の内容も参考にさせて頂いた上で物件の特定を試みてみます。

大島てる 
 弊サイト中に
  『平成○○年○月頃  事故のあった部屋を格安で売り出していた』
 との記述は見当たりません。

細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】 
 >『大島てる』様
 先に述べた通り、本件についてはコメント欄で物件名を明示する事はございません。

 >弊サイト中に
 >『平成○○年○月頃  事故のあった部屋を格安で売り出していた』
 >との記述は見当たりません。
 当然、検索してすぐに引っかかるようでは、物件名を秘匿しても無意味ですから、
 貴サイトへの書き込みの内容についても主旨はそのままに言い回しを変更しています。

 現状では、貴方様が大島てる様ご本人であるのか、
 私には特定出来ない状況でございますので、
 貴社のメールアドレス宛に、物件を特定の上、
 当ブログのURLを明記し、メールをお送り致しました。
 ご参照の上、ご対応頂けますようお願い申し上げます。

 今後とも何卒宜しくお願い致します。

【このコメントの直前に後述するメールをお送りしています。】

大島てる 
 >細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】さん
 「変更」ということはそのような書き込みはそもそもないということでしょうか?

大島てる 
 >細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】さん
 存在しない書き込みの訂正は致しかねます。

細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】 
 >大島てるさん
 いいえ、ございます。
 『言い回しを変更』と言うのは、
 まったく同じ文言で検出されないよう、
 同義語で置き換えたという意味でご理解下さい。

 貴サイトの該当物件のURLについては、
 info@oshimaland.co.jpへ明示した上でお送り致しましたので、
 そちらをご参照の上ご対応下さいませ。

 実際にご確認頂ければ、
 『言い回しを変更』という表現についてもご納得頂けるものと存じます。

細丼 善太郎 【この道なぁに?in札幌】 
 >大島てる様
 該当物件の記事を削除頂き、ありがとうございました。

 また、本件に関しては、数日に渡り返信が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。

 当ブログは不動産実務に関する実体験を開示することで、
 不動産取引を検討する方や同業者の生きた資料とすべく執筆しておりますが、
 なにぶん個別の事象に関してはすべてを開示する訳にもゆかず、
 物件名を明示して回答する事が出来なかった件についてもお詫び致します。

 もし、大島てる様さえよろしければ、当記事でのコメントのやりとり並びに、
 私から先般お送りしたメールをまとめて、どのような経緯があったか、
 一つの記事としてブログで公開させて頂ければと存じます。
 もし了承を頂けるのであれば、再度コメント頂ければ幸いでございます。
 コメント頂けない場合には、了承がなかったものとして、記事には致しません。

 どちらにせよ今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

= = = 以上、引用部分 = = =

・・・と、ここで『大島てる』を名乗る人物との交信は途絶えます。
このやりとりで私は『コメントがなかった場合には記事にはしない』と書いています。
Σ(゚Д゚;約束破ってんじゃん!

これには理由があります。
今回記事にしたのは、このやりとりと矛盾するメールの内容や、
この1年半後、『『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うか』の経緯から、
私とやり取りをした『大島てる』氏はなりすましだったと判断した為です。

というか、『記事にしない』というのは私の一方的な宣言であって、
大島てる氏からの意思表示があって何か約束をした訳ではありませんからね。

まず、やりとりの途中で私から送ったメールを見てみましょう。

= = = 以下、引用部分 = = =

弊ブログへのコメントについてのご確認 2015年8月30日 20:06
 株式会社大島てる 代表取締役 大島 学様

 いつも貴サイトを利用させて頂き、ありがとうございます。

 突然メールを差し上げる事をお許し下さい。
 私は札幌市で不動産業を営む傍ら個人ブログを運営している者です

 先月、貴サイトへの投稿内容について触れた記事をブログに掲載したところ、
 『大島てる』様を名乗る方から、ブログで触れた物件はどの物件なのか、
 削除をするために教えて欲しいという旨の書き込みを頂きました。

 私と致しましては、事実関係無根の事とはいえ、
 インターネット上で物件名を明示する事で、
 お客様にご迷惑をお掛けする可能性がある以上は、
 お答えできませんと回答したにも関わらず、
 『大島てる』を名乗る方からは繰り返しコメントを頂いております。

 該当記事
  http://ameblo.jp/sapporo-michi/entry-12049224538.html

 ご本人であるのか特定出来ない状況でこのようなメールをお送りするのは非常に恐縮ですが、
 もし、弊ブログにコメント頂いている『大島てる』様がご本人であった場合には、
 ブログにて触れた物件は下記の物件となりますので、記事の削除を頂ければと存じます。http://www.oshimaland.co.jp/?p=sjgo85r3

 もし、弊ブログへのコメントがなりすましであって、
 本メールにお心当たりがないという事であれば、
 大変申し訳ございませんが、本メールについては無視頂ければと存じます。

 突然の不躾なメール、大変失礼致しました。
 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 細丼 善太郎

= = = 以上、引用部分 = = =

(元記事のURLは現在リンク切れとなっています。)

・・・これは次回の記事とも絡んでくる内容なのですが、
このメールをして、コメントでもメールを送った旨を明示しているのに、
その2時間後も執拗な・・・というか、ある種感情的なコメントをされています。
『「変更」ということはそのような書き込みはそもそもないということでしょうか?』
『存在しない書き込みの訂正は致しかねます。』

どうもしっくり来ない、というのが正直なところです。
また、大島てる氏本人も8月30日以前の27日時点で、
私の記事を『大島てる』名義のTwitterとFacebookでシェアしています。

この記事に関する大島てる氏のフォロワーの人々の感想は非常に好意的でした。

大島てる氏によるこのシェアの仕方やコメントの様子を見るに、
もしかして炎上させようとしたのかな?と思わなくもないですし、
『大島てる』氏は複数人いて、統制が取れていないのかな?とも思うのですが、
それを主張する根拠はどこにもありませんし、邪推をするのは止しましょう。

(炎上させようとしたのかな、とは今も少し思っています。
 と、言うのは、次の記事『中の島』の時にはシェアされず、
 何のコメントもなしに即座に該当の物件が削除されて終わった為です。
 自身に関する記事をシェアする方針であれば、そのようにはしないはずです。)

まー、このようにして自分の中で釈然としないなーという想いがあり、
総合的に判断をして、コメントの『大島てる』氏に対して一方的に宣言した、
『記事にしない』という前提を破って今回の記事をまとめる事にしました。

もし、これらすべての『大島てる』氏が同一人物だったとしたら、
てんでバラバラで一貫しないこれらの対応について公開する事を『大島てる』氏は嫌がるかもしれません。

しかし、ご本人が『他人(ひと)の嫌がる事をやる』事を次世代の創業者へのメッセージとして送っているそうなので、まー、たぶん大丈夫でしょう。

 大島てる氏「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 – ライブドアニュース
  http://news.livedoor.com/article/detail/13615795/

次回は、このやりとりの1年後に書いた記事、
『大島てる』と『ファンキー中村』は中の島地区の凋落を嗤うか』を再録します。

高額で成約したマンションを『大島てる』に事故物件扱いされるの巻


当記事は2015年7月13日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

不動産業者の仕事は、取引が終わったからといって完全に終わる訳ではありません。

買主側に付いた場合は、当然その不動産と長く関わって行くことになります。
買主様がお住まいになったり、事務所にしたり、賃貸アパートなら管理受託したり…
お客様との付き合いが続く限り、その不動産とも付き合ってゆくことになります。
最終的には、その不動産を手放す時も、売却を依頼して頂けるなら、
大変光栄なことで、不動産屋冥利に尽きるというものです。

売主側に付いた場合、一旦その不動産とは直接関係が無くなるとはいえ、のちのちのトラブル発生を予見しておく必要があります。
とはいえ、買主側にも業者がいる場合には、こちらから積極的に接触は取りません。
土地を売却した後は、無事に建物が建ってゆくかを見守ります。
建物を売却した場合には、その後問題なく、居住・運営・賃貸しているか、定期的に確認します。

買主側にも売主側にも立つ、『両手』取引の場合には、この両面があるので責任も重大です。

・・・と、毎度毎度前置きが長いですね。

『大島てる』というウェブサイトがあります。
事故物件の情報を広く募っているサイトで、Googleマップから事件事故の情報を閲覧する事が出来ます。

事故物件公示サイト: 大島てる CAVEAT EMPTOR
 http://www.oshimaland.co.jp/

誰でも簡単に投稿出来る為、Wikipediaや2ちゃんねるのようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか。
事件事故の情報というのは不動産取引上、不動産屋としては知っておかなければならない事項ですから、
不動産を売買する場合には、出来るだけ見ておくようにしています。

勤め先で管理しているアパートで火災があり、不幸にも入居者が亡くなってしまった事がありましたが、
火災が起こったのが明け方で、朝9時頃にはもう事故情報が登録されていました。
新聞やニュースに掲載された情報に関しては、ほぼ確実に反映されると考えて良いようです。

しかし、事故物件の情報を気軽に投稿出来るという事から、たとえ情報が真実であっても、
不動産価値の下落に繋がる為、掲載して欲しくないという批判もあります
し、
何より、誰でも投稿出来るため、デマやいい加減な情報が多いのも事実です。

既にタイトルに結論は書いてしまっているんですが、
先日、『大島てる』を閲覧していた処、過去に取引したマンションが掲載されていました。

  『平成○○年○月頃  事故のあった部屋を格安で売り出していた』
   ※ 物件が特定出来ないように、細かな言い回しについては若干変更しています。

えっ…もしかして当時、情報を見落としていた…?おかしいなー…
と、よく日時を見てみると、どうやら私が売った部屋の事を言っているらしいのです。

(改めて当時の流通履歴を見直しましたが、その時期に他に売りに出た部屋はありませんでした。)

その物件は、付き合いの古いお客様が所有していたマンションで、
私がこの職業に就いて初めて売却したマンション、かつ、初めて『両手』で成約した物件でした。
(それまでに中古マンション以外の土地や建物の取引経験はありました。)
かなり独特な販売戦略が見事に『当たった』、非常に思い出深い物件の一つです。

では、本当に事故物件だったのかと言えば当然、事実無根です。

まず、前の所有者が貸していた入居者の方は確かにお亡くなりになっていたのですが、
ご病気で病院に入院してでの事ですから、事故物件ではありません。
(通常、事故物件というのは『建物内で』、『自殺、他殺、事故死』されたものを指します。)

また、『格安』というのも大きな誤りで、かなり高額での成約でした。

具体的には当時のの直近の成約実績より2~3割も高額で成約しています。
(これはかなり大々的なリフォームを実施した関係もあります。)
これを機に建築当初からの成約履歴を確認していたのですが、
当時築25年のマンションでしたがが、成約価格は築10年の頃と同水準でしたから、
如何に高額で成約したかが分かって頂けるでしょう。
恐らく、同じマンションの住人が広告を見て相場も分からずに『安い、事故物件に違いない!』と、
『大島てる』に投稿したものと思われますが、非常にタチが悪いですね。
『大島てる』は、誤情報で事実確認が出来た場合には削除に応じる事もありますが、
ある種の炎上商法で、ないものをないと証明する『悪魔の証明』をわざわざしてゆくのも、
火に油を注ぐ行為になりかねないと考え、現在のところ、静観しています。
(時期だけで、号室が明示されていない為、無いものを無いと示しづらい、という面も…)

また賃貸物件の募集広告『告知事項あり』と記載されていたことを根拠に、
『大島てる』への登録を行なっている方もいるようですが、
『告知事項あり』は必ずしも事件事故による心理的瑕疵物件に限られた記載ではありません。

 

『大島てる』は、非常に意義があるサイトだと考えていますが、
このように、利用する際には、インターネットリテラシーが必要になりますね。

一般の方が不動産の購入をする際に参考にすることも多々あるとは思いますが、
せいぜいWikipediaや2ちゃんねる程度の信憑性、と考えておきましょう。
(まー、Wikipediaの信憑性についてもかなり誤解している方も多いようですが…)

平成27年8月30日追記
『大島てる』氏からの当記事へのコメントでの申し出により、
先方へメールにて物件情報を送信したところ、該当する投稿は削除されました。

削除されるまでにコメントで『大島てる』を名乗る方とやりとりしましたが、
メールとコメントで矛盾する部分が多くあり、
実際に本人だったのか否か、また複数の運営者がいるのか等、
私には判然としない部分が多かったように思われます。

当時非公開だったメールでのやりとりを含め、次の記事に掲載予定です。
 ◇ 事故物件扱いされた物件についての『大島てる』氏とのやりとりを公開します

マンション管理適正化法は、中古マンションの流通をまったく適正化していない!

関連記事
 ◇中古マンション売買における『重要事項に係る調査報告書』とその実務上の問題点
 ◇プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻①
 ◇プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻②
 ◇プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻③

さて、中古マンションの流通の重要な役割を担う『重要事項に係る調査報告書』は、
通常マンションの管理会社に属する管理業務主任者が作成しますが、
現状ではその内容に問題があるケースが多い、というお話を展開してきました。

今回は管理会社と管理業務主任者の問題を制度的な観点から見てゆきましょう。

マンションの管理会社と管理業務主任者の法的な根拠は、
平成13年施行の『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』によります。
この、略称『マンション管理適正化法』の根底には、

マンションの管理組合を管理会社から保護しよう、という理念があります。
具体的には、マンション管理組合との契約の際には重要事項説明を行う事や、
修繕積立金などを始めとする財産の管理や会計処理について定められています。

一方で、マンションを新たに買おうとする消費者の保護までは考えられていません
例えば、国土交通省では違反行為について監督処分の基準を公開していますが、
この中でマンション管理組合との契約の際に管理業務主任者が作成・説明する『重要事項説明書』に、誤りがあった場合には業務停止処分が定められていますが、『重要事項に係る調査報告書』の記載に誤りがあった場合の罰則については、定められていないようです。
一部、第79条『書類の閲覧』による罰則に該当するかもしれませんが、
それにしたって業務停止処分ではなく、指示処分ですから、扱いが非常に軽いことがわかります。
  http://www.kanrikyo.or.jp/format/pdf/tsuutatsu/2011shobunkijun.pdf

また、ここまでにも何度か例に出して来ましたが、
取引対象となる部屋を含めた各室内の状況についての確認に対して、
あくまで共用部のみの管理を受託しているのであって、

専有部(各室内)を管理しているのではないから、その質問に対して回答する必要がない、というのは一つの考え方でありますが、
多くの管理会社はこれを業務の省力化のための方便にしているフシがあります。
 
マンションを購入するお客様は利害関係者ですから、
詳細な情報は示せないまでも管理会社が過去に問題を知り得ているか否か』程度は、購入者に対して開示する義務があると思うのです。
 
例えば土地の売買の場合宅建主任者がこんな事情を買主様に知らせずに仲介した場合には、宅建業者には重要事項説明義務違反として責任を負わされるケースがあります。
 ・暴言や威嚇を伴うご近所トラブルを知りつつ、それを買主に知らせなかった。
 ・近隣に反社会的勢力(暴力団等)の事務所があるのを知りつつ、それを買主に知らせなかった。
 ・過去に殺人事件事故があったことを知りつつ、それを買主に知らせなかった。
 
また、以上の例では『知りつつ、知らせなかった』ケースを取り上げていますが、
『知らなかったので、知らせなかった』場合でも『調べて知っているべきだった』と判断される場合があります。
(例えば、プロが少し注意して調べれば明らかに分かる、というような場合。)
 
一方で『ちょっとやそっと調べても分からない』ような情報については、
宅建主任者が知らなかったことに対する責任を追及される事は、少ないと言えるでしょう。
 
これに倣って言えば、管理業務主任者についても、
取引対象となる部屋に影響するような周辺環境や事件事故の履歴は、当然に明らかにすべきでしょう。
 
宅地建物取引主任者に比べると、管理業務主任者の方がはるかに新しい資格ですから、
まだ十分に制度が醸成されていない、といえるかもしれませんが、
管理業務主任者が作成した『重要事項に係る調査報告書』をもとに
宅建主任者が『重要事項説明書』を作成することを鑑みれば、
そういった怠慢がマンションを中古で購入する方へ与える被害は甚大なものです。
 
もちろん、マンション管理会社の顧客は各マンションの管理組合である訳ですから、
まだ所有者ではない購入希望者を何もかも最優先する事は出来ないにしろ、
購入希望者が安心して購入できるようにする環境づくりをする事で
結果的に将来の管理組合の構成員を大事にし、そのマンションの流通価値を高める事にもなるのです。
『マンション管理適正化法』ですから、流通に主眼を置かないのも分かりますが、
現状の管理会社のマンション流通に対する在り様は、あまりにもずさんに過ぎます。
国交省は『重要事項に係る調査報告書』の重要性を考慮し、もっと制度化を進めてゆくべきだと思います。

当記事は2015年3月31日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻③

さて、前回、前々回、に続き『重要事項に係る調査報告書』の誤記載に騙されてしまったお話。
  ◇中古マンション売買における『重要事項に係る調査報告書』とその実務上の問題点
 ◇プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻①
 ◇プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻②

事例の二つ目は、『建物の不具合』についての問題。

 
売却を受託したマンションの一室を内覧させて頂いた際に、
室内を注意深く観察していると『ある不具合』があるのでは?と感じたので、
売主様に『こんな不具合ありませんでしたか?』と確認すると、
『よく分からない』『特に気付かなかった』という回答。
…判定が難しい不具合のため、住んでいるだけでは分からない事も多いのです。
 
私自身も、確たる証拠がある訳ではないので、まずは不具合の可能性を認識して、
その日の段階ではまだ荷物も搬出出来ていなかったので、そこまでとしました。
 
後日、管理会社に『重要事項に係る調査報告書』を請求するにあたって、
私は、『事件事故の履歴』『近隣トラブル』『暴力団の入居』などと併せて、
その部屋を含め、同一のマンションの共用部や他の部屋で過去に『ある不具合』の記録がないかと確認しました。
 
すると、先方から返って来た『重要事項に係る調査報告書』への記載は、こんな塩梅。
その部屋の不具合については所有者(売主)から報告を受けていないため、不明です』
うーん、怪しい。
と、言うのは私が確認したのはその部屋の事だけではなく、
マンションの共用部や他の部屋についても確認しているのに、
その点についての言及が一切ない、というのは他の箇所に不具合があるのでは?と考えたのです。
 
他にも不明点や不備箇所があったため先方の管理業務主任者に、
『その部屋の事は分かりました。他の部屋では不具合はないんですね?と確認すると、
向こうは『管理会社として、他のお部屋でそういう事があったとは聞いていません』との事。
とっても胡散臭いのですが、相手がそう言い張っていて、証拠がない以上、どうしようもありません。
 
そして後日、売主様が荷物を搬出した後、鍵を預かって数日かけてじっくり確認してみると…
やはり『ある不具合』が発生していることが判明しました。
 
その不具合の解消のために色々と管理会社へ働きかけたり、
今後の対応について検討するために様々な調査を重ねてゆくうち、
他の部屋にも『ある不具合』についての苦情が出ている事が判明しました。
しかも、その苦情について、先方の管理業務主任者が対応していたとの事。
 
つまり、『他のお部屋でそういう事があったとは聞いていません』というのは真っ赤なウソだったのです。
 
こちらは私も薄々感じていたので、『騙された』という訳ではないかもしれませんが、非常に悪質な不具合隠しの虚偽記載ではあると言えます。
 
今回のケースの場合、原因は以下の3点。
 ①管理会社へ口頭での確認もしつこく行ったが、管理会社が虚偽を答えた。
 ②売主も『ある不具合』を認識していなかった。
 ③『ある不具合』は即座・明瞭に判明する種類の不具合ではなかった。
 
ここまで来ると、もう現地を検査する以外に見破る術はありません。
 
このマンションとこの管理会社についてはこの問題以外にも、
色々と手を焼かされて大変苦労しましたが、無事に成約して数年が経ちますがトラブルにもなっていません。
後日、管理会社にはオトシマエを取って貰うべく、行政官庁に報告をしてお灸を据えてもらいました。
ただ、故意ではない事という主張が認められてしまい、また、我々不動産仲介業者は当事者ではないという理由から行政処分には至りませんでした。
このように、マンションの管理業というものは行政的な縛りが非常に緩く、大手業者もいい加減な事をやって開き直っている、非常に危険な業界です。

元記事を書いた2015年3月の翌月4月には、大手管理会社『北海道ベニ-エステート』の社員による1.8億円もの着服が発覚しましたが、これは氷山の一角にすぎません。
(ちなみに同社は2年後の2017年4月に『三菱地所コミュニティ株式会社』に合併されています。)

実質的な法規制がない『重要事項に係る調査報告書』については、かなりいい加減な処理がされており、仮に誤りがあったとしても管理会社は開き直り、責任を負わない事が大半です。

消費者としては、これを回避することは、非常に困難です。
宅地建物取引士はこのような実情を強く認識した上で、消費者保護のために、
きちんとした裏付け調査を行ってゆく必要がありますが、
今回取り上げた事例のように宅建士が努力をしてもどうにもならない部分が多すぎますから、まず第一に、国による法規制が最も重要であると考えます。

当記事は2015年3月30日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻②


さて、前回に続き『重要事項に係る調査報告書』の誤記載に騙されてしまったお話。

まず一例目は、購入したマンションの修繕積立金が、購入後数ヶ月と経たずに値上げされてしまった、というケース。

しかも、その値上げの案内には『平成○○年の理事会で決議の通り値上げします』と、購入前から値上げが確定していたことが記載されています。
 
買主様は以前から値上げが決まっていたのにそれを知らずに買ってしまった訳で、これが調査不足によるものであれば、宅建業法に定める重要事項調査義務に違反します。
 
それでは、経緯を追ってゆきましょう。
 
このマンションは宅建業者が以前の居住者から買い取り、転売していたものです。
 
修繕積立金は、だいたい5年刻みで上昇してゆくため、
 お客様と一緒に内覧をした際、売主業者に『修繕積立金の値上げ予定はありますか?』と確認しました。
 売主業者の社員は『私は担当者ではないのでわからないが、手元の資料には値上げの予定は書かれていない』との回答。
 
買主様が物件を気に入ったので、買付申込書を売主業者へ送付しました。
 
売主業者の担当者と話し、値上げの予定がない旨の記載がある重要事項説明書を送ってもらいました。
 また、売主業者が管理会社から取得していた重要事項に係る調査報告書』も併せて受け取りました。
 
管理会社に電話し、『重要事項に係る調査報告書』を作成した管理業務主任者に、
 『修繕積立金や管理費の値上げ予定はありませんか?』と確認したところ、
 先方からは『将来どうなるかは分かりませんが、現在確定している値上げ予定はありませんと回答。
 
⑥取引条件の折衝、重要事項説明書のチェックが済んだので、契約を結ぶ事としました。
 後日、無事売買代金の全額を支払い、マンションは買主様の名義へ変更されました。
 
⑦購入後しばらくして、買主さんの元へ冒頭の修繕積立金の値上げ案内が届きました。
 
 
さて、どうしたものでしょう。
私としては、まずは買主様から値上げの案内を頂いた上で、事実関係を確認する事にします。
売主業者にも調査義務と告知義務がありますが、売主業者は管理会社へ問合せをした結果、重要事項説明書に『値上げの予定はありません』と記載したはずです。
私も管理会社の管理業務主任者からそのように聞いていましたから、まずは管理会社へ連絡をすることにしました。
 
『マンションについて売買前(⑤)に問い合わせた者ですが、
  値上げの予定について確認させて頂いたのを覚えていらっしゃいますか?』
 先方は、覚えているとの事。向こうの声の調子は変わりません。
 『将来はどうなるか分からないが、あの時点で確定した値上げ予定はないとお聞きしましたが、間違いありませんか?』
 間違いないという。向こうの声の調子は変わりません。
 『買主様のところに値上げをするという案内が来ているのですが。しかも平成○○年の段階で決議されている事だとか』
 少しの沈黙の後、管理業務主任者はこのようにまくしたてます。
 『あっ!…あーあー、はい。うちが管理を受託する前に決まっていた値上げですね。
  受託する時に聞いてなくて、今回急に理事会から値上げするという連絡を受けて驚いているんですよ。
  うちが管理を受託する前の事ですし、うちは知らなかったことなので、非はありませんよ。』
 …それならそうと、なんで最初の段階でしらばっくれたんでしょ。
 
 
・・・こういうケース、非常に困ります。
売主業者も『値上げの予定はない』と重説に書いてきているし、
管理会社も『値上げの予定はない』と言ってきている以上、
私としてその情報の裏付けを取るためには、
住民を捕まえて『値上げの予定がありますか?』と聞くしかない訳ですが、
あいにくそのマンションはオートロック式で、それをするには玄関で待っているしかありません。
当然それはかなり迷惑な行為ですし、下手をすれば買主様に迷惑をお掛けする事になりかねません。
 
マンションの管理組合が管理会社に窓口を任せている以上、理事長などに直接コンタクトを取るのも、本来禁じ手なのです。
 
今回のトラブルの原因は大きく以下の3点。
 ①管理会社が管理を受託する際、それまでに決まっていたことをきちんと確認していなかった。
  また、値上げの予定やスケジュールについては、担当者として常に確認・協議しておくべき内容。
 ②売主がずっとそこに住んでいた人ではなく、不動産業者の転売だった。
 ③オートロック式のマンションで、他の住民と直接コミュニケーションを取る事が困難だった。
 
せめて売主がずっとそこに住んでいた方であれば、売主から値上げの情報が入って来たかもしれません。
とはいえ、売主業者に対して『管理会社だけでなく元々の所有者に対し調査をするべきだろう』と言うのも、ちょっと酷な話です。
 
今回のケースでは管理組合にも多少の非があるのかもしれませんが
基本的に問題の大部分は管理会社のいい加減な情報管理によるものです

しかもこれ、札幌では最大手クラスの管理会社のミスですからね。

管理会社として、修繕積立金の計画については受託時に確認する義務がありますし、直近数ヶ月において値上げの予定があるものをミスしていたというのは、もう話になりません。
 
当方として責任を追及しましたが、『重要事項調査報告書の作成は管理組合からの管理委託契約に含まれていない内容だから、誤った記載をしても責任は負わない』などと開き直られてしまいました。

 ⑧の段階で非を認めて平謝りするならともかく、『ウチには責任はない』などと開き直るのが、大手管理会社のやる事なのです。

この件については、監督官庁である国土交通省も含めて徹底的に責任を追及したかったのですが、買主様とご相談の結果、事情が許さずに最終的には泣き寝入りとなってしまいました。

当方からは買主様にわずかばかりのお詫びを致しましたが、十分な対応であったとは言えず、未だに後悔しています。

 

当記事は2015年3月29日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

プロを気取った小僧、マンション管理会社にまんまと騙されるの巻①


ワタクシ、まんまと騙されてしまいました。
具体的にどのように騙されたのかと言えば、分譲マンションの管理会社が発行する『重要事項に係る調査報告書』の内容の誤りを見抜けなかったのです。

『重要事項に係る調査報告書』とは?
『重要事項に係る調査報告書』については過去にこんな記事を書きました。
 ◇中古マンション売買における『重要事項に係る調査報告書』とその実務上の問題点

具体的にどんなものかという事を過去の記事から抜粋しましょう。

 平成13年公布の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に基づき、分譲マンションの管理会社は国土交通省への登録が必要となりました。
 また、利害関係者からマンションに関する重要な事項について照会を受けた時は、『重要事項に係る調査報告書』を発行することとなっています。

 『重要な事項』は具体的にはこのような項目になります。
 ・管理費・修繕積立金の金額と全戸分の積立総額、その住戸の滞納額
 ・バルコニーやトランクルームの専用使用権の内容
 ・駐車場等の使用権の内容、承継の可否
 ・耐震診断調査、アスベスト使用調査の記録の有無

 宅建主任者が作成し説明する『重要事項説明書』とは別のものですが、
 作成するためには『調査報告書』は必ず参照するべきもの
で、
 中古マンションの取引に於いて両者は不可分の存在ということが出来ます。
 (宅建業法第35条第1項第6号及び宅建業法施行規則第16条の2)

分譲マンションの管理を行なう為には国土交通省の免許を受ける必要があり、
免許を受ける為には国家資格『管理業務主任者』を置かなければなりません。

『重要事項に係る調査報告書』についても、管理業務主任者が作成する事が多いようですが、不動産取引における『重要事項説明書』と同様に『重要事項に係る調査報告書』ヒジョーに内容がいい加減な事が多い書類です。

一般的にA4~A3用紙一枚で済む非常に簡素な様式なのに、
誤記載がない調査報告書って実は少数派なのでは?という気がするくらいです。
あくまで私の経験上の印象ですが、問題がないケースは40%程度という気がします。

ですから、『重要事項に係る調査報告書』を資料にして、
『重要事項説明書』を作成する宅地建物取引士にとっては、
どのようにして誤記載やミス、ウソを見抜くか、という事が一つの腕の見せ所になります。

過去の記事では、誤記載を見抜く為には、このような事が必要と書いています。
  ◇費用がかかっても調査報告書は最低でも2度取得する
  ◇書面を受け取っただけで終わらず、管理会社の担当者に内容を確認する
  ◇調査報告書の内容について入居者や管理人などから裏付けを取る

当然、プロを自認する私としては、上記のような確認を必ず心がけています。
しかし今回、誠に遺憾ながら、マンション管理会社に2度も騙されてしまったのです。
(それぞれ別のマンションで1度ずつ騙されてしまいました。)

具体的にどのように騙されたのか、お恥ずかしい限りですが、
次回以降、それぞれのケースを紹介してゆきましょう。

当記事は2015年3月28日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

中古マンション売買における『重要事項に係る調査報告書』とその実務上の問題点


最近、立て続けに中古マンション関係の仕事を頂いており、
先日も中古マンションの取引が2日連続でありました。

そんな事もあり、今日は中古マンション流通上の大きな問題点
『重要事項に係る調査報告書』について紹介したいと思います。

Ⅰ.『重要事項に係る調査報告書』とは?
 平成13年公布の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に基づき、
 分譲マンションの管理会社は国土交通省への登録が必要となりました。
 また、利害関係者からマンションに関する重要な事項について照会を受けた時は、
 『重要事項に係る調査報告書』を発行することとなっています。
 また、併せて『管理規約』『分譲時のパンフレット』なども発行してくれます。

 『重要な事項』は具体的にはこのような項目になります。
 ・管理費・修繕積立金の金額と全戸分の積立総額、その住戸の滞納額
 ・バルコニーやトランクルームの専用使用権の内容
 ・駐車場等の使用権の内容、承継の可否
 ・耐震診断調査、アスベスト使用調査の記録の有無

 宅建主任者が作成し説明する『重要事項説明書』とは別のものですが、
 作成するためには『調査報告書』は必ず参照するべきもので、
 中古マンションの取引に於いて両者は不可分の存在ということが出来ます。
 (宅建業法第35条第1項第6号及び宅建業法施行規則第16条の2)

Ⅱ.管理会社の問題点
(1)発行費用が高額である
 宅建業者が不動産調査にかける費用で高額なものの2大巨頭です。 
 もう一つは登記関係の書類(全部事項証明書、図面証明書)です。

 具体的に、ライオンズマンションを管理する大京アステージの料金体系を見てみましょう。
 (平成26年8月現在)
  ・重要事項調査報告書の発行→2,160円
  ・重要事項調査報告書発行→4,320円
  ・その他関係資料(写)の提供→重要事項調査報告書とセット
 …とまぁ、だいたい税別5000~7000円くらいかかるのが標準的です。
 高額な管理会社では資料一式で一万円以上かかる事があります。
 たまーに、無料で発行してくれる稀有な管理会社もあるのですが…

 高額と言っても数千~数万円ぽっちの話なのですが、
 詳細は後述しますが、この数千円の出費を惜しむ宅建業者が大変多いのです。

 そもそも、我々宅建業者にしても、お客様から仲介手数料を頂く訳で、
 それを重要事項説明書や売買契約書の作成費用と考えた場合には、
 20~30ページの書類で何十万、何百万と頂いている訳です。
 (書類の作成だけではなく、物件調査、条件交渉、段取りなども重要な業務ですが。)

 きちんとした調査に基づく書面であれば、決して高額とは言えないと思います。

(2)内容がいい加減である場合が多い
 前段できちんとした調査に基づく書面であれば、決して高額とも言えないと書きましたが、
 つまりはきちんとした調査に基づく書面ではない場合が多いのです。

 例えば近隣とのトラブルや事件事故の履歴については、
 買主さんとしては一番気になる部分なのではないでしょうか?

 このような事を管理会社に照会した場合、きちんと対応してくれる会社も多いのですが、
 『個人情報保護の観点から回答は差し控えさせていただきます』などと、
 訳の分からない逃げ口上を記載してくるろくでもない管理会社も多くいます。
 そのような場合には、高圧的に出るのではなく、穏便に答えを出させる方法があります。
 そういった手法を持っている、しっかりとした宅建業者に依頼するのがよいでしょう。

 また、管理会社の雛形にない項目については、別料金を取られることがあります。
 『事件事故の履歴』『近隣トラブル』『暴力団の入居』などは、通常雛形にない項目です。

 雛形にない項目の確認については、こちらの確認をスルーする管理会社さえいます。
 特にマンション管理を主業務としていない管理会社などは、ひどいものです。
 
 このほかにも、駐車場契約の内容が異なっていたり、
 トランクルームがないのに書面では『ある』とされていたり、

 こんなもんに何千円も払ってるのか?と言いたくなる事が多々あります。

Ⅲ.宅建業者の問題点
◇取引直前に1度しか取得しない業者が多い
 宅建業者の仲介業務は通常、3ヶ月以上の契約を結ぶ事は出来ません。
 法律上期間の制限がないとされる『一般媒介』についても、
 実務上の指針では3ヶ月以内の契約期間とすべきとされています。

 いざ数十万円の手数料が入ると決まれば数千円の発行費用など屁でもないのですが、
 3か月後に契約が更新されなかった場合には調査費用は業者の持ち出しです。

 ですから、物件を紹介する為に色々な宅建業者に連絡をしますが、
 私:『登記関係の書類と、重要事項に係る調査報告書を送って頂けますか』
 相手:『いえ、まだ取得していなくて…』
 というパターンが大半で、取引直前まで取得しない業者が殆どのようです。

 最初に1度取得して、取引直前には取得しない業者もいるのですが、
 これは直前の滞納状況などが把握出来ないので、なお悪いですね。

 確かな調査を行う為には、販売開始時と取引直前の最低2回は取得すべきでしょう。

 ある会社で出会ったベテランの不動産営業マンは、
 『わざわざ報告書取らなくても担当者に確認すればいいでしょ』と言っていましたが、
 有料の書面でも間違うのに、口頭で聞いた無料の内容が信用できるとは、到底思えません。

Ⅳ.改善案
 宅建業者の私が言うのも欺瞞のようですが、
 現状を制度的に解決しようとすると管理会社に対しての法令制限が必要でしょう。
  ◇記載するべき事項を国土交通省が細かく指定する
  ◇初回の発行から1年以内の再発行については料金を徴収しない
  ◇追加の確認事項について、別料金徴収の禁止
  ◇書面のみではなく面談での説明を義務付けする
 …うーん、これを実現すると、発行手数料がもっと上がるかもしれません。
 ただ、2度の発行や追加事項の調査についてケチる宅建業者は減るでしょう。
 まぁ、私以外からこのような声が上がっていない事からも、実現はしないでしょう。

 現状のまま状況を解決しようとすると、宅建業者の努力と負担が必要です。
  ◇費用がかかっても調査報告書は最低でも2度取得する
  ◇書面を受け取っただけで終わらず、管理会社の担当者に内容を確認する
  ◇調査報告書の内容について入居者や管理人などから裏付けを取る

 …結構、負担になる事なのですが、仲介手数料を頂いて調査をするのですから、
 費用や時間がかかっても、きちんと調査をするのが物の道理でしょう。

 テキトーな調査でもきちんとした調査でも仲介料が変わらないのであれば、
 きちんとした調査を行う宅建業者が駆逐されてしまいます。

 これは、そもそもが仲介料の上限が法令で定められているのがオカシイという話でもあるのです。

V.消費者に出来る事
 『重要事項に係る調査報告書を見せて頂けますか?』と聞いてみましょう。
 売却を依頼する場合でも、購入を依頼する場合でも、同様です。

 売主側の業者であれば最初の段階から取得していれば、
 きちんとした調査を行っている業者であるという事が出来るでしょう。

 買主側に付く場合には色々な物件を紹介する訳ですから、
 紹介する物件すべてについて報告書を取得する訳にはいきません。
 それでも、購入する物件が確定して、買付申込書やローンの手続きが進んで、
 契約より前の段階で見せてもらえなければ、
 『ちょっとその業者信用できないんじゃーないの?』という事になります。

長々と書いてしまいましたが、実務上の現状の問題提起と改善案、
宅建業者や消費者がそれぞれに出来る事をまとめていますので、一度じっくり読んでみて下さいな。

当記事は2014年8月12日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

REINSに掲載されていない物件があるってホント?


さて、前回『REINS(レインズ)って何なの?』では、
REINSがある事で売主・買主ともに開かれた市場での取引が出来る、と説明しました。

それでは、すべての中古マンションがREINSに登録されているかと言えば、そうではありません。
REINSに登録されていない物件というのもあります。
この仕事をしているとお客様からこんな依頼を受けることがあります。
『他社さんのHPに掲載されてる物件、仲介してもらえませんか?』
そう言われて調べてみると、確かに他社のHPに掲載されているのにREINSへの登録がない。

そんな物件はこのような事情から登録がされていないのです。
 ① 業者が売主で、登録の義務がない物件
 ② 一般媒介契約なので、登録の義務がない物件
 ③ 登録義務はあるけど、約1週間の登録期限まで登録しない物件
 ④ 登録期限を過ぎているけれど、違反して登録をしていない物件
 ⑤ そもそも存在しない物件=『おとり物件』

①~③は合法ですが、④と⑤は違法行為です。
(まぁ、正直③は売主さんへの背信行為で極めてセコい行為だと思っていますが。)

REINSへの登録というのは、売主がその業者だけに売却を任せる事と引き換えに、
他の業者からも広く買主を募集する義務を業者が負う
という側面がありますから、
業者が売主である①や、他の業者にも依頼出来る一般媒介の②は、義務とはなりません。
(義務ではありませんが、任意でREINSへ登録することはよくあります。)

③は、前述した約1週間の期限までに自社で買主を見つけて、
売主からも買主からも手数料を受ける『両手』とするための手法です。
一応違法行為ではありませんから、大手業者でも横行している手口です。

④は、これも『両手』を目的に、REINSへの登録をしていない場合ですが、こちらは違法です。
売主から『REINSに登録しないで欲しい』と言われた場合には、一般媒介を結ばなければなりません。
というか、一般の方はREINSを閲覧出来ませんから、
売主さんは登録してもらっていないことを知らないことの方が多いでしょう。

⑤は非常に悪質で、存在しない売り物件を広告してしまう、というパターン。
これを不動産業界の俗語で『おとり物件』と言います。
(まったく実態がないケースから、既に成約しているものを延々と掲載しているケースなど様々です。)
SUUMOやathomeなどの一般向けサイトを見ていると非常に好条件な物件なのに、
物件の外観写真や間取りしか掲載されておらず、内装の写真がない事が多いです。
酷いケースでは間取の画像すら掲載されていない事もあります。
いや、もっと酷いのは内装の写真もあるのにおとり物件、というケースでしょうか。

土地や一戸建てであれば、一目瞭然ですからおとり物件もやりづらいのですが、
マンションであれば号室さえ伏せておけば、
インターネットなどを経由して間取図や面積、管理費などを調べる事が出来ますから、
本当に売りに出ているか否かを第三者が判断するのは難しいものなのです。

何故こんな事をするのかと言えば、購入見込み客を捕まえるため、という目的があります。
客:『HPに掲載されている○○マンションのお部屋なんですけど…』
業者:『あ~、つい先日契約してしまったんですよー。
    今、マンションは非常に人気があって、すぐに売れて行ってしまうんです。』
客:『そうなんですかー』
業者:『お客様のご希望条件を聞かせて頂ければ、次から優先的にお知らせしますよ』

なーんて話になるんだそうです。
正直、そんな風にして購入希望者を集めても上手く行く気がしないのですが、
事実として、『あからさまにおとり物件だな』という物件に出会う事はちょくちょくありますから、
集客の手法として、もしかしたら有用なのかもしれません。(やろうとは思いませんが)

以上、REINSに掲載されない物件の5種類を紹介しました。
合法なケースにせよ、違法なケースにせよ、あえてREINSに掲載しないという事は、
買主側に業者が付いてほしくない、という意思の表れでもあります。

そのような物件をあえて購入しようという時は、買主側の業者を立てられなくとも、
契約条件や物件の内容など、ある程度身構えて取引に臨んだ方がよいでしょう。

当記事は2015年7月11日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

REINS(レインズ)って何なの?


REINS(レインズ)とは、一般に牛角の運営会社 レインズインターナショナルを指しますが 不動産業界では『不動産流通機構』を指します。

不動産業者は『専属専任媒介契約』を結んだ場合には5日以内に、
『専任媒介契約』を結んだ場合には7日以内に、 媒介を受託した物件をREINSに掲載しなければならない事になっています。

REINSに登録された物件は、その業者以外の不動産業者も、
情報を閲覧した上で、自分の顧客に対して紹介(客付け)をする事が出来ます。

これにより広く買い手を募ることが出来るようになり、
売主にとっても、買主にとっても、適正な市場が形成されてゆく事が目的としています。

札幌は『公益財団法人 東日本不動産流通機構』=東日本REINSが管轄しています。

不動産業者は皆REINSに参加していますから、
『こんな不動産が欲しい』とお客様から言われた時は、まずREINSを検索する事になります。

ですから、不動産の購入希望者が色々な不動産業者に情報を依頼しても、どの業者もREINSを見て物件情報を紹介してきて、同じ物件を重複して紹介されてしまう、という事が往々にしてあります。

『どの業者も同じ物件ばかりで、役に立たない!』なんて言う方もいるようですが、この辺の事情をまず説明しておかない業者にも責任があるでしょう。

このような仕組みがある事からこそ、開かれた不動産市場が成立する訳で、『なんて素晴らしいシステムなんだ!』…と言いたいところなのですが、そうして手放しで称賛出来ない事情というものもあって、『両手』を目論む業者が受託した物件をREINSに登録しなかったり、例え登録していても他業者を排除する『囲い込み』というような手口に対して、有効な規制が敷かれておらず野放し状態になっている、という事情もあります。

登録しているのに他業者を排除する、というのは具体的にどうするかと言いますと、REINSに掲載されている物件は、基本的に他社からのお客さんを断ってはならないのですが、『現在商談中です』などという方便で、実際には商談が入っていないのに他業者を断り、何としても『両手』での成約を目指す、というあまりにもセコい手口が常用されているようです。
(『両手』については『仲介手数料の『両手』『片手』『わかれ』ってなに?』で紹介しています。)

買主は『秘密の物件情報』を求めがちですからそれで構わないのかもしれませんが、
売主にとって、無断での囲い込みはまさに百害あって一利なしです。

開かれた不動産市場による売主・買主それぞれにとって最良の取引のためにも、
REINSには今後厳格な機構運営が望まれます。

当記事は2015年7月10日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

高値で売るなら『媒介』、短期で売るなら『買取』


中古マンションを売却するにあたって、依頼する業者はどうやって選べばいいのでしょうか?

さて、マンションを売却する時、売主が望むことは何でしょうか?
通常、『短期』かつ『高額』で売却をしたい、というのが一番ではないかと思います。
また、トラブルなんて事は絶対に起こって欲しくないというのも、誰でも同じでしょう。

さて、『中古マンション売買における不動産業者の立場』で説明した通り、
中古マンションを売却する場合、大きく分けて、2種類の方法があります。
 ① 媒介…業者に仲介(媒介)を依頼して、売却する。
 ② 業者買取…業者自身に買主となってもらい、売却する。

まぁ、合わせ技として業者に仲介してもらって業者に売る、というのもありますが、これは②に分類させて頂きます。

さて、①と②では、どちらが『短期』かつ『高額』で売却出来るでしょうか。
まず、『短期』で話は片付くのは、圧倒的に②の業者買取になります。
ある程度、資金力のある不動産業者であれば、たったの数日で現金買取をしてくれます。
最初の窓口となった会社から、そういった資金力のある会社を紹介してもらう事も出来ます。

ただし、『高額』となると、断然媒介が有利です。
マンションを買い取る業者の目的は、転売して利益を得る事です。
マンションを売買すると、登記費用や不動産取得税などの手続き費用がかかります。

例えば2000万円で一般に売買されているマンションは、
一般人の方が売却する場合であっても、不動産業者が売却する場合であっても、
2000万円(市場価格)を大きく上回って流通する、という事はありません。

ですから、2000万円で売れるマンションを業者が仕入れる場合には、
手続き費用や業者の利益を差し引いた金額でしか、買い取れないのです。
こう書くと、『市場価格の何割が買い取り価格として適正ですか?』と聞かれるのですが、
それは買取業者や対象となる不動産の性質によって大きく異なりますから、一概には言えません。
どちらにせよ、業者買取の金額が媒介の場合の金額を上回る、ということは変わりはありません。

さて、ここまで紹介したように媒介と業者買取にはそれぞれ一長一短がある訳ですが、
『短期』『高額』を両立させるにはどうすればよいのでしょうか?

これはごくごく単純な話でなのですが、
『媒介で出来る限り短期で成約する業者を探す』
『出来るだけ高額で買い取ってくれる業者を探す』という事です。

それでは、そんな業者を、具体的にどのように探してゆけばよいのか?
個別に記事を設けてゆきますが、まずは大前提としてこの記事の内容を覚えておいて下さい。

当記事は2015年7月9日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

仲介契約の『専属専任』・『専任』・『一般』の違いってなんなの?

一般的に、マンションを売却するにあたっては、
不動産業者に仲介を依頼する事が必要になります。
(この他に業者が直接買い取るという形式もあります。)

仲介を依頼する契約を『媒介契約』と言い、媒介契約には3種類の形態があります。
それぞれの内容を国土交通省の標準約款を引用しつつ紹介しましょう。

 ◇専属専任媒介契約
  依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、
  当社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができません。
  依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができません。

  受託する不動産業者は目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構に登録します。

 ◇専任媒介契約
  依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、
  当社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができません。
  依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができます。

  受託する不動産業者目的物件を国土交通大臣が指定した指定流通機構に登録します。

 ◇一般媒介契約
  依頼者は、目的物件の売買又は交換の媒介又は代理を、
  当社以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼することができます。
  依頼者は、自ら発見した相手方と売買又は交換の契約を締結することができます。

それぞれの契約の違いは下記の3点です。
 ① 依頼者が複数の業者に仲介を依頼できるか否か
 ② 依頼者が自分で見つけた相手先と契約できるか否か
 ③ 業者が指定流通機構(REINS)に登録する義務があるか否か

特に、『専属専任』は、依頼者はその業者が連れて来た相手としか契約出来ず、
業者はマンションを契約後一定期間内に指定流通機構(REINS)へ登録した上で、
他の業者からもマンションの買主を募集しなければならない義務がある、
業者・依頼者の双方に対する制限が強い契約である、と言えます。

また、『専属専任』と『専任』については、依頼者に制限を加える内容であるため、
法律上3ヶ月を超える期間の契約を結ぶことは出来ず、
3ヶ月を超えた場合には都度再契約する必要があります。
『一般』についても、業界団体としては、3ヶ月以内の期間とするよう指導されています。

『一般媒介』以外の方法では、他の不動産業者に並行して依頼する事が出来ない反面、
『一般媒介』では指定流通機構(REINS)への登録が義務付けられていないなど、
業者にとっては制限が薄い取り決めとなっています。

その業者をガッツリ信頼して依頼するなら『専属専任媒介』、
色々な業者に声をかけて、上手くコントロールしてゆきたいなら『一般媒介』
・・・と、言ったところでしょうか。

私は、信頼できる業者を見つけて『専属専任媒介』とするのが一番よいと思うのですが、
その理由の詳細についてはまた別の記事で説明することにします。



当記事は2015年7月8日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

仲介手数料の『両手』『片手』『わかれ』ってなに?


中古マンションの取引で不動産業者が仲介の立場となった場合の、
仲介手数料…正式には媒介手数料の取り扱いを紹介します。
(仲介のことを宅地建物業法上で正式には『媒介』と言います。)

売主と買主は、それぞれに仲介業者を立てる事が出来ます。
売主側の業者と買主側の業者は、同一でも構いませんし、別々でも構いません。

売主と買主の双方が同一の業者に仲介を任せる場合には、
業者はその双方から法定上限額までの手数料を受け取る事が許されています。
これを不動産業界の俗語で『両手』(りょうて)と言い、
業者にとっては売主と買主の双方から手数料を受ける事で、売上が2倍になります。
これについては色々な争点もはらんでいるのですが、それはまた別の機会に。

売主と買主がそれぞれ別の業者に仲介を依頼する場合は『わかれ』と言い、
業者は自分の依頼者である一方から手数料を受け、これを俗に『片手』(かたて)と言います。

不動産業者としては、売上が2倍の『両手』だととても嬉しい訳ですが、
『両手』にこだわり過ぎると、売主にも買主にも迷惑をかける事になりかねません。

当記事は2015年7月7日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。

中古マンション売買における不動産業者の立場


・・・というタイトルで、以前は独立したブログを運営し、
札幌の中古マンション流通事情を紹介していたのですが、
多忙につきサイト管理が困難になり、統合する事としました。
他のコンテンツと同様に、記事の再録を進めてゆきます。

さて、最初の記事は売主側と買主側の双方に共通する事項を紹介してゆきます。

何を紹介するかと言えば『中古マンション売買における不動産業者の立場』についてです。
中古マンションを取り扱う時、不動産業者はどのような立場で行ない、
どのような責任を負うのか、という事です。

中古マンションの取引で登場する不動産業者の立場は大きく分けて下記の3つがあります。
 ① 売主
 ② 買主
 ③ 仲介

①の売主とは、不動産業者が一般の方から買い取ったり、
競売で落札した物件を、一般顧客に向けて転売する立場です。
不動産業者が売主となる場合、消費者保護の為に、法律によって取引条件に厳しい制限が課されます。
一般人同士の取引よりも物件の保証内容が厳しかったり、手付金の扱いに制限が加えられます。(詳細は別途解説)

一方で、いくらで仕入れていくらで売るかは業者の自由であり、法的な制限はありません。
③の仲介では業者の利益が法律で制限されていますから、ざっくりと言ってしまえば、
業者にとっては『売主』になる事はハイリスク・ハイリターンな商売、と言えます。

②の買主とは、文字通り一般の方や不動産業者から、購入する立場です。
業者がマンションの買主となった場合、通常は①のように転売をして利益を得る事が目的です。
例外的に、そのマンションを賃貸して利益を得る、という場合もありますが、
前述の通り、不動産転売は大きな利益を生む取引形態ですから、あくまでも例外的な取扱いとなります。
こちらの形態では法律的な制限は課せられていないものの、
業者が買主となった時は、売主に対して、不具合などのクレームがほぼ認められません。

つまり、難がある物件であっても、プロである業者が購入した以上、
それは業者の自己責任であって、プロではない売主に責任は追及出来ない
のです。
一般の方にとっては、中古マンションの売却相手が業者であれば、
後々の面倒がないというのが業者が買主となる場合の大きなメリットです。

③の仲介、というのが現在のところもっともポピュラーな業者の立場です。
売主と買主の間に立ち、双方の調整を行なって取引をスムースに進める役割です。

契約書の作成や、取引対象となるマンションについて調査を行なうのが主業務です。
契約の当事者ではありませんから、業者は取引自体についての責任は原則負いません。

ただし、物件に関する調査内容や書面、契約内容が誤っていた場合には、
『調査義務違反』として、業者の責任を問われることになります。
その場合であっても業者が売主である場合よりは、若干責任が軽いと言えます。

また、一方で業者の利益…いわゆる『仲介手数料』については、法律で制限されています。
この制限を上回る仲介手数料を得た場合には超過報酬と言い、行政処分を受けますから、
業者の裁量で利益を決定出来る売主の立場より、仲介の立場の方が、儲かりません。

このような事情から、仲介という立場は不動産業者にとって、
相対的にはローリスク・ローリターンであると言えるでしょう。
仲介というのはあくまで間に立つだけであって、取引の当事者となる訳ではありません。
だからこそ買取の場合と比べて安価な手数料で業務を遂行してゆく、という側面もあります。

私は通常、中古マンションの売却の相談を受けた場合には、
最終的な手取りが多くなる『仲介』の方式をお薦めしていますが、
業者がしっかりとした知識と責任感を持って仕事をしない場合には、
買取の場合と比較して、売主としての責任を問われるリスクが高くなってしまいます。

不動産業者が仲介として取引に関与するからといって、
すべての責任を負ってくれる訳ではない
という事は肝に銘じておくようにしましょう。

また、だからこそ仲介はきちんとした業者に依頼しなければリスクが高い、という事なのです。

当記事は2015年7月6日の記事を最新の状況を反映し改稿したものです。